ITやビジネスの知識を活かして企業の課題解決を支援する「ITコンサルタント」。DX推進の重要性が高まるなか、需要の高い職種として注目を集めていますが、「未経験でもなれるのか」「何から準備すればいいのか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ITコンサルタントの仕事内容や必要なスキル、向いている人の特徴から、キャリアパス、転職のポイントまでをわかりやすく解説します。さらに、未経験からのキャリア構築や、おすすめの資格なども紹介。
これからITコンサルタントを目指したい方は、ぜひキャリアの参考にしてみてください。
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監修者:
本多 翔
フリーコンサル株式会社 代表取締役
大学院卒業後、EYアドバイザリー株式会社(現EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング)にてコンサルティング業務に従事。現在はフリーコンサル株式会社を創業し、コンサルタント・ハイクラス人材向けに転職・フリーランス案件を紹介する「フリーコンサルエージェント」を運営。あわせて大手企業を中心にマーケティングや業務改革支援など、コンサルティング事業も展開している。
ITコンサルタントとは

ITコンサルタントの仕事内容を一言で表すとすれば、クライアントである企業に対してITシステムの提案や導入を支援することです。
現在、多くの企業では業務効率化や生産性向上を目的としてさまざまなITシステム、ツールなどを導入し活用していますが、これから新たにシステムの導入やリプレイスを検討している企業も少なくありません。
そのようなクライアントに対して、ITの知見を生かし課題解決に導くことがITコンサルタントの重要なミッションといえます。
ITコンサルタントとSEの違い
ITコンサルタントとシステムエンジニア(SE)は、いずれもIT領域で活躍する職種ですが、担う役割に明確な違いがあります。
SEは主にシステムの設計や開発、実装といった「技術的な作業」が中心です。一方、ITコンサルタントはクライアントの経営課題や業務課題をITでどう解決するかを考え、要件定義や全体設計、導入戦略などの「上流工程」に携わります。
つまり、SEは“作る立場”、ITコンサルタントは“提案・導く立場”とも言えます。将来的に戦略的な思考やマネジメント力を活かしたい方は、ITコンサルタントのキャリアが適しているでしょう。
ITコンサルタントの仕事内容

ITコンサルタントは、企業の課題をITの力で解決する専門職です。現状の業務を把握したうえで、最適な解決策を提案し、導入・定着までを支援します。以下にITコンサルタントの代表的な業務を紹介します。
課題のヒアリング
ITコンサルタントの業務には、まずクライアントの抱える課題を正確に把握することが不可欠です。現場担当者からヒアリングを行い、業務プロセスやシステムの利用状況、ボトルネックを把握します。また、経営層の戦略的な意図や将来的なビジョンまで含めた背景理解も必要です。
このフェーズで重要なのは、単に「困りごとを聞く」だけでなく、その原因や構造まで深掘りすることです。たとえば、「業務が属人化している」という悩みに対しても、どの工程で、なぜ属人化しているのかを洗い出す必要があります。
こうした課題の構造化には、論理的な思考力に加えて、相手との信頼関係を築く力、言語化・要約のスキルが不可欠です。
課題解決のための提案
ヒアリングを通じて課題を把握したあとは、具体的な解決策を提案していきます。プロセス改善やツール導入、組織再構築など、さまざまな手法から最適な施策を組み合わせて構想を立てるのが基本です。
たとえば、手作業の多い業務に対しては、RPAの導入やクラウド化を検討するケースもあります。その際はコストや導入スケジュール、定着にかかる負荷も含めて説明し、意思決定を後押しする必要があるでしょう。
クライアントの規模やカルチャーによって、導入難易度や課題の本質は異なるため、一律の解決策では対応できません。だからこそ、多角的な視点と現実的な設計力が求められます。
システム導入・運用にあたってのマネジメント
提案が採用されると、次はその実現に向けてシステム導入プロジェクトを推進します。ITコンサルタントは、単に「提案して終わり」ではなく、要件定義・設計・開発・テスト・導入といった一連のプロセスに関与し、全体をマネジメントする立場です。
特にベンダーや開発チームとの調整、ステークホルダー間の意見のすり合わせ、リスク管理など、プロジェクトを円滑に進めるためのスキルが問われます。
たとえば、システム導入によって業務フローが大きく変わる場合には、現場からの反発や混乱も想定されます。そうした状況を乗り越えるためには、丁寧な説明や教育体制の整備、段階的な導入計画の策定などが必要です。
ITコンサルタントの平均年収

