業務効率化やDX推進の流れを背景に、企業の根幹から変革を支援する「BPRコンサルタント」という職種が注目を集めています。BPRコンサルタントは、単なる業務改善ではなく、全社的な業務プロセスを再設計する仕事で高度な分析力と実行力が求められる職種です。
本記事では、BPRコンサルタントの役割や必要なスキル、キャリアプラン、転職方法までをわかりやすく解説します。また、BPRコンサルタントへの転職の際に役立つ、おすすめの転職エージェントも紹介します。「業務改革のプロフェッショナルとして活躍したい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
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BPRとは
BPR(Business Process Reengineering)とは、既存の業務プロセスを抜本的に見直し、業務の質や効率を飛躍的に高める手法を指します。
以下では、BPRと混同されやすい手法との違いを解説しています。
BPRと業務改善は何が違う?
BPRと業務改善の大きな違いは「変革の深さ」です。業務改善は現状の業務プロセスを前提とし、部分的な非効率を見直す活動です。一方、BPRはプロセス全体をゼロから設計し直すような、根本的な改革を目指します。
たとえば、業務フローの一部を効率化するのが業務改善だとすれば、業務自体を統廃合・再構成して抜本的に変えるのがBPRです。したがって、BPRコンサルティング会社と業務改善コンサルティング会社は、支援するアプローチや成果目標が異なるため、目的に応じて選定することが重要です。
BPRとDXは何が違う?
BPRとDX(デジタルトランスフォーメーション)は混同されがちですが、目的と手段が異なります。BPRは「業務プロセスの抜本的な改革」が目的であり、場合によってはITを使わずに実現されることもあります。
一方でDXは「デジタル技術を活用して業務やビジネスモデルそのものを変革する」ことを指します。つまり、DXは手段としてBPRを伴うこともあれば、BPRの一部がDXを通じて進化するケースもあります。
DXコンサルティング会社の多くは、IT導入に加えてBPR領域もカバーする体制を取っており、両者の役割を明確にして使い分けることが求められます。
BPRとBPOは何が違う?
BPR(業務改革)とBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、目的と対象が異なります。BPRは社内の業務プロセスを自ら再設計・再構築することに重点を置くのに対し、BPOは既存の業務を外部に委託して効率化やコスト削減を図る手法です。
たとえば、経理業務の効率化において、BPRは業務フローの見直し・標準化・自動化を通じて改善を図りますが、BPOはその経理業務自体を専門業者にアウトソースするイメージです。近年では、BPRを実施したうえで、標準化した業務をBPOコンサルに委託するハイブリッド型の取り組みも増えています。
BPRコンサルタントとは
BPRコンサルタントは、業務の流れを調査して問題点を洗い出し、改善策を提案した上で企業経営に貢献する仕事です。
企業は人事や会計、生産管理などのさまざまな業務プロセスが連携して成立しているため、企業経営のクオリティを上げる、コストパフォーマンスの良い稼働をしているかが重要になります。
重複やムダがないかなどの問題点を洗い出すことで、課題と解決のための改善策を導きます。
BPRコンサルタントの仕事内容
BPRコンサルタントは前述のとおり、業務の流れを改善して課題解決をおこなうことが主な仕事です。
より具体的に紹介すると以下のポイントに分けられます。
現状分析から既存業務フローの改善案作成・提案
BPRコンサルタントの最初の役割は、企業の「今」を正確に把握することです。業務ヒアリングや現場観察、業務フロー図の作成、業務量調査などを通じて、非効率や属人化の要因を洗い出します。その上で、現状の業務プロセスのどこをどう見直すべきかを整理し、改善案としてクライアントに提案します。
改善提案は単なる部分最適ではなく、全体最適を意識した抜本的なプロセス再構築が前提です。初期段階から経営層や現場担当者との対話が多く発生し、ファシリテーション力や分析力が強く求められる業務です。
目標達成のための新規業務フローの作成・提案
現状の課題を把握した後は、企業が目指す姿(To-Be)に合わせた新しい業務フローの設計を行います。ここでは、単に効率化するだけでなく、「事業成長を支える仕組み」をつくる視点が重要です。業務の流れを一から設計し直し、各タスクの役割分担や責任所在を明確化します。
