SAPコンサルタントは企業の経営資源を可視化し、SAP導入支援や導入後のサポートを行う仕事です。企業のDX推進までサポートすることもあり、ここ最近では重要な存在となってきています。
一方で、世間の声として「SAPコンサルに将来性はない」と言われる意見もあります。しかし、SAPコンサルとして進むべき方向性を固めることで、企業から求められる人材として長期的に活躍することが可能です。
当記事では、SAPコンサルタントの将来性や転職方法について詳しく解説します。
SAPコンサルタントを目指す方におすすめの転職エージェントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
コンサル業界向け
おすすめ転職エージェント
| サービス名 | 特徴 |
|---|---|
![]() MyVison | 200社以上のコンサルファームとの強固なコネクションで国内に展開するファームほぼすべてに紹介可能。 「面接対策資料」と「想定頻出問答集」に加え、元コンサルタントを仮想面接官とした模擬面接により、実践力を鍛えられる |
![]() アクシスコンサルティング | 大手ファームの4人に1人が登録する国内最大級コンサル採用・転職支援サービス 未経験からのコンサル転職やポストコンサル、事業会社CxOなど、希望のキャリアパスに応じて幅広い支援が可能。 |
![]() コンコードエグゼクティブグループ | 日本ヘッドハンター大賞MVP受賞の転職支援サービス コンサル幹部との強固なネットワークでマッキンゼーやBCGなどの「コンサルタント転職」や、コンサル出身者の経営幹部キャリアを支援する「ポストコンサル転職」に高い実績あり |
関連記事>>SAPコンサル転職におすすめの転職エージェント
そもそもSAPコンサルタントとは

SAPコンサルタントは、ERPコンサルタントの一種です。特にドイツのSAP社が提供するERP(統合基幹業務システム)を活用しながら、企業の経営課題や業務プロセスを分析・改善するスペシャリストを指します。そもそもSAPがどのようなものなのか、理解できていない方も少なくはないでしょう。
こちらでは、SAPの詳細やコンサルタントの役割、仕事内容について詳しく説明します。
SAPとは何か
SAP(英語名:System Analysis Program Development)とは、ドイツのSAP社が提供しているERP(統合基幹業務システム)のことです。企業の経営資源の情報を一元管理し、経営関係を効率化することが目的です。
会計や人事、販売など幅広い業務をデータ化できるため、グローバルな企業活動を支える基幹システムとして導入されています。基幹業務を各部門ではなく、全社で総合管理できることから企業全体の効率化へとつながります。
SAPシステムは世界的にもシェア率が高いERPパッケージであり、日本企業でも導入されるケースが多いです。企業全体で会社の資産や人材を管理・共有できるようになるので、SAPは必要不可欠なシステムとなっています。
SAPコンサルタント役割
SAPコンサルタントの役割は、クライアント企業の課題や悩みをヒアリングし、解決策としてSAPシステムの導入支援を行うことです。企業の経営状況を把握した上で、システム導入と業務改革、経営改善の提案を行います。
プロジェクトマネージャーとしてシステム開発から導入までを管理し、導入後のアフターフォローをサポートするケースもあります。SAPコンサルタントが対応する案件の多くはSAPの新規導入ですが、導入後の追加システム開発やSAPバージョンシステムアップ対応などを依頼されることも少なくはありません。
AI技術など新しいITスキルを必要とすることも多く、SAPコンサルタントは常に新しい知見を身につける姿勢が求められます。
SAPコンサルタントの仕事内容
SAPコンサルタントの主な仕事内容は、SAPシステムの導入支援です。経営課題の整理・提案やシステム開発、導入後のアフターフォローなども行います。
SAPコンサルタントは一般的なエンジニアやプログラマーとは異なり、クライアントの経営面に大きく関わります。ヒアリングから経営課題を見つけ、最適な提案を出すことも仕事内容の1つです。
システム開発は複数人のチームで進めるため、SAPコンサルタントはプロジェクトマネージャーとしての役割も担います。このようにSAPコンサルタントは、SAPシステム導入に向けて幅広い業務を担当する職種です。
SAPコンサルタントは将来性のある職業

SAPコンサルタントの仕事は、2027年問題によるSAP S/4 HANAへの移行が増えることから需要が高まると予想されています。2027年問題とは、現在展開しているSAP ERP 6.0のサポートが2027年をもって終了することです。
サポート終了に伴い、新しいSAPシステムであるSAP S/4 HANAへ移行する必要があります。そのため、多くの企業が対応するために案件募集を行う可能性が高いです。また、これまでSAPジャパンは大手企業をメインターゲットとしていましたが、中小企業をターゲットとした市場開拓も進めています。
このように現在案件が集中する理由があることから、SAPコンサルタントの将来性は高いといえるでしょう。
SAPコンサルはオワコン?将来性を心配される理由と真実