ITコンサルタントの年収は、スキルや経験、担当領域によって大きく異なります。職業情報提供サイトのjobtagの統計によると、おおよその年収目安は752.6万円※です。

引用元:job tag「ITコンサルタント – 職業詳細」(2025年10月20日時点)
IT業界の中でもコンサルタント職は比較的高水準の報酬が見込める傾向にあり、特にシステム導入や業務改善に深く関わる上流工程を担うポジションでは、年収も上がりやすくなります。
また、マネジメント経験や専門性を高めていくことで、より高い報酬やポジションを目指すことも可能です。安定性と成長性のあるキャリアを築きたい方にとって、魅力的な職種といえるでしょう。
参照元
※ job tag「ITコンサルタント – 職業詳細」(2025年10月20日時点)
「ITコンサルタントはやめとけ」は本当か

「ITコンサルタントはやめとけ」と言われる背景には、いくつかの要因があります。納期や期待値へのプレッシャーが大きく、残業が多くなることも珍しくありません。また、技術だけでなく経営や業務知識、調整力まで求められるため、負担が大きいと感じる人もいるでしょう。
とはいえ、それは一面的な見方です。実際には、業務改革やIT戦略といった上流領域に携われることから、スキルと市場価値を高めやすい職種でもあります。成長意欲が高く、変化を前向きに捉えられる人にとっては、挑戦しがいのある仕事と言えるでしょう。
結局のところ、「やめとけ」と感じるかどうかは、その人の志向や適性次第です。
ITコンサルタントになるために必要なスキル

ITコンサルタントは、ビジネス課題をITの力で解決する専門職です。そのためには技術力だけでなく、論理的思考や対人スキルなど、総合的な能力が求められます。以下に代表的なスキルを紹介します。
コミュニケーション能力
ITコンサルタントは、社内外のさまざまな立場の人と関わりながらプロジェクトを進めていきます。経営層との戦略的な議論から、現場担当者の実務的なヒアリングまで、その対象は幅広いのが特徴です。
そのため、専門的な知識をわかりやすく伝える説明力、意見を引き出す質問力、合意形成を進める調整力など、コミュニケーション全般に関わるスキルが重要になります。特にクライアントの要望をくみ取りつつ、現実的な選択肢を提案するバランス感覚が欠かせません。
単なる情報のやりとりではなく、「信頼を築く」ことも大切です。相手の立場や温度感を読み取りながら対話を重ねる力が、プロジェクト成功のカギを握るでしょう。
論理的思考力
業務改善やIT導入においては、複雑な問題を整理し、筋道立てて解決策を構築する力が求められます。論理的思考力は、まさにその中心にあるスキルです。たとえば、課題の要因を「業務」「人」「システム」などの観点に分けて分析したり、提案内容を根拠とともに構成したりといった場面で役立ちます。
また、会議や資料作成においても、話の流れが明確で説得力があるかどうかはこの力に左右されがちです。「なぜそうなるのか」「どの選択肢が最も合理的か」を常に意識しながら思考を深める習慣が、コンサルタントとしての質を高めてくれるでしょう。
曖昧さを避け、相手が納得できる説明ができる人は、どの現場でも重宝されます。
ITスキル
ITコンサルタントである以上、一定のIT知識・スキルは必須です。ただし、プログラミングの実務経験がなければ務まらないというわけではありません。むしろ、クラウド、ネットワーク、セキュリティ、業務系システムといった幅広い領域の技術を俯瞰できることが重要です。
開発はベンダーに任せるケースも多いため、技術そのものを深掘りするよりも、「その技術が業務にどう活かせるか」を理解し、説明できる力が求められます。たとえば、SaaS導入やデータ基盤構築における選定理由を示す場面では、こうした知識が非常に役立ちます。
変化の激しい分野ではありますが、技術に対する興味を持ち、学び続けられる姿勢があれば問題ありません。
情報収集能力
コンサルタントは常に“答えのない課題”に向き合う仕事です。そのため、状況に応じた最適な選択肢を探るための情報収集能力は、欠かせない武器となります。
具体的には、業界動向、技術トレンド、競合事例、行政方針など、多岐にわたる情報を正確に集め、必要なときに取り出せるよう整理することが求められます。社内ナレッジだけでなく、クライアント企業の公式情報や外部調査レポートなども活用しながら、自らの判断軸を磨いていく必要があります。
また、単に集めるだけではなく、「今、この場面で必要なのは何か」を見極める力も重要です。情報の質と鮮度、そして文脈に合った使い方ができる人ほど、クライアントからの信頼も厚くなるでしょう。
ITコンサルタントにおすすめの資格

