未経験から税理士法人へ転職するには、業界の特徴やキャリアパスを理解しておくことが大切です。税理士業界は専門性が高く未経験ではハードルが高いと思われがちですが、事前準備を行えばスムーズに転職できます。
しかし、税理士法人への転職を検討している方のなかには「どのように転職できるのかわからない」という悩みもあるでしょう。当記事では、未経験から税理士法人への転職を目指す方に向けて、難易度や転職成功のポイントについて詳しく解説します。
未経験者の税理士法人転職におすすめのエージェントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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税理士法人とは

税理士法人とは、2名以上の税理士が税理士業務を組織的に提供する法人です。
2001年の税理士法改正によって税理士法人が導入※され、従来は税理士個人が行っていた業務を、法人として体制を整えたうえで提供できるようになりました。そのため、税理士法に基づいた特別法人として、個人事務所では難しい大規模なM&Aや全国展開に対応できます。
税理士法人の設立には税理士が2名以上必要であり、一定期間内に要件を満たせなくなった場合は解散しなければいけません。また、合名会社に準じた法人形態を取るため、税理士法人は多くのルールを遵守する必要があります。
参照元
税理士事務所(会計事務所)との違い
税理士事務所とは、税理士が個人事業主として運営している事務所のことです。税務代理や税務書類作成、税務相談などの業務を中心に、記帳代行や経営コンサルティングなど幅広くサポートを行っています。
税理士事務所は比較的少人数で運営されるケースが多く、税務に関する業務を税理士自身が幅広く担当することも珍しくありません。一方、税理士法人は2名以上の税理士が所属する法人形態であるため、税理士事務所とは組織規模や業務体制に大きな違いがあります。
| 税理士事務所 | 税理士法人 | |
|---|---|---|
| 形態 | 税理士が個人事業主として運営 | 2人以上の税理士が共同で設立した法人 |
| 特徴 | 意思決定のスピードが速い | チームで幅広い専門分野をカバーできる |
監査法人との違い
監査法人は公認会計士法に基づき、5名以上の公認会計士(社員)で構成される法人です。企業の会計監査や証明業務を組織的に行うことを目的としており、第三者の立場から財務情報を検証することで、投資家や金融機関などの利害関係者に対して信頼性を担保しています。
税理士法人とは関わる主な顧客層や業務範囲に違いがあり、監査法人は法律で監査が義務付けられている企業を対象に、財務諸表の適正性を保証する業務を担う点が特徴です。
| 監査法人 | 税理士法人 | |
|---|---|---|
| 形態 | 5名以上の公認会計士(社員)で構成される法人 | 2人以上の税理士が共同で 設立した法人 |
| 特徴 | 企業の会計監査や証明業務を 組織的に行っている | チームで幅広い専門分野を カバーできる |
| 規模 | 大企業・上場企業 | 中小企業・個人事業主 |
税理士法人の主な業務内容

