ITの世界で培った専門知識と経験を最大限に活かし、自分のスキルでフリーコンサルとして生計を立てる――そんな目標ががあるのは素晴らしいことです。
しかし、多くの人がこの夢に挑む際に直面するのが、「独立して食っていけるのか?」という不安ではないでしょうか。
ITコンサルタントとしての独立を考えている方に向けて、この記事では、案件の獲得方法や年収見込み、そしてフリーランスのメリット・デメリットについて紹介します。
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フリーランスITコンサルタントの仕事内容や業種

ITコンサルタントは企業の経営課題に対して、システムの導入や支援、IT戦略策定などをおこないます。
現在、ITは企業活用の幅広い場面で活用されており、ITコンサルタントの活躍するフィールドはどんどんと広がっています。
- SAPコンサルタント
- ERPコンサルタント
- PM・PMOコンサルタント
- DXコンサルタント
- セキュリティコンサルタント
- Webコンサルタント
- CRMコンサルタント
- ECコンサルタント
- SCMコンサルタント
- IT組織・人事コンサルタント
- クラウドコンサルタント
まずこの見出しでは、一般的なITコンサルタントの種類と意味、仕事内容を解説します。
SAPコンサルタント
SAPコンサルタントはSAPという主要なソフトウェア製品を専門的に扱う、ITコンサルタントのことを指します。
SAP社の製品に関する専門知識を持つ必要があり、その仕事内容はSAP社の製品を企業に提案し、経営改善や業務効率向上を支援することです。
SAPは導入をすればすぐに使用できるようテンプレートが充実していますが、クライアントの業務内容に応じてカスタマイズをするのもSAPコンサルタントの重要な役割です。
ERPコンサルタント
ERPコンサルタントはERP(企業資源計画)を用いて、企業の経営資産(人材、資産、資金、情報など)の効果的な管理を支援し、経営課題の解決に取り組むITコンサルタントです。
経営資産とは企業が持つ人材、物品、資金、情報などの資源を指します。ERPはこれらの経営資産を最適に活用し、企業の業務効率を向上させるための手法です。
クライアントの求めるERPパッケージを導入することで、経営をよりよくする存在ともいえます。
PM・PMOコンサルタント
PM(プロジェクトマネージャー)はプロジェクト全体を指導し、意思決定を行うリーダーです。
一方で、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)とはPMの意思決定をサポートし、同時にプロジェクトの品質向上に専念する役割を果たします。
PMはプロジェクトチームのリーダーとして活躍し、PMOは裏方として支える役割を担います。ただし、開発をするシステムの規模や内容によってはPMがPMOを兼務したりすることもあります。
DXコンサルタント
DXコンサルタントは企業がデジタル化を進め、経営を変革するための助言を提供する専門家です。
デジタル技術を導入することにより、企業の業務効率と生産性が向上し、売上の増加に寄与します。デジタル化と経営戦略の両方に精通した専門家からアドバイスを受けることは、DXコンサルティングの重要性を示しています。
セキュリティコンサルタント
セキュリティコンサルタントは企業のセキュリティ状況を評価し、強化する専門家です。クライアントが直面するセキュリティの課題を詳細に調査し、最適な対策を提案します。
たとえば、ウイルスやサイバー攻撃の脅威に対処する必要がある企業に対しては、ウイルス対策ソフトウェアの導入や独自のセキュアサーバーの利用などの改善策を提案します。
情報化社会の現代では機密保持の重要性を理解するクライアントも年々増えているため、セキュリティコンサルタントの需要は高まっているの実情です。
Webコンサルタント
WebコンサルタントはWEBに関するコンサルティングと改善アイデアを実行し、成果を出す仕事です。
WebサイトやWeb開発の課題の洗い出しをおこない、改善策や提案などを通じて効果的なサイトにするためのサポートをし、ビジネスを成功へと導きます。
Webを活用してサービスや商品が売れる仕組みを作るWebマーケティングの仕事と同義であるとも言えるため、Webマーケティングコンサルと言われることもあります。
クライアントにとっては顧客獲得とWebサイトの活用のための、頼れるアドバイザーだと言えるでしょう。
CRMコンサルタント
CRMは(Customer Relationship Management)の略であり、CRMコンサルタントは企業の経営戦略をベースに、顧客戦略のアイデアやコミュニケーション戦略などを中心に全体的に対応する仕事です。
最適な顧客経験の設計から構築までのトータルサポートや、AIなどのITを活用して営業活動の最適化や自動化支援の実施などをおこないます。
顧客との関係に焦点を当てているため、顧客分析や顧客コミュニケーション戦略などの顧客接点に関するものは大半がCRMとなり、扱う領域は非常に幅広いものとなります。
ECコンサルタント
ECコンサルタントはECサイトの運営や売上、集客などのアイデアを専門的なノウハウによってアドバイスをする仕事です。
市場や競合調査、アクセス解析、ターゲットの再設定などのトータルサポートをおこない、売上増加につながる集客アイデアを計画したり、クライアントのECサイトの売上が伸びない原因などを探ったりします。
ECサイトを立ち上げて成功するまでのサポートをおこなうため、Webの知識だけでなく事業全体をマネジメントできるだけのビジネススキルも求められます。
SCMコンサルタント
SCMはSupply Chain Managementの略であり、SCMコンサルタントはSCM管理システムを上手く活用し、企業の経営を支える仕事です。
最適なSCM管理システムをクライアントに提案し、システム導入後の効果予想や調査、分析をおこない導入から運用までを担当します。
案件によってはSCM管理をおこなう人材やシステムの選定、プロジェクトチームの管理やサポートなど、幅広い業務をおこなうこともあるでしょう。経営の根幹を支える仕事のため、幅広い知識や経験が求められます。
IT組織・人事コンサルタント
IT組織・人事コンサルタントは企業の人事の課題を分析し、解決や改善のための施策を提案します。
クライアント企業の採用や人事戦略の策定、組織・人事評価制度の刷新などを通じて経営課題を解決するのが主な仕事内容です。
とくに近年では働き方が多様化しており、グローバル人材の増加傾向によるきめ細やかな人事評価制度が求められています。数多くの他社事例を踏まえたうえで提案をおこない、クライアントとともに試行錯誤を繰り返す根気が必要でしょう。
クラウドコンサルタント
クラウドコンサルタントはクラウドを導入したいと検討しているクライアントに対して、戦略や企画、導入、運用管理までのアドバイスやサポートをおこないます。
企業のビジネスニーズや目標をヒアリングし、最適なクラウド戦略を策定するまでの支援をおこなうため、幅広い知識や仕事が求められます。
クラウド全般に関する知識はもちろんのこと、クラウドコンサルタントの業界経験やカスタマイズ能力などが必要です。長期的なサポートが必要となるため、クライアントとの円滑なコミュニケーションも重要となるでしょう。
ITコンサルタントがフリーランスに起業する前にやるべきこと

