従業員の高齢化や人材不足が課題となっている物流業界では、最適なアドバイスを提案できる物流コンサルタントの手助けは必要不可欠です。
物流コンサルタントは物流・ロジスティクスを専門とした支援サービスを提供しており、豊富な知見や経験をもとに課題解決を行っていきます。
これまで物流コンサルティング会社で実務経験を重ねた方のなかには「独立して自分の力で活動したい」という悩みもあるでしょう。
当記事では、物流コンサルタントのフリーランスになる方法や具体的な業務内容、案件獲得のコツまで詳しく解説します。
物流コンサルタントはフリーランスになるまでのノウハウを理解できるため、ぜひ参考にご覧ください。
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物流コンサルタントのフリーランスとは?
一般的に物流コンサルタントは、コンサルティング会社に在籍しながらクライアント企業の課題解決に向けた支援サービスを提供します。
物流コンサルタントのフリーランスは個人事業主であるため、企業に属さず個人で案件を獲得しながら進めていきます。
フリーランスはクライアント企業とプロジェクトごとに個人で業務委託契約を結び、希望条件を交渉しながら進める流れです。
企業では独自の文化や業務の進め方がありますが、フリーランスは自由な働き方を決められるので柔軟な対応ができます。
企業の物流戦略を見直し、業務効率化や人材確保、顧客満足度の向上などを実現することが主な仕事となります。
物流コンサルタントのフリーランスが必要とされる理由
国内のビジネス環境は、海外に比べて社内リソースを活用した進め方が多い傾向にあります。
しかし、専門的な業務を進めるには専門的な知識や技術が必要になるので、自社対応できる人材がいなければ育成のためにコストがかかります。
とくに物流コンサルティングの業務には豊富な知識が必要になるため、人材育成が難しいです。
外部のコンサルタントに依頼すれば、社内リソースを使わずに効率良く業務を進められるようになります。
コンサルティング会社は国内に多数ありますが、企業規模や予算によっては低料金で柔軟に対応できるフリーランスの需要が高くなります。
今後は外部リソースを活用しながら進める企業が増えることから、フリーランスの物流コンサルタントは必要な人材となるでしょう。
物流コンサルタントのフリーランスが行う仕事内容
フリーランスの物流コンサルタントは、主に以下のような仕事を行います。
フリーランスの物流コンサルタントは、基本的に会社員と対応する業務内容は変わりません。
ただし、フリーランスは会社員に比べて、即戦力や専門性、独自のアプローチ、柔軟な併走支援などが期待されます。
それでは仕事内容について、詳しく説明します。
サプライチェーンの見直し・最適化
物流コンサルタントは、サプライチェーンの見直しや最適化などの提案を行います。
例えば物流工程の見直しや輸配送ルート・送手順の最適化といった提案が該当します。
現在では各業界の業務効率化が進んでおり、サプライチェーンの流れを一括管理するためにSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の手法を取り入れる企業も少なくはありません。
物流会社だけでなく製造会社や販売会社とも連携が取れるため、全体のプロジェクトをスムーズに進められるようになります。
物流会社によってはサプライチェーンに課題を抱えていることもあり、物流コンサルタントは課題発見や改善策の提案などが求められます。
業務プロセスの改善・DX化
物流会社の業務プロセスを改善するために、物流コンサルタントは業務効率化のアドバイスや提案を行います。
近年では各業界のデジタル化が進んでいることもあり、DX化を推進する取り組みが増えています。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、AIやシステムなどのデジタル技術を利用して業務効率化を行う取り組みです。
物流に必要なデータの一括管理や情報共有などができるITツール・システムを導入することで、従業員の負担を軽減しながら生産性を向上できます。
物流コンサルタントが業務効率化に向けた企業のDX化をサポートすれば、幅広い課題解決へとつながります。
そのためITツール・システムの導入支援は、物流コンサルタントの仕事内容の1つです。
輸配送などのコスト削減
物流業界では、輸配送などのコスト削減も課題の1つとなっています。
物流コンサルタントは、トラックの積載効率を上げるサポートや在庫管理システムの導入支援を行うことで輸配送のコスト削減へとつなげます。
また、輸配送手段やルートの最適化を提案すれば、同じくコスト削減につなげることが可能です。