ITコンサルタントとして活躍するには、技術力に加え、経営や業務に関する理解も求められます。ここでは、キャリアアップや専門性の証明に役立つ3つの資格を紹介します。
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する高度区分の国家試験で、ITと経営戦略の橋渡しを担う人材を対象としています。IT投資の立案やシステム企画といった上流工程に必要なスキルが問われるため、ITコンサルタントにとって非常に相性の良い資格です。
試験では、ITを活用した事業戦略の策定能力や、業務プロセス改善に向けた分析力などが評価されます。経営層と対話する場面が多いITコンサルにとって、理論的な裏付けとなる知識を体系的に学べる点も魅力です。
合格率は例年15%前後と難関ですが、それだけに保有者の信頼度は高く、コンサルティング領域での説得力が格段に上がるでしょう。
ITコーディネータ
ITコーディネータは、経済産業省の推進する人材認定制度で、中小企業を中心に「経営とITをつなぐ人材」の育成を目的としています。特に経営改革や業務改善の支援を行うITコンサルタントにとって、実務に直結する内容が多い資格です。
認定のためには、研修受講やプロセスガイドラインの理解が求められ、現場での実践的な支援スキルを体系的に身につけることができます。また、試験のみで終わらず、継続的なスキル更新や実務経験の蓄積も重視されている点が特徴です。
クライアントの多くが非IT系である場合にも、「経営視点から語れるIT人材」としての立ち位置を築くうえで有効でしょう。実務支援を重視する方には特におすすめの資格です。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、IPAが実施する高度情報処理技術者試験の一つで、ITプロジェクトを計画・実行・管理する能力が問われます。ITコンサルタントとして提案した施策を、実際のシステム導入・展開に結びつける場面で非常に役立つ資格です。
試験では、要件定義から設計、実装、運用に至るまでの一連の工程におけるリスク管理、品質管理、進捗調整といったマネジメント全般の知識が問われます。また、プロジェクトの成功要因を多角的に分析し、利害関係者との調整を図る力も求められる点が特徴です。
大規模案件を担当する機会が多いITコンサルにとって、計画性と実行力を証明できるこの資格は大きな強みになります。
ITコンサルタントに向いている人

ITコンサルタントとして活躍するには、技術力だけでなく、ビジネス視点や対人スキルも欠かせません。ここでは、特にITコンサルタントに向いているタイプを3つの観点から紹介します。
技術とビジネスの両面に関心がある人
ITコンサルタントの仕事は、システム構築に限らず、業務改善や経営課題の解決までを視野に入れた「橋渡し役」です。そのため、ITの仕組みに対する理解だけでなく、企業の仕組みやビジネスの構造にも関心を持てる人が向いています。
たとえば、「なぜこの業務が非効率なのか」「どんな仕組みを導入すれば売上に貢献できるか」といった視点で物事を捉えられることが大切です。技術を目的ではなく“手段”として扱える柔軟な思考が求められます。
ITの知識を活かして、より良いビジネスを実現したいという志向がある人ほど、この職種で大きな価値を発揮できるでしょう。そのため、SEからコンサルへ転職し、ITの知識をコンサルタントで活かす人もいます。
コミュニケーションを通じて課題を整理できる人
ITコンサルタントは、顧客の要望や業務上の課題をヒアリングし、それを言語化・構造化していく役割を担います。ときには、顧客自身が課題を明確に把握できていないケースもあるため、コミュニケーションの中から本質を引き出す力が不可欠です。
また、プロジェクトを進めるうえでは、IT部門や現場、経営層など多様な立場の関係者と調整する場面が頻繁に発生します。自分の考えを論理的に伝えるだけでなく、相手の立場や意図を理解しながら、共通のゴールに向けて合意形成を図る姿勢が求められます。
話す力、聞く力、まとめる力、これらをバランスよく発揮できる人にとって、ITコンサルは非常に適したフィールドです。
新しい技術や業界動向に興味を持てる人
IT業界は、技術革新のスピードが非常に早い分野です。AI、クラウド、IoTなど新しいテクノロジーが次々と登場し、それらをどのようにビジネスに活用するかが問われています。
そのため、常にアンテナを張って新しい情報をキャッチアップできる人、学びを楽しめる人は、ITコンサルタントに向いていると言えるでしょう。もちろん、すべての技術を深く理解している必要はありません。ただし、「それが何に使えるのか」「どのような業務課題に効くのか」を考えられる視点は必要です。
好奇心を持って変化を受け入れられる姿勢があれば、長く成長できるキャリアを築けるはずです。
ITコンサルタントに向いていない人