ITコンサルタントとしてフリーランスになろうと考える人は、ITベンダーやシステムインテグレーション企業や企業のIT部門に勤務している人、ITコンサルティング企業でITコンサルに従事している人が中心だと思われます。
ITに関する知識や技術は身に着けている自信がある人が大半でしょう。
ただし、だからと言って現在勤務している企業を退職すれば、だれでもITコンサルタントとしてやっていける程、この業界は甘くありません。
独立する前には主に次に挙げるような、きちんとした準備をしておく必要があります。
- ITのどの分野でどんな内容のコンサルティングをするか?
- 独立後、当面の間の売上・収入をどうやって確保するか?
- スキルや資格取得をして実績を積む
- フリーランスになる準備期間を設定する
- 独立に必要な手続きをおこなう
- 可能なら副業としてしばらくコンサルタントをやってみる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ITのどの分野でどんな内容のコンサルティングをするか?
一言でITと言っても、その内容は幅広いものです。たとえばハードウェアと言っても、従業員が作業をする端末もあればそれらが接続するサーバーもあります。
また、インターネットが欠かせないものとなった現代では、ネットワーク無しにコンピューターを使うことはほぼありません。
さらに実際の処理をするアプリケーションのようなソフトウェアもあれば、そうしたハードウェアやソフトウェアが安全・確実に動くような環境整備や、ハッキングやウィルスからシステムを守るセキュリティといった分野もあります。
これらの幅広い分野のどこかを専門にするコンサルタントもいますし、特定の専門分野を深く掘り下げるのではなく、企業のIT全体の絵姿を描くといった“上流”側で顧客を支援するコンサルタントもいます。
自分がどんなITコンサルタントとなるのかのイメージを作り、そのために役立つスキルを独立前から身に着けていくことが必要です。
独立後、当面の間の売上・収入をどうやって確保するか?
多くのフリーランスコンサルタントは独立当初、企業に勤務している時に築いたリレーションなどを頼って仕事を得ています。そのため、現在従事している業務のクライアントから信頼を得ておく必要があります。
また、フリーランスのコンサルタントをニーズのあるクライアントに紹介してくれるマッチングサービスやエージェントもあるので、自身にあったサービスを探しておくのもよいでしょう。
フリーランスは業務を完了してから検収、請求書を発行し、実際に入金になるまでには時間がかかります。
そのあいだ業務にかかる通信費や光熱費などの費用は持ち出しになりますし、自身や家族を養うだけの収入も必要です。
独立をして数か月のあいだは、最低でも3か月分程度の資金を準備しておきましょう。
スキルや資格取得をして実績を積む
ITコンサルタントを名乗るのであればITシステムやツール、プログラム、トレンドなどの知識は必須ですが、経営に関する知識も重要です。スキルを磨くためにも、資格取得や勉強会への参加などをおこなうのもよいでしょう。
ITコンサルタントとしておすすめの資格は主に次のとおりです。
それ以外にも、コミュニケーション能力やリスクマネジメント能力などを磨いておくと自身のスキルをより高められるでしょう。
これらのスキルや資格取得を目指しつつも、実績や結果をしっかりと残すために数多くのプロジェクトに携わりましょう。経験したプロジェクト数や知名度の高い案件に関わったりすると、案件を獲得しやすい傾向にあるのでおすすめです。
フリーランスになる準備期間を設定する
目指す方向性や達成したい目標などを決めたら、実際にフリーランスになる準備期間を設定してみましょう。
達成までの目標や準備項目を立て、逆算して開業日を設定することをおすすめします。
会社の設立は個人事業主とは異なり、保険や税金関係、数多くの書類など準備があります。独立直前に事務作業に追われてしまうと、落ち着いた気持ちで開業日が迎えられないでしょう。
また、独立直後はクレジットカードやローンが通りにくいため、ライフステージに関する大きな出費が控えている方は、早めに済ませておくと安心です。
独立に必要な手続きをおこなう
独立をするには、次に挙げるとおり法律上の手続きが必要です。
- 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を納税地の税務署に提出
- 「所得税の青色申告承認申請書」の提出
- 年金・国民健康保険の切り替え
- 仕事用の銀行口座の開設
- 「事業開始等申告書」を都道府県税事務所と市町村に提出
ほかにもエージェントサービスの登録や自身の営業用ホームページの作成など、独立をする前にできる準備は始めておきましょう。
また、最低限の法務知識や会計知識を身に着けておくことで、何かあった際に自身を守ることができます。独立前に知識を身に着けておくことをおすすめします。
可能なら副業としてしばらくコンサルタントをやってみる
独立をしても、すぐにビジネスが軌道に乗るかどうかはわかりません。
可能であれば退職をする前にスポットコンサルとして、自身が目指すITコンサルタント業務をやってみることをお勧めします。
転職エージェントサービスにはITコンサルタント副業案件も数多くありますので、ぜひチェックをしてみてください。
フリーランスのITコンサルタントが向いている人

