PEファンドの年収相場を解説!職位別の水準やキャリーについても紹介

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PEファンドの年収相場を解説!職位別の水準やキャリーについても紹介

金融業界の中でも圧倒的な高待遇で知られるPE(プライベート・エクイティ)ファンド。

「PEファンドの年収は本当に億を超えるのか?」「激務に見合うだけの報酬は得られるのか?」と、その実態に関心を寄せている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、日系・外資系PEファンドの年収相場や報酬体系、具体的な仕事内容から、転職を成功させるためのおすすめエージェントまでを徹底解説します。ハイエンドなキャリアを目指す方は、ぜひ参考にしてください。

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監修者
本多 翔
フリーコンサル株式会社 代表取締役

大学院卒業後、EYアドバイザリー株式会社(現EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング)にてコンサルティング業務に従事。現在はフリーコンサル株式会社を創業し、コンサルタント・ハイクラス人材向けに転職・フリーランス案件を紹介する「フリーコンサルエージェント」を運営。あわせて大手企業を中心にマーケティングや業務改革支援など、コンサルティング事業も展開している。

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目次

PEファンドとは

PEファンドとは

PEファンド(Private Equity Fund)とは、主に未公開企業や事業承継ニーズのある企業の株式を取得し、経営に深く関与することで企業価値を最大化させ、その後の売却(Exit)によって利益を得る投資ファンドのことです。

一般的な株式投資と異なる最大の特徴は、「経営権の取得」にあります。

単に資金を提供するだけでなく、ファンドから役員を派遣し、事業戦略の再構築やコスト削減、組織改革といった「ハンズオン支援」を行うことで、3〜5年という中長期スパンで企業の成長や再生を主導します。

「投資家」としての金融的スキルと、「経営者」としての実業的スキルの双方が求められる、極めて専門性の高い領域です。

PEファンドの仕事内容

PEファンドの仕事内容

PEファンドの業務は、投資対象の選定から企業価値の向上、そして最終的な利益確定まで多岐にわたります。高い専門性と実行力が求められるこれら一連のプロセスについて、具体的なフェーズごとに解説します。

投資先の発掘(ソーシング)

投資活動のスタート地点となるのが、買収候補となる企業を探し出し、接点を持つ「ソーシング」です。まずは市場調査に基づき投資対象のリストを作成し、M&A仲介会社や金融機関からの紹介、あるいは経営者への直接のアプローチを通じて案件を発掘します。

優良な案件は競争が激しいため、独自のネットワーク構築や、オーナー経営者が抱える事業承継などの課題を汲み取る力が重要です。

信頼関係を築き、秘密保持契約(NDA)を締結して、より詳細な検討段階へと進めるための情報を入手することが、このフェーズの主な目的となります。

投資検討

入手した情報を基に、投資の実行可否を精査するフェーズです。ビジネス、財務、法務などの専門家を起用して「デューデリジェンス(DD)」を行い、事業のリスクや成長性を徹底的に洗い出します。

担当者はこれらの調査結果を統合し、精緻な財務モデルを作成して、将来のキャッシュフローや期待リターン(IRR)をシミュレーションします。

「どのような戦略で企業価値を高め、いつ誰に売却するか」という明確な投資ストーリーを描き、社内の投資委員会(IC)で承認を得ることがミッションです。数字への強さと、論理的な説明能力が高度に求められます。

契約(エグゼキューション)とバリューアップ

投資委員会での承認後、最終契約書の締結や買収資金の調達(LBOローン)を行い、払い込みを完了させるのが「エグゼキューション」です。投資実行後は直ちに、企業価値向上を目指す「バリューアップ」へと移行します。

ファンドメンバーは社外取締役などとして経営に参画し、経営陣と共に「100日プラン」と呼ばれる短期改革や中長期の成長戦略を実行します。

組織体制の強化、コスト削減、新規事業の推進などを行い、企業を「磨き上げ」た上で、最終的にIPOやM&Aによる売却(Exit)を目指します。投資家としての視点と、経営者としての実行力の両方が問われる段階です。

PEファンドの報酬体系

PEファンドの報酬体系

PEファンドの報酬は、一般的に「ベース給与」「年間賞与」、そしてPE特有の「キャリード・インタレスト(成功報酬)」の3つで構成されています。ベース給与だけでも投資銀行と同等以上の高水準ですが、最大の特徴はキャリーの存在です。

