コンサルティング契約書の書き方は？ひな型や注意点についても解説

コンサルティング契約書を作成する際、「どのような内容を盛り込むべきか」「ひな型を使っても問題ないのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。

フリーコンサルタントとして初めて契約書を締結する場合や、企業として初めてコンサル会社に依頼する場合、契約内容に不備があればトラブルの原因になる可能性があります。

この記事では、コンサルティング契約書の基本的な書き方や、ひな型を活用する際のポイント、注意点を解説します。

契約締結に不安を抱える方でも、この記事を読むことで重要なポイントを理解し、スムーズに契約を進められるようになるでしょう。

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コンサルテイング契約とは

コンサルティング契約とは、企業や個人がコンサルタントと締結する契約であり、特定の業務や課題に対する助言や支援を提供することを目的としています。コンサルタントがどんな業務を行い、クライアントが報酬をどう支払うのかを明確に定めます。

具体的な業務内容には、経営戦略の立案、業務改善の提案、市場調査の実施などが含まれることが一般的です。コンサルティング契約は、クライアントとコンサルタントの双方にとって重要な役割を果たします。

クライアントにとっては、外部の専門知識を活用して課題を解決し、事業を成長させる手段となります。一方、コンサルタントにとっては業務範囲や報酬条件を明確にし、責任を限定することで効率的に業務を進める基盤です。

コンサルティング契約とアドバイザリー契約は違う？

コンサルティング契約とアドバイザリー契約は、名前が違うだけで本質的な違いはありません。どちらもコンサルタントが委託者に対して何らかの事項について助言を行うのが主な業務内容です。

コンサルティング契約とアドバイザリー契約どちらも、具体的な業務は契約内容によっても大きく異なります。そのため、契約の名称を気にするのではなく、契約内容に視点を置いて業務内容をどうするかを相談すべきです。

コンサルティング契約とアドバイザリー契約の違いは相対的なものであり、業者によっては同一サービス内において全サービスを提供することもあります。

どちらにしても、契約書類についてはしっかりと目を通し、業務内容をあらかじめ確認してから契約を行ってください。

コンサルテイング契約の種類

コンサルティング契約は、一般的に「準委任契約」として締結されることが多いです。

しかし同じコンサルの業務委託契約でも業務内容や成果物の有無に応じて、「請負契約」に該当する場合もあります。それぞれの契約形態には特徴や適用場面が異なるため、契約書を作成する際には、自社の求める業務内容や成果に基づいて適切な形態を選ぶことが重要です。

以下では、準委任契約と請負契約の違いや特徴について詳しく解説します。

契約形態は、クライアントに提供する業務内容によって異なります。

準委任契約でのコンサルティング契約

準委任契約とは、コンサルタントが特定の業務を遂行することを約束する契約形態であり、成果物の提出を必須としないのが特徴です。主に、アドバイスの提供や調査・分析、プロジェクト進行のサポートなど、業務の遂行そのものが契約の対象となります。

この契約形態では、業務遂行に対して対価が支払われるため、成果物の有無に関わらず報酬が発生します。そのため、業務の範囲や内容を明確に定めることが重要です。

また、成果を保証するものではないため、クライアント側も進行状況やコンサルタントの役割を適切に管理する必要があります。準委任契約は、業務の柔軟性を求める場合や、プロセス自体に価値を見出す業務に適しています。

請負契約でのコンサルティング契約

請負契約は、コンサルタントが一定の成果物を納品することを前提とした契約形態です。例えば、業務改善提案書や市場分析レポートなどの具体的な成果物を作成する場合に適用されることがあります。

この場合、成果物が完成しない限り、報酬は発生しないのが特徴です。請負契約では、業務の結果や成果に対して責任を負うため、契約内容に成果物の仕様や納期を詳細に明記する必要があります。

また、成果物の品質基準や検収方法についても合意しておくことで、双方の認識違いによるトラブルを防げます。請負契約は、具体的な目標や成果を求めるプロジェクトに適していますが、成果物の完成に対するリスクを伴う点にも注意が必要です。

どちらの契約形態が適切かは、業務内容や目的によって異なります。契約を締結する際には、自社のニーズに最も合致する形態を選択しましょう。

コンサルティング契約書が必要な理由

企業がフリーランスコンサルタントにコンサルティング業務を依頼する場合、多くは事業の推進や弱点の克服などを目的とし、依頼します。ですが、コンサル業務を依頼する場合、「具体的に何をしてもらうのか」「どんな方法で改善していくのか」が分かりにくい場合が多いです。