物流コンサルタントは企業独自の文化や習慣を考慮しながら、納得できる改善策を提案する必要があります。
物流コンサルタントがフリーランスになる理由
物流コンサルタントがフリーランスになる理由として、以下のような点が挙げられます。
それでは詳しく解説します。
自由な働き方をするため
フリーランスは働く場所や時間を自由に決められるため、組織のやり方や人間関係などの影響を受けません。
コンサルティングファームの勤務は激務になることが多く、家庭や趣味などプライベートな時間を作ることが難しいです。
フリーランスであれば仕事とプライベートを両立しやすく、1日の稼働時間も自分で決められます。
クライアント企業に希望条件を提示することで、自分の環境に合わせた働き方をしやすくなっています。
そのため組織に縛られず、自由な働き方をしたい物流コンサルタントは、フリーランスの道を考えてみてもよいでしょう
高年収を目指すため
コンサルティングファームの会社員は毎月決められた収入を得られますが、ボーナスを除いて大きな変動はありません。
とくに若手社員は高い年収を得るまで時間がかかるため、生活に困るケースもあります。
フリーランスのコンサルタントは自身で案件を選べるので、高単価案件を獲得できれば会社員よりも高年収を得られるようになります。
コンサルティングの仕事は継続的な契約になることが多く、すぐにプロジェクトが終了になることも少ないです。
毎月複数の案件をこなすことができれば、月額100万円以上を目指すことも十分可能です。
そのため会社員よりも高年収を目指したいなら、フリーランスの物流コンサルタントとして働くことをおすすめします。
クライアントの規模や業種を選べるため
企業がコンサルティングファームに依頼する場合、プロジェクトによっては1,000万円以上の費用が発生することもあります。
フリーランスの物流コンサルティングに依頼すれば企業よりも費用が安いため、資金が少なくても依頼できます。
そのため予算の少ない中小企業にとって、フリーランスの物流コンサルタントは依頼しやすい存在です。
フリーランスはスタートアップや中小企業など特定の規模の支援に特化することで、依頼を獲得しやすいでしょう。
また、特定の業種に特化して専門性を高めることでも、独自の案件を獲得しやすくなります。
フリーランスは自身の得意分野に合わせて、特定の業種や規模に特化できることが魅力です。
物流コンサルタントの年収相場を解説
これからフリーランスの物流コンサルタントとして働こうと考えている方のなかには、どれくらいの年収を見込めるのか知りたいのではないでしょうか?
収入は生活やプライベートにも影響があるため、フリーランスとして働くためには知っておくべき要素です。
こちらでは、物流コンサルタントの正社員とフリーランスの年収相場について解説します。
それぞれの年収相場を比較できるので、ぜひ参考にご覧ください。
物流コンサルタント【正社員】の一般的な年収
大手転職エージェントのリクルートエージェントが掲載している情報※1によると、物流コンサルタントの想定年収は約719万円です。
国税庁が発表した民間給与実態統計調査※2では、一般的な正社員の平均年収は530万円となっています。
こちらの内容からわかる通り、物流コンサルタントの年収はほかの業界・業種に比べて高い傾向にあります。
ただし、勤務するコンサルティングファームやポジションによって、給与は大幅に変わる可能性が高いです。
また、コンサル業界は成果主義であることが多いため、多くの企業から高評価を得ることができれば高い年収を期待できるでしょう。
物流コンサルタント【フリーランス】の年収相場
フリーランスのコンサルティング案件を紹介しているFreeConsultant.jpからSCM/物流/在庫管理の案件をチェックした結果、月ごとの単価は100万円〜150万円程度※が多かったです。
年収で計算すると、1,200万円〜1,600万円程度が想定されます。
前述で紹介した正社員と比べて、高い年収を見込めることがわかる結果です。
コンサルタントのスキルや経験によって幅はありますが、月額100万円以上の案件は多数あります。
複数の案件をこなしながら、対応できる業務内容が増えれば安定した年収を得られるようになるでしょう。
関連記事>>フリーコンサルの年収事情
物流コンサルタントのフリーランス案件例
こちらでは、物流コンサルタントのフリーランス案件例を3つ紹介します。
どのような案件があるのかを理解するためにも、ぜひチェックしてください。
1.医薬/医療機関向けシステム保守運用支援
報酬額 | 作業内容 | 必須スキル | 案件特徴 |
---|---|---|---|