キャリーとは、投資先企業の売却(Exit)で得られた利益の一部がメンバーに分配される仕組みで、成果次第では一度に数千万円から億単位の収入を得ることも可能です。

通常、この権利はVP以上のシニア層に付与されることが多いですが、圧倒的なアップサイドがあるため、金融業界の中でも最高峰の年収水準を実現できるシステムとなっています。

PEファンドの年収相場

PEファンドの年収相場

日系・外資系それぞれのPEファンドの年収相場を紹介します。

日系PEファンドの年収相場

日系PEファンド(独立系、銀行・商社系など)の年収は、一般的な事業会社より高水準です。アソシエイトクラスでも年収900万円〜1,000万円前後から始まり、役職が上がるにつれて確実にベースアップしていくのが特徴です。

さらに、ファンドの運用成績に応じた賞与(キャリー)が加算される場合もあります。以下は、求人サイト「コトラ」を参考に推定した年収目安です。

職位 年収
パートナー/マネージングディレクター 1500万円~2000万円以上
シニアディレクター/ディレクター/プリンシパル 1500万円以上
シニアヴァイスプレジデント/ヴァイスプレジデント 1000万円以上
シニアアソシエイト/アソシエイト 900万円以上

実際の求人では母体により幅があります。例えば大手金融系の事業投資担当(アソシエイト)で580万〜1,000万円、商社系のVP〜ディレクターで1,000万〜2,000万円程度の提示が見られます。

専門性が高いポジションでは、VPクラス以上で2,000万円台への到達も十分可能です。

参考

コトラ「投資顧問部 プロダクト担当(シニア) プライベートクレジット(オルタナティブ投資専門の運用会社)の求人・転職情報」
コトラ「大手総合金融グループにおける事業投資担当(日米上場の大手総合金融グループ)の求人・転職情報」
コトラ「商社系大手バイアウトファンドにおけるIRポジション(経験者)(国内大手商社系バイアウトファンド)の求人・転職情報」
(全て2025年12月3日時点の情報による)

外資系PEファンドの年収相場

外資系は世界水準の給与体系であり、日系よりもさらに高額になる傾向があります。ベース給与に加え、成果報酬やExit時のボーナス比重が高く、上位職では数千万円〜億単位の年収も珍しくありません。

以下は、複数の転職エージェント情報を参考に推定した年収目安です。

職位 年収
パートナー/マネージングディレクター 3000万円以上
シニアディレクター/ディレクター/プリンシパル 2000万円以上
シニアヴァイスプレジデント/ヴァイスプレジデント 1500万円~2000万円以上
シニアアソシエイト/アソシエイト 800~1000万円以上

近年の求人例では、アソシエイト候補で900万〜1,200万円、VPクラスの投資担当で2,000万円以上が提示されています。世界有数のファンドでは「1,500万円〜8,000万円」という非常に広いレンジの募集も確認されており、実力と成果次第で青天井に近い年収を得ることが可能です。

参考

コトラ「外資大手バイアウトファンドにおける不動産ファイナンス担当(シニアアソシエイト〜ディレクター)(大手外資系PEファーム)の求人・転職情報」
コトラ「外資大手バイアウトファンドにおける投資担当 (製造業セクター:VP)(大手外資系PEファーム)の求人・転職情報」
コンコードエグゼクティブグループ「世界有数の投資ファンドでアナリスト~ディレクターを募集」
コンコードエグゼクティブグループ「【外資系大手PEファンド】アソシエイト候補を募集 [011877] 」
(全て2025年12月3日時点の情報による)

PEファンドの最大手・御三家とその年収

PEファンドの最大手・御三家とその年収

PEファンドとして特に影響力が大きく報酬水準が高いとされるのは、運用資産残高(AUM)で世界最大級のブラックストーン、そして業界の歴史を牽引してきたKKRカーライル・グループなどが挙げられ、これらが御三家として認識されることが一般的です。

年収に関する具体的な情報は非公開ですが、OpenMoneyOpenWorkに掲載されていた従業員の口コミでは、年収に関して以下のような回答が確認できました。

ファンド名 年収情報
ブラックストーン 回答者5名の平均:2,584万円※1
KKR 回答者3名の事例:600万~2億円まであり※2
カーライル 回答者1名の事例:900万円+ボーナス600万円~3000万円まであり※3