ITコンサルタントはやりがいや成長機会のある職種ですが、すべての人に合うとは限りません。ここでは、ITコンサルタントに向いていないと考えられる人の特徴を3つ紹介します。
技術や業務の変化を負担に感じる人
IT業界は常に変化しています。新しい技術が次々と登場し、企業側のニーズも時代に合わせて大きく変わるため、コンサルタントはそれに応じて提案内容や知識をアップデートし続ける必要があります。
たとえば、昨日までのベストプラクティスが、来月には通用しなくなることも珍しくありません。こうしたスピード感のある変化に対して柔軟に適応できない人や、変化そのものに強いストレスを感じる人は、ITコンサルタントとしての業務に疲弊してしまう可能性があるでしょう。
安定した業務や明確に決まった手順の中で働きたいという志向が強い場合は、別の職種を検討した方が無理なく働けるかもしれません。
クライアント対応や調整を避けたい人
ITコンサルタントの業務には、常にクライアントとの関係構築がつきまといます。要件のすり合わせ、進捗報告、納期調整、時にはクレーム対応など、対人コミュニケーションの機会は非常に多い職種です。
「黙々と作業したい」「人と関わるのが苦手」と感じる方にとっては、ストレスの多い環境になりがちです。特にクライアントの要望と現場の制約の板挟みになるような場面では、高い調整力と冷静な対応が求められます。
人と関わることそのものに強い苦手意識がある場合は、コンサルタントという立場は適していないかもしれません。自分の適性と希望する働き方を照らし合わせて判断することが大切です。
ロジカルに考えることを避けがちな人
ITコンサルタントは、論理的な思考をベースに課題を分析し、適切な解決策を導き出す仕事です。「なぜこの課題が起きているのか」「どの選択肢が最も合理的か」といった問いに対して、筋道立てて答えを導く力が求められます。
直感的に動いたり、感覚で物事を判断する傾向が強い場合、クライアントとの議論や提案資料の作成で苦労するかもしれません。また、データや根拠をもとに説明できないと、信頼性を得るのも難しくなるでしょう。
もちろん、完璧な論理力が必要なわけではありませんが、論理的に考える姿勢そのものがないと、ITコンサルタントとしての成長は限られてしまいます。
ITコンサルタントになるにはどの大学・学部がおすすめ?