フリーランスのITコンサルタントが向いている人は以下の通りです。
それぞれ詳しく解説します。
高度な専門知識と経験を持つ人
フリーランスのITコンサルタントが向いている人は、高度な専門知識と経験を持っています。
ITコンサルタントは様々な技術プラットフォームやツールに精通している必要があります。プログラミング言語やデータベース、クラウドサービス、セキュティなどの数多くのIT領域に対する深い理解が必要です。
また、理論的な知識だけでなく実務経験も持つことが大切です。プロジェクトの計画、実行、トラブルシューティングおよび運用の経験が、クライアントに実用的なソリューションを提供するのに役立ちます。
独立心と自己管理能力がある人
フリーランスITコンサルタントが向いている人には、独立心と自己管理能力がある人も挙げられます。
独立心がある人は新しいプロジェクトや課題に対して自発的に取り組む傾向があります。他人から指示を待つのではなく、自身から行動を起こします。
プロジェクトの進行を自己主導的に監視し、適切な行動を起こすことで、他人の指導や監督がない状況でも成果を出すことができます。
また、自己管理能力が高い人は時間を効果的に管理し、タスクを優先順位に従って処理します。適切な計画と優れた時間管理スキルにより、多くの仕事を効率的にこなすことができます。
コミュニケーションスキルに優れた人
フリーランスのITコンサルタントが向いている人は、コミュニケーションスキルに優れています。
ITコンサルタントは複雑な技術や、コンセプトを分かりやすく説明できることが重要です。クライアントや非技術者とも円滑にコミュニケーションを図り、解決策や提案を明確に伝える能力が求められます。
クライアントの要求や問題を正確に理解するためにも傾聴力が必要になり、相手のニーズや期待を把握し、それに基づいて対応することが成功の鍵です。
また、プロジェクトに関与することはチーム内外で問題を解決するための協力的な姿勢が大切で、ほかの専門家や技術者と円滑に連携できることも重要です。
ITコンサルタントが独立してフリーランスになることのメリット