そのため、コンサルティング契約書を作成し、コンサルティングの具体的な内容や稼働時間、報酬、目的などを示す必要があるのです。契約書を作成しないと、契約締結後にトラブルが生じてしまうリスクがあります。

「この業務をやってもらうはずが何もできていない」「追加で業務が発生したのに報酬が少ない」などのトラブルが生じないように、契約書の作成は必須です。

コンサルティング契約書に必要な項目

コンサルティング契約書を作成する際には、業務内容や契約条件を明確にするための重要な項目を盛り込む必要があります。これらの項目が不十分だと、後々トラブルや誤解が生じてしまう可能性があるでしょう。

以下では、コンサルティング契約書に含めるべき主要な項目とその内容について解説します。

コンサルティング内容や業務範囲

契約書には、コンサルティング業務の具体的な内容や業務範囲を明確に記載することが重要です。どんな業務が含まれるのか、また、業務範囲外の対応には追加料金が発生するのかを明記しておくと、認識のズレを防げます。

例えば、「市場調査の実施と提案書の提出」といった具体的な業務内容を記載することで、双方の責任範囲が明確になります。

コンサルティングサービスの提供方法

サービスをどう提供するかを契約書に明記します。例えば、対面での会議、オンラインミーティング、メールや書面での報告書提出など、提供方法を具体的に記載することで、業務の進行がスムーズです。

この2点に注意して、必要な設備や環境についても記載すると効果的です。

コンサルティング契約の期間

期間の記載は、業務計画を立てる上で重要です。契約期間の延長や中途解約に関する条件、通知のタイミングについても明記しておくことで、契約終了後のトラブルを回避できます。

コンサルティング契約の期間は、6ヵ月単位が多いですが、1～3カ月の短期契約や1年単位の契約などもあります。

契約期間を決める際は、契約書に「本契約の期間は、令和〇年〇月〇日から令和〇年〇月〇日までとする。」などと記載します。

契約期間を定める場合は、契約期間が満了した場合に自動継続するかどうかも記載しておくと良いでしょう。

報酬額や支払方法

報酬の内訳や追加費用が発生する場合の条件も記載しましょう。

プロジェクト単位のコンサルティングの場合は、着手金・成功報酬制が採用されるケースが一般的です。一方、顧問契約方式の場合は、固定月額報酬やタイムチャージ制を採用しているところが多いです。

また、支払遅延時の対応や遅延損害金の有無についても明記しておくと、金銭的なトラブルを未然に防ぐことが可能です。これにより、契約の透明性が向上します。

成果物の利用や知的財産権の帰属について

成果物の利用条件や著作権の範囲を具体的に定めることで、後々の権利関係の争いを防げます。例えば、「成果物の再利用はクライアントの承諾が必要」などの条件を記載すると、契約がより明確になります。

コンサルタントが作成した資料は基本的に委任者の内部で用いられるため、その知的財産権についても委任者に帰属するものと定めておくのが良いでしょう。

再委託の可否について

再委託に関しては、第三者に対する責任の範囲も記載しておく必要があります。再委託が許可されている場合でも、業務遂行の品質が担保されるよう、具体的な条件を明記することが重要です。

コンサルティングはコンサルタントが責任を持って最終チェックを行う前提なら、再委任を認める弊害は少ないと考えられます。そのため、契約上も再委任が認められることが多いです。

秘密保持について

秘密保持の対象範囲を具体的に記載するだけでなく、情報漏洩が発生した場合の対応策や罰則についても盛り込むことを検討しましょう。

秘密保持条項は、取引の相手方と共有した情報を外部に漏洩させないことを目的とした条項です。これにより、双方の情報管理の意識を高められます。

秘密保持条項では、次のような内容を定める必要があります。

秘密保持契約書は、契約の当事者間で取り交わされます。一方、会社と従業員との間で取り交わす場合は秘密保持誓約書と呼ばれます。

反社会的勢力の排除について

反社会的勢力の排除の条項には、反社会的勢力に関与している場合の契約解除条件も含めるとよいでしょう。

コンサルティング契約書に反社会的勢力の排除に関する条項（反社条項）を定めることで、相手方が反社会的勢力であることが判明した場合や、反社会的勢力と不適切な関係を持った場合などに契約の解除などを定められます。