100万円〜/月 | ・システム保守運用業務 | ・システム保守運用の計画立案、運用プロセス標準化等の経験がある人材 ・バリューチェーン/SCMの知見を有する人材 ・製薬企業や医療機器メーカー等に対し、システム導入に関するプロジェクトでの経験がある人材 | ・製薬企業/医療機関向けプラットフォームにおける、システム保守運用担当として参画 |
経験者の参画により、プロジェクト体制強化のためにシステム保守運用業務を対応できる物流コンサルタントを募集した案件です。
システム保守運用を行うために、ITプロジェクト管理やシステム設計・開発・導入などの業務が求められます。
バリューチェーンやSCMに関する知見、製薬企業・医療機器メーカーのシステム導入経験などが必要です。
2.SAPとMESの連結プロジェクトにおけるブリッジ支援
報酬額 | 作業内容 | 必須スキル | 案件特徴 |
---|---|---|---|
120万円〜150万円/月 | ・実稼働に向けた運用のリード ・海外親会社IT部門との打ち合わせ | ・ビジネスレベル以上の高い英語力を有するプロ人材(海外親会社IT部門のネイティブと打合せができる程度) ・MES自体のシステムに対するプログラム開発経験がある人材 ・SAPとの連携案件の経験がある人材 ・C#、ASP.NET、Java等の開発経験がある人材 | ・大手SIerでのプロジェクト案件 |
連結プロジェクトのリードを行いながら、海外担当者とのやり取りにおいてSAP専門用語等をキャッチアップできる人材が必要となったことから募集された案件です。
海外担当者とのやり取りが必要なので、SAP関連の知見だけでなく高度な英語力も求められます。
実稼働に向けた運用のリードや海外親会社IT部門との打ち合わせが主な業務内容です。
英語力に自信があり、MESやC#、ASP.NET、Javaなどのプログラム開発経験、SAPの連携経験がある人材が必要となっています。
3.サプライチェーン系ERP導入支援
報酬額 | 作業内容 | 必須スキル | 案件特徴 |
---|---|---|---|
90万円〜120万円/月 | ・業務ヒアリング ・テストシナリオ作成 ・運用テスト実行 | ・ERPのサプライチェーン関連モジュールの導入経験があるプロ人材 ・販売管理もしくは在庫管理の業務知見を有する人材 ・メンバーとして手を動かす業務をいとわない人材 ・主体的に業務を行なうことができる人材 | ・大手飲料メーカーでのプロジェクト案件 |
大手飲料メーカーの体制強化を図るため、ITプロジェクト管理やシステムの設計・開発・導入ができる人材を募集している案件です。
ERPのサプライチェーン関連モジュールの導入経験や販売管理もしくは在庫管理の業務知見などのスキルが求められます。
業務ヒアリングやテストシナリオ作成、運用テスト実行などが主な業務内容となっています。
ERPやSCMなど、物流システムの知見が豊富な物流コンサルタントに向いている案件です。
物流コンサルタントのフリーランス案件を獲得する方法4つ
フリーランスの物流コンサルタントとして収入を得るには、案件を安定的に獲得する必要があります。
こちらでは、物流コンサルタントのフリーランス案件を獲得する方法として、以下の4点について説明します。
自分に合った案件獲得方法を見つけるためにも、ぜひチェックしてください。
1.フリーランス向け案件紹介エージェントを利用
効率良く高単価案件を獲得したいなら、フリーランス向けエージェントの利用がおすすめです。
エージェントサービスは担当者が在籍しているため、一人ひとりの経験やスキルに合わせて案件を紹介してもらえます。
コンサルタント向けエージェントも展開されているので、簡単に物流コンサルタントの案件と出会えます。
応募書類の添削や面接の日程調整、条件交渉などもサポートしてもらうことができ、利用者の手間を大幅に軽減可能です。
なかには非公開求人を多く取り扱っているエージェントも存在するため、好条件の案件を見つけられます。
そのため充実したサービスやサポートを求めるなら、フリーランス向け案件紹介エージェントを利用しましょう。
2.クラウドソーシングサービスを利用
自分から対応できる案件を探したいなら、クラウドソーシングサービスもあります。
クラウドソーシングサービスは、企業や個人などが様々な案件を発注しているサービスです。
代表的なサービスとして、ランサーズやクラウドワークスなどがあります。
未経験や駆け出しのコンサルタントでも受注しやすいですが、規模が小さく単価も低い案件が多いです。
複数の案件をこなしていくことで、クライアントからの評価が上がり継続的なオファーを獲得できます。
また、プロフィール情報のポートフォリオを作り込めば、多くの企業や個人の興味・関心を引けるようになります。
まずは実績作りとして小規模の案件に挑戦したい方は、クラウドソーシングサービスを利用しましょう。
3.ビジネス系SNSで企業を探す