ITコンサルタントが独立してフリーランスになることのメリットは主に次のとおりです。
それぞれ詳しく解説していきます。
手取り収入が増える
大手コンサルティング会社に勤めていた場合、クライアントから受け取ったお金から、会社で発生する経費や利益を除いた残りが、従業員であるコンサルタントに給与として支払われます。
しかし一方で、フリーランスコンサルタントはクライアントから受け取るお金はすべて自身の懐に入ります。
仮に受注金額はコンサルティング会社が受注する場合より低くても、最終的な自分の手取り収入が増えるといったこともあり得るため、大きなメリットの1つだと言えるでしょう。
自分の時間が増える
コロナ禍を機にテレワークが一般化しているので、企業に所属しているとしてもかつてのように毎日一定の時間に出勤するといった縛りは緩くなっています。
それでも企業に属して多くの人と共同で業務をする場合、どうしてもチームとスケジュールを合わせて働く必要があります。
これに対してフリーランスコンサルタントは一人で業務を行うため、自身のペースで仕事を進めることができ、ワークライフバランス面でのメリットは大きくなります。
専門分野の知識が高まる
フリーランスとして独立をすれば自身の専門性を活かしたプロジェクトを選べるため、専門分野の知識が高まるメリットがあります。
企業に属していると数多くのプロジェクトにアサインされることが一般的であり、なかには得意ではない分野の仕事をおこなわなくてはいけない可能性もあるでしょう。
また、数多くのクライアントと直接的に関わることで、専門知識の拡充と技術を高めることにも繋がります。
自身にあった働き方が選べる
フリーランスコンサルタントになることで働き方の自由度が上がり、自身にあった働き方が選べる点は大きなメリットです。
企業に属していると数多くの案件をこなさなくてはいけないため、多忙なスケジュールに追われることもあるでしょう。しかし、フリーランスになれば自身でプロジェクトが選べるので、働く時間や場所も自由に選べます。
労働時間や関わる業務範囲も事前にクライアントと相談が可能なので、プライベートを充実させたい方におすすめです。
柔軟な価格交渉で提案ができる
コンサルファームやIT企業では案件に数多くの人が関わるため、諸経費がかさみ単価が高くなりがちです。しかし、フリーランスコンサルタントであれば自身にかかる費用のみのため、柔軟な価格交渉で提案ができるメリットがあります。
クラウドワーキングやオンライン対応のエージェントサービスの普及もあって、クライアントがコストを抑えるためにフリーランスに依頼をするケースは数多くあります。
自身の持つスキルが企業と同等であれば、十分な利益が出る単価を設定しても安定的な受注が見込めます。意思決定のスピードも自由な裁量ができるので、クライアントとの契約が結びやすい点もメリットだと言えるでしょう。
ITコンサルタントが独立してフリーランスになることのデメリット