契約解除について

コンサルティング契約書には、契約解除に関する条項を設けることで、突発的な事情による契約解除を可能にします。契約解除条項では、解除事由を明らかにしておき、解除事由について争いとなるのを避けます。

契約期間満了時に加えて、相手方に契約や法令への違反等があった場合には、コンサルティング契約を解除できるようにしておくべきです。

損害賠償について

損害賠償とは、契約に違反した場合に生じた損害を支払うよう求めることを言います。損害賠償については、契約に定めなくとも、民法が適用されて損害賠償が認められることもあります。

ですが、損害の内容を民法の規定から変更したり、損害額に上限を設けたりする場合などは契約書に記載します。

準拠法・合意管轄について

準拠法・合意管轄についても、契約書には記載が必要です。

準拠法とは、法律関係に適用される法を指し、契約書の内容や法律の解釈に疑義が生じた場合、紛争が生じた場合などに参照されます。

特に国際取引においては、法律制度が異なるため、準拠法を明記することが重要です。管轄について合意しない場合は、民事訴訟法に従って管轄が決まります。

コンサルティング契約書のひな型をダウンロードできるサイト

コンサルティング契約書は、業務内容や報酬、期間などを明確に定める重要な文書です。適切な契約書を作成することで、双方の権利義務を明確にし、トラブルの未然防止につながります。

以下に、コンサルティング契約書のひな型を提供しているサイトをご紹介します。

契約書ひな型を使えば、簡単に契約書を作成できて便利です。

マネーフォワード クラウド契約

マネーフォワード クラウド契約は、無料で利用できる法務関連テンプレート集を提供していて便利です。「コンサルティング契約書」や「ITコンサルティング契約書」など、業種や目的に応じたテンプレートが揃っており、必要な項目を網羅しています。

コンサル関係の契約書のテンプレートは、全部で6種類用意しています。

これらのテンプレートは、商用利用も可能で、ダウンロード後に自社の状況に合わせてカスタマイズ可能です。また、電子契約サービスとしての機能も備えており、契約の締結から管理まで一元的に行えます。

リーガルフォース

リーガルフォースは、AIを活用した契約書レビューサービスを提供しており、弁護士監修のひな型集も利用可能です。契約書の作成やレビューにおいて、リスクの洗い出しや修正提案をサポートする機能が充実しており、法務業務の効率化と品質向上を実現します。

ひな型集は、各種契約書や合意書など多岐にわたり、必要に応じてカスタマイズが可能です。リーガルフォースのサービスは有料ですが、契約書の精度を高めたい企業や専門家にとって有用なツールとなります。

AIが網羅的にリスクを洗い出すことで、リスクの見落としや必要事項の抜け漏れ防止をサポートします。

コンサルティング契約が必要になるケースの例

コンサルティング契約は、企業が課題解決や事業拡大を図る際に外部の専門家から助言やサポートを受けるために必要です。さまざまな業務や分野でコンサルタントが活躍しており、その契約内容は相談内容によって異なります。

以下に、コンサルティング契約が必要となる具体的なケースを例に挙げて解説します。

コンサルティング契約が必要になるケースの例には、次のようなものがあります。

新規事業の立ち上げについて相談する

新規事業を立ち上げる際、事業のコンセプト設計や市場調査、収益予測の立案をコンサルタントに依頼する場合があります。コンサルタントは経験や知識を活かし、成功確率を高めるための具体的な戦略を提供します。

例えば、新商品のターゲット市場や価格設定、競合分析を支援し、リスクを最小化しながら事業を展開するためのサポートです。また、事業計画書の作成や資金調達、マーケティング戦略の構築についてもアドバイスを受けることで、事業の成長を加速させられます。

今までに挑戦したことがない新規議場に挑戦する際は、その事業に関する知見や経験があるコンサルタントに依頼し、アドバイスを受けることを目的とする企業も多いです。

M＆Aや事業承継の相談をする

M＆Aや事業承継の相談をする際も、コンサルタントに依頼するケースが多いです。M＆Aを行う際は譲渡相手との交渉やマッチング、必要書類の準備など、多くの手間と時間がかかります。