wantedlyやLinkedinなどのビジネス系SNSを利用すれば、物流コンサルタントを求める企業と出会えます。
ビジネス系SNSは情報収集として利用されることが多いですが、登録している企業アカウントに経験や実績をアピールすれば案件獲得につながります。
ただし、フリーランス向けの案件だけでなく、正社員募集も多い点には注意が必要です。
チャット機能によって企業とコミュニケーションを取れば詳細を把握できます。
営業活動の一環として、物流コンサルタントの案件を獲得するためにもビジネス系SNSを活用しましょう。
4.SNSやブログを運用して集客する
XやFacebookなどのSNSやブログを運用し、集客しながら案件を獲得する方法もあります。
SNSには多くのユーザーがいるため、物流関連の企業に営業をかけることで案件を獲得できます。
また、自身のブログから情報発信することで、悩みを抱える企業から連絡をもらうことも可能です。
エージェントのように手数料を支払わなくて良いですが、実績がなければ受注につながりづらいです。
また、フォロワーを集めるまでに時間的なコストがかかるため、中長期的な運用が必要になります。
ほかの案件獲得方法と併用して進めるなら、SNSやブログを利用すると良いでしょう。
物流コンサルタントのフリーランス案件探しにおすすめなエージェント3選
こちらでは、フリーランスの物流コンサルタント向けの案件紹介エージェントを3社紹介します。
各エージェントの詳細や特徴について説明するので、ぜひ利用を検討してください。
ハイパフォコンサル
- 業界最大級の案件数を取り扱っている
- 翌月15日払いで毎月の報酬を短期間のうちに獲得できる
- 21年目の信頼と実績で安心したサービス
ハイパフォコンサルは、コンサルタントのための総合キャリア支援サービスを提供しているエージェントです。
業界最大級の案件数を取り扱っており、月120万円以上の案件は60%を占めています。
リモート案件も80%以上あるため、会社に足を運ぶことなく業務を進められます。
翌月15日払いとなっているので、毎月の報酬を短期間のうちに獲得できる点は魅力です。
21年目の信頼と実績があり、多くのコンサルタントに利用されています。
コンサルタント特化型のエージェントを求めるなら、ハイパフォコンサルの利用がおすすめです。
ハイパフォコンサルの基本情報 | ||
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運営会社 | INTLOOP株式会社 | |
本社 | 東京都港区赤坂2-9-11 オリックス赤坂2丁目ビル6F | |
公開求人数 | 約8,089件(2024年11月17日現在) | |
非公開求人数 | 非公開(2024年11月17日現在) | |
対応地域 | 全国 | |
公式サイト | https://www.high-performer.jp/ |
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Professionals On Demand(POD)
- IT系や戦略系のハイクラス案件を豊富に取り扱っている
- 非公開求人85%以上を用意
- キャリアとスキルを理解した上で最適な案件を紹介してくれる
Professionals On Demandは、フリーコンサルタント向けの案件・求人を紹介しているエージェントです。
IT系や戦略系のハイクラス案件を豊富に取り扱っているため、物流システム関連の案件が見つかりやすいです。
非公開求人は85%以上を占めており、他社では見つからない好条件の案件と出会えます。
大手ファーム出身者がキャリア面談を行うので、キャリアとスキルを理解した上で最適な案件を紹介してくれます。
大手事業会社から直接依頼された案件が多く、クライアントのニーズを深く理解している点が特徴です。
高収入の案件を効率良く探したいなら、Professionals On Demandの利用がおすすめです。
Professionals On Demandの基本情報 | ||
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運営会社 | ランサーズ株式会社 | |
本社 | 東京都渋谷区渋谷3丁目10-13 TOKYU REIT渋谷Rビル9F | |
公開求人数 | 非公開(2024年11月17日現在) | |
非公開求人数 | 非公開(2024年11月17日現在) | |
対応地域 | 全国 | |
公式サイト | https://pod.jp/ |
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ProConnect(プロコネクト)