ポジション等によってかなり幅がある回答となっていましたが、上は数千万以上とかなり高年収の社員もいることが見て取れました。

このように、PEファンドの年収は、個人の経験、職位、キャリー報酬の有無により変動します。特にシニア層では成功報酬が加わることで、高額な報酬となる可能性があります。

参照元

※1 OpenMoney「ブラックストーン・グループ・ジャパンの年収・給与制度」
※2 OpenWork「KKRジャパンの「年収・給与制度」」
※3 OpenWork「カーライル・ジャパン・エルエルシーの「年収・給与制度」」
(全て2025年12月3日時点の情報による)

PEファンドの年収は他業界よりも高いのか

PEファンドの年収は他業界よりも高いのか

PEファンドの年収水準は、他業界と比較して非常に高い水準にあります。

dodaによる業種分類別ランキングでは、PEファンドを含む金融業界が平均年収500万円で全体1位という結果です。さらに、金融全体14業種のうち、PEファンドは平均年収724万円で「投信/投資顧問」に次ぐ2位にランクインしています。

これは、PEファンドが金融業界の中でも特に高い専門性と報酬水準を持つ上位層に位置していることを示しています。一般的な業界と比較しても、群を抜いた給与水準であるといえるでしょう。

参照元

doda「平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】年収の高い業種(業界)は?」(2025年12月3日時点)

PEファンドで年収1億円は現実的なのか

PEファンドで年収1億円は現実的なのか

PEファンドにおいて年収1億円は、決して夢物語ではなく、十分現実的な目標です。ただし、毎月の固定給だけで到達するわけではありません。鍵となるのは、投資案件の売却益から分配される「キャリード・インタレスト(成功報酬)」の存在です。

特に外資系大手や実績のある日系ファンドのパートナー、マネージングディレクター(MD)クラスであれば、大型のExit(売却)が成功した年に、この成功報酬だけで数千万円から億単位の収入を得るケースは珍しくありません。

ベース給与も高額ですが、この「キャリー」を含めたトータルリターンで見た場合、1億円という大台は、トップティアのファンドプレイヤーにとって十分に手が届く水準といえます。

PEファンドに転職するメリット

PEファンドに転職するメリット

PEファンドでのキャリアは、単なる金融知識の習得にとどまらず、以下のようなメリットを感じられる点が魅力です。

経営に直結する職務内容に関われる

コンサルタントや銀行員があくまで「外部のアドバイザー」であるのに対し、PEファンドは株主として「当事者」の立場で経営に関与するのが特徴です。

取締役会への参加や経営陣との定例会議を通じて、全社戦略の策定、M&Aの実行、組織改革といった企業の命運を左右する重要な意思決定に直接携わります。

自分の判断と行動が、企業の業績や株価にダイレクトに反映されるため、圧倒的な責任感と共に、他では味わえないリアルな「経営の手触り感」を得られるのが魅力です。

将来的にCFOやプロ経営者(CXO)を目指す上でも、経営のメカニズムを内部から体感できるこれ以上ない実践的な修行の場となります。

合理性のある判断力が身につく

PEファンドの業務では、すべての意思決定において「投資対効果(ROI)」や「論理的整合性」が徹底的に問われます。巨額の資金を動かすため、感覚や曖昧な経験則に頼ることは許されず、膨大なデータの分析とファクトに基づいた判断が欠かせません。

「なぜその施策が必要か」「リスクとリターンは見合うか」を突き詰めるプロセスを日々繰り返すことで、ビジネスの複雑な事象から本質を見抜く鋭い洞察力と、感情やバイアスに流されない合理的な判断力が磨かれます。

この高度で普遍的な判断軸は、将来どの業界や職種に移ったとしても通用する、極めて強力なポータブルスキルとなるでしょう。

短期間で集中的に成長できる

PEファンドは少数精鋭の組織であり、若手のうちから非常に裁量の大きな仕事を任されるのが特徴です。

投資銀行レベルの高度な財務スキル、戦略コンサルレベルの論理的思考、そして百戦錬磨の経営者と対峙するコミュニケーション能力など、ビジネスリーダーに必要な総合力を短期間で叩き込まれます。

また、3〜5年という限られた投資期間内で結果を出す必要があるため、時間対効果への意識も極限まで高まります。

高負荷でプレッシャーのかかる環境ではありますが、その分、通常の事業会社で10年かけて経験するような濃密な時間を数年で駆け抜けることで、他業界では得がたい圧倒的な成長スピードを実現できるでしょう。