M＆Aに関する知識を持っていない企業ならなおさらです。コンサルタントは、M＆Aや事業承継の相談対して、具体的な分析や交渉支援を行い、取引の成功を後押しします。

例えば、買収対象企業の選定や企業価値の評価、デューデリジェンスの実施など、実務面での支援を通じて、リスクを最小限に抑えながら円滑に取引を進めることを提案します。また、契約内容の検討や財務・法務の整理をサポートし、取引完了後の統合プロセスにおいても適切なアドバイスを提供するのもコンサルタントの仕事です。

経営や業務改善の相談をする

経営が順調でも、今後の経営のアドバイスを受けたいという理由でコンサルタントに依頼するケースもあります。

企業経営や業務プロセスの改善は、競争力の強化に直結しますが、社内だけで問題を特定し解決策を実行することは容易ではありません。コンサルタントは客観的な視点から分析を行い、効果的な改善策を提案します。

具体的には、業務フローの見直しやコスト削減策の提案、生産性向上に向けた施策の支援です。また、財務状況の分析や市場動向の調査を基に、戦略的な方向性を示すことで、収益向上や経営基盤の強化を実現します。

普段から継続的に経営相談をしておくことで、経営不振に陥った際に大事になるのを防げます。経営や業務改善の相談は、月額報酬制で契約する場合が多いです。

採用や人事制度の相談をする

企業の発展には、適切な人材の採用と人事制度の整備が欠かせません。しかし、労働市場の変化や法改正への対応は複雑であり、専門的な支援が求められます。

コンサルタントはこれらの課題に対して、的確なアドバイスを提供します。採用活動では、求める人材像の明確化や選考プロセスの効率化、適切な評価制度の構築の支援などが業務内容として多いです。

また、労働条件の整備や福利厚生の強化を通じて、従業員満足度を向上させるための提案を行うこともあります。人事制度に関しては、報酬制度や人事評価基準の策定、キャリアパスの設計など、社員のモチベーション向上に貢献する施策を提供するのもコンサルタントの仕事です。

採用や人事制度の相談をすると、優秀な人材の確保と定着を促し、組織の競争力強化につなげることが可能となります。

ITツール導入やDX化について相談する

デジタル技術の進化に伴い、ITツールの導入やDX（デジタルトランスフォーメーション）の推進は、業務効率化や競争力強化の鍵です。しかし、システムの選定や導入プロセスは複雑であり、専門的な知見が必要です。

コンサルタントは、現状の課題分析や要件定義を行い、企業に最適なツールの選定を支援します。また、導入後の運用体制の構築や社員教育のサポートを提供し、スムーズな移行を実現します。

さらに、DX化においては、業務プロセスの自動化やデータ活用による意思決定の迅速化を目指した施策を提案するケースも多いです。コンサルタントに依頼すると、企業は最新のテクノロジーを活用しながら、生産性向上や競争優位性の確立を図れます。

コンサルティング契約のメリット

企業がコンサルタントに依頼することで、内部では解決が難しい課題に対して外部の視点から適切なアドバイスを受けられます。専門知識や経験を活用すると、効率的な問題解決や事業の成長が期待できるでしょう。

以下では、コンサルティング契約を締結することで得られる具体的なメリットを解説します。

コンサルティング契約を結ぶメリットには、次のようなものがあります。

客観的に課題や改善策を発見できる

コンサルタントは、企業の内部に属していないため、客観的な視点で課題を発見し、改善策を提案できます。内部の社員では気づきにくい組織の問題や業務フローの非効率性を、第三者の視点から的確に指摘できるのが大きなメリットです。

また、感情や社内の力関係に左右されず、中立的な立場からアプローチできるため、適切な施策を打ちやすくなります。これにより、企業は根本的な課題解決に向けた具体的な行動を起こしやすくなるでしょう。

専門的な知見をもとにアドバイスが受けられる

コンサルタントは、それぞれの分野における専門的な知識や経験を活かしてアドバイスを提供します。例えば、業界動向や最新の技術に関する情報、過去の成功事例などを基に、実行可能な提案を行います。

特に、企業内では不足しがちな専門スキルを補完する役割を果たすため、短期間で成果を上げたい場合や新しいプロジェクトを立ち上げる際に非常に有益です。

また、専門家の意見を取り入れることで、意思決定の精度を高められます。

社内のリソースを担保できる

コンサルタントに業務の一部を任せることで、社内のリソースを他の重要な業務に集中できます。特に、リサーチや戦略立案などの時間や労力を要するタスクを外部に依頼すると、従業員の負担を軽減できます。