独立をすることで魅力的なメリットが数多くある一方で、デメリットもあります。
フリーランスコンサルタントになろうと考えている方は、メリットとデメリットの両方を正しく理解しましょう。
収入が不安定になる
収入をどれだけ得られるかは自身がどれだけ仕事を取って、デリバリーをしたかに左右されます。
企業に所属していれば毎月の給料は一定ですが、フリーランスの場合は仕事が無いことは収入が無いことに直結します。
とくにコンサルティング業務の場合、一つのプロジェクトの期間は数か月~長くても1年ですから、数年の単位での安定収入を期待することは難しくなります。
仕事が取りにくくなる
ITコンサルタントの仕事は基本的に法人間取引(B2B)になります。
B2B契約において多くの企業は、相手方が契約上の義務をきちんと履行する能力があるかどうかを、その相手方の企業規模や実績などで判断します。
日本の大手企業の場合、発注先は法人形態の先に限るとルール化しているケースも多く、フリーランスの個人コンサルタントは能力や価格以前の形式要件で受注可能性が無くなることもあります。
個人の信用力が低下する
日本でも起業やベンチャーといった言葉を普通に聞くようになり、かつてのように大企業に勤めていないと、社会生活で信用力が無いとみなされることは減ってきているようです。
とはいえ、やはり日常生活の様々な局面で企業(特に大企業)に勤務している方が有利であることは否めません。
銀行から住宅ローンを借りたり、賃貸住宅の申し込みをしたりするときに、勤務先が個人コンサルタントや起業したばかりの法人だと不利になるケースがあるのも事実です。
自己管理を徹底しなくてはいけなくなる
フリーランスとして独立をすると、日々の業務は完全に自己管理に依存するようになるため、徹底した管理が求められます。
チームで働く場合は自身が体調悪くてもほかの人で回すことができ、何かあった場合もすぐに相談ができますが、一人だとなかなかそうはいきません。
時間の自由度が高い一方で、自己規律を保たなくては仕事が回らなくなり、最終的には仕事を失うリスクもあるでしょう。
仕事とプライベートの境界をしっかりと設定して、効率的に仕事を進めるための環境を整えることがフリーランスコンサルタントを成功させる鍵だと言えます。
トラブルが起こっても会社が守ってくれない
フリーランスコンサルタントは万が一重大な損害が出たとしても、守ってくれる会社がありません。会社員であれば上司や経営者が対応をおこない、法律上のトラブルが起こった場合も顧問弁護士からのサポートが受けられます。
しかし、フリーランスの場合は自己責任で対応をする必要があります。
また、資本力という点においてクライアントよりも弱い立場になりがちです。契約にない作業や想定していた以上の仕事を求められたり、ひどい場合は報酬が支払われなかったりするリスクもあるでしょう。
独占禁止法や下請け法などのフリーランスを守る法整備は進められていますが、自身を守るためにもさまざまなリスクに備えておく必要があります。
フリーになったITコンサルタントが失敗してしまう理由とは

一説によると、企業から独立して起業したり個人事業主になった人の3割程度は、1年で挫折するそうです。
理由は様々ですが、よくあるパターンとして以下のようなものがあります。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
安定顧客を掴めない
独立当初の一番大きな壁は顧客獲得です。
顧客獲得がうまくいかないと、営業活動に時間と労力を割くことになり、既存業務のデリバリーが疎かになってしまいます。
数少ない顧客からも品質面の不満が高まり、仕事を失うといった悪循環に陥るリスクもあるでしょう。
フリーランスになる前にやるべきことで挙げたように、独立をしてから売上が安定するまでの期間に、売上を確保できるよう準備をしておくことが重要です。
取引リスクの見極めができない/高リスク先と取引する
売り上げを確保するために引き合いがあればどのような案件でも受注してしまうと、結果としてトラブルに巻き込まれるリスクが高まります。
自身のスキルにあっていない取引となれば、難易度が高くデリバリーに苦労したりコストが膨らんだりする可能性があるでしょう。
また、信用力の低い企業の案件を受けてしまったことで、支払い遅延などのトラブルに巻き込まれるケースもあります。売上を確保するのは大切ですが、取引に伴うリスクは冷静に判断する必要があります。
フリーランスITコンサルタントに求められるスキル

