SAPコンサルタントは、企業の基幹業務を支えるSAPシステムの導入・運用を支援する専門職であり、高い専門性と将来性を兼ね備えた職種として注目されています。一方で、業務の幅広さやプロジェクトの責任の重さから、「激務なのではないか」という疑問を持たれることがあるのも事実です。
この記事では、SAPコンサルタントの仕事内容や必要なスキル、年収相場、キャリアパス、そして激務といわれる理由まで、網羅的に解説します。SAPコンサルタントという仕事のリアルを知り、自分に合った働き方を考えるきっかけにしてください。
コンサル業界向け
おすすめ転職エージェント
サービス名 | 特徴 |
---|---|
![]() MyVison | 200社以上のコンサルファームとの強固なコネクションで国内に展開するファームほぼすべてに紹介可能。 「面接対策資料」と「想定頻出問答集」に加え、元コンサルタントを仮想面接官とした模擬面接により、実践力を鍛えられる |
![]() アクシスコンサルティング | 大手ファームの4人に1人が登録する国内最大級コンサル採用・転職支援サービス 未経験からのコンサル転職やポストコンサル、事業会社CxOなど、希望のキャリアパスに応じて幅広い支援が可能。 |
![]() コンコードエグゼクティブグループ | 日本ヘッドハンター大賞MVP受賞の転職支援サービス コンサル幹部との強固なネットワークでマッキンゼーやBCGなどの「コンサルタント転職」や、コンサル出身者の経営幹部キャリアを支援する「ポストコンサル転職」に高い実績あり |
関連記事>>SAPコンサルタント向けおすすめ転職エージェント

監修者:
本多 翔
フリーコンサル株式会社 代表取締役
大学院卒業後、EYアドバイザリー株式会社(現EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング)にてコンサルティング業務に従事。現在はフリーコンサル株式会社を創業し、コンサルタント・ハイクラス人材向けに転職・フリーランス案件を紹介する「フリーコンサルエージェント」を運営。あわせて大手企業を中心にマーケティングや業務改革支援など、コンサルティング事業も展開している。
SAPとは?
SAPとは各業界で圧倒的なシェアを誇っている企業向けERPパッケージ製品。マイクロソフト、オラクルなどに次ぐ世界最大クラスのドイツのソフトウェアメーカーのSAP社が提供しています。
ERPとは企業の経営資源である「ヒト・モノ・カネ」といった情報を部門ごとではなく企業全体で1つに統合し、リアルタイムで整合性が取れたデータを連携できるシステムのことです。
ERPシステムの中には部門・業務ごとでしか統合できないものもありますが、SAPは「完全統合型ERP」と呼ばれ、企業全体のあらゆる情報の一元管理が可能です。情報伝達のタイムラグがなくなり、素早い経営判断を行うことができます。
SAPコンサルタントとは?
SAPコンサルタントとは、企業の基幹システム「SAP」を活用し、業務効率化や経営課題の解決を支援する専門職です。
会計・販売・人事・生産など幅広い業務領域を理解し、課題を分析して最適なシステム設計を行います。単なるITエンジニアではなく、ビジネスの視点から企業の変革を推進する“戦略的パートナー”としての役割が求められます。
経営層や現場担当者と意見を交わしながら、業務プロセスの最適化を実現する点が特徴です。ITスキルに加え、論理的思考力、コミュニケーション力、課題解決力といった総合的な能力が欠かせません。
SAPコンサルタントとSEとの違い
SAPコンサルタントは、顧客の業務課題を把握し、最適なシステム導入計画を立てる上流工程を担います。一方、SE(システムエンジニア)は、その方針をもとに具体的な設計や開発、テストを行う実装担当です。
つまり、SAPコンサルタントは「何を実現するか」を考え、SEは「どう実現するか」を形にする立場です。コンサルタントは顧客と直接やり取りを行い、経営目線で課題を整理する能力が求められます。ITの知識に加え、業務や会計などのビジネス理解が深いほど、より上流で活躍できる職種といえるでしょう。
SAPコンサルタントは激務でしんどい?