PEファンドに転職するデメリット

PEファンドに転職するデメリット

PEファンドへの転職は、高年収やキャリアアップといった華やかな側面に目が向きがちですが、その裏には相応の厳しさやリスクが存在します。以下では、転職前に必ず理解しておくべきデメリットについて解説します。

極めて高いレベルの専門性と能力が求められる

PEファンドで求められるスキルセットの幅広さと深さはビジネス界でも最高峰レベルです。

投資銀行並みの高度な財務モデリング能力や会計・税務知識はもちろん、戦略コンサルタントのような論理的思考力、さらには百戦錬磨の経営者を納得させる交渉力まで、全てが高い水準で要求されます。

また、基本的には「即戦力」として採用されるため、手取り足取り教えてもらえる教育環境は期待できません。自らキャッチアップし、即座に成果を出せなければ評価されない厳しい実力主義の世界です。

常に最新の知識を学び続け、アウトプットし続ける知的体力がなければ、生き残ることさえ難しい環境である点は覚悟が必要です。

ワークライフバランスが取りにくい傾向にある

一般的に、激務で知られる投資銀行などに比べればコントロールしやすいと言われることもありますが、事業会社と比較すると労働時間は長くなる傾向です。

特に、投資案件の検討が佳境に入る「ディール実行フェーズ」や、投資先企業で緊急トラブルが発生した際などは、連日の深夜残業や休日出勤が当たり前になります。

少人数で多くの業務を回すため、一人当たりの責任と負荷が重く、常に連絡が取れる状態を求められるプレッシャーも伴います。

プライベートの予定が急遽キャンセルになったり、家族との時間が犠牲になったりするケースも少なくないため、仕事に対する非常に強いコミットメントと体力・精神力が不可欠です。

景気変動や市場環境に成果が左右される

PEファンドのビジネスは、個人の努力だけでなく、マクロ経済や株式市場の動向に大きく依存します。

どんなに優秀なメンバーが企業価値を向上させても、金融危機やパンデミック、急激な金利上昇などが起きれば、予定していたIPOや売却(Exit)が計画通りに進まなくなるリスクがあります。

Exitができなければ、PEファンドの醍醐味である成功報酬(キャリー)が得られないだけでなく、ファンドの運用実績(トラックレコード)が悪化します。

実績が出なければ次のファンド資金が集まらず、最悪の場合、ファンドの規模縮小や解散、それに伴う人員整理といった雇用リスクに直面する可能性があることも理解しておく必要があります。

PEファンド転職はやめとけ?その激務度とは

PEファンド転職はやめとけ?その激務度とは

「PEファンドへの転職はやめとけ」といわれる主因は、その労働時間の長さと、逃げ場のないプレッシャーにあります。

投資銀行のような「365日激務」とは異なり、案件のない時期は比較的穏やかですが、ひとたび投資検討(ディール)が佳境に入ると、数ヶ月にわたり昼夜を問わず働き続ける「戦時」モードへ突入します。

加えて、巨額の資金を背負う責任感や、投資家・経営陣双方からの厳しい要求に応え続ける精神的タフネスが不可欠です。

「高年収だから」という動機だけでは到底割に合わない厳しさがある一方で、その激務の先にはビジネスパーソンとしての圧倒的な高みがあるのも事実です。

PEファンドに向いている人

PEファンドに向いている人

PEファンドは少数精鋭のプロフェッショナル集団であり、採用基準は非常に高く設定されています。具体的にどのようなスキルや経歴を持つ人が評価されやすいのか、代表的な3つの特徴について解説します。

経営観点での業務経験がある人

PEファンドの役割は、投資先企業の経営陣と対等に議論し、企業価値を向上させることです。

そのため、戦略コンサルティングファームでの全社戦略策定や、投資銀行(IBD)でのM&Aアドバイザリー、あるいは事業会社での経営企画といった、「経営に近い位置」での業務経験が強く求められます。

特定の機能だけでなく、財務三表(PL/BS/CF)を読み解きながら、ビジネスモデル全体を俯瞰して課題を特定できる能力が不可欠です。

経営層の視座で物事を考え、数字を根拠に戦略を立案・実行してきた経験がある人は、入社後もスムーズに投資検討やバリューアップ業務に適応できるため、採用市場において最も有利な属性の一つと言えます。