税理士法人の転職を検討しているなら、どのような業務を担当するのか理解しておくことも大切です。税理士の業務は多岐に渡り、税務だけでなく経理面でのサポートも行っていきます。
税理士法人の主な業務内容は、以下の通りです。
税務申告・税務代理
税務申告・税務代理は、顧問先に代わって申告書を作成し、提出手続きや税務相談まで支える中核業務です。未経験で税理士法人に転職した直後は、資料回収リスト作成や領収書整理、入力データ突合、別表転記など補助から担当することが多いです。
あわせて、電子申告の操作や税務署照会の下準備も任されるため、用語をかみ砕いて説明する機会が増え、段取り力や伝える力が自然と身についていきます。
レビュー指摘を論点ごとにメモ化し、次回は事前に根拠確認できると評価につながりやすいです。また、税務調査では、過年度資料整理や想定質問の洗い出しを経験することで、税理士として理解が深まります。
会計・記帳サポート
会計・記帳サポートは、領収書や請求書、通帳明細をもとに仕訳を起こし、会計ソフトへ入力して帳簿を整える業務です。未経験で税理士法人に転職すると任されやすく、勘定科目や消費税区分、摘要の付け方といった基礎を実務を通じて覚えていきます。
入力後は売掛金・未払金・預り金の残高を突合し、違和感があれば追加資料を依頼します。クラウド会計では、連携設定や証憑の電子保存を扱うことも多いです。
慣れてくると、月次試算表の増減理由メモも担当するようになり、証憑と数字の一致確認を徹底できる人ほど、未経験でも早く信頼を得やすくなります。
経営・財務コンサルティング
経営・財務コンサルティングは会計と税務で把握した数字を経営判断につなげ、利益計画や資金繰り、融資対策などを提案する業務です。未経験で税理士法人に転職した直後は、試算表の前年差作成やグラフ化、面談資料の下書きといった補助業務から関わることが一般的です。
慣れてくると、粗利率の変化や固定費の増減、回収サイトの長短などの原因を整理し、値付け見直しや在庫圧縮、借換えの検討まで議論します。その結果、数字を言葉に翻訳する力が磨かれ、提案型のキャリアへ広げることが可能です。
業界KPIを押さえ、売上だけでなく粗利やキャッシュに焦点を当てて説明することで、提案の納得感が高まります。
会社設立サポート
会社設立サポートは、起業する顧客に対し法人化の手続きと、設立後の税務・会計の設計を支える業務です。未経験で税理士法人に転職した場合、定款や登記事項の確認、各種届出書の作成補助、会計ソフトの初期設定といった実務的な作業から担当することが一般的です。
慣れてくると、役員報酬の考え方や消費税の免税・課税判定、源泉徴収や社会保険の論点を整理し、顧客に分かりやすく説明する業務も担当します。創業融資の場面では、事業計画書や資金繰り表の整備にも関わるため、立ち上げ期に伴走できる点にやりがいを感じやすい業務です。
事業承継支援
事業承継支援は、経営者の引退や相続に伴い、株式や資産の移転を税務面から設計する業務です。未経験で税理士法人に転職した場合、株主構成や財産目録の作成、関係者の整理、資料回収の段取りといった業務から関わることが一般的です。
慣れてくると、自社株評価の基礎計算、納税資金の確保策、退職金や組織再編の論点整理など、検討範囲が広がります。
また、事業承継支援は長期案件になりやすいので、面談に同席しながら実務を通じて学びを積み重ねることが可能です。数字と人の両面に向き合う分、結果として専門性が高まりやすい分野といえるでしょう。
未経験者でも税理士法人に転職できる理由

事前に適切な準備を整えれば、未経験でも税理士法人へ転職を成功させることが可能です。
ここでは、未経験者でも税理士法人に転職できる理由について解説します。
税理士補助なら未経験でも採用されやすい
税理士補助は税理士資格がなくても業務に携われるため、未経験でも採用されやすい職種です。税理士補助として現場で経験を積み、将来的に税理士試験へ挑戦する方も少なくはありません。
税理士補助には必ずしも資格は必要ありませんが、日商簿記2級などを保有していれば、基本的な会計知識があることを証明できます。資格の有無は採用の決め手になることも多いため、未経験から税理士法人への転職を目指す方には取得をおすすめします。
また、税理士法人では会計ソフトを使った経理処理や決算書の作成経験が求められるため、これまでに関連する業務に携わった経験があれば、強みとしてアピールできるでしょう。
人手不足が深刻化している
税理士業界に従事する人材は年齢層が高齢化しており、人手不足が大きな課題となっています。実際に日本税理士会連合会の情報によると、現役で活動する税理士の半数以上が60代以上とされていました。
高齢化の進行に伴い関与先でも代替わりが進み、若い経営者が増えていることから、若手税理士の活躍が期待されている状況ではあります。しかし、税理士を志す人材の裾野は広がっておらず、今後も人手不足が深刻化していくと予想されています。
そのため、税理士法人では未経験者を含めて積極的に人材採用を行う傾向があり、未経験からでも転職のチャンスが十分にある業界といえるでしょう。
研修や教育体制が充実した法人もある
税理士法人によっては、新人向けの研修や教育体制が充実しているところもあります。例えば、全国に拠点を持つ辻・本郷 税理士法人では、プロフェッショナルへと育成するための教育制度・研修制度が整備されています。
蓄積された知見と最新の専門知識を身につけられる体制があるため、未経験者であってもプロとして活躍することが可能です。ほかにも、東京都に拠点を置く税理士法人AQUAでは、OJT・メンター制度や研修制度、チーム制など、未経験の方をサポートする仕組みが整っています。
ただし、研修や教育体制の充実度は税理士法人ごとに異なるため、転職を検討する際は事前に確認しておくことが大切です。
パートやアルバイトで経験を積むことができる
税理士法人のパートやアルバイトは、社員に比べて採用のハードルが低く、未経験の方でも採用される可能性があります。記帳代行や決算業務、給与計算・年末調整、電話応対・来客対応などが主な業務内容です。
正社員と比べると補助的な業務を任されることが多いものの、税理士として基礎的な経験やスキルを身につけられます。繁忙期になると、パートやアルバイトであっても業務量が増え、残業が発生するケースもあるので注意が必要です。
ただし、それだけ税理士として経験を重ねることができるため、将来正社員として働く際にも十分に活かせるでしょう。未経験で実務経験を積みたい方は、パートやアルバイトの働き方も視野に入れておくと良いでしょう。
【年代別】未経験で税理士法人に転職する難易度