- 8%〜15%とマージン(手数料)が低く抑えられている
- 幅広い業種や企業規模を扱う
- 出社とフルリモートの案件がバランス良く用意されている
ProConnectは、フリーランスコンサルタントの案件を取り扱っているエージェントです。
8%〜15%とマージン(手数料)が低く抑えられており、高単価案件が多いので高い年収を期待できます。
幅広い業種や企業規模を扱っているため、物流コンサルタントと関連性の高い業務を行えます。
フリーランス向けの新規案件は毎月300件程度増加しており、常に100件以上の案件が紹介されている点は魅力です。
出社とフルリモートの案件がバランス良く用意されているので、自分の働き方に合わせられます。
豊富な案件数とサービス面の良さを重視するなら、ProConnectの利用がおすすめです。
ProConnectの基本情報 | ||
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運営会社 | 株式会社WorkX | |
本社 | 東京都渋谷区恵比寿1-19-15 ウノサワ東急ビル3F | |
公開求人数 | 約103件(2024年11月17日現在) | |
非公開求人数 | 非公開(2024年11月17日現在) | |
対応地域 | 全国 | |
公式サイト | https://pro-connect.jp/ |
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物流コンサルのフリーランスに必要なスキルと経験
物流コンサルのフリーランスとして活動するには、以下のようなスキルや経験が求められます。
即戦力として案件を獲得するためにも、ぜひチェックしてください。
物流業界での現場経験
クライアント企業に寄り添った提案を行うには、物流業界での現場経験が必要です。
現場経験を理解しておくことで、物流業界ならではの課題や問題点に気づやすくなります。
コンサルファーム勤務からフリーランスになる方も多いですが、物流業界の現場経験がなければ客観的な提案しかできません。
倉庫や配送センターの運搬作業、商品の整理・検品作業など、物流会社には幅広い工程が存在します。
物流業界の現場経験を積んでおけば、ほかの物流コンサルタントよりも効果的な提案ができるようになるでしょう。
複数部門でのマネジメント力
物流コンサルタントは、複数の物流ルートや従業員の工数、リスクなどを管理する能力が求められます。
物流会社は商品の管理や整理、検品、出荷など、各工程によって部門が存在します。
複数部門の適切なマネジメントを行うことで、スムーズに事業を進めることが可能です。
近年ではサプライチェーンを最適化するSCM(サプライチェーンマネジメント)の手法が取り入れられており、物流コンサルタントの方にも知識が必要となっています。
そのため物流会社の幅広い管理を行うためにも、物流コンサルタントの方はマネジメント力を身につけておくと良いでしょう。
プレゼンテーションスキル
物流コンサルタントは、クライアント企業の業務効率化を進めるためにITツール・システムの導入やオペレーションの変更を提案します。
経営陣や各部門の責任者に向けて、具体的な改善策についてプレゼンを行うことも少なくはありません。
クライアント企業の理解や納得を得るためにも、プレゼンテーションスキルを身につけることが大切です。
プレゼンテーションスキルを強化するには、クライアント企業の課題や問題点を整理しながら実施するベネフィット(利益)を提示する練習が必要です。
データ分析スキル
物流業界の課題を解決するには、様々なデータを収集しながら分析・改善を行う必要があります。
改善策を実施後、どのような変化があったのかをデータ分析することで、数値から効果を把握できるようになります。
また、分析結果から有益な情報を抽出できるため、効果的な改善策を導き出すことが可能です。
クライアント企業の納得力を高められる要素にもなるので、物流コンサルタントの方はデータ分析スキルを身につけておくと良いでしょう。
SCM領域とITに関する専門知識
近年物流業界では、サプライチェーンを最適化するためにSCMの手法が取り入れられています。
SCMの手法にはITツール・システムを必要とするため、IT関連の専門知識が必要です。
ITツールの特徴や使い方などを理解しておくことで、クライアント企業にアドバイスできるようになります。
また、SCMの知識としてロジスティクスやセールスマーケティング、マニュファクチャリング、リバースなどの要素を理解しておくことも大切です。
SCM領域の課題解決を求める案件も増えているので、柔軟な対応をするためにも専門的な知識を学習しておくようにしましょう。
コミュニケーションスキル・語学力