また、成果を生むためのKPI設計や運用ルール、業務マニュアルの整備もBPRコンサルタントの仕事です。必要に応じて業務を統廃合したり、部署間の壁を越えた連携体制を築くなど、大胆な再構築を提案するケースもあります。
新規システム導入
BPRの施策を実現するうえで、新しいITシステムの導入が必要になることも多くあります。BPRコンサルタントは、業務の再設計と並行して、どのようなシステムが最適かを検討・選定し、要件定義やベンダーとの調整、導入支援も行います。
具体的には、ERP・CRM・RPA・AIツールなどの導入が一般的です。ただし、システム導入は目的ではなく手段のひとつ。あくまで新業務フローを確実に機能させるために必要なIT支援として位置付けられます。技術と業務の橋渡し役としての役割もBPRコンサルタントには求められます。
業務標準化フローの導入
新しい業務プロセスを実行可能な形にするためには、標準化が不可欠です。BPRコンサルタントは、属人化されていた業務を文書化・ルール化し、誰でも同じように業務を遂行できる状態を整えます。これにより、業務のばらつきを抑え、品質と生産性を同時に高めることが可能になります。
具体的には、業務マニュアルの作成、チェックリストの導入、トレーニング計画の策定などが含まれます。また、定着支援として、現場へのOJTや定期的な見直しルールの整備も重要な業務範囲です。標準化は、業務改革を一過性で終わらせないための要ともいえます。
BPRコンサルタントの年収相場
BPRコンサルタントの年収は、経験やスキル、所属するコンサルファームの規模によって大きく異なりますが、一定の目安として、求人ボックスに掲載されていた東京都のBPRコンサルタント求人の平均年収額は847万円※となっていました。
未経験者やジュニアクラスであれば600万円前後からスタートし、シニアクラスやマネージャー層になると1,000万円を超えるケースも少なくありません。また、戦略系・総合系・IT系などコンサル会社の種類によっても年収水準に差があります。
BPRは難易度が高く、プロジェクトの影響範囲も広いため、経験値に比例して報酬も高まる傾向にあります。
参照元
※ 求人ボックス「BPR コンサルタントの転職・求人情報 – 東京都」(2025年8月25日時点)
BPRコンサルタントに求められるスキル
BPRコンサルタントに求められるスキルについて以下にまとめました。
コミュニケーションスキル
BPRコンサルタントは、経営層から現場スタッフまで多様な立場の関係者と協働します。そのため、相手の立場や関心を理解し、適切に伝える対人スキルが求められます。とくに業務改革では現場からの反発や不安も出やすく、単なる説得力だけでなく、傾聴力や信頼構築力が不可欠です。
ヒアリングによる課題抽出、合意形成に向けた調整、改革案の納得感のある説明など、あらゆる場面でコミュニケーションの質がプロジェクトの成否を左右します。専門的な提案を相手に合わせて伝える力も重要な資質です。
業務知識
BPRコンサルタントはアサインされたクライアント企業での様々な部門とコミュニケーションを取りプロジェクトを進めていく必要があるため、専門用語や業界の情報など業務知識が必須となります。
関わる部門は、経理や購買、生産管理、人事、販売から総務までと多岐にわたり、それぞれが専門的な業務経験を持っている為、それぞれの分野の知識を備え認識齟齬が発生しないようにしなければなりません。
各部門でのスムーズなコミュニケーションが取れないとプロジェクト全体の失敗へとつながる可能性もあります。
IT知識
BPRにおいては、業務効率化や自動化の手段としてIT導入がセットで求められる場面が多くあります。そのため、RPAやAI、ERP、業務系SaaSなどの基礎的な知識を持っていることは大きな武器となります。
とはいえ、必ずしも開発スキルが求められるわけではなく、業務要件をIT要件に翻訳する力や、ベンダーとの連携をスムーズに進める理解力が重視されます。ITの仕組みや限界を理解しながら、最適なシステム導入やデータ連携を提案できることが、実行性の高いBPRにつながります。
ロジカルシンキング
BPRでは、業務プロセスの課題を分析し、改善策を立案・提案していくうえで、論理的思考(ロジカルシンキング)が非常に重要です。たとえば、現状フローのどこに非効率があるかを分解し、原因と影響の因果関係を明確にする力が求められます。
また、改革後のTo-Be像を構造的に説明し、なぜその設計が最適なのかを納得感を持って示すには、筋道の通った論理展開と根拠の提示が欠かせません。感覚や思いつきではなく、データや事実に基づいた思考と提案ができることが、クライアントの信頼を得る決め手となります。
BPRコンサルタントに有利な資格
BPRコンサルタントとして活躍するために、特定の資格が必須というわけではありませんが、保有していると評価されやすい資格は存在します。代表的な資格を紹介します。