SAPコンサルタントは、プロジェクトの進行状況によって忙しさが大きく変わります。特に要件定義や導入直前のフェーズでは、顧客対応やトラブル処理が重なり、残業が増えることもあります。責任範囲が広く調整業務も多いため、プレッシャーを感じる場面もあるでしょう。
しかし、常に激務というわけではなく、運用・保守フェーズでは安定した働き方ができるケースも多く見られます。近年はリモート勤務やフレックス制度が整備され、以前より柔軟な働き方が可能です。計画的にタスクを進められる人ほど、ワークライフバランスを保ちながら活躍できます。
SAPコンサルタントの仕事内容
SAPコンサルタントの主な役割は、企業の業務課題を理解し、SAPシステムを通じて解決へ導くことですが、フェーズごとに関わる領域が異なります。ここでは代表的な3つの業務を順に紹介します。
業務コンサルタントとしての役割
企業の現行業務を分析し、課題や非効率を洗い出したうえで、最適な業務プロセスを設計します。会計・人事・販売・生産など幅広い分野に精通し、経営目標を踏まえたシステム化方針を提案するのが役割です。
単なる設定や操作指導にとどまらず、経営改善やコスト削減を視野に入れた業務変革を支援します。顧客との対話を通じて課題を明確化し、要件定義書に落とし込む過程では、論理的思考と折衝力が不可欠です。システムとビジネスをつなぐコンサルタントの核心的な仕事といえます。
システム導入・開発フェーズの支援
要件定義で整理した内容をもとに、SAP導入を具体化していくフェーズです。財務(FI)・購買(MM)・販売(SD)など各モジュールの専門知識を活かし、システム設計やカスタマイズ、テストを進めます。開発チームや顧客担当者と密に連携しながら、要件を正確に反映させることが求められます。
SAP導入の過程では、追加要望や仕様変更が発生することも多く、柔軟な調整力と技術理解が欠かせません。また、データ移行やユーザー教育、テスト計画の立案なども重要な業務です。システムを「運用できる状態」に仕上げるこの工程は、品質と納期の両立が問われる核心的なフェーズといえます。
運用・保守および改善提案
導入後は、システムが安定稼働するよう保守対応を行い、ユーザーからの問い合わせやトラブルに対応します。日常的なサポートに加え、業務データの分析を通じて業務改善を提案することも重要な役割です。新機能の追加や操作性向上など、企業の成長に合わせてシステムを進化させる支援を行います。
さらに、ユーザー研修やマニュアル作成を通じて社内定着を促すケースもあります。導入後も継続的に価値を提供し続けることで、企業にとって信頼できるパートナーとしての存在感を高めていきます。
SAPコンサルタントの年収相場
SAPコンサルタントの年収は、専門性の高さと需要の強さから、IT業界の中でも比較的高水準に位置しています。求人サイトに投稿された給与情報をもとにすると、その平均は約722万円※というデータもあります。
ただし、これはあくまで公開された情報の集計であり、正確な市場全体の平均とは限りません。実際の年収はスキル・経験・案件単価などによって大きく異なります。
参照元
※ indeed「日本でのSAPコンサルタントの給与」(2025年10月6日時点、約5,100件の報告ベース)
SAPコンサルタントの将来性
SAPコンサルタントの需要は今後も高水準で推移すると予測されています。2027年にSAP ERP(ECC 6.0)の保守が終了予定※1であり、企業のS/4HANA移行が進む中、システム刷新を支援できる人材へのニーズが急増しています。
国内ERP市場は2024年に前年比12.1%増の1,684億円規模に拡大し、2025年も11.7%成長見込み※2。また、S/4HANA移行済み企業比率も前年より11.8ポイント増※3と、移行需要の高まりが明確です。
今後はクラウド化やAI活用などが進み、SAPコンサルタントの活躍領域はさらに広がるでしょう。変化に柔軟に対応できる人ほど、長く価値を発揮できる職種です。
参照元
※1 SAP社「SAP Business Suite 7 Maintenance延長ポリシー」
※2 Yano ICT「ERP市場動向に関する調査を実施(2025年)」
※3 電通総研「電通総研、275社への独自調査「SAPユーザー意識調査結果2024年度版」を発表」
SAPコンサルタントに向いている人
SAPコンサルタントとして活躍するには、専門知識だけでなく思考力や対人スキルなど、さまざまな資質が求められます。ここでは、特に向いている人の特徴を3つ紹介します。