これにより、従業員は日常業務に専念でき、生産性が向上。また、専門家に業務を任せることで、より高品質な成果物を期待できる点も大きなメリットです。

コンサルティング契約を締結する際の注意点3つ

コンサルティング契約を締結する際は、契約書の内容を慎重に確認し、双方が合意した条件を明確にしておくことが重要です。不明確なまま進めると、後々トラブルが発生するリスクがあります。

以下では、コンサルティング契約を結ぶ際に特に注意すべき3つのポイントを解説します。

コンサルタント契約書を作成する際には、以下の注意点があります。

1.業務範囲や内容を明確にしておく

契約書には、コンサルタントが担当する業務範囲や具体的な内容を詳細に記載する必要があります。曖昧な記載では、双方の認識にズレが生じ、追加業務や未対応といったトラブルの原因となります。

例えば、「市場調査を実施する」とだけ記載するのではなく、「ターゲット市場のデータ収集、競合分析を含むレポート作成を行う」と具体的に記載することが重要です。また、業務範囲外の対応に追加料金が発生する場合、その条件も明記しておくと安心です。

2.対応頻度を明確にしておく

コンサルティングサービスの提供頻度やコミュニケーションの方法も明確にしておきましょう。例えば、「月1回の定例ミーティングを実施」や「必要に応じてメールでの連絡」といった具体的な頻度を記載すると、双方の期待値を一致させられます。

対応頻度が曖昧だと、クライアントは「連絡が少ない」と感じ、コンサルタントは「依頼が多すぎる」と感じるなど、信頼関係に影響を及ぼす可能性があります。

3.ひな型をそのまま使い回さない

コンサルティング契約書のひな型は便利ですが、内容を確認せずにそのまま使用すると、実際の業務に適さない条項が含まれている場合があります。業務内容や業界の特性に応じて、必要な項目を加えたり修正したりすることが重要です。

特に、成果物の扱いや秘密保持の範囲、契約解除条件など、企業ごとの要件に合わせてカスタマイズすると、実用性の高い契約書に仕上げられます。

コンサルティング契約におすすめフリーランス案件紹介エージェント3社

フリーランスとしてコンサルティング案件を受ける際、契約に関する知識や交渉の経験が不足していると、不利な条件で契約を結んでしまうリスクがあります。特に駆け出しのフリーランスにとっては、安心して案件を進めるためにサポートを受けられるエージェントの活用が有効です。

エージェントは案件紹介だけでなく、契約締結や条件交渉のサポートも行い、安定した稼働環境を提供します。以下では、契約が不慣れな方でも安心して利用できるおすすめのエージェント3社を詳しくご紹介します。

上記3つはフリーランスコンサルタント向け案件紹介エージェントサービスです。

ハイパフォコンサル

ハイパフォコンサルは、INTLOOP株式会社が運営するフリーランスコンサルタント向けの案件紹介サービスです。このエージェントは、エンド直請け100%という強みを持ち、高単価案件が多く取り揃えられています。

案件の中には月額180万円を超えるものもあり、フリーランスとしての収入を大幅に向上させることが期待できます。さらに、ハイパフォコンサルの魅力は、80%以上の案件がリモート対応可能である点です。

これにより、場所にとらわれず柔軟な働き方が可能です。案件紹介だけでなく、契約内容の確認や交渉などのサポートも提供されるため、駆け出しのフリーランスでも安心して利用できます。

また、登録後は専任のコンサルタントがサポートに入り、スムーズに案件参画まで進められます。

運営会社	INTLOOP株式会社（イントループ株式会社）
公式サイト	https://www.high-performer.jp/consultant/
公開案件数	8,124件（2024年12月20日時点）
職種	PM・PMO/戦略/業務・会計・⼈事/SAP/IT・AI・IoT等/マーケティング

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POD

PODは、高単価案件を多く取り扱うフリーランスコンサルタント向けのエージェントサービスです。非公開案件が85%以上を占め、個々のスキルやキャリアに合った案件を紹介してくれる点が特徴です。

特に、直接クライアントと取引を行う大手事業会社の案件が多く、安定した収入が期待できます。PODでは、案件紹介だけでなく、フリーランスの契約に関するサポートも充実しています。