SAPコンサルタントの仕事について、世間では将来性を心配される意見も少なからずあります。こちらでは、具体的に心配されている理由や真実について詳しく解説します。
ERPパッケージはSAP製品だけではないから
ERPパッケージはSAP製品だけでなく、オラクルやMicrosoftなどの企業も提供しています。グローバルのERP市場ではSAP製品がトップのシェア率を誇りますが、他社からも中小企業向けのパッケージが増えてきたことから需要は低下していく可能性も考えられます。
もちろん大手企業の多くは現在でもSAP製品が使われているものの、2027年問題によって他社のパッケージへ切り替える企業も少なくはありません。これからもERPの領域でコンサルタントとして活躍したいのであれば、他社のERPパッケージについてもノウハウを身につけながら柔軟に対応する必要があるでしょう。
SAPからの移行が進んでいると思われているから
SAPのERPパッケージは強固なシステムであるため、多くの企業が導入を採用しています。しかし、硬直性や運用コストの高さが課題となっており、別のERPパッケージへの移行が進んでいる傾向にあります。
現在では柔軟な使い方ができるERPパッケージが増えていることから、システム環境の見直しを行うために多くの企業が移行を進めている状況です。
しかし、SAP製品の信頼も厚いため、同社から提供されている別のERPパッケージへ移行する流れに注目が集まり、SAP ERP 6.0からSAP S/4 HANA(SAP Business Suite 4 SAP HANA)に切り替える企業もいまだ多いです。
他社にしてもSAP社にしても、現在SAP製品を使用しているのであれば、専門的な知見を持ったSAPコンサルタントに移行サポートを依頼する機会も多いため、すぐに需要がなくなる心配はないでしょう。
SAP案件は飽和状態と思われているから
SAP案件はニッチで専門性が高いですが、近年SAP案件は飽和傾向にあります。そのため、パッケージの仕様に精通していなければ案件の獲得が難しいです。ERPの使い方や経営課題の洗い出しなどは基礎的な提案でしかなく、SAPコンサルタントはより広範囲で汎用的なスキルが求められます。
例えば幅広い業界への活用方法やビジネスプロセスの理解力、プロジェクトマネジメント能力などを身につけることで、差別化を図りながら案件獲得へとつなげられます。また、SAPシステムを採用している企業はグローバル企業が多いため、英語力などがあれば幅広いSAP案件を見つけることが可能です。
すでにSAP案件は飽和状態となっているため、独自の強みを出すことでSAPコンサルタントとして活躍できるようになるでしょう。
SAPコンサルタントの将来性に関わる2027年問題

現在SAPのシェアについて、大きく影響すると注目されているのが2027年問題です。こちらは多くの企業で導入されているSAP ERP 6.0のサポートが2027年をもって終了することを指しています。
2027年を過ぎてもSAP ERP 6.0を使うことはできますが、サポートが終了していることからトラブル発生時に対処することができません。そこで2027年までは移行プロジェクトが増えると考えられており、必然的にSAPコンサルタントが売り手市場になると予想されています。
SAPの新製品に関する知識やコンサルタントのスキルを求められますが、SAPコンサルタントは将来的にも活躍できる職種といえます。
SAPコンサルタントのキャリアパス

SAPコンサルタントとしてのキャリアパスについて、一般的に1年目~3年目はSAP案件での経験を積んでいくことを重視します。中堅のSAPコンサルタントとして一人前の実力が伴えば、徐々にプロジェクトマネージャーなどのマネジメント職を意識した働き方になる傾向が多いです。
理由として、マネジメント経験がないSAPコンサルタントは、年齢が上がるにつれてスキル不足とみなされる可能性が高いです。40代以降になると、プロジェクトマネージャーや企画力などのスキルをチェックされる傾向にあります。
年齢が上がるにつれて大きなキャリアチェンジは難しくなるため、SAP領域の専門性を磨いていくことが大切です。
SAPコンサルになるメリットとは