業務理解と論理的思考が得意な人
SAPコンサルタントは、企業の業務課題を分析し、それに合ったSAP導入の方針を設計することが求められます。そのため、会計・人事・生産管理などの業務フローを理解し、課題の本質を見抜く力が必要です。
業務要件を整理し、最適なシステム構成に落とし込む際には、論理的な思考プロセスが欠かせません。単に技術的な知識だけではなく、ビジネスの構造や仕組みを理解できる人ほど、顧客との対話や提案において信頼を得やすく、導入プロジェクト全体を成功に導くことができます。
コミュニケーション力が高い人
SAP導入プロジェクトでは、顧客企業の担当者や社内の開発チームなど、多くの関係者と密に連携する必要があります。そのため、相手の意図をくみ取る傾聴力、分かりやすく伝える説明力、意見の異なる場面での調整力といった高度なコミュニケーション能力が求められます。
特にSAPコンサルタントは、業務とITの間に立つ存在であり、双方の意見をうまく取りまとめる役割を担います。信頼関係を築きながらプロジェクトを前に進められる人は、チームの中でも重宝される存在です。
学習意欲が高く変化に柔軟な人
SAPは頻繁にアップデートされる製品であり、S/4HANAへの移行やクラウド化など、技術・運用のトレンドも常に変化しています。SAPコンサルタントとして活躍し続けるには、そうした変化に前向きに対応し、最新知識を自ら学び取りに行く姿勢が欠かせません。
また、企業ごとに業務フローやシステム環境が異なるため、プロジェクトごとに柔軟に対応する力も重要です。新しい知識やツールを吸収しながら、最適なSAP導入支援を行える人ほど、現場で信頼を集める傾向にあります。
SAPコンサルタントに向いていない人
SAPコンサルタントの働き方や業務特性が合わないと感じる人もいるでしょう。ここでは、ミスマッチになりやすいタイプの特徴を取り上げます。
安定志向が強い人
SAPコンサルタントの仕事は、プロジェクトごとに内容や関係者が大きく変わるため、常に新しい環境や課題への適応が求められます。導入フェーズではタイトなスケジュールのなかで調整業務が重なったり、顧客からの急な変更依頼に対応する必要があったりと、変化の多い働き方です。
そのため、同じ業務をコツコツこなすことに安心感を覚えるタイプの人や、環境の変化をストレスに感じやすい人には不向きです。安定よりも成長や挑戦を好む人に向いた職種といえます。
調整よりも技術作業だけに集中したい人
SAP導入プロジェクトにおいて、コンサルタントの役割はプログラミングや設計といった開発業務にとどまりません。むしろ、業務要件の整理や関係者との折衝、進行管理など、人と関わる場面が中心になります。
そのため、黙々と一人で開発作業だけに取り組みたい人や、人との調整やコミュニケーションを避けたい人にとっては、ストレスを感じやすい環境かもしれません。SAPコンサルタントは、人と協力しながら全体を前に進める力が重視される仕事です。
最新の技術やトレンドに興味が薄い人
SAPは世界中の企業で利用されている大規模なERPであり、S/4HANAやSAP BTP(Business Technology Platform)といった新しいソリューションが次々と登場しています。これらを適切に活用するには、常に情報収集を怠らず、最新の動向に敏感な姿勢が必要です。
技術や業務知識のアップデートを負担に感じる人や、変化に対して関心が持てない人にとっては、SAP導入支援の現場で活躍することが難しくなる可能性があります。学び続ける姿勢が成功のカギです。
SAPコンサルタントになるには?必要なスキルや経験
SAPコンサルタントとして活躍するためには、専門的な知識に加えて幅広いスキルが求められます。以下では、特に重要な4つのスキル・経験を解説します。
SAPスキル
SAPコンサルタントにとって、SAP製品そのものへの理解は必須です。各モジュール(FI、CO、SD、MMなど)の基本機能や構成を理解し、業務にどのように適用できるかを把握することが重要です。
さらに、S/4HANAやFioriなど最新のSAPソリューションにも対応できる知識があると、導入支援や提案の幅が広がります。業務経験のある分野に関連するモジュールから学び始めると理解しやすく、実務に直結するケースが多いです。SAP認定コンサルタント資格の取得も、スキルの証明として非常に有効です。
ITスキル