ITコンサルタントを目指すなら、情報系や経営系の学部で基礎を学べる環境が望ましいでしょう。厚労省による職業提供サイトjobtagのデータでも、ITコンサル職は「情報科学・経営学・商学などの専門知識を要する職種」※1と位置づけられています。
就職実績を見ると、野村総合研究所(NRI)やNTTデータ、日本IBMなどの大手ITコンサル企業では、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学といった難関大学の出身者が多い※2傾向です。
また、東京理科大学や明治大学、中央大学、同志社大学など、理系・情報系に強い大学からの採用も目立ちます。論理的思考力や課題解決力を磨ける学習環境が整っており、ITコンサルの素養を培いやすい環境がおすすめです。
参照元
※1 job tag「ITコンサルタント – 職業詳細」
※2 大学通信オンライン「野村総合研究所 | 企業ごとの大学別就職者数」(2024年)
※2 大学通信オンライン「NTTデータグループ | 企業ごとの大学別就職者数」(2024年)
※2 大学通信オンライン「日本IBM | 企業ごとの大学別就職者数」(2024年)
ITコンサルタントになるには学歴が高くないと難しい?
ITコンサルタントは、学歴だけで評価される職種ではありません。
もちろん、大手コンサルティングファームの新卒採用では、有名大学出身者が多い傾向がありますが、学歴が“必須条件”というわけではないのが実情です。中途採用では、どのような業務経験を持ち、どんな課題を解決してきたかといった実績がより重視されます。
学歴よりも、IT知識・課題解決力・コミュニケーション能力といった“実務での成果を出せる力”が評価されやすい傾向にあります。
一方、新卒採用段階では応募条件として「大学卒以上」が設定されている企業も多いため、学歴が高いほど有利になる場面もあります。重要なのは、学びをどう活かすかです。
未経験からITコンサルタントになるには

ITコンサル未経験からの転職は十分に可能ですが、そのためには準備が重要です。
ITコンサルタントは、ITと業務の両方にまたがる職種のため、エンジニアや営業、業務コンサルなどの経験を活かしやすい傾向があります。特に、要件定義やプロジェクトマネジメントに関わった経験がある人は、現場理解や調整力を評価されやすいでしょう。
一方で、完全な異業種から目指す場合は、基本的なIT知識や業務改善の考え方を学んでおくことが必要です。資格の取得(例:基本情報技術者、ITパスポートなど)や、転職エージェントを活用したキャリア戦略の見直しも効果的です。
SIerからITコンサルタントになるには

SIer(システムインテグレーター)からITコンサルタントへの転職は、実務経験を活かしやすいキャリアプランです。SIerで培った経験は、ITコンサルタントに必要な「ITと業務の橋渡し」スキルと直結しています。
特に、顧客と直接やり取りしながらプロジェクトを進めた経験や、上流工程に関わった実績は高く評価されやすい傾向にあります。単なる開発業務にとどまらず、業務課題の発見や提案に携わっていた方であれば、よりスムーズな転身が期待できるでしょう。
未経験分野(例:業務改革や戦略立案)への対応力を高めるためには、コンサルティングファームが求める論理的思考や資料作成スキルを補完しておくことが重要です。
ITコンサルタントになるための事前準備

ITコンサルタントを目指すにあたり、事前に身につけておきたいのは「ITの基礎知識」「ビジネス理解」「論理的思考力」の3つです。システムの構造や業務プロセスを理解しておくことで、技術と業務の橋渡しがしやすくなります。
特に未経験の場合は、基本情報技術者やITパスポートなどの資格取得を通じて、ITの土台を固めておくとよいでしょう。また、業務改善や課題解決の思考法について学ぶことで、実務に近い視点も養えます。
加えて、コンサルティングではクライアントとの信頼関係が重要です。コミュニケーションスキルもあらかじめ意識して鍛えておくと役立ちます。目的意識を持った準備が、転職成功への近道です。
ITコンサルタントの求人例

ITコンサルタントの実際の求人例を紹介します。
未経験歓迎のITコンサルタント求人
| 役割 | ITコンサルタント |
|---|---|
| 業務内容 |
|
| 要件 |
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| 年収 | 360万円~700万円 |
※記事執筆時点の情報のため現在は募集終了している可能性があります
未経験からITコンサルタントを目指せるポジションです。プロジェクト推進や課題管理など幅広い業務を経験でき、基礎的なIT知識があれば挑戦可能。IT業界でキャリアを築きたい方に最適な環境です。
ERPなどの導入設計に関わるITコンサルタント求人
| 役割 | ITコンサルタント |
|---|---|
| 業務内容 |
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| 要件 |
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| 年収 | 800~1,300万円 |
※記事執筆時点の情報のため現在は募集終了している可能性があります
RPAやERPなどの導入設計を中心に、業務改善から実行支援まで担うポジションです。クライアントの業務を深く理解し、ITの力で現場変革を推進したいコンサルタントに適しています。
IT戦略・IT企画コンサルタントの求人
| 役割 | IT戦略・IT企画コンサルタント |
|---|---|
| 業務内容 |
|
| 要件 |
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| 年収 | 400万円~900万円 |
※記事執筆時点の情報のため現在は募集終了している可能性があります
公共分野におけるAI・DX導入を推進するIT戦略コンサルタント職です。行政デジタル化や政策立案支援など社会的インパクトの大きい案件に携われ、技術と公共知識を融合したキャリアを築けます。
ITコンサルタントのキャリアパス