未経験から税理士法人へ転職する場合、年代によって難易度は変わる傾向にあります。ここでは、年代別に未経験で税理士法人に転職する難易度を解説します。
20代未経験で税理士法人に転職する難易度
20代未経験の場合、実務経験がなくてもポテンシャル採用される可能性が高いです。若手人材は吸収力が高く、繁忙期に対応できる体力がある点も評価されやすい傾向にあります。
素直に仕事を吸収し、繁忙期にも積極的に動ける方であれば、未経験からでも転職を成功させやすいでしょう。必須ではありませんが、税理士試験科目に1科目でも合格していれば、採用率の向上が期待できます。
税理士法人では少数精鋭で活動している現場も多いため、事務所内での気配りや雰囲気作りができる方も重宝されます。
30代未経験で税理士法人に転職する難易度
20代から業界で働いている人材と比べると、実務スキルの面で差が出やすいため、30代未経験は、採用のハードルが上がり始める年代といえます。また、多くの税理士法人は長く働いてもらえる人材を求めていることから、これまでの職務経歴が採用判断に影響するケースも増えてきます。
早期退職になると、採用側も採用コストが高くなってしまうため、応募する際には強い転職理由が必要です。例えば、前職での勤務経験が長ければ、1つの環境で腰を据えて働ける点をアピールしやすいでしょう。
転職回数が多いのであれば、理由を具体的に説明したうえで、長く働ける環境を求めている姿勢を伝えることが大切です。
40代未経験で税理士法人に転職する難易度
40代未経験で転職を目指す場合、これまでの職務経験が重視される年代といえます。完全な未経験から税理士法人に転職する場合、採用のハードルは非常に高くなり、キャリア採用が中心となるのが実情です。
これまで経理経験や金融系会社での経験など、会計・税務に親和性の高い実務経験が求められます。また、実務だけでなく、マネジメント面も期待される年代のため、管理業務を担当した経験があれば大きな強みとなります。
初めから正社員雇用にこだわらないのであれば、パートやアルバイトとして実務経験を積み、正社員へ切り替えるケースもおすすめです。一般的な求人募集だけでなく、知人や紹介経由での応募も視野に入れると、転職の可能性を広げやすくなるでしょう。
未経験で税理士法人に転職する場合の年収

厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagによると、税理士の賃金水準は856万円※1となっています。ただし、未経験の場合は税理士補助として働き始めることも多く、税理士の平均年収が当てはまるケースは少ないです。
実際に求人サイトであるリクナビNEXTで税理士補助の求人を探してみると、年収は400万円〜500万円※2がボリュームゾーンです。税理士補助の年収は、経験年数や税理士試験の科目合格の有無など、個人のスキルによっても左右されます。
参照元
未経験者が税理士法人に転職するメリット