SAPは業務システムであると同時に、複雑な技術基盤の上で動くソリューションです。そのため、ITインフラに関する基本的な知識があると、プロジェクト全体の理解が深まります。SAP独自のプログラミング言語であるABAPや、インターフェース設計に関する理解も業務で役立つ場面が多くあります。
特に、開発寄りの実装を担当するSAPエンジニアと連携する際には、ある程度の技術的素養が必要です。SAPコンサルタントは、ITに明るくない顧客とSAPエンジニアの間に立つ立場でもあり、双方の橋渡しをする能力が求められます。近年はのクラウド技術にも対応するため、技術トレンドへのキャッチアップも欠かせません。
業務スキル
SAPは業務システムであるため、対象となる業務領域の理解が非常に重要です。たとえば、会計なら仕訳や決算の流れ、人事なら給与計算や勤怠管理など、実務で使われる言葉や仕組みを理解していることで、ユーザーとの会話が格段にスムーズになります。
業務スキルを持つことで、要件定義や導入後の支援で信頼を得やすくなり、実践的な提案力も向上するでしょう。前職での業務経験を活かしてコンサルタントに転身するケースも多く、現場目線で物事を考えられる人材が重宝されます。
コミュニケーション能力
SAP導入プロジェクトは多くの関係者との連携が不可欠なため、コミュニケーション力は非常に重要なスキルです。顧客からのヒアリング、要件の整理、社内チームとの調整、開発メンバーとの連携など、情報の橋渡し役を担う場面が多数あります。
相手の立場や背景を理解し、分かりやすく説明したり、意見の食い違いを調整したりする力が必要です。対話力や調整力があることで、プロジェクトの信頼性が高まるだけではなく、トラブルの早期解決にもつながります。技術だけでなく、人との関わりに自信がある人ほど成功しやすい職種です。
SAPコンサルタントにおすすめの資格
SAP領域での信頼性や専門性を高めるうえで、以下の資格は非常に有効です。それぞれの特性に応じて、自身に合ったものを選びましょう。
SAP認定コンサルタント資格
SAP社が公式に発行する「SAP認定コンサルタント資格」は、SAPに関する知識と導入スキルを客観的に示せる代表的な資格です。モジュールごとに分かれており、たとえば会計(FI)や販売(SD)、購買(MM)など、自分の得意領域に合わせて選べます。
試験内容はグローバルで共通なので、外資系企業や海外案件でも評価されやすい点も強みです。SAP導入に関わる実務経験がある方なら、知識を体系的に整理できる良い機会にもなります。これからSAPの世界に本格的に関わりたい人や、キャリアの武器を増やしたい人にとって、非常に有効な資格といえるでしょう。
ITストラテジスト試験(ST)
ITストラテジスト試験は、ITと経営の橋渡しができる人材を育てる国家資格です。「企業の経営課題を踏まえながら、ITの力でどんな戦略を描いていけるか」その構想力が問われる試験内容になっています。
SAP導入の初期段階、たとえば構想策定や全体デザインの場面で活躍したい方には、とても相性の良い資格といえるでしょう。単なるシステム導入だけでなく、IT投資全体の方向性を提案できる人材を目指したい方におすすめです。経営層と対話する場面が多いSAPコンサルタントにとって、説得力を高める武器にもなります。
中小企業診断士
中小企業診断士は、ビジネスの現場で求められる知識を幅広く学べる国家資格です。経営、会計、人事、マーケティングなど、実務に直結する内容が網羅されており、「業務コンサル」としての地力を高めたい人にはぴったりです。
SAPコンサルタントの仕事は、ITの知識だけでなく、業務や経営の理解も欠かせません。その点でこの資格は、顧客との対話や業務改善の提案にも活きてきます。特に、現場出身でIT分野に転向したい方や、業務改善に深く関わりたい方にとっては、実務で役立つ場面が多い資格といえるでしょう。
SAPコンサルタントのキャリアパス・転職先
SAPコンサルタントとして経験を積むことで、進めるキャリアの選択肢は大きく広がっていきます。ここでは、代表的な3つの進路パターンを紹介します。
シニアコンサルタント・プロジェクトマネージャーへの昇格
まず多くの人が目指すのは、社内でのステップアップです。実務経験を重ねて専門性を深めていくことで、シニアコンサルタントとしてより高度な要件定義や業務改善に携われるようになります。また、プロジェクト全体をリードするプロジェクトマネージャー(PM)への道も開けます。
SAP導入は数ヶ月〜年単位の大規模プロジェクトになることが多く、マネジメントの役割は重要です。チームの統括だけでなく、顧客折衝や進行管理、リスク対応など業務範囲は広く、ビジネス全体を俯瞰できる人材としての評価も高まります。