語学力がある人

外資系ファンドはもちろん、日系ファンドにおいても高い英語力を持つ人材は重宝されます。

クロスボーダーM&A(海外企業の買収や海外への売却)の案件が増加しているほか、グローバル市場の調査、海外の専門家との連携など、英語を使用する局面は多岐にわたります。

特に外資系では、グローバルの投資委員会(IC)に対するプレゼンテーションやレポート作成が全て英語で行われるため、ビジネスレベル以上の英語力が「必須条件」となるケースが大半です。

TOEICのスコアだけでなく、複雑なビジネス交渉やロジカルな議論を英語で遂行できる実践的なコミュニケーション能力があれば、活躍の場と選択肢は大きく広がります。

高い学歴や難関資格を持つ人

PEファンドの業務は極めて知的負荷が高く、短期間で膨大な情報を処理し、論理的な結論を導き出す「知的な瞬発力」と「耐久力」が求められます。

そのため、難関大学出身者や、MBA(経営学修士)、公認会計士(CPA)、弁護士といった難関資格保持者は、基礎的な学習能力の高さと、目標達成に向けた努力の証明として好まれる傾向にあります。

もちろん資格だけで採用されるわけではありませんが、特に公認会計士資格は財務モデリングやデューデリジェンスの実務に直結するため、非常に高い評価を得られます。

またMBAホルダーは、経営の体系的知識とネットワークを有している点から、将来の幹部候補として期待されることが多いです。

PEファンドに向いていない人

PEファンドに向いていない人

PEファンドは高報酬で魅力的な業界ですが、その分リスクとプレッシャーが常に伴います。マインドセットや指向性における「向き・不向き」がはっきりと分かれる世界です。ミスマッチを感じて苦労する可能性のある、向いていない人の特徴を紹介します。

長期安定志向が強い人

PEファンドは、終身雇用や年功序列とは対極にある世界です。ファンド自体に運用期間があり、その中で結果を出して解散・組成を繰り返すビジネスモデルであるため、組織そのものに「永続的な安定」は存在しません。

また、個人の評価も厳格な成果主義であり、期待されたパフォーマンスが出せなければ居場所を失う「アップ・オア・アウト」の文化が色濃くあります。

「会社に守ってもらいたい」「定年まで同じ組織で勤め上げたい」という安定志向が強い人は、自身の市場価値で生き抜く覚悟が求められる環境や、常に成果を求められるプレッシャーに対し、精神的なストレスを感じてしまうでしょう。

自社の都合を優先し、投資先に入り込めない人

PEファンドのバリューアップは、投資先の経営陣や従業員と信頼関係を築き、彼らを動かすことで初めて実現します。しかし、ファンド側の論理や都合だけを押し付け、現場の感情や事情を無視するような態度は、強い反発を招き改革を頓挫させます。

「株主だから偉い」という驕りがあったり、数字だけで物事を判断して現場に入り込む泥臭さを嫌ったりする人は、どれだけ優秀でも成果を出せません。

相手の懐に入り込む高い人間力(EQ)と、あくまで投資先の成功を第一に考える「黒子」としてのマインドセットがないと、実際のハンズオン支援で機能することは難しいでしょう。

専門性が特定の機能に偏りすぎている人

PEファンドの担当者は、投資先の「経営」全体に責任を持つため、実質的な経営者としての振る舞いが求められます。

経営は、財務、法務、営業、人事、オペレーションなど、全ての要素が有機的に絡み合っています。「自分は財務のプロなので、営業戦略には関与しない」といった縦割りのスタンスは通用しません。

特定の領域に深い知見があることは武器になります。

しかし、それ以外の領域に関心を持たず、自身の専門分野だけに閉じこもろうとする「スペシャリスト志向」が強すぎる人は、経営全体を俯瞰して課題を解決するジェネラリストとしての役割を果たせず、評価されにくい傾向にあるといえるでしょう。

PEファンドへの転職におすすめのエージェント

PEファンドへの転職におすすめのエージェント

PEファンドは採用ハードルが極めて高く、求人の多くが非公開であるため、業界事情に精通したエージェントの活用が不可欠です。ここでは、特に実績が豊富で、独自の強みを持つ3社を紹介します。

PEファンドへの転職におすすめのエージェント

MyVision

MyVision

引用元:MyVision

MyVisionの特徴
  • 戦略・総合ファーム出身のプロによる支援
  • 過去の膨大なデータを分析した独自の選考対策
  • 非公開求人や特別選考ルートを多数保有