BPIE
BPIE(Business Process Innovation Expert)は、一般社団法人日本経営管理協会(JIIMA)が認定する資格で、業務プロセスの改革と可視化に関する知識・スキルを証明するものです。BPRコンサルタントにとって不可欠な、As-Is/To-Beの設計力や、業務フロー分析のフレームワークが体系的に学べます。
特定のツールに依存しない実務的なノウハウが中心で、企業のDX支援や業務改革に直接活用できるのが魅力です。BPRに関わる専門性を客観的に示す資格として注目されています。
中小企業診断士
中小企業診断士は、経営コンサルタント唯一の国家資格で、経営戦略・財務・組織・IT・法務などの幅広い知識が問われる試験です。BPRは業務改善だけでなく、企業全体の経営課題に踏み込むことも多いため、こうした総合的なビジネス知識を持っていることは大きなアドバンテージになります。
とくに中小企業への業務改革支援や行政との連携案件においては、この資格が信頼性や提案力の裏付けとして強く評価される場面が多くあります。
マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティング・ビジネス実務検定は、実務に基づくマーケティング知識を体系的に問う検定で、顧客視点に立った業務改善提案が求められるBPRコンサルにとって有用です。業務改革においては、社内効率だけでなく市場や顧客に与えるインパクトを踏まえた提案が求められます。
この検定は、BtoB/BtoC両方のビジネス構造や、データ分析・商品開発・販促戦略など広範な知識を問うため、業務フローの改善が事業価値にどうつながるかを論理立てて説明できる力が身につきます。
公認会計士
公認会計士は、財務諸表監査や企業会計のプロフェッショナルとしての国家資格であり、財務インパクトを伴う業務改革を提案するBPRコンサルにとって非常に有利な資格です。業務プロセスの見直しは、しばしばコスト構造や収益モデルと直結しているため、会計的視点からの分析や効果測定が重要になります。
とくに管理会計や内部統制の観点での知見は、クライアントにとって信頼性の高い支援につながります。BPRと経営管理を橋渡しできる人材として重宝される資格です。
ITストラテジスト
ITストラテジストは、情報処理技術者試験の高度区分に位置する国家資格で、経営戦略とIT戦略を橋渡しできる人材の証明とされます。BPRでは、単なる業務設計だけでなく、IT活用を前提としたプロセス設計やシステム要件整理が求められるため、ITとビジネスを両面から俯瞰できるスキルは極めて有用です。
特にERPやRPA導入、DX推進プロジェクトなどでのBPR支援では、この資格保有者の視点がプロジェクトの品質や実行性に大きな差を生み出します。
BPRコンサルタントになるメリット
BPRコンサルタントになるメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
全社的な視点でビジネスを改革できる
BPRコンサルタントは、現場レベルの業務だけでなく、企業全体の業務プロセスを横断的に見直す役割を担います。単なる部分的な業務改善ではなく、経営戦略や組織体制、KPI、評価制度などとも連動しながら、全社最適を目指した業務改革を推進できる点が最大の魅力です。
業務改革における提案や実行には、経営層や部門責任者との連携が欠かせず、ビジネス全体を俯瞰する視点が自然と身につきます。現場から経営までをつなぎ、組織を構造的に変えていくダイナミックな経験は、BPRコンサルならではの醍醐味といえるでしょう。
“仕組みで組織を動かす”実感が得られることも、大きなやりがいの一つです。
業務改善の成果が目に見えやすい
BPRは、業務プロセスを可視化し、非効率やムダを徹底的に洗い出すことで、作業時間やコストを削減し、生産性を高めることを目的としています。そのため、成果が数値や効果として目に見えやすく、仕事の手応えを感じやすい点が大きな魅力です。
たとえば、RPAの導入によって月数百時間の業務を削減したり、属人化されたプロセスを標準化することで品質やスピードが安定したりと、クライアントからの反応も得られやすい傾向があります。
現場からの「助かった」「便利になった」という声により実務レベルの変化が直接的に感じられる点で、やりがいが非常に強い職種だといえます。
業界を問わず応用可能なスキルが身につく
BPRコンサルタントが身につけるスキルは、業界や職種を問わず活用できる汎用性の高いものです。業務フローの設計、課題抽出、マニュアル作成、プロジェクトマネジメント、関係者調整などは、どの業界でも求められる基本スキルであり、キャリアの幅を広げる武器になります。