事業会社の情報システム部門への転職
SAP導入の経験を活かして、ユーザー企業側に転職するケースも少なくありません。いわゆる「事業会社の情シス」への転身です。自社内でシステムの運用や改善にじっくり取り組める点や、長期的に安定した働き方ができる点に魅力を感じる人も多いです。
外部ベンダーとしての立場から、ユーザー企業の一員として、社内の業務をより深く理解しながら改善を提案できるようになるのが特徴です。とくに育児や働き方の見直しをきっかけに、ワークライフバランスを重視した転職を選ぶケースも増えています。
独立・フリーランスとしてのキャリア
近年では、SAPコンサルタントとして独立する人も増えてきました。特にS/4HANAの導入支援や移行プロジェクトの需要が高まる中、専門性の高い人材はフリーランス市場でも引く手あまたです。実務経験と業務知識を兼ね備えた人であれば、週3〜4日稼働でも高単価な案件を受けることが可能です。
企業と直接契約するケースもあり、柔軟な働き方や収入アップを実現している人も多いです。自律的に働きながらも、プロフェッショナルとして価値を発揮したい人には魅力的な選択肢と言えるでしょう。
未経験からSAPコンサルタントになるには
結論から言うと、未経験からでもSAPコンサルタントを目指すことは十分可能です。SAPコンサル未経験の場合におけるステップアップについて解説します。
企業の業務知識とITスキルを基礎から学ぶ
まずは、SAPを理解するうえで欠かせない「業務」と「IT」の基礎知識を身につけることから始めましょう。SAPは企業の会計、販売、購買、人事などの業務と密接に関わるため、実際の業務フローや用語を理解しておくことが重要です。たとえば、簿記や基本的な経営知識、Excelスキルなども役立ちます。
一方で、システムの構造やデータベース、ネットワークといったITの基本も押さえておくと、後の学習がスムーズになります。最初から完璧を目指す必要はありませんが、「業務とITの両方を理解する」という意識を持っておくと、後の成長スピードが格段に変わってきます。
SAPの基礎を学べる研修や講座を受講する
次のステップとして、SAPの仕組みや画面操作、各モジュールの機能などを体系的に学べる環境を活用しましょう。SAP社が提供する公式トレーニングのほか、民間のスクールやeラーニング講座も充実しており、初心者でも基礎から学べる内容になっています。
特に「SAP認定コンサルタント資格」を視野に入れることで、学習のゴールが明確になります。演習形式でSAPの画面に触れることで、実務をイメージしやすくなるのも大きなメリットです。独学が難しいと感じる人にとって、体系的に学べる研修は、未経験者にとっての最短ルートといえるでしょう。
SAP関連プロジェクトに関われる企業で経験を積む
基礎を学んだ後は、実際にSAPに関われる現場で経験を積むのがおすすめです。SIerやITコンサルティング会社のなかには、未経験でもアシスタントやサポート業務から関われるポジションがあります。また、SAPを導入・運用している事業会社の情報システム部門で働くのも一つの方法です。
最初は運用保守やデータ整理、マスタ管理などの補助的な業務でも問題ありません。現場での経験を通じて、導入支援や要件定義といった上流工程にも徐々に関われるようになります。「SAP関連プロジェクトの一員になること」自体が、スキルアップの大きな第一歩となるでしょう。
SAPコンサルタントの求人例【未経験可】
未経験からチャレンジ可能なSAPコンサルタントの実際の求人例を紹介します。
【職種未経験歓迎】パブリッククラウドの導入・構築支援
【職種未経験歓迎】パブリッククラウドの導入・構築支援 | |
---|---|
役割 | SAPコンサルタント |
業務内容 |
|
要件 |
|
年収 | 650万円~1,800万円 |
※記事執筆時点の情報のため現在は募集終了している可能性があります
クラウド領域で成長したい未経験者に最適な求人です。教育体制が整っており、SAPパブリッククラウド導入を通じて上流工程へのスキルアップを目指せます。
【職種未経験歓迎】化学・産業業界向けSAPコンサルタント
【職種未経験歓迎】化学・産業業界向けSAPコンサルタント | |
---|---|
役割 | SAPコンサルタント |
業務内容 |
|
要件 |
|
年収 | 450万円~650万円 |
※記事執筆時点の情報のため現在は募集終了している可能性があります