未経験者が税理士法人に転職することで、以下のようなメリットがあります。それでは詳しく説明します。
需要が安定している
税理士法人のサービスは、法人税・消費税の申告や記帳、年末調整など、企業活動に必ず発生する業務に直結します。企業を経営する際に必要不可欠な業務なので、景気が悪い時期でも完全に需要が消えにくく、仕事量が比較的安定しやすいです。
未経験で転職した場合でも、基礎業務から経験を積み、担当先が増えるにつれて、顧問先の継続収入を支える重要な存在として活躍できます。
また、法改正や制度対応が継続的に発生するため、最新ルールを踏まえた助言の価値が高まりやすい分野です。加えて、通年で月次処理や相談業務があるため、仕事が急にゼロになるリスクは小さいといえます。
将来の選択肢が多い
税理士法人で身につく会計・税務の実務は、将来の選択肢を増やす武器になります。未経験から転職しても、記帳から決算、申告補助、顧客対応まで経験すると、数字を根拠に説明できる人材として評価されやすいです。
税理士試験に挑戦して資格取得を目指すだけでなく、一般企業の経理・財務や管理部門の企画職、金融機関、コンサルティング業界への転身も現実的な選択肢です。業界をまたいで通用する会計的な思考力が身につき、キャリアの幅が広がります。
また、事業計画や資金繰り、補助金、M&A周辺に触れる法人もあるため、経験を横断的に積みやすい点も魅力です。
幅広い業務経験ができる
税理士法人では複数の顧問先を担当するため、同じ会計業務でも業種・規模で処理や論点が変わる現場を数多く経験できます。未経験で転職した場合でも、まずは記帳や月次処理の型を覚え、次に決算整理や申告補助、面談への同席や問い合わせ対応へと業務の幅が広がっていきます。
製造業であれば原価計算、飲食業なら現金管理、IT業なら売上計上など、学びが実務に直結します。幅広いケースに触れるほど判断の引き出しが増え、短期間で成長しやすい点は大きなメリットです。
また、勤務先によっては、複数ソフトやクラウド連携、電子帳簿保存への対応を学べる環境があります。。レビューで指摘された観点を案件で試すサイクルが回るため、未経験からでも学習効率を高めやすい環境といえるでしょう。
未経験者が税理士法人に転職するデメリット

未経験者が税理士法人に転職すると、以下のようなデメリットもあります。メリットだけでなく、デメリットについても理解しておきましょう。
繁忙期は残業が多い
税理士法人は繁忙期が明確で、確定申告(1月〜3月)や3月決算、年末調整の時期に業務が集中しやすいです。未経験で転職した場合、作業スピードや判断に時間がかかりやすく、残業が増えやすい傾向があります。
申告期限が最優先になるため、休憩の取り方や体力管理も課題になります。そのため、平均残業時間だけでなく、ピーク週の実態や休日出勤の頻度、代休の運用をチェックし、無理なく続けられる環境か見極めることが重要です。
入力担当とレビュー担当が分かれ、進捗が共有される職場では、未経験の負担が軽くなりやすいです。一方で業務が属人化している法人は、残業が常態化しやすいので注意しておきましょう。
常に勉強が必要になる
税理士法人では、税法や会計基準、社会保険のルールが改正されるたびに実務も変わるため、常に勉強が必要になります。未経験で転職した直後は、専門用語や申告書の構造を理解するだけでも負担に感じやすいです。
効率的な学び方としては、まず担当業務に直結する論点を優先し、社内マニュアルや過去事例を参照しながら調べる習慣を身につけることが大切です。学習を継続できる人ほど、成長とともに評価も高まりやすくなります。
通勤中に要点を読む、疑問をメモして翌日確認するなど、日々の積み上げが重要です。資格取得支援や試験休暇がある法人であれば、学習と仕事を無理なく両立しやすいでしょう。
ミスが許されない
税理士法人の業務は申告や届出の内容が顧客の納税額や信用に直結するため、ミスが許されにくい仕事です。特に未経験で転職した直後は、数字の転記や税区分、添付書類、期限など確認点が多く緊張しやすいです。
小さな入力ミスでも後工程で大きな手戻りになり、繁忙期ほどプレッシャーが高まります。そのため、自分でもチェックリストを作り、根拠や計算過程を残す習慣を身につけることで、未経験でも安定して品質を保ちやすくなります。
不安な点を抱えたまま進めず、早めに相談・確認する姿勢が大切です。指摘されたミスは原因ごとに整理し、次回は確認すべき箇所を意識しておくことで、再発を減らしていけるでしょう。
未経験でも税理士法人に転職しやすい人の特徴