MyVisionは、コンサルティング業界への転職支援で豊富な実績を誇るエージェントです。最大の特徴は、トップファーム出身者がキャリアアドバイザーとして在籍しており、その知見を活かした極めて質の高い選考対策を提供している点です。

過去数千件に及ぶ面接内容を徹底的に分析した「想定頻出問答集」や、元コンサルタントを面接官とした本番さながらの「模擬面接」を通じて、回答の内容だけでなく、深掘り質問への対応力や論理的な対話力を鍛え上げることができます。

こうした高度な対策は、論理的思考力が厳しく問われるPEファンドの選考においても大きな武器となります。

また、200社以上のファームと強固なコネクションを持ち、他では扱っていない非公開求人や特別選考ルートを保有しているため、戦略的にキャリア構築を目指す方にとって最適なパートナーといえるでしょう。

参照元

MyVision「コンサル転職エージェント MyVisionが選ばれる理由」

MyVisionの基本情報
運営会社 株式会社MyVision
公式サイト https://my-vision.co.jp/
公開求人数 非公開(2025年12月16日現在)
主な求人職種 コンサルタント特化

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ヤマトヒューマンキャピタル

ヤマトヒューマンキャピタルの特徴
  • 「経営×ファイナンス」領域への専門特化
  • 独立系PEや事業承継案件などの独占求人
  • 投資先企業のCxO(経営幹部)も見据えた提案

ヤマトヒューマンキャピタルは、「経営×ファイナンス」領域に特化したブティック型のエージェントです。M&AやPEファンド、ベンチャーキャピタルといった資本と経営が結びつく分野で独自の強みを持っています。

大手エージェントには出回らない、国内の独立系PEファンドや中堅・中小企業の再生・成長支援を行うファンドの「独占求人」を多数保有しており、ニッチな優良案件に出会える可能性が高いのが特徴です。

また、単なる投資担当者としての転職支援にとどまらず、ファンドの投資先企業におけるCFOやCOOといった「経営幹部(CxO)」のポジション提案にも定評があります。

「ハンズオンで投資先の経営支援に深く関わりたい」「将来は経営当事者として活躍したい」という志向を持つ方に対し、ファイナンスの知見を活かした長期的なキャリア視点でのマッチングを提供してくれます。

ヤマトヒューマンキャピタルの基本情報
運営会社 ヤマトヒューマンキャピタル株式会社
公式サイト https://yamatohc.co.jp/
公開求人数 2,903件(2025年12月16日現在)
主な求人職種 コンサルタント・営業・金融系専門職 ほか

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LHH転職エージェント

LHH転職エージェントの特徴
  • アデコグループのグローバルネットワーク
  • 360度式による情報の「正確性」と「透明性」
  • 金融・ファンド業界に精通した専門チーム

LHH転職エージェントは、世界最大級の人材サービス企業「アデコグループ」が展開するブランドであり、世界中の国と地域に広がるグローバルネットワークを活かして、外資系PEファンドや大手アセットマネジメント会社の求人に強みを持っています。

金融・ファイナンス領域に特化した専門チームを擁し、フロント業務からミドル・バックオフィスまで幅広い職種に対応しています。

最大の特徴は、一人のコンサルタントが「企業(採用側)」と「求職者」の双方を担当する「360度式(一気通貫型)」を採用している点です。

企業の採用背景や具体的な業務内容、社風といった詳細な情報を直接把握しているため、情報の伝言ゲームが起きず、ミスマッチのない的確な提案が可能です。精度の高い情報をもとに、選考の通過率を高めながら効率的に転職活動を進めたい方におすすめです。

LHH転職エージェントの基本情報
運営会社 アデコ株式会社
公式サイト https://jp.lhh.com/
公開求人数 16,178件(2025年12月16日現在)
主な求人職種 営業、デザイナー、マーケター、
クリエイター、エンジニア、研究職、人事等

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PEファンドに関する疑問

PEファンドに関する疑問

PEファンドに関するよくある疑問に回答します。

PEファンドへは新卒でも就職できる?

結論から言うと、PEファンドへの新卒入社は「極めて狭き門」であり、原則は投資銀行やコンサルを経てからの「中途採用」が一般的です。大手ファームのインターンシップ情報なども散見されますが、その多くはMBA生や実務経験者が対象となっています。

ただし例外もあり、近年ではNSSK(日本産業推進機構)が、初任給1,000万円を掲げて新卒採用を行うなど、若手採用の動きも一部で始まっています。

とはいえ選択肢は非常に限られるため、まずはプロフェッショナルファームで数年の実務経験を積んでから挑戦するのが、最も確実で王道なキャリアプランといえるでしょう。

PEファンドの就職偏差値は?