また、特定業界に限定されない案件も多く、複数業界の業務構造に触れることで、応用力や対応力も鍛えられます。将来的に経営企画やDX推進、業務改革の内製化支援などにもスムーズに転身でき、キャリアの持続性・拡張性という面でも非常に有利なポジションです。
BPRコンサルタントになるデメリット
BPRコンサルタントになるデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
抵抗勢力との調整に苦労することが多い
BPRは、既存の業務プロセスや組織体制を抜本的に見直す取り組みであるため、関係者の抵抗に直面することが少なくありません。特に、長年同じやり方で仕事をしてきた現場にとっては、変更への不安や「余計なことをされている」という感情が生まれることがあります。
BPRコンサルタントは、そうした抵抗感を理解しながらも、丁寧に説得・合意形成を進める調整力が求められます。また、表面的には協力的でも内心では懐疑的というケースもあるため、対話を重ねて信頼関係を築くプロセスが不可欠です。業務知識や分析力だけでなく、共感力と人間関係構築力が試される難しさがあります。
成果が出るまでに時間がかかる
BPRは、短期的な業務改善とは異なり、業務全体をゼロベースで設計し直す取り組みです。初期段階では業務ヒアリングやプロセス分析から始まり、改善案の策定、システム導入、運用定着まで数ヶ月〜1年超の期間を要することも珍しくありません。
成果が目に見えるようになるには時間がかかるため、途中経過での評価が得られにくいというジレンマもあります。また、プロジェクトの規模が大きくなるほど関係者も多く、進捗の足並みをそろえるだけでも一定の苦労が伴います。結果が出るまで粘り強く取り組む姿勢と、中長期的な視野を持つことが不可欠な仕事です。
常に変化や新技術へのキャッチアップが求められる
BPRは、変化の激しいビジネス環境に対応する改革手法であるため、その実行者にも高い情報感度と学習意欲が求められます。RPAやAI、ERP、ノーコードツールなどの新技術が次々と登場するなか、それらを業務プロセスにどう適用するかを考えるのもBPRコンサルの役割です。
また、各業界の商習慣や法制度の変化に対しても、柔軟に対応する力が必要です。常にインプットを怠らず、実践でのアップデートを重ねられる人でなければ、すぐにスキルが陳腐化してしまうのがこの仕事の厳しさでもあります。変化を前向きに楽しめるかどうかが適性を分ける要素になります。
BPRコンサルタントの求人例
BPRコンサルタントの実際の求人例を紹介します。
経営コンサルファームのBPRコンサルタント
求人例①:経営コンサルファームのBPRコンサルタント | |
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役割 | BPRコンサルタント |
業務内容 | DXにおけるX主導の業務改革(BPR)を推進します。 |
要件 |
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年収 | 非公開 |
※記事執筆時点の情報のため現在は募集終了している可能性があります
ロジカルシンキングとExcelの基礎スキルがあれば応募可能な、DX領域の業務改革に関わるBPRコンサル求人です。今後コンサルタントとしてキャリアを積みたい人にとっては良い登竜門となります。
自社サービス提供企業のBPRコンサルタント
求人例②:自社サービス提供企業のBPRコンサルタント | |
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役割 | BPRコンサルタント |
業務内容 |
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要件 |
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年収 | 450万円~930万円 |
※記事執筆時点の情報のため現在は募集終了している可能性があります
クライアントの業務分析から改善提案、プレゼン、さらにマーケティング施策までを担う幅広いポジションです。業務コンサルと企画系の両面に関心がある人に向いており、年収レンジも広くスキル次第で高待遇が見込めます。文書作成や対人折衝に自信のある方におすすめです。
地方自治体向けBPRコンサルタント
求人例③:地方自治体向けBPRコンサルタント | |
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役割 | BPRコンサルタント |
業務内容 |
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要件 |
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年収 | 670万円~780万円 |