物流コンサルタントは、経営陣や各部門の担当者と定期的にやり取りを行うことがあります。
課題解決に向けた物流戦略を提案するため、相手の理解を深めるためにもコミュニケーションスキルが求められます。
また、クライアント企業によっては生産拠点や販売拠点に置く企業もあるので、英語などの語学力も必要です。
英語だけでなく、中国語や韓国語、ロシア語など幅広い語学を習得すれば対応できる範囲も広がります。
グローバルな企業の案件は高単価なものが多いため、高い年収を求める物流コンサルタントはコミュニケーションスキルや語学力を身につけておきましょう。
物流コンサルのフリーランスに必要な資格
物流コンサルタントのフリーランスとして企業にアピールするには、強みとなる資格の取得がおすすめです。
こちらでは、物流コンサルタントのフリーランスに必要な資格を紹介します。
上記のような資格は絶対に必要なわけではありませんが、取得すれば強みとなります。
それぞれ資格の詳細や特徴を説明するので、ぜひ取得を目指してください。
物流技術管理士
物流技術管理士は、物流・ロジスティクス全領域に関する専門知識・マネジメント技術があることを証明する資格です。
物流管理者や物流技術者に必要なスキルを証明できるため、物流コンサルタントの強みとなります。
物流に関する基本的な用語を理解している方や物流技術管理士補の有資格者を対象としており、東京と大阪、名古屋で講座が開催されています。
物流技術管理士資格認定講座では、講座で学んだ内容を活用しながら5,000文字〜6,000文字の論文を作成する流れです。
物流・ロジスティクスのスペシャリストとして、効果的なアドバイスを行いたい方におすすめです。
ロジスティクス経営士
ロジスティクス経営士は、ロジスティクスの役割を経営視点で捉えながら戦略立案・事業・サービスの企画・実行ができることを証明する資格です。
ロジスティクスに関する物事の捉え方や分析方法、問題の発見、課題の整理、対策の立案と検証などを実践的に学べます。
ロジスティクス経営士資格認定講座は8段階で構成されており、各工程でロジスティクスに関するノウハウを学習できます。
ロジスティクス関連の実務経験が5年程度、物流技術管理士もしくは国際物流管理士の資格取得者などが受講対象者です。
ロジスティクスの経営課題を解決するなら、ロジスティクス経営士の資格取得がおすすめです。
APICS認定資格
APICS認定資格は、SCMに関する体系的な知識があることを証明する資格です。
APICSはアメリカの団体「American Production and Inventory Control Society」の認定資格となっており「CPIM(計画・在庫管理)」、「CSCP(サプライチェーン・プロフェッショナル)」、「CLTD(ロジスティクス・輸送・流通)」の3要素で構成されています。
SCMのプロフェッショナルとして世界中で高く評価されているため、国内をはじめ海外の物流会社からも需要があります。
問題文は全て英語となっているので、基礎的な英語スキルが必要です。
海外事業を展開する物流会社のSCM課題を解決するなら、APICS認定資格の取得がおすすめです。
SCM検定
SCM検定は、ロジスティクス領域に関する知識があることを証明する資格です。
日本サプライチェインマネジメント協会が認定する資格となっており、SCMの普及と浸透を目的としています。
1年以上のロジスティクス領域における実務経験、日本SCM協会指定の勉強会などの参加が受験資格となっています。
資格を取得すれば「物流コンシェルジュTM」の称号が授与されるため、物流会社に強みとしてアピールすることが可能です。
物流会社のロジスティクス領域を支援するなら、SCM検定の資格を取得すると良いでしょう。
MBA
MBA(Master of Business Administration)は、経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位です。
日本では「経営学修士」とも呼ばれており、経営戦略やマーケティング、ファイナンス、リーダーシップなど企業経営に必要な知識を体系的に学べます。
物流業界と直接的な関係はありませんが、経営面のサポートができるようになるので対応範囲が広がります。
企業の留学プログラムやオンラインコースを利用すれば、仕事をしながら取得可能です。
物流会社の経営面をサポートするなら、MBAの取得をおすすめします。
語学関連の資格
物流コンサルタントはグローバル企業や海外に拠点を置く日系企業からの依頼もあるため、語学関連の資格があれば強みとなります。
TOEICやケンブリッジ検定など国際的な英語力を証明できる資格があれば、案件に募集する際にアピール可能です。
国内だけでなく、海外の物流会社の支援を行うなら、語学関連の資格を取得しておきましょう。