フリーランスITコンサルタントとして成功するにはどんなスキルが必要になるのでしょうか?
ここでは、4つのスキルに関して詳しく解説します。
ITに関するスキル
クライアントはITコンサルタントにITに関するアドバイスをもとめるため、ITに関する幅広い知識やスキルを身につけていることが必要です。
ただし、ここでいうITスキルとは、必ずしも情報技術者の国家資格のような資格を指す訳ではありません。
コンサルティングファームに勤務しながら経験したITプロジェクトでの実績や、企業のIT部門で担っていた企業ITにおける重要な役割といったことも、ITスキルの一部と言えます。
コンサルタントとしてのスキル
ITコンサルタントとはSEと異なり、コンサルタントとしてクライアントの課題を理解し、クライアントが動けるように提言を説明することが必要です。
従って、相手の課題や悩みを正確に理解するためのヒアリング能力や課題を論理的に整理する力、自分の考える提言をわかりやすく伝えるための資料作成力やプレゼンテーション能力が必要となります。
>>コンサルタントの仕事で必要なコミュニケーション力
>>【コンサルのパワポ30選】プレゼン資料作成のコツ
経営者としてのスキル
フリーランスのITコンサルタントはコンサルタントでありながらも、経営者でもあります。
したがって、経営者として一般的に求められる財務、資金繰り、税務といったお金に関するスキルや、人脈形成、外交活動といった営業に資するスキルも必要になります。
こうしたスキルは外部の専門家に委託することもできますが、その際にはコストが発生する点に気を付けましょう。
営業スキル
フリーランスITコンサルタントとして安定的に案件を受注するには、営業スキルが必須となります。電話やメール以外にも、訪問営業のスキルがあると非常に有利だと言えるでしょう。
営業スキルは数多くのクライアントとの商談で身につくものなので、日頃から見込みがありそうな会社に対してメールや電話をし、積極的にアプローチをしてみてください。
自身で営業をすることが苦手な方は、無理をせずに営業から契約締結まで一貫しておこなってくれるフリーランスエージェントの活用がおすすめです。
フリーランスITコンサルタントの将来性

かつて日本の企業では、自社オリジナルのITシステムを数多くのSEを駆使して自前で構築することが当然でした。
しかし、現在では数多くの企業が汎用のパッケージシステムを活用したり、他企業と共同利用したり(サブスクリプションでの利用を含め)するなどをして、自前やオリジナルにこだわらなくなっています。
こうした中でIT要員も全部自前で用意するのではなく、必要な時だけ外部のコンサルタントの知見を利用するといったケースが増えています。
また、関心が高いDX分野においては、従来のITでの常識をリセットして検討する必要性も高く、豊富な知見を持つ外部のコンサルタントへのニーズは高まる傾向にあります。
こうしたことを勘案すれば、実力のあるITコンサルタントへのニーズは今後も継続的に発生することが予想され、フリーランスITコンサルタントへの需要も期待することができます。
フリーランスITコンサルタントの平均年収

フリーランスITコンサルタントの年収は様々です。
経済産業書が2021年3月に発表した「我が国におけるIT人材の動向」という資料によると、企業に所属する6年以上の経験のあるITコンサルタントの年収は800万円以上になっています。
こうしたデータから見ればフリーランスの場合でもある程度の経験がある人材は、この数字に類する年収を期待できると思われます。
同じ業務でもフリーランスコンサルタントは企業に属する場合より手取りベースでは多くなることが期待できるため、年収1,000万円を超えるということも十分に視野に入ります。
ITコンサルタント案件の単価相場