ITコンサルタントのキャリアは、経験を積むことで少しずつ上流工程へとステップアップしていくのが一般的です。はじめのうちは、先輩のサポートとして要件定義や資料作成、システム導入支援などの業務を担当することが多いでしょう。
数年の実務を経て、クライアントの課題を整理し、自ら提案をまとめていく立場へと成長していきます。その後は、プロジェクト全体を統括するマネージャーや、IT戦略・業務改革をリードする上級コンサルタントといった役割を目指すのも良いかもしれません。
また、クラウドやデータ分析、業務系システム(ERPなど)といった特定分野に強みを持ち、専門性を深めていく道もあります。
ITコンサルタントの転職先

ITコンサルタントとして一定の経験を積むと、専門性や役割に応じてさまざまな転職先が見えてきます。ここでは、同じ業界内での主なキャリアプランを紹介します。
事業会社のIT部門・DX推進部門への転職
ITコンサルタントとしての経験を活かし、クライアント企業の内側に入る形で転職するパターンはよく見られます。
特に多いのが、事業会社のIT企画部門やDX推進部門への転職です。コンサルタント時代に培った要件定義力、業務改善の視点、ベンダーとの折衝経験などがそのまま活かせるため、即戦力として歓迎されやすい傾向にあります。
また、事業会社側では中長期的な施策や予算策定、組織づくりなどにも関われるため、「ひとつの会社の変革にじっくり取り組みたい」と考える人にとっては理想的なキャリアのひとつです。
他分野のコンサルティングファームへの転職
ITコンサルタントとしての実務経験を足がかりに、戦略コンサルや業務改革コンサルなど、他分野のファームへ転職するケースも増えています。特に、技術とビジネスを橋渡しする立場として活躍していた人ほど、経営視点を持った人材として高く評価されます。
たとえば、ITを切り口に課題解決を提案してきた経験があれば、それをベースに「ビジネスモデルの設計」や「業務オペレーションの再構築」など、より経営に近いテーマに挑戦することも可能です。
特に総合ファームでは、IT×戦略・業務といったハイブリッド型のコンサルタントが求められており、IT出身者がキャリアの幅を広げやすい環境が整っています。
フリーランスのITコンサルとして独立
一定の経験と専門性を身につけたのちに、ITコンサルタントのフリーランスとして独立する人も少なくありません。フリーランスのITコンサルは、企業と業務委託契約を結び、プロジェクト単位で参画するのが一般的です。
勤務時間や働く場所の自由度が高く、収入もスキルや実績次第で会社員時代を上回るケースがあります。一方で、案件獲得や交渉、事務処理もすべて自分で行う必要があるため、独立後は自己管理能力がより問われるようになります。
近年はフリーランスとして活躍する人向けのマッチングサービスやエージェントも充実しており、会社に属さない新しい働き方として注目されています。自律的にキャリアを築きたい人には魅力的な道となるでしょう。
ITコンサルタントを積極採用している企業一覧