物流コンサルタントのフリーランスになるメリット3つ
物流コンサルタントのフリーランスになるメリットとして、以下のような3点があります。
それでは順番に解説します。
1.ワークライフバランスの向上
物流コンサルタントのフリーランスはリモート案件も多く、会社員に比べて稼動時間を自由に設定しやすいです。
例えば週3日程度や毎日数時間のみ稼動できる案件を選ぶことで、自分にあったワークスタイルで業務をこなせます。
普段から家事や育児で忙しい方でも稼動時間の調整がしやすく、ワークライフバランスと高年収を両立できるようになります。
そのため自分らしい働き方ができる点は、物流コンサルタントのフリーランスになるメリットといえるでしょう。
2.色々な企業の案件を経験できる
物流コンサルタントのフリーランスは、コンサルティングファームに比べて様々な業種や規模の経験を増やせます。
中小企業やスタートアップ企業の支援を行うこともあり、経営陣や担当者とのやり取りからコミュニケーションスキルやプレゼンスキルなどを身につけられます。
クライアント企業の業種や規模に合わせた対応ができるようになるため、経験の幅を広げることが可能です。
これまで対応したことがない範囲に挑戦することは難しいですが、それだけスキルや視野を広げられるようになります。
物流コンサルタントとしてのキャリア形成において、幅広い企業の案件を経験できる点はメリットの1つです。
3.会社員よりも高収入になる可能性が高い
コンサルティングファームでは毎月決められた給与が支払われますが、フリーランスは自分が働いた分だけ収入を増やせます。
物流コンサルタントのフリーランスは高単価な案件も多く、獲得できれば年収1,000万円以上を目指すことも十分可能です。
物流コンサルタントの月ごとの単価は100万円〜150万円程度が多く見られます。
物流コンサルタントとしてスキルや経験を増やし、対応範囲を広げることができれば会社員よりも高収入を得られるようになるでしょう。
物流コンサルタントのフリーランスになるデメリット3つ
物流コンサルタントのフリーランスになるデメリットには、以下のような3点があります。
良い点だけでなく悪い点も理解しておくためにも、ぜひ参考にご覧ください。
1.個人事業主としてのタスクは増える
フリーランスは個人事業主として仕事を進めるため、クライアント企業の業務だけでなく経理や交渉、スケジュール調整などを全て自分で行う必要があります。
業務だけに専念できるわけではないので、ほかの作業も効率良くこなさなければいけません。
また、対応する案件が増えすぎると、スケジュール調整が難しくなり対応に遅れが発生するケースもあります。
案件に応募する時は、どれくらいのタスク内容なのかをチェックしながら他案件とのバランスを考える必要があります。
経理やスケジュール調整などの工数を減らしたいなら、税理士の依頼やスケジュール管理アプリの導入を検討しましょう。
2.収入が不安定になる可能性
フリーランスは自分から案件を獲得する必要があり、駆け出しの時期は収入が安定しづらいこともあります。
もし毎月案件を獲得できなければ、収入が大幅に減少するリスクもあるでしょう。
物流コンサルタントのフリーランスとして収入を安定させたいなら、企業に勤めている時期から副業として受注経験を積んでから独立することをおすすめします。
また、自分の経験やスキルに合った案件を見つけたいときは、コンサルタント向けエージェントを利用すると良いでしょう。
3.高い知見やスキル・スピードを求められる
物流業界はITシステム・ツールの導入など、従来の働き方から徐々に変化しています。
物流コンサルタントは変化に対応するためにも、最新情報を追いながら常に勉強する必要があります。
クライアント企業の求める知識やスキル、スピードに応えられなければ、契約継続にはつながりません。
個人的なやり方にいつまでも固執していると、新たな成長を得ることは難しいです。
物流コンサルタントのフリーランスには、高度な知見やスキル、スピードが常に求められることを理解しておいてください。
現在ではインターネットのブログやニュースサイト、SNSなどで物流業界の最新情報が紹介されているため、定期的なチェックをおすすめします。
物流コンサルタントでフリーランスになるまでのステップ
物流コンサルタントでフリーランスになるには、以下のようなステップが必要です。
それでは順番に解説します。
1.フリーコンサル向けエージェントに登録
まずはフリーコンサル向けエージェントを選び、登録手続きを行います。
エージェントの登録は無料なので、事前に登録を済ませておくことが大切です。
もし現時点で会社に所属していたとしても、副業案件に対応するエージェントは豊富にあります。