例えば、契約書の作成や条件交渉、報酬支払いに関する相談など、初めてフリーランスとして活動する方にとって心強いサービスが揃っているのが大きなメリットです。また、専任担当者がつくため、自分一人では難しい契約の手続きや交渉を円滑に進めることが可能です。

運営会社	ランサーズ株式会社 （ LANCERS,INC. ）
公式サイト	https://pod.jp/consultant/
公開案件数	974件（2024年12月20日時点）
職種	金融/通信/製造/メーカー/商社/小売/流通/医療/製薬

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プロコネクト

プロコネクトは、フリーランスコンサルタントと企業をつなぐマッチングプラットフォームで、特に効率的な案件紹介と低マージンが特徴です。

フリーランスとしての報酬を最大化できるよう、直接契約を基本としており、同じ案件で月額報酬が50万円アップした事例もあります。戦略・業務・IT領域で毎月300件以上の新規案件を取り扱い、面談後すぐに案件を紹介してくれます。

プロコネクトは、案件紹介に加えて契約関連の基本的なサポートも提供しています。最低限のサポートで十分な方向けに設計されており、マージンが低いため、より多くの収益を得ることが可能です。

また、契約手続きの透明性を重視しており、トラブルのリスクを抑えた形でフリーランス活動を進められます。

運営会社	株式会社WorkX
公式サイト	https://pro-connect.jp/
公開案件数	180件（2024年12月20日時点）
職種	製造/流通/製薬/金融/証券/銀行/通信/サービス/監査等

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コンサルティング契約に関する疑問・Q&A

最後に、コンサルティング契約に関する疑問に回答していきます。

次の質問に回答していきますので、参考にしてください。

コンサルティング契約書に印税紙は必要？

コンサルティング契約は、基本的に印紙税の課税対象ではないため、収入印紙を貼付する必要はありません。ただし、契約内容によっては例外が存在します。

特に「請負」要素を含む場合は注意が必要です。請負契約とは、成果物や業務の完成を目的とした契約を指し、これに該当する場合は印紙税が課される可能性があります。

例えば、具体的な成果物を納品する義務を伴う契約では、印紙税の確認が欠かせません。契約書の名称ではなく、契約内容そのものが課税の有無を判断する基準となります。

したがって、契約を締結する際には、内容を精査し、印紙税が必要かどうかを正確に判断しましょう。必要に応じて税理士や弁護士に相談し、適切な対応を心掛けましょう。

コンサルティング契約の免責とは？

コンサルティング契約における免責とは、コンサルタントが提供したアドバイスや提案がクライアントの期待通りの結果をもたらさなかった場合に、その責任を限定する条項を指します。

例えば、「提供された情報や助言に基づいて発生した損害については責任を負いません」といった内容が記載されることがあります。免責条項を設けると、コンサルタントは外部要因やクライアントの実行状況など、自分の責任外の要因による結果についてのリスクを軽減できるのです。

ただし、この条項は、故意や重大な過失がある場合には適用されないことが一般的です。免責条項を導入する際は、具体的な範囲や条件を明確に記載し、双方が理解・同意する必要があります。

コンサル契約を途中解約できますか？

コンサルティング契約の途中解約は、契約内容によりますが、一般的には可能です。ただし、途中解約を行う場合には、契約書に定められた条件や手続きに従う必要があります。

例えば、「解約の申し出は30日前までに書面で通知する」といった条項が記載されているケースがあります。このような条件がない場合でも、法律上、民法の規定に基づき「信義則」に従って解約を進めるケースも。

途中解約に伴い、既に実施された業務に対する報酬や、違約金が発生する可能性もあるため、契約書の内容を十分に確認することが重要です。また、解約後の成果物の取り扱いや秘密保持についても、事前に双方で合意しておくことがトラブルを防ぐポイントとなります。

解約を検討する際には、契約書を見直し、必要に応じて法律の専門家に相談しましょう。

コンサルティング契約書の書き方まとめ

コンサルティング契約書の書き方や注意点、ひな型などに関して詳しく解説しました。

コンサルティング契約を結ぶ際には業務範囲や報酬額、秘密保持、契約解除の条件など、契約書に必要な項目を盛り込むことが必要です。トラブル防止のため、必要項目は漏れなく取り込めているか確認しましょう。

今回紹介した無料でダウンロード可能なひな型なども活用して、作成時に気をつけるポイントも意識しながら安心できるコンサルティング契約を締結しましょう。