製造業出身者がIT業界へキャリアチェンジしやすい環境です。研修体制が整っており、未経験からでもシニアコンサルのもとで実務経験を積むことができます。
【未経験可】パッケージ導入・導入コンサルタント
【未経験可】パッケージ導入・導入コンサルタント | |
---|---|
役割 | SAPコンサルタント |
業務内容 | SAPシステムの導入・開発・保守まで幅広く担当 |
要件 |
|
年収 | 460~530万円 |
※記事執筆時点の情報のため現在は募集終了している可能性があります
IT業界未経験からコンサルタントを目指せる求人です。導入から運用まで一貫して関われるため、基礎から実務スキルを身につけたい方におすすめです。
SAPコンサルタントにおすすめの転職エージェント
SAPコンサルタントへの転職におすすめのエージェントを紹介します。
MyVision

引用元:MyVision
- コンサル業界出身のプロが多数在籍
- 戦略・総合・ITなど200社以上のファーム※と強いコネクション
- SAP導入経験者向けの非公開ポジションや特別選考ルートも保有
MyVisionは、コンサル転職に特化した転職エージェントで、コンサルファーム出身者や支援実績豊富なエグゼクティブコンサルタントが多数在籍しているのが特徴です。とくに戦略・総合・IT・シンクタンク系など200社以上のファーム※と直接つながりがあり、SAP導入支援や業務改革に携わるポジションも豊富に扱っています。
求職者の7割が未経験からのチャレンジ※であり、キャリア相談から面接対策まで丁寧にサポート。中長期的な視点で「今は転職しない」選択肢まで含めた提案ができる点も信頼されています。
また、過去数千件の面接データをもとに作られた独自の対策資料や、元コンサルによる模擬面接も提供しており、選考突破力を高めたい方にとって心強い存在です。
SAP領域での実務経験を活かして、戦略や業務改革ポジションにステップアップしたい方や、非公開求人を活用して年収・ポジションの両面でキャリアアップを目指す方にとって、MyVisionは非常に相性のよいエージェントです。
MyVisionの基本情報 | |
---|---|
運営会社 | 株式会社MyVision |
公式サイト | https://my-vision.co.jp/ |
公開求人数 | 非公開(2025年10月10日現在) |
主な求人職種 | コンサルタント特化 |
関連記事>>MyVisionの評判・口コミ
レバテックキャリア

引用元:レバテックキャリア
- IT・Web領域に特化した転職支援に15年以上の実績※
- 現場ヒアリングに基づいた“リアルな職場情報”を提供
- SAP経験者向けのITポジション・インハウス求人にも強みあり
レバテックキャリアは、ITエンジニアやWebデザイナーの転職に特化したエージェントで、15年以上※にわたり業界を熟知したキャリア支援を行ってきた実績を持ちます。
年間7,000回以上の企業訪問※を通じて現場情報を収集しており、マネジメント体制やチームの雰囲気、残業時間など、求人票には載らないリアルな職場環境まで把握したうえで求人提案を行ってくれるのが大きな特長です。
SAP導入に関わるIT領域(システム基盤、インフラ、社内SEなど)への転職にも強く、SAPシステムに関する知見を活かしてインハウスIT職や大手SIerへのキャリアチェンジを目指す方にとって相性の良いエージェントです。職務経歴書の添削や企業別の面接対策も丁寧で、初めての転職でも安心して相談できます。
エンジニアやIT×業務系領域のスキルを活かして転職を考えるSAPコンサルタント経験者には、選択肢を広げる上で非常に有力なサービスといえるでしょう。
レバテックキャリアの基本情報 | |
---|---|
運営会社 | レバテック株式会社 |
公式サイト | https://career.levtech.jp/ |
公開求人数 | 45,774件(2025年10月10日現在) |
主な求人職種 | IT、Web、コンサル、マーケティング、PM、デザイナー |
関連記事>>レバテックキャリアの評判・口コミ
マイナビITエージェント

引用元:マイナビITエージェント
- IT・Web領域に特化した大手エージェント
- 業界・職種別に専門性を持つキャリアアドバイザーが多数在籍
- 未経験からのキャリアチェンジや社内SE転職にも強み
マイナビITエージェントは、IT・Web業界での転職に特化した転職エージェントで、全国規模で豊富な求人情報を保有しています。大手・優良企業の非公開求人も多数あり、社内SEやITコンサル、インフラエンジニアなど、SAPの知識や経験を活かせるポジションが豊富にそろっています。