未経験でも税理士法人に転職しやすい人には、以下のような特徴があります。それでは詳しく解説します。
インプットが苦にならない人
税理士法人では、税法改正や会計処理の例外、顧客ごとの契約条件など、覚える情報が日々増えていきます。未経験で転職した直後は、用語の意味を調べるだけで時間がかかり、焦りやすいを感じやすいでしょう。
それでも、インプットを苦にせず、分からない点をメモして業務に活かせる方は、税理士法人で活躍しやすい傾向があります。
社内マニュアルや過去の申告書、レビューでの指摘内容をセットで読み返すことで、理解が早まります。小さな学習を毎日続けられる人ほど、未経験からでも短期間で戦力になりやすいです。
特に資格勉強中であれば、実務で出てきた論点をそのまま学習テーマにできるため、知識と経験の相乗効果が生まれます。
正確性・丁寧さを大切にできる人
税理士法人の業務は数字の一桁や税区分の違いで納税額が変わるため、正確性と丁寧さが評価の中心になりやすい仕事です。未経験で転職した直後は、スピードよりも根拠を確認しながら進められるかが重要になります。
例えば、証憑と入力の突合や残高の一致確認、添付書類の要否、期限管理など、チェック項目は多岐にわたります。これらを雑に進めてしまうと、後工程で大きな手戻りが発生するため注意が必要です。
一方で、チェックリストを作成し、疑問点をその場で相談できる人は信頼を得やすくなります。丁寧さは才能よりも習慣による部分が大きいため、毎回同じ手順で確認する「型」を作れる人ほど、未経験からでも安定して成果を出しやすくなります。
人と話すこと・説明することに抵抗がない人
税理士法人の仕事は、黙々と入力するだけの仕事ではなく、顧客や社内と情報をすり合わせる場面も多いです。未経験で転職した直後でも、資料の不足確認や取引内容のヒアリング、処理方針の共有などで連絡が発生します。
大切なのは、専門用語を並べるのではなく、相手が判断できる形で分かりやすく伝えることです。また、会話に抵抗がない人ほど、確認が早く進みミスも減ります。
顧客対応が増えると提案業務にもつながりやすく、未経験からでも評価を高めやすくなります。報連相が早いだけでも繁忙期の負担は軽くなるため、会話を避けない姿勢が求められるでしょう。
未経験者を採用してくれる税理士法人の特徴