ITコンサルタント案件の単価相場はいくらくらいなのでしょうか。
実際に求人に出されている情報をもとにして、単価相場を紹介します。
ITコンサルタントの案件事例①

※2024年12月23日現在 参照:ハイパフォコンサル
銀行業務補助ツール改修のITコンサル案件であり、単価相場は〜125万円/月(税別)となっています。一部リモートあり、自宅でも勤務が可能です。
ITコンサルタントとして改修PJへの参画経験がある以外にも、コミュニケーション能力などが求められています。
ITコンサルタントの案件事例②

※2024年12月23日現在 参照:ハイパフォコンサル
複数インフラ基盤の横断的グランドデザイン構想支援のITコンサル案件の単価相場は、〜120
万円/月(税別)です。
こちらも出社頻度は週1日となっており、一部リモート業務のため自宅で働きたい方に向いています。
このようにITコンサルの案件は、~120万円/月(税別)の案件が多くあることがわかりました。
フリーランスITコンサルタント向けおすすめエージェント

案件を獲得するための営業は、独立したITコンサルタントにとって共通の課題です。
既存クライントからのリピートが期待できるようになるまでは、企業に所属している時にリレーションのあったクライアントへの営業活動や、人脈をたどっての紹介による営業活動が中心になります。
ただこうした人脈にも限りがありますので、検討に値するのが案件を紹介してくれるマッチングエージェントです。
ITコンサルタントに案件の紹介をしてくれるマッチングサービスをご紹介します。
ハイパフォコンサル

会社 | INTLOOP株式会社 |
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公式サイト | https://www.high-performer.jp/consultant/ |
公開案件数 | 8,156件(2025年1月27日現在) |
職種 | PM・PMO、IT関連、SAP、戦略系、その他 |
案件の種類は、IT系のプロジェクトからPMO案件まで豊富に揃えており、月120万円を超える単価も多くみられます。
クライアントは一部上場企業や外資系企業などが中心となっているため、プロジェクトの規模も大きく、PMOやPMが集まりやすい傾向にあります。
社会保険関係や税金関係のサポートも充実しているため、はじめてフリーランスになったばかりの方でも、案件に集中して取り組めるでしょう。
報酬も支払いもスピーディーで、業界最速水準の翌月15日払いをアピールしています。
多数の高単価案件を紹介してもらいたい方に、おすすめのエージェントです。
POD
会社 | ランサーズ株式会社 |
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公式サイト | https://pod.jp/consultant/ |
公開案件数 | 999件(2025年1月27日現在) |
職種 | 経営/戦略、PM/PMO、IT関連・SAP、戦略系、その他 |
PODは、ランサーズ株式会社が運営する、フリーコンサルタント向けのマッチングサービスです。
コンサル業界で10年以上サービス運営を行ってきた実績から、経営/戦略系案件をはじめ、IT系、オペレーション系を中心に、独自のネットワークを活かした直請案件を数多く保有しています。
営業代行やプロジェクトの紹介、クライアントの調整やトラブルシューティングなどプロジェクトがスタートしたあとも手厚いサポートがあるので安心です。
非公開求人が85%以上あり、登録をすれば独自ルートで開拓をした案件を紹介してくれるので、より数多くの案件をチェックしたい方はぜひ一度登録をしてみてください。
Pro Connect(プロコネクト)
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運営会社 | 株式会社WorkX |
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公式サイト | https://pro-connect.jp/ |
公開案件数 | 119件(2025年1月27日現在) |
職種 | IT、PMO、戦略、業務改善、その他 |
Pro Connectは、専⾨性の⾼い外部⼈材を活⽤したい組織と、⾼い専⾨性を持つフリーランスをマッチングするワンストップ⽀援が可能なプラットフォームサービスです。
「高額マージン搾取の実情」や「不透明な人材紹介」がスタンダードとなっている業界に、フリーランスも企業も満足して取引できるシステムを提供したいという思いからスタートしたサービスです。
そのため、業界初の手数料を公開しているのが特徴で、手数料は最低8%と業界最低水準をキープしています。
案件タイプは、IT、PMOを中心に高単価案件を幅広く取扱われており、フリーランスの周辺事情にも詳しいエージェントが揃っているため、質の高いサポートも期待できます。
クライアント企業と直接交渉し、できるだけ中間マージンを抑え高単価にて案件参画したい方にはぜひおすすめしたいサービスです。
レバテックフリーランス

