コンサルタントは個人事業主で起業すべき?法人設立との違いを比較

コンサルタント 起業 個人事業主 法人設立 違い 比較

フリーコンサルタントとして独立を考えた時にまず考えることに、個人事業主として業務を行うか、法人を設立して会社形態で行うかがあります。

この記事ではそれぞれの形態のメリット・デメリットを整理し、自分が目指す方向にとってどちらが適しているのかの判断材料をご提供します。

目次

個人でコンサルタント起業は可能

個人 コンサルタント起業 可能

コンサルティングというと、大企業向けにコンサルティングファームが提供するイメージが強いかもしれません。

しかし、コンサルティングサービスの提供は法人形態のコンサルティングファームしか行えないわけではなく、むしろ世の中の「コンサルタント」の多くは個人としてコンサルティングを行っています

個人としてコンサルタント業を行う場合は、個人事業主として事業を行うことになります。

個人が事業を行えば個人事業主になるので、独立する場合でなく企業に勤めながら副業でコンサルタントをする場合も、個人で行うのなら個人事業主です。

個人事業主と法人設立の違い

個人事業主 法人設立 違い

一般的に個人事業主として事業を行う場合と、法人として行う場合の違いを簡単にまとめたのが以下の表になります。

個人事業主 法人
事業開始の手続き 開業届の提出のみ 法人登記や諸届などの手続きが必要
初期費用・投資 特になし 法人登記費用(約25万円)資本金(1円~)が必要
税金 個人所得税として累進税率適用(最高45%)
赤字の場合は課税無し
中小企業の場合個人よりも税率は低い(最高24.2%)
赤字でも法人事業税の支払が必要
経費 事業に必要な経費は控除可能 個人より必要経費の範囲は広い
(自分への給与、退職金なども経費計上可能)
社会保険費用 従業員5人以上で社会保険への加入が必要
事業者負担分の保険料支払が必要
社会保険への加入が必要
事業者負担分の保険料支払が必要
社会的信用 法人に比べると認められる信用力は低い 一般的に個人より高い。
大企業では法人以外とは取引しないケースも。
個人の責任範囲 無限責任。会社の責任=経営者個人の責任。 有限責任。
経営者の責任は出資金の範囲のみ。

上記の中の主要な項目について、以下で説明します。

初期投資

個人事業主としてコンサルティングを行う場合、最大のメリットは簡単に事業を始められることです。

コンサルティングは、工場や製造機械への投資が必要になる製造業や、店舗の用意や商品仕入れ費用が必要となる小売業など他の業種と異なり、小さな初期投資で事業を始めることができます

極端に言えば、あなた自身の頭脳とPC、そして電話やメールなどの通信手段があれば、今、この瞬間から個人事業主としてコンサルタントになることができます。

個人事業主として開業する主な手続きは、所在地の税務署に開業届を出すことのみです。

もし確定申告を青色申告(次の税金の項を参照)で行う予定であれば、合わせて青色申告承認申請書を提出しますが、いずれにしても個人事業主の場合は簡単に事業を開始することができます。

これに対して法人を設立する場合には、一定の投資や準備作業が必要になります。

まず法人を設立し、法務局に登記をする場合にかかる印紙税などの諸費用が必要で、株式会社設立の場合は一般的に25万円程度が必要となります。

さらに資本金も必要です。

法律(会社法)上、資本金は1円以上と定められているので、大きな負担にならないように見えます。

ただ、一般的に資本金は会社の信用力を測る尺度として見られるため、あまり資本金が少ないと取引先から会社としての信用力を認めてもらえません。

事業を円滑に進めることを考えれば、ある程度の金額の資本金を用意することが必要です。

税金

個人事業主と法人で大きく異なるのが、税金の取り扱いです。

全体として言えば、法人の方が税金面でのメリットは大きいと言えます。

個人事業主は収入に対して所得税を支払いますが、所得税は所得額が高くなるほど税率も高くなります(最大で所得の45%)。

法人の場合は法人税という形で収入に応じた税金を支払います。

法人税も所得額が高くなれば税率が上がる点は個人の所得税と同じですが、特に資本金1億円以下の中小法人の場合、税率は最高でも23.2%となっていて個人の所得税率より有利となっています。

さらに法人の場合は、所得額を計算する際に収入から控除できる経費の項目が個人事業主より多くなっており、その面でも有利です。

一方で、個人事業主は損失がでれば所得は0なので所得税や住民税の支払は発生しないのに対して、法人の場合は赤字でも資本金の額に応じた法人住民税を支払う必要があるといった法人のデメリットもあります。

尚、個人・法人とも納税においては、青色申告と呼ばれる制度があります。

青色申告制度とは一定の帳簿を備え正規の簿記によって帳簿を記載する事業者に対して、個人事業主であれば所得税の特別控除枠が増額されたり、法人であれば損失が出た場合に欠損金を翌期以降に繰り越して所得から控除できたりといったメリットを与える制度です。

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社会的信用

みなさんは個人商店と企業経営の店舗があれば、なんとなく企業経営の店舗の方がしっかりしているような印象を持ちませんか?