未経験者を採用してくれる税理士法人には、以下のような特徴があります。転職活動の戦略に役立てるためにも、ぜひチェックしてください。
人員規模が一定以上ある(中堅〜大手)の税理士法人
中堅から大手の税理士法人は案件数が多く、分業が進んでいるため、未経験で転職しても学びながら仕事を進めやすい傾向があります。入力担当や決算担当、レビュー担当の役割が分かれており、チェック工程が仕組みとして回るため、最初のミスが大きなトラブルになりにくいです。
研修やOJTの資料が整っている法人も多く、用語や手順を体系的に覚えられます。未経験者にとっては、1人で抱え込まない仕組みが重要なので、法人の人数規模や教育担当の有無、マニュアル整備状況を確認すると安心です。
進捗管理ツールやクラウド共有がある職場であれば誰がどこまで進めたか見えやすく、繁忙期でも判断に迷いにくくなるためおすすめです。
「経験」より「人物・意欲」重視の税理士法人
未経験者を採用する税理士法人の中には、経験年数よりも人物面や意欲を重視するところがあります。特に重視されるのは、学ぶ姿勢や素直さ、期限意識、報連相の速さといった点です。
転職理由が「安定しているイメージがあり」といった内容だけでは弱いため、なぜ税理士法人なのか、なぜ今このタイミングで未経験から挑戦するのかを言語化していきます。過去の職種が営業なら顧客対応力、事務職なら正確性など、これまでの経験をどう活かすかもセットで語ると説得力が上がります。
面接では、勉強計画や入社後に伸ばしたい業務領域を具体化し、長期で成長する意欲を示すと評価されやすいです。
若手が定着している税理士法人
離職が多い職場は業務量が過剰、教育がない、評価が不透明などの要因を抱えがちです。そのため、若手が定着している税理士法人は、未経験で転職する人にとって重要な「育つ環境」が整っている可能性が高いです。
定着している職場は相談できる先輩がおり、レビューの回り方が安定していて仕事の配分が比較的公平なことが多くなります。見極め方としては20代〜30代の比率や入社年次の分布、直近1年の退職理由の傾向、繁忙期後のフォロー(代休・有休取得)などを質問するとよいでしょう。
未経験者にとっては「続けられるかどうか」が大きなポイントになるため、定着率は最重要指標の一つです。面接での回答が曖昧な場合は、転職エージェント経由で実態を確認すると把握の精度が上がるため、詳細な情報をしっかり調査しておくことをおすすめします。
未経験者が税理士法人転職を成功させるポイント

未経験者が税理士法人転職を成功させるには、以下のようなポイントをチェックしてください。それでは詳しく説明します。
志望動機を明確にする
未経験で税理士法人に転職する場合、志望動機は合否を左右する重要項目です。採用側は「なぜ未経験でこの業界なのか」「入社後に粘り強く学べるか」を見ています。
そのため、過去の経験や興味を持ったきっかけ、税理士法人で実現したいこと、将来像などを順番に整理し、一貫したストーリーを作ることが大切です。例えば、数字で改善提案をした経験がある場合は、会計の専門性で顧客の経営に深く関わりたいと結びつけます。
さらに、入社後にまず伸ばしたい業務(記帳、決算、顧客対応)と、資格取得を含めた学習計画を具体化すると説得力が上がります。未経験でも筋が通っていれば十分に採用されるチャンスはあるため、志望動機の作り込みは入念に実施しましょう。
企業研究を怠らない
税理士法人は一見似ていても、業務の中身と育成方針が大きく違います。未経験で転職するなら、企業研究を通じて「自分が成長できる環境かどうか」を見極めることが欠かせません。
確認したい点として、以下のような要素があります。
- 顧客規模(小規模中心か中堅以上か)
- 担当範囲(分業か一気通貫か)
- レビュー体制
- 繁忙期の働き方
- 在宅やフレックスの有無
- 資格支援
これらは求人票だけでは読み取れないため、面接で具体的に質問し、回答の内容から運用実態を推測します。あわせて、公式サイトの実績や社員紹介、採用ページの研修説明を確認するとよいでしょう。
未経験者の場合、入社後の最初の半年で成長スピードに差が出やすいため、学べる案件が多いか、相談できる人がいるかまで踏み込んで調べると、後悔のない転職を実現しやすいです。
転職エージェントを活用する
未経験から税理士法人へ転職する場合は、転職エージェントを活用することで成功確率を高められます。理由は、求人票に出ない情報(教育体制、残業の実態、定着率、未経験の受け入れ状況)を事前に把握できるためです。
さらに、書類添削を通じて、未経験でも採用したいと思わせる言語化を支援してもらえます。面接対策では、よく聞かれる質問(志望動機、勉強状況、ミスへの向き合い方)への回答を具体化でき、当日の受け答えが安定します。
加えて、条件交渉や日程調整も任せられるため、働きながらでも転職活動を続けやすい点もメリットです。税理士法人に強いエージェントを選び、未経験歓迎の実績がある担当に相談するとミスマッチを減らしながら内定に近づけるでしょう。
未経験者の税理士法人転職に役立つ!おすすめエージェント3選