日本企業格付センターの評価に基づくと、PEファンドの就職偏差値は非常に高く、概ね77~80の範囲にあります。以下は同サイトに掲載されているPEファンドとその偏差値です。

引用元:就職偏差値.com「【2026年】日本企業500社・就職偏差値ランキング|専門家が本気で評価した究極の就職偏差値」
企業名 偏差値
KKR 80
インテグラル 78
ジャフコ 77

この偏差値帯は、外資系投資銀行やトップ戦略コンサルティングファームと並ぶ「最難関・トップレベル」に位置づけられます。

特にKKRが位置する「80」は、このランキングにおける最高峰の難易度を示しており、極めて高い専門性と競争率が求められることを示唆しています。

参照元

就職偏差値.com「【2026年】日本企業500社・就職偏差値ランキング|専門家が本気で評価した究極の就職偏差値」

PEファンドへはどの業界から転職すべき?

PEファンドへの代表的な転職者の出身は「投資銀行(IBD)」と「戦略コンサルティングファーム」です。投資銀行出身者は財務モデリングやエグゼキューション能力、コンサル出身者は事業デューデリジェンスやバリューアップ戦略の立案能力が高く評価されます。

他にも、FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)や総合商社の事業投資部門、公認会計士(監査法人)などが挙げ挙げられます。いずれの業界も、ハードワークに耐えうる体力と、数字や論理に基づく高度な実務能力が共通して求められる環境です。

PEファンドの仕事はつまらない?

「仕事がつまらない」と感じる人がいる理由の一つは、業務の大部分が地道で細かい作業の積み重ねだからです。

映画のような派手な交渉シーンはほんの一部で、実際は膨大な契約書の確認、デューデリジェンスのロジ調整、緻密な数値入力といった「作業」に忙殺される時間が長く続きます。

また、投資実行までには数ヶ月〜年単位の時間がかかる上、検討した案件の多くが途中でブレイク(破談)するため、徒労感を味わうことも少なくありません。

しかし、その泥臭いプロセスの先にある、企業の再生や成長というダイナミックな成果に喜びを見出せる人にとっては、これ以上ないほど刺激的で面白い仕事と言えます。

PEファンドからのネクストキャリアは?

PEファンド出身者は「投資」と「経営」の両面を知る人材として、市場価値が極めて高い状態にあります。王道のキャリアは、投資先企業や他事業会社の経営幹部(CXO)、あるいは自ら起業して経営者となるルートです。

一方で、アドバイザリー業務のプロとして道を極めるために金融コンサルへ転職し、M&Aや再生支援の専門家として活躍する人や、より大規模なクロスボーダー案件や資金調達の最前線を求めて投資銀行へ転職するケースも見られます。

いずれにせよ、自身の志向に合わせて、事業側・金融側の双方へハイレベルなスライドが可能です。

コンサルティングファームとPEファンドの違いは?

最大の違いは「当事者意識(オーナーシップ)」と「結果責任」の所在です。コンサルティングファームはあくまで「アドバイザー」であり、クライアントに対して提案を行いますが、その実行や最終的な結果に対する金銭的リスクは負いません。

対してPEファンドは、株主として会社の所有権(オーナーシップ)を持ちます。自ら意思決定を行い、経営陣を送り込み、提案を実行までやり遂げる責任があります。

投資が失敗すれば自分たちの資金(および報酬)を失うというリスクを背負っている点が決定的に異なります。「助言で終わらせず、自分で決めて結果を出したい」と考える人がPEを目指すのはこのためです。

PEファンドの年収まとめ

PEファンドの年収まとめ

PEファンドの年収は、全業界でもトップクラスの高水準です。特筆すべきは投資成功時の成果報酬「キャリード・インタレスト」であり、これにより数千万円から億単位の報酬を得ることが現実的となります。

若手で1,000万円超、シニア層では青天井となるこの報酬体系は、高度な専門性と結果責任への対価です。厳しいプレッシャーは伴いますが、実力一つで圧倒的な資産形成を目指したいという方には、これ以上ない魅力的な環境といえるでしょう。

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