SAPコンサルタントになることで、以下のようなメリットがあります。良い点を理解するためにも、ぜひチェックしてください。
案件が豊富であるためフリーランスになりやすい
SAPは製造や金融、物流、小売、サービスなど幅広い業界で使われているため、SAPコンサルタントは業界を問わず案件を選択できます。フリーランスとしての働き方とも相性が良く、自分の裁量に合わせて柔軟な働き方が可能です。
また、2027年問題によるSAP S/4 HANAへの移行が進んでいることから、SAP関連の案件数は増加していく状況です。企業への依頼ではコスト面で高くなりやすいので、必要なタイミングのみ外注できるフリーランスの需要が高まりを見せていくとも予想されます。
そのため将来的にフリーランスで活躍したいと考えているのであれば、専門性の高さを活かし、かつ需要が高いSAPコンサルタントは有利な職種といえるでしょう。
SAPコンサルは高年収の傾向にある
幅広い職種の給料をまとめている求人ボックス 給料ナビによると、SAP関連職全体の平均年収は598万円※1となっています。仕事の条件別に見ると、運用コンサルタントでは平均年収が699万円※1という結果です。
SAP関連職全体で見れば平均的ですが、SAPコンサルタントとしての働き方であれば高収入を見込めます。国税庁の民間給与実態統計調査結果によると、日本の平均年収は478万円※2なのでSAPの仕事は年収が高い傾向にあることがわかります。
プロジェクトマネージャーなど管理職につけば年収アップも期待できるため、SAPコンサルタントは安定した働き方ができる職種といえるでしょう。
SAPコンサルはしんどい?SAPコンサルのデメリットとは

SAPコンサルタントの仕事は良い点だけでなく、悪い点もいくつか存在します。こちらでは、SAPコンサルタントになるデメリットとして、以下の内容について解説します。
SAP導入段階は残業が多い
SAPの導入プロジェクトでは、要件定義や開発、テスト、データ移行などのフェーズがあります。システム稼働の1ヶ月〜2ヶ月前には対応しなければいけないタスクが増えるため、プロジェクトによっては月80時間〜100時間程度の残業が発生することも少なくはありません。
繁忙期ではない時期は代休や有給を取得しやすいですが、負担が大きい時期も存在することを理解しておく必要があります。SAP導入後も運用・保守を行う必要があるので、自社のリソースが足りていなければ残業が増える可能性が高いです。
残業時間を少なくするには、計画的にプロジェクトを進めるマネジメント力が求められるでしょう。
専門性が高いがSAP製品への依存度は高め
SAPはERPパッケージの中でトップシェアを誇りますが、将来的にも安定したシェア率があるのかは保証できません。SAPコンサルタントは専門性が高いと評価される職種ではあるものの、汎用性が効かないというリスクは常に考えておくべきデメリットです。
SAP製品だけに依存せず別のERPパッケージについても知見を深めておくことで、企業のニーズに合わせて柔軟な対応ができるようになります。最新のIT技術についても積極的にノウハウを身につければ、SAPコンサルタントとして有効な提案ができるようになるでしょう。
SAPコンサルタントにおすすめの転職エージェント

こちらでは、SAPコンサルタントにおすすめの転職エージェント3社を紹介します。各エージェントの詳細や特徴について説明するので、ぜひ利用を検討してください。
MyVision

- 優秀で質の高いエグゼクティブコンサルタントが在籍
- 200社以上※1のコンサルファームとの強固なコネクションをもっている
- 過去実績に裏付けられた独自の選考対策で実践力を鍛えられる
MyVisionは、業界随一の支援実績を持っているコンサル特化型の転職エージェントです。優秀で質の高いエグゼクティブコンサルタントが在籍しており、転職活動を全面的にサポートしてもらえます。
200社以上※1のコンサルファームとの強固なコネクションを持っており、国内に展開するほぼ全てのコンサルティング会社を紹介してもらえます。過去実績に裏付けられた独自の選考対策によって、模擬面接から実践力を鍛えることが可能です。
累計支援人数は8,000名以上※2となっており、多くの求職者を転職成功に導いています。SAPコンサルタントの求人も多く取り扱っているため、希望条件に合った転職先を見つけられます。
支援実績に自信のある転職エージェントを求めるなら、MyVisionの利用がおすすめです。
| MyVisionの基本情報 | ||
|---|---|---|
| 運営会社 | 株式会社MyVision | |
| 公式サイト | https://my-vision.co.jp/ | |
| 公開求人数 | 非公開(2025年12月20日現在) | |
| 主な求人職種 | コンサルタント 経営企画、事業開発など | |
参照元
※1 MyVision
※2 MyVision「コンサル転職エージェント MyVisionが選ばれる理由」※在籍エグゼクティブコンサルタントの別会社での支援数含む
関連記事>>MyVisionの評判・口コミ
コンコードエグゼクティブグループ