エージェントサイトを開き、会員登録画面から手順に従いながら登録手続きを済ませておきましょう。
2.会社に所属しながら副業案件で経験を積む
フリーランスをはじめたばかりの時期は収入が安定しづらいため、会社に所属しながら副業案件で経験を積むことが重要です。
コンサルの副業案件を受注することで、収入を安定させながら物流コンサルタントとしての経験を増やせます。
クラウドソーシングサイトやエージェントには、未経験者を募集している案件もあります。
ただし、一定の知識やスキルが求められることは多いので、物流コンサルタントとして必要な業務や学習はしておくようにしましょう。
3.個人事業主として開業する
独立の準備を終えたら、コンサルタントの個人事業主として開業手続きを行います。
事業を開始してから1ヶ月以内に提出することが推奨されていますが、提出をしなかったとしても法的な罰則はありません。
開業届を用意し、在住している最寄りの税務署に提出すれば手続きは完了です。
もし個人事業主として開業することに悩んでいるなら、物流コンサルタントの経験やコネクションを増やしたタイミングで起動に乗ったら独立することをおすすめします。
フリーコンサル向けエージェントの利用の流れ
フリーコンサル向けエージェントを利用するには、以下のような流れで進みます。
スムーズに利用を進めるためにも、ぜひチェックしてください。
1.フリーコンサル向けエージェントに登録
はじめに、利用するフリーコンサル向けエージェントに登録します。
エージェントの公式サイトを開くと会員登録ボタンがあるので、クリックして必要事項を入力していきます。
登録の段階で履歴書と職務経歴書の提出が求められることもあるため、事前準備を済ませておいてください。
会員登録後、メールアドレスに完了の通知が来るのでチェックしておきましょう。
2.エージェントと面談
エージェントサイトの会員登録後、担当のエージェントと面談を行います。
メールもしくは電話から面談日時の設定へと進むため、都合が良い日にちを伝えてください。
登録情報をもとにエージェントとの面談に移るので、希望する案件やキャリアプランについて相談します。
物流コンサルタントとしての知識や経験を説明し、エージェントに自分の市場価値を正確に判断してもらいます。
エージェントとの面談時間は30分〜60分程度となっているため、スケジュールを空けておくようにしましょう。
3.案件紹介~応募
エージェントとの面談終了後、希望条件に合った案件を紹介してもらいます。
案件の紹介は定期的に連絡されるため、詳細をチェックしながら応募の有無を判断します。
案件内容に問題がなければ、担当のエージェントに応募手続きを行ってもらう流れです。
もし担当のエージェントから希望条件とは違った案件を紹介された場合、はじめのヒアリングにミスがあった可能性が高いです。
担当のエージェントと相性が悪かったときは、担当者を変えてもらうか他社のエージェントを利用すると良いでしょう。
4.選考~内定
クライアント企業の案件に応募するには、書類選考や面談のプロセスが必要になることもあります。
基本的には、クライアントから案件の詳細説明や経歴説明、質疑応答などの流れとなります。
企業側は複数人のコンサルタントを選考しているため、独自の強みをアピールすることが大切です。
物流業界と関連性のある知識やスキル、資格などを説明すれば、クライアント企業から高評価を得られるようになります。
書類選考や面談終了後、担当のエージェントから合否の連絡があるので待機しておきましょう。
5.デリバリー
クライアントとの契約内容に基づいて、業務を進めていきます。
オファー時に聞いていたスコープと違ったりオーバーワークが生じた場合、担当のエージェントがクライアントと調整してくれます。
6.コンサルティングフィー受取
案件終了後、エージェントから報酬が支払われます。
利用するエージェントによって支払いの期間は異なりますが、30日~40日が一般的です。
早めに報酬を支払ってもらいたい場合、15日対応のハイパフォコンサルがおすすめです。
物流コンサルタントのフリーランス情報まとめ
今回は、物流コンサルタントのフリーランスになる方法や具体的な業務内容、案件獲得のコツまで詳しく解説しました。
物流コンサルタントは物流会社の課題を解決できる人材であるため、常に需要があります。物流コンサルタントのフリーランスはコンサルティングファームに比べて柔軟な対応ができるため、依頼する物流会社も今後増えていく可能性があります。
フリーランスは案件数を自分で調整でき、自由な働き方ができる点が大きなメリットです。
フリーランスとして案件を獲得したいなら、フリーランス向け案件紹介エージェントを利用することをおすすめします。
ぜひ当記事で紹介した内容を参考にしながら、物流コンサルタントとして独立する準備をしましょう。