法人は会社法などの法律でその運営についての要件が定められていることもあり、一般的に個人事業主よりも高い社会的信用力があると言われます。

例えばコンサルティングの仕事を依頼したのに、きちんとした成果物を納品もせずにコンサルタントがいなくなってしまったり、納品される成果物の中身がいい加減なものだったりしたら発注したクライアントはとても困りますよね。

こうしたことから、大企業などでは業務を発注する際には発注先を法人格のある事業者に限るケースもあります。

また事業が拡大してきて銀行融資を受ける場合にも法人の方が審査を通りやすい傾向はありますし、社員を採用する際にも法人の方が採用しやすいといった傾向はあります。

責任の範囲

経営者が負う責任の範囲についても個人事業主と法人では異なります。

個人事業主の場合、事業を行う主体が個人(=経営者)ですので、事業に伴う責任はすべて個人が負うことになります。

例えば借入を行う場合、その借入はすべて個人の名義で行うので返済の責任も個人が全額負います。

一方、法人として借入する場合、その借入はあくまでも法人が行ったもので、経営者個人とは別の人格が行ったことになります

従って、万が一返済できない場合、経営者が出資した資本金を含む法人の財産が差し押さえられて出資金は回収できなくなりますが、それを超えた金額について個人が責任を問われることはありません

個人でコンサルタント起業する際の注意点

個人 コンサルタント起業 注意点

初期投資も小さく、比較的簡単にコンサルタント企業できる個人事業主ですが、事業を拡大させ成功に導くには注意するべき点もあります

そのいくつかをご説明します。

リソースを確保する

個人でコンサルティングサービスを提供する場合、事業を実施する人的リソースは一人もしくはごく少人数のケースが大半です。

(5人以上の従業員がいる場合、個人事業主でも社会保険に加入する必要があることなどが背景にあります)

従って、大型のプロジェクトの引き合いがあるような場合、コンサルティングを実施するリソースが不足することがあります

また、事業が軌道に乗ってきて一時期に抱えるプロジェクト数が増えた場合も、リソース不足がボトルネックになります。

こうした場合、ビジネスチャンスを逃すだけでなく、せっかく引き合いをくれたクライアントとの信頼関係を損ね、その後の事業活動に悪影響を及ぼす懸念もあります。

現有のリソースを超えた仕事を受けた場合に、必要に応じて再委託(外注)できるようなパートナーを見つけておくなど、自分以外に活用できるリソースの目途をつけておくことが必要です。

集客経路を作る

自分一人でコンサルティング業を行う場合、営業活動とコンサルティングプロジェクトのデリバリーを一人で行う必要が出てきます

そうした状況でプロジェクトデリバリーに時間をすべて使ってしまうと、そのプロジェクトが終了した後は、しばらく仕事が無いといった状況が発生するリスクが高まります。

安定的に事業を展開するには、デリバリーをしつつ営業活動もこなすことが必要で、そのためには営業活動をできるだけ効率的に行わなくてはなりません

安定的に顧客を紹介してくれるようなネットワークを築いたり、個人コンサルに仕事を紹介してくれるエージェント業者を利用したりするなど、安定的な集客経路を作ることを意識しましょう。

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ビジネスの規模によって判断するのが一般的

ビジネス 規模で判断 一般的

フリーコンサルを個人事業主として営むのか、法人を設立して営むのかについて、それぞれのメリットや留意点を説明してきました。

大まかにまとめると、簡単に始められる点は個人事業主が優位ですが、事業規模が大きくなってくると法人の方が優位です。

まずは副業で個人事業主として個人コンサルをやってみて、軌道に乗ってきたら本業として業務に従事し、さらに事業規模が発展してきたら法人化するといったように、ビジネスの規模や発展の段階に応じて、個人事業主でいくか法人を設立するかを判断するのが無難な対応と言えます。

もちろん、本格的にコンサルビジネスを行うのであれば、やはり法人にする方が税金や社会的信用の面で優位ですし、個人コンサルとしてやっていくという“覚悟”の意味で最初から法人を設立し取り組むという判断もありえます。

自分のビジネスの段階、初期投資に回す資金が潤沢にあるかなどの現状、そしてどのくらいの時間軸でどの程度のビジネスにしていきたいのか、という経営ビジョンを勘案して、個人事業主か法人化するのかを判断しましょう

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