- ハイクラス層の転職支援に特化した転職エージェント
- 長期的なキャリアビジョンの設計から選考対策まで伴走型でサポート
- 専門性・リーダーシップが求められるポジションを多く扱っている
コンコードエグゼクティブグループは、コンサルティング業界・IT/金融・事業会社の経営幹部ポジションなど、ハイクラス層の転職支援に特化したキャリアデザインファーム型の転職エージェントです。単なる求人紹介にとどまらず、長期的なキャリアビジョンの設計から選考対策まで伴走型でサポートしている点が大きな特徴です。
一般的なIT業界求人とは異なり、専門性・リーダーシップが求められるポジションを多く扱っています。また、短期の転職成功だけを目的としていない点も大きな強みです。
価値観や志向まで丁寧にヒアリングしてもらうことができ、将来どのようなリーダーを目指すかを基軸にキャリア設計を行ってもらえます。戦略・ITコンサルに精通したコンサルタントが在籍しているため、業界動向やスキル要件、最適な企業ポジションの提案が期待できます。
転職支援の質を重視するなら、コンコードエグゼクティブグループの利用がおすすめです。
| コンコードエグゼクティブグループの基本情報 | ||
|---|---|---|
| 運営会社 | 株式会社コンコードエグゼクティブグループ | |
| 公式サイト | https://www.concord-group.co.jp/ | |
| 公開求人数 | 非公開(2025年12月20日現在) | |
| 主な求人職種 | コンサルタント、マネージャー候補 プロダクトマネージャーなど | |
関連記事>>コンコードエグゼクティブグループの評判・口コミ
アクシスコンサルティング

- コンサルタント特化型の人材支援会社として20年以上の実績※
- 業界動向やSAP市場の将来性を踏まえた中長期視点の提案が可能
- 独立・フリーランス支援やキャリア設計まで伴走サポート
アクシスコンサルティングは、コンサル・ポストコンサルの転職支援を行っている転職エージェントです。コンサルタント特化型の人材支援会社として20年以上の実績※を持ち、SAPコンサルタントのキャリア支援にも強みがあります。
大手ファーム出身者や現役コンサルタントがコンサルタントを務め、業界動向やSAP市場の将来性を踏まえた中長期視点の提案が可能です。求人紹介にとどまらず、独立・フリーランス支援やキャリア設計まで伴走している点も特徴です。
転職活動だけでなく独立支援や副業支援も行っており、求職者の目指すキャリアに向けてサポートしてもらえます。SAPコンサルタントとして、専門性と市場価値を高めたい人はアクシスコンサルティングの利用がおすすめです。
| アクシスコンサルティングの基本情報 | ||
|---|---|---|
| 運営会社 | アクシスコンサルティング株式会社 | |
| 公式サイト | https://axc-g.co.jp/ | |
| 公開求人数 | 約40件(2025年12月20日現在) | |
| 主な求人職種 | コンサルタント、コンサルティング営業 DX/ITコンサルタントなど | |
参照元
関連記事>>アクシスコンサルティングの評判・口コミ
SAPコンサルタントが磨くべき知識とスキル

SAPコンサルタントの業務は多岐に渡るため、多くの知識とスキルを磨く必要があります。こちらでは、SAPコンサルタントが磨くべき知識とスキルとして、以下の内容について詳しく説明します。
課題解決力と提案力
SAPコンサルタントはクライアント企業の経営課題を整理し、解決策としてSAPシステムを提案していきます。課題解決力を身につけるためには、クライアント企業の業界に関する深い知識と経営面のスキルが求められます。
そしてクライアントの要望を理解した上で、客観的なデータによる改善提案力が必要です。課題解決力と提案力はSAPコンサルタントだけでなく、コンサル業界全体で活かせるスキルなので必ず身につけておきましょう。
マネジメント力
SAPコンサルタントはプロジェクトリーダーとしてSAPシステムの開発に関わるため、チーム全体をまとめるためのマネジメント力も求められます。プロジェクトリーダーは、SAPシステムの開発に向けてスケジュール管理やメンバーの進捗状況管理などを行います。
コンサルタントとしての知識だけでなくエンジニアのスキルも求められるので、学習内容は幅広いです。プロジェクトマネジメントのスキルを磨きたい方は、米国PMIが認定するPMP習得を目指すのもおすすめです。
各業界の専門知識・経営知識
SAPコンサルタントの価値を発揮するためには、SAP製品の知識だけでなく各業界の専門知識や経営知識を磨くことが不可欠です。製造業であれば生産管理や在庫管理、流通業であれば物流や販売管理など、業界特有の業務プロセスを理解することで現場に本当に役立つ提案が可能です。
SAPコンサルタントの将来性を高めるにはITと業務、そして経営をつなぐ視点を持つことが重要であり、これらの知識は長期的なキャリア形成において大きな強みとなります。
SAPコンサルタントにおすすめの資格は?