ITコンサルタントとして働きたい人にとって、どのITコンサルティング企業が採用に積極的かを知ることは重要です。ここでは、代表的なITコンサル企業を紹介します。
野村総合研究所
野村総合研究所(NRI)は、戦略立案からIT実装までを一気通貫で担う、日本を代表するITコンサルティング企業のひとつです。ITコンサルタント職は「システムコンサルタント」として採用されており、金融・流通・製造など多様な業界に向けた高付加価値なITソリューションを提供しています。
特に注目されているのは、単なるシステム導入にとどまらず、経営戦略に基づく業務改革をIT面から支援する姿勢です。上流工程に携わる機会が豊富なため、コンサルタントとしての思考力や提案力を磨くことができます。
若手でも裁量ある業務に挑戦できる環境が整っており、実力次第で早期にプロジェクトの中核を担うことも可能です。
アクセンチュア
アクセンチュアは、世界最大級の総合コンサルティングファームです。特にテクノロジーコンサルティング領域では、クラウド、AI、DXなど先進領域のプロジェクトを数多く展開しています。
同社の特徴は、グローバルとローカルが融合したプロジェクト体制です。日本企業の課題にグローバルな知見をかけ合わせて支援することで、企業変革をダイナミックにリードしています。
研修制度やキャリア支援も整備されており、未経験からITコンサルタントを目指す方にも門戸が開かれています。グローバル志向のある方や、新しいテクノロジーに積極的に関わりたい方にとって、挑戦の価値がある環境だと言えるでしょう。
アビームコンサルティング株式会社
アビームコンサルティングは、日本発の総合コンサルティングファームとして、ITコンサルティング企業の中でも独自のポジションを築いてきました。SAPなどのERP導入や、業務改善に向けたIT戦略の立案・実行支援において強みを持っています。
特に注目されるのは、業界別の専門チームによる支援体制です。製造、流通、金融、医療など、特定の業界に特化した知見を積み上げながらキャリアを築ける点も魅力的といえるでしょう。
育成環境も整っており、段階的に実力を伸ばしていく仕組みがあるため、経験に不安のある方でも安心してステップアップを目指せるでしょう。
ITコンサルタントの将来性

ITコンサルタントの将来性は、DX推進の加速とともに、今後さらに高まると考えられます。
IPAが公表した『DX動向2025』によると、「何らかの形でDXに取り組んでいる」と回答した企業は77.8%※に達しました。ここから、ITを経営戦略の中心に据える動きが定着しつつあることが見て取れます。

引用元:IPA「DX動向2025」
一方で、日本企業における「DXの成果が出ている」との回答割合は64.2%と、米国(84.0%)などに比べ、依然として低水準※にとどまっています。

引用元:IPA「DX動向2025」
海外の主要国と比べても体制整備が遅れている背景から、戦略立案から実行支援までを担えるITコンサルタントの需要は今後さらに高まるといえるでしょう。
参照元
ITコンサルタントにおすすめの転職エージェント

ITコンサルタントを目指す方におすすめの転職エージェントを紹介します。
MyVision

引用元:MyVision
- コンサルファーム出身のエージェントが在籍
- IT系を含む多様な業界・職種の支援実績
- 模擬面接や想定問答集による高度な選考対策
MyVisionは、戦略・総合・IT系など200社以上のコンサルファームとのネットワーク※1を持ち、特にコンサル業界への転職支援に強みを持つエージェントです。在籍するエグゼクティブコンサルタントの多くは、実際にコンサルファームでの実務経験を有しており、業界に対する深い理解と的確なアドバイスが期待できます。
支援実績は累計8,000名以上※2にのぼり、ITエンジニアやPM出身者のITコンサル転職も多数。業界未経験の転職支援にも積極的で、業界構造や個社の特徴から丁寧に解説する体制が整っており、はじめてのコンサル転職にも安心して臨めます。
また、過去の選考データをもとに作成された独自の「面接対策資料」や「想定問答集」を提供。元コンサルタントとの模擬面接を通じて、実戦に即した準備が可能です。非公開求人や特別選考ルートの紹介もあり、効率的かつ効果的な転職活動を実現できます。
参照元
※1、2 MyVision「コンサル転職エージェント MyVisionが選ばれる理由」(※2 在籍エグゼクティブコンサルタントの別会社での支援数含む)
| MyVisionの基本情報 | |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社MyVision |
| 公式サイト | https://my-vision.co.jp/ |
| 公開求人数 | 非公開(2025年10月23日現在) |
| 主な求人職種 | コンサルタント特化 |
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レバテックキャリア