特に評価されているのは、IT領域に精通したキャリアアドバイザーによる丁寧なサポートです。書類添削や模擬面接はもちろん、キャリアプランの整理や年収交渉まで、一人ひとりの希望に合わせた支援が受けられます。実際に、転職後90日以内の定着率は99.2%※と非常に高く、はじめての転職でも安心して利用できます。
SAP導入に関わる開発やPM経験を活かして、ITコンサル職やインハウスSEに転身したい方、または働きやすい職場環境にこだわりたい方にとって、マイナビITエージェントは信頼できるパートナーとなるでしょう。
参照元
※ マイナビITエージェント(2023年10月1日~2024年9月30日にマイナビの人材紹介サービスで入社された方の90日の定着率)
マイナビITエージェントの基本情報 | |
---|---|
運営会社 | 株式会社マイナビ |
公式サイト | https://mynavi-agent.jp/it/ |
公開求人数 | 25,467件(2025年10月10日現在) |
主な求人職種 | IT、Web、コンサル、マーケティング、PM、デザイナー |
関連記事>>マイナビITエージェントの評判・口コミ
SAPコンサルタントについての疑問
SAPコンサルタントを目指すにあたって、よくある疑問や気になるポイントをまとめました。転職や独立を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
有名なSAPコンサル企業は?
SAP導入や運用支援を専門に手がける企業は多数ありますが、代表的なコンサルティング会社としては以下が挙げられます。
- アクセンチュア
- IBM
- NTTデータグループ
- 富士通
- 日立製作所 など
これらの企業は、大規模なSAP導入プロジェクトに数多く携わっており、業界別のノウハウや最新のSAPソリューションへの対応力も高いのが特徴です。
ほかにも、テクノスジャパンやビジネスエンジニアリング(B-EN-G)など、SAPに特化した中堅コンサル企業もあり、モジュールごとの専門性を活かせる環境が整っています。企業ごとに支援スタイルやプロジェクト規模が異なるため、自分のスキルや志向に合った会社を選ぶことが重要です。
SAPコンサルタントはフリーランスとして独立できる?
SAPコンサルタントは、経験を積めばフリーランスとして独立することも可能です。SAPフリーランスとして特に需要が高いのは、FIやSD、MMといった主要モジュールの導入経験者や、S/4HANA移行に関するスキルを持つ人材です。
業務委託で月単価100万円以上の案件も珍しくなく、週3〜4日稼働の案件も増えてきています。フリーランス向けエージェントを活用すれば、非公開案件にアクセスできるケースも多く、営業や契約周りのサポートも受けられます。働き方の自由度を求める人にとって、SAP領域は非常に相性の良い市場といえるでしょう。
SAPコンサルタントまとめ
SAPコンサルタントは、企業の業務改善や経営課題の解決をシステム面から支える専門職です。未経験からでもステップを踏めば十分目指せる職種であり、スキルを磨くことで社内昇進はもちろん、フリーランスや事業会社への転職といった多様なキャリアも選択できます。
年収相場も高く、将来性にも優れた分野です。「業務×IT」の視点を活かして働きたい方にとって、SAPコンサルタントはやりがいと成長を両立できる魅力的な仕事といえるでしょう。
コンサル業界向け
おすすめ転職エージェント
サービス名 | 特徴 |
---|---|
![]() MyVison | 200社以上のコンサルファームとの強固なコネクションで国内に展開するファームほぼすべてに紹介可能。 「面接対策資料」と「想定頻出問答集」に加え、元コンサルタントを仮想面接官とした模擬面接により、実践力を鍛えられる |
![]() アクシスコンサルティング | 大手ファームの4人に1人が登録する国内最大級コンサル採用・転職支援サービス 未経験からのコンサル転職やポストコンサル、事業会社CxOなど、希望のキャリアパスに応じて幅広い支援が可能。 |
![]() コンコードエグゼクティブグループ | 日本ヘッドハンター大賞MVP受賞の転職支援サービス コンサル幹部との強固なネットワークでマッキンゼーやBCGなどの「コンサルタント転職」や、コンサル出身者の経営幹部キャリアを支援する「ポストコンサル転職」に高い実績あり |