こちらでは、未経験者の税理士法人転職におすすめのエージェントを3社紹介します。各エージェントの詳細や特徴について説明するので、ぜひ利用を検討してください。
MS-Japan

- 転職支援実績が豊富にあり、サービス利用者から高い評価がある
- 各職種への深い理解力と最新の市場動向を把握している
- 客観的な視点でサポートしてくれるキャリアアドバイザーが在籍
MS-Japanは、管理部門・士業の求人に特化した転職エージェントです。転職支援実績が豊富で、サービス利用者から高い評価を受けています。
各職種への深い理解力と最新の市場動向を把握しているため、求職者1人ひとりに最適なキャリアプランを提案してもらえます。大手監査法人や会計事務所、ベンチャーキャピタルとのネットワークを持っており、関東・東海・関西の主要都市を中心に求人を紹介してもらうことが可能です。
客観的な視点でサポートしてくれるキャリアアドバイザーも在籍しているため、転職活動を全面的にサポートしてくれます。経歴書の添削から面接スケジュールの調整まで、手間のかかる作業をサポートしてくれるので安心です。
転職支援実績が豊富な転職エージェントを求めるなら、MS-Japanの利用がおすすめです。
| MS-Japanの基本情報 | ||
|---|---|---|
| 運営会社 | 株式会社MS-Japan | |
| 公式サイト | https://www.jmsc.co.jp/ | |
| 公開求人数 | 10,827件(2026年1月22日現在) | |
| 主な求人職種 | 経理・財務、経営企画、内部監査、 広報など | |
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ヒュープロ

- 公開求人数が多く希望条件に合った求人を見つけやすい
- 士業・管理部門に特化したキャリアアドバイザーが在籍
- 企業とのコネクションも深くリアルな情報提供を行ってもらえる
ヒュープロは、士業・管理部門に強い転職エージェントです。公開求人数が多いため、希望条件に合った求人を見つけやすい点が特徴です。
士業・管理部門に特化したキャリアアドバイザーも在籍しているので、専門的な知見のもと転職活動をサポートしてもらえます。企業とのコネクションも深く、リアルな情報提供を行ってもらえる点も強みです。
非公開の好条件・高待遇の求人も多数あり、未経験でも納得のいく転職先が見つかります。サイト内の検索機能を利用すれば、自身で条件を絞り込んで求人検索ができます。
また、サイト内にはおすすめの求人やキャリアインタビューなど、転職活動に役立つコンテンツも豊富です。求人数の多さを重視するなら、ヒュープロの利用がおすすめです。
| ヒュープロの基本情報 | ||
|---|---|---|
| 運営会社 | 株式会社ヒュープロ | |
| 公式サイト | https://hupro-job.com/ | |
| 公開求人数 | 13,000件(2026年1月22日現在) | |
| 主な求人職種 | 税理士・税務、公認会計士、社会保険労務士 弁護士、CFOなど | |
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ヤマトヒューマンキャピタル

- 年間5,000名以上の転職相談実績※
- 一般には公開されない非公開求人も多数保有
- 内定獲得に向けた手厚いサポート体制が整っている
ヤマトヒューマンキャピタルは、経営・ファイナンス領域に特化した転職エージェントです。M&AやPEファンド、VC、コンサルティング、投資銀行などを中心に豊富な求人を扱っています。
年間5,000名以上の転職相談実績※があり、一般には公開されない非公開求人も多数保有しているのが特徴です。未経験者でも応募可能な求人が豊富なので、税理士法人や会計・財務領域へのキャリアチェンジを考える人にも活用しやすい転職支援サービスです。
さらに、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策など、内定獲得に向けた手厚いサポート体制も整っています。メディア掲載や書籍実績もあるなど、安心できる信頼性の高さも見逃せないポイントです。
税理士の求人を効率良く見つけたい方は、ヤマトヒューマンキャピタルの利用がおすすめです。
| ヤマトヒューマンキャピタルの基本情報 | ||
|---|---|---|
| 運営会社 | ヤマトヒューマンキャピタル株式会社 | |
| 公式サイト | https://yamatohc.co.jp/ | |
| 公開求人数 | 6,000件(2026年1月22日現在) | |
| 主な求人職種 | コンサルタント、事業会社CXO、投資銀行、営業 士業など | |
参照元
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未経験者の税理士法人転職に関するよくある質問