引用元:レバテックキャリア
- ITエンジニア・Web業界特化で15年以上の実績※
- 企業別の面接対策・内情情報に強み
- キャリアアドバイザーによる徹底サポート
レバテックキャリアは、IT・Web業界に特化した転職エージェントとして15年以上の実績※を誇り、エンジニアやデザイナーの転職支援に強みを持つサービスです。
ITコンサルタントへのキャリアチェンジやステップアップを目指す求職者に対しても、技術的なスキルだけでなく、プロジェクト推進力や上流工程への理解を踏まえた支援を行っています。
年間7,000回以上の企業訪問※により、各社のマネジメント体制やチーム構成、技術スタックまで把握。企業別の選考対策や模擬面接、職務経歴書の添削を通じて、内定獲得率を高めるサポート体制が整っています。
特にITプロジェクトのマネジメント経験や要件定義経験を持つ方に対しては、ITコンサルへの転職支援実績も豊富です。在職中でもWebや電話による面談対応が可能で、非公開求人も多数取り扱っています。キャリアアップや年収アップを目指すIT人材にとって心強いパートナーとなるでしょう。
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| 運営会社 | レバテック株式会社 |
| 公式サイト | https://career.levtech.jp/ |
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| 主な求人職種 | IT、Web、コンサル、マーケティング、PM、デザイナー |
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マイナビITエージェント

引用元:マイナビITエージェント
- IT・Web業界専任のキャリアアドバイザーが在籍
- 未経験からの挑戦や多忙な方にも対応
- 豊富な求人と丁寧なサポート体制が魅力
マイナビITエージェントは、IT・Web領域に特化した転職エージェントで、エンジニアやITコンサルタントとしてのキャリアを考える方にとって心強い存在です。業界ごとの転職市場に精通したキャリアアドバイザーが在籍しており、職種ごとの専門性を踏まえたアドバイスが受けられます。
応募書類の添削や模擬面接といった実践的な支援に加え、キャリアプランの整理から求人選定、条件交渉まで、転職活動全体を丁寧にサポート。はじめての転職や未経験業界への挑戦でも安心して利用できます。また、土日や夜間の面談にも対応しており、在職中で忙しい方にも寄り添った支援体制が整っています。
大手から成長企業まで幅広い求人を保有し、非公開求人の紹介も可能です。IT領域の専門家と伴走しながら、じぶんらしいキャリアを築きたい方におすすめのエージェントです。
| マイナビITエージェントの基本情報 | |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社マイナビ |
| 公式サイト | https://mynavi-agent.jp/it/ |
| 公開求人数 | 24,826件(2025年10月23日現在) |
| 主な求人職種 | IT、Web、コンサル、マーケティング、PM、デザイナー |
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ITコンサルタントに関するよくある疑問

ITコンサルタントについてのよくある疑問について回答します。
新卒でもITコンサルタントになれますか?
新卒でもITコンサルタントになることは十分可能です。総合系ファームやSIer系のコンサルティング部門では新卒採用を積極的に行っており、入社後の研修やOJTで必要な知識を身につけられる体制が整っています。
未経験からのスタートになるため、最初は基礎的なIT知識やビジネス理解が求められることもありますが、論理的思考力や対人スキルが評価される場面も多く、文系出身者が活躍しているケースも珍しくありません。そのため、「情報系の学部を出ていないから」といって諦める必要はないでしょう。
ITコンサルになるためには英語は必須ですか?
必須ではありませんが、あれば有利だといえるでしょう。
国内企業をクライアントとするプロジェクトでは、日本語のみで進行するケースも多く、日常業務に英語を使わないITコンサルタントも多数存在します。一方で、外資系ファームやグローバルプロジェクトに携わる場合は、ドキュメントの読解や会議でのやり取りなどに英語力が求められることがあります。
そのため、将来的にキャリアの幅を広げたい方や、海外企業との仕事に挑戦したい方にとっては、英語力は大きな武器になるでしょう。TOEICのスコアが高いこと自体が評価されるケースもあるため、英語学習はしておいて損はありません。
ITコンサルタントになるにはまとめ

ITコンサルタントになるには、ITやビジネスの専門知識だけでなく、総合的なスキルが必要です。資格取得や情報収集、論理的思考力のトレーニングなど、事前準備を重ねることで、転職市場でも高く評価されやすくなるでしょう。
DXの加速によりITコンサルタントの需要は高まっています。自分の強みを活かしながら、企業の課題解決に貢献したいという意欲があれば、きっと道は開けるはずです。
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