運営会社 | レバテック株式会社 |
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公式サイト | https://freelance.levtech.jp/ |
公開案件数 | 94,226件(2025年1月27日現在) |
職種 | インフラエンジニア、フロントエンジニア、アプリケーションエンジニア |
レバテックフリーランスはフリーランスエンジニアに特化した案件紹介サービスです。
業界でもトップクラスの案件獲得数を誇っており、年間の提案数は10万件を超えています。
こちらも独自にクライアント企業から案件を獲得しているため、比較的高い発注単価を実現しています。
特に首都圏や大都市圏の案件が多いようです。
デジタル人材バンク

運営会社 | 株式会社 クラウド人材バンク |
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公式サイト | https://consultant.digital.hr-bank.co.jp/ |
公開案件数 | 非公開(2025年1月27日現在) |
職種 | 戦略コンサル、ITコンサル、新規事業開発、BPR/業務設計など |
デジタル人材バンクは、高単価のデジタル案件に特化したマッチングプラットフォームです。
コンサルファームや大手SIer、大手ソフトウェアメーカーなど出身のハイクラス人材にマッチする、戦略やITコンサル案件を多く取り扱っています。
同業サイトと比較をしてもハイスキル層に特化しているので、高単価な案件が多い特徴があります。
コンサルティングファームやメガベンチャー出身者がマッチング担当として参画し、クライアントからの直請け案件を獲得するので、最適な案件を紹介してくれるでしょう。
ITコンサルタントのフリーランスに関する疑問

最後にフリーランスのITコンサルタントとして独立するに際して、よくある質問にお答えします。
未経験でもITコンサルタントのフリーランスになれますか?
全くの未経験でITコンサルタントになるのは難しいです。
IT分野に関してはクライアント企業も専門知識があることを前提にコンサルタントに依頼します。
コンサルタントとしての経験が無くても、少なくともIT分野の業務経験が豊富でなければ業務の受注は難しいでしょう。
>>未経験からITコンサルタントへ転職するためにやっておくべき対策
ITコンサルタントの案件獲得に役立つ資格はありますか?
資格をアピールするのであれば、ネットワークスペシャリストといった専門家の資格を持っていることが必要です。
IT関連では情報処理技術者資格をはじめとして、数多くの資格が存在します。
当然ながら、持っていないよりはどんな資格でも持っている方が有利ではあります。
ただITコンサルタントである以上、ITパスポートといった入口の資格ではアピール材料にはなりません。
ITコンサルタントはなぜ儲かるのですか?
ITコンサルタントが儲かる理由は、高い専門性が求められる専門職であることが挙げられます。
また、実力主義であるため、仕事の成果が直接収入に反映される点もあります。
しかし、仕事の成果が結びつかなければ収入は得られないため、自身のスキルを磨き案件を継続的に受注できるようにする必要があるでしょう。
ITコンサルタントはやめとけと言われる理由はなんですか?
ITコンサルタントは業務範囲が非常に広く、激務のイメージがあることや常に勉強をし続けなくてはいけないなどの点から、やめとけと言われることもあります。
しかし、きつい仕事である一方、やりがいを感じている方も多くいます。
ITコンサルタントは常に成長できる環境にいられる仕事であり、自身の頑張り次第では高収入も狙えるため、十分に目指す価値はあると言えるでしょう。
フリーランスITコンサルタントまとめ

IT系の業務経験があれば、特に資格などはなくてもITコンサルタントになることはできます。
また、ネットワーク社会の拡大やDXへの社会的関心の高まりもあり、ITコンサルタントへのニーズは高まっているので、フリーランスになってもやっていけるチャンスは大きいと言えます。
ただし、独立当初から安定的に業務を獲得し売上をあげていくことは簡単ではありません。
立ち上がり期には、案件紹介エージェントなども上手に使いながら実績を積み上げていけば、早期の安定経営につながるでしょう。
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