最後に、未経験者の税理士法人転職に関するよくある質問について回答します。疑問を解消するためにも、ぜひチェックしてください。
「税理士補助はやめとけ」と言われるのはなぜ?
税理士補助の仕事はやめとけと言われる理由として、以下のような点が挙げられます。
- 繁忙期の業務量が多い
- 常に学習が求められる
- 研修制度がないこともある
- 給料が安い傾向にある
税理士法人は仕事が集中する繁忙期があり、大量の残業が発生するケースがあります。勤務先によっては休日出勤になることもあり、プライベートの時間を確保することが難しいです。
また、毎年の税制改正など法令や通達などについて、税理士や税理士補助は常に新しい情報を継続的に学習する必要があります。内容にミスがあると顧問先に損害を与える可能性があり、場合によっては税理士法人が損害賠償責任を負うこともあります。
未経験から税理士事務所で働く場合、簿記2級は有効ですか?
簿記2級の資格を取得しておくことで、応募できる求人が増え、内定にもつながりやすくなるため有効です。資格なしでも採用している税理士法人はありますが、取得しておけば選択肢を広げられます。
また、資格を取得するためには試験の勉強が必要になるため、税理士法人での仕事をイメージしやすくなる点も強みです。転職後に仕事をスムーズにこなせるようになるので、業務についていけなくなる不安を取り除けます。
簿記2級の取得には3ヶ月~5ヶ月程度かかりますが、時間をかけるだけのメリットは十分あるでしょう。
未経験で働くのがきつい税理士事務所の特徴とは?
未経験で働くのがきつい税理士事務所には、以下のような特徴があります。
- 土日に研修がある
- 未経験者の採用数が多すぎる
- 給与水準が低い
上記のような特徴がある税理士事務所は、転職を後悔しやすいです。特に仕事とプライベートを両立させたい方にとって、土日に研修があるかどうかは重要なポイントです。
税理士事務所からスカウトを受けたとしても勢いで選考を進めず、求人情報をしっかりとチェックしておく必要があります。転職活動の悩みがある時は、転職エージェントのサービスを利用して担当のキャリアアドバイザーに相談しましょう。
未経験でも大手税理士法人に転職できる?
未経験から大手税理士法人へ転職するには、税理士試験の科目合格数が2科目以上であれば面接で評価されます。また、大手では外資系企業と取引するケースもあるため、英語でのコミュニケーション力に長けていれば強みとしてアピールすることが可能です。
実務経験がないからこそ、資格や英語力などの強みから評価してもらうことが転職の成功へとつながります。
未経験で税理士法人に転職のまとめ

今回は、未経験から税理士法人の転職を目指す難易度や、転職成功のポイントについて詳しく解説しました。税理士として働くには資格の取得が必要ですが、税理士補助であれば未経験からでも実務経験を積むことが可能です。
現在では税理士業界の人手不足が深刻化しており、若手が挑戦しやすい環境が広がっています。これから税理士法人の転職を検討している方は、当記事で紹介した転職エージェントの利用を検討してみてください。

監修者:
本多 翔
フリーコンサル株式会社 代表取締役
大学院卒業後、EYアドバイザリー株式会社(現EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング)にてコンサルティング業務に従事。その後、フリーコンサルとして多様なプロジェクトを経験したのち、フリーコンサル株式会社を創業。現在はコンサルタントやハイクラス人材向けに転職・フリーランス案件を紹介する「フリーコンサルエージェント」の運営とともに、大手企業を中心にマーケティングや業務改革支援などのコンサルティング事業を展開している。