SAPコンサルタントの仕事は必ず資格が必要ではありませんが、所有しておくことで転職活動で強みとしてアピールできます。また、プログラミングや技術的な知識は実務で必要ではなくとも、SAP社の公式資格を取得することで技術への理解が深いことを証明可能です。
SAP社のSAP認定資格は、アプリケーションコンサルタント、デベロップメントコンサルタント、テクノロジーコンサルタントの3分野に分けられています。製品やバージョンなどによって細分化されており、約150種類の認定資格が用意されています。
全ての公式資格に挑戦する必要はありませんが、転職活動で強みとして証明したい方は取得を目指すと良いでしょう。
未経験でもSAPコンサルタントに転職する方法

SAPコンサルタントに未経験で転職するには、現職での業務知見の応用や資格取得がおすすめです。例えば経理部として現在勤務しているなら、会計業務フローを把握できます。
SAPコンサルタントの要件定義フェーズでは会計業務フローの把握が必要になるため、現職の知識や技術を活かせます。ほかにも営業職として勤務しているなら、クライアント企業から課題を見つけるためのヒアリング力が有効なスキルです。
また、前述でも紹介したようなSAP社の公式資格を取得することで、SAPシステムに関する知見を有していることをアピールできます。未経験であっても現職でのノウハウや資格取得によって、SAPコンサルタントの転職を目指すことは十分可能です。
SAPコンサルタントの将来性に関するQ&A

最後に、SAPコンサルタントの将来性に関するよくある質問について回答します。疑問を解消するためにも、ぜひ参考にしてください。
SAPはいつ使えなくなりますか?
現在多くの企業で採用されているSAP ERP 6.0は、2027年にサポートが終了する予定です。当初2025年と発表されており、2025年問題とされていましたが、2027年にサポート延長されました。
2027年以降もSAP ERP 6.0を使うことはできますが、サポートが終了しているためトラブル発生時には自社対応が必要です。SAP社では新しくSAP S/4HANAのシステムを提供しているため、移行手続きを進めている企業が増えています。
SAP S/4HANAのシステムをスムーズに導入するためにも、SAPコンサルタントのサポートが必要になるでしょう。
SAPコンサルでどれくらい稼げますか?
未経験や1年~3年程の経験年数では、転職サイトdodaのSAPに関する求人を参照したところ、一般的な年収は450~500万円前後※が目安となるでしょう。ベテランのSAPコンサルタントの場合、年収は1,000万円以上の高収入となることも珍しくありません。
プロジェクトマネージャーなどのマネジメント職を目指すことで、年収アップを期待できます。将来的にはフリーランスとして独立すれば、案件次第で高い年収を得ることも可能です。
SAPコンサルタントは今後も需要が高まっていくため、働き方次第で年収を増やしていけるでしょう。
どんな人がSAPエンジニアに向いていますか?
SAPエンジニアはSAPコンサルタントよりも技術的な業務がメインとなりますが、向いている人の特徴はSAPコンサルタントと通ずる部分もあります。特に、問題解決能力や分析力はコンサルタントだけでなく、設計業務を行うSAPエンジニアにも必要なスキルです。
そのため、問題解決能力が高い人や分析がすぐれている人は、SAPエンジニアに向いているといえます。また、SAPシステムは常に進化しているため、継続的な学習意欲がある方もSAPエンジニアには最適です。
さらに、SAPシステムの開発はチーム全体で進めるので、周囲との協調性を持って取り組む姿勢も必要になるでしょう。
SAPコンサルタントの将来性のまとめ

今回は、SAPコンサルタントの将来性や転職方法について詳しく解説しました。SAPコンサルタントの職種は2027年問題によって需要が低くなると懸念されていますが、新しいSAPシステムへの移行が進むことから必要な存在となっています。
新しい知見を積極的に学習することで、市場価値の高い人材として活躍できます。これからSAPコンサルタントとして転職を検討している方は、ERP市場の状況に合わせて柔軟な動きが求められることを理解しておいてください。