※記事執筆時点の情報のため現在は募集終了している可能性があります
地方自治体向けに特化したBPRコンサルタントの求人で、法令や会計制度に関する知識が重視されます。BPMNでの業務フロー作成や自治体向け支援経験が求められるため、専門性の高い即戦力ポジションです。公共領域のBPRを極めたい方にとっては非常に実践的な案件です。
代表的な大手BPRコンサル会社
BPRコンサルタントについてわかってきたところで、どのような会社があるか知っておきたいところです。代表的なBPRコンサルティング会社を3社ご紹介します。
アクセンチュア

引用元:アクセンチュア
アクセンチュアは、BPR支援の実績が国内でも最大級を誇る総合コンサルティングファームです。製造、金融、流通、通信、公共など幅広い業界に対応しており、業務プロセスの改革とテクノロジー活用を一体的に支援できる体制が整っています。
ERPやRPA、AIなどのツール導入を組み合わせた業務改革に強く、業務の標準化・効率化からシステム定着支援までをトータルで提供可能です。特に大規模案件やグローバルプロジェクトのBPRに豊富なノウハウを持ち、エンタープライズ企業からの信頼も厚いのが特徴です。
実行力に裏打ちされた現場密着型の支援が高く評価されています。
デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)
デロイト トーマツ コンサルティングは、BIG4の一角として制度設計やガバナンス面まで含めた業務改革に強みを持つ総合コンサルファームです。特徴的なのは、業界別・業務機能別に専門チームを編成しており、製造、金融、ヘルスケア、官公庁などあらゆる分野で深い業務理解に基づいたBPRが可能な点です。
業務可視化やAs-Is/To-Be設計はもちろん、Shared Service Center(SSC)の導入やガバナンス強化にも対応。グローバル企業や官民連携領域でのBPRにも豊富な実績があり、制度面まで踏み込んだ「守りと攻めの改革」を両立できるのが同社の強みです。
マッキンゼー・アンド・カンパニー

引用元:マッキンゼー・アンド・カンパニー
マッキンゼーは、戦略系コンサルティングファームの代表格であり、BPR単体というよりも、全社的な経営改革の一部として業務改革を組み込むスタイルが特徴です。企業の収益構造や組織体制にまで踏み込んだトランスフォーメーション支援を行い、業務改善もその一環として設計されます。
現場業務の詳細設計というより、KPI再構築や組織インセンティブ設計など「成果が出る業務構造」への再設計を主導するスタンスが強く、経営視点から業務改革を推進したい企業に向いています。スピード感と成果志向の高さから、変革リーダー層に厚く支持されています。
BPRコンサルタントのプロジェクト進行
BPR(業務改善)コンサルタントのプロジェクト進行では、まず最初にプロジェクトのスコープを確定し、目標を明確に定義します。
次に、以下のステップに従って進めます。
現状評価と分析
プロジェクトの出発点は、現状業務の把握と課題の抽出です。BPRコンサルタントは、業務フロー図の作成、ヒアリング、現場観察、業務量調査などを通じて、可視化と定量化を行い、どこに非効率や属人化、重複作業があるのかを明らかにします。
この段階では、定性的な所感だけでなく、データに基づいた分析が重視されます。現場の声や業務実態に丁寧に耳を傾けることで、後工程での改革提案の納得感や実行性が大きく左右されるため、最初の「診断」がプロジェクト全体の成否を決める重要フェーズです。
改善策の提案
現状分析の結果をもとに、業務のどこをどう変えるべきかという改善案を構想・立案するステージです。ここでは、業務の統廃合、フローの再編成、ルールの見直し、IT導入の検討など、多面的な観点から施策を検討します。
クライアント企業の事業戦略や文化、予算、人材状況なども考慮しながら、「実行可能かつ効果的な案」に落とし込む力が求められます。また、改善提案は経営層だけでなく現場にも受け入れられる必要があるため、提案の伝え方やロジックの明確さも重要です。BPRコンサルの提案力が試されるフェーズといえます。
設計と計画
提案が承認された後は、具体的な業務設計と実行計画の策定フェーズに入ります。新たな業務フローのTo-Beモデルを詳細に定義し、それに基づいてマニュアルやルール、KPIなどを設計します。また、関係者の役割や業務移管のタイミング、必要な教育・研修内容なども計画に含まれます。
特に、業務標準化やIT導入に関わる設計では、システム部門やベンダーとの連携も必要になります。実行段階で混乱が生じないよう、緻密なシナリオと段階的な導入ロードマップを設けることが成功のカギとなります。
実行と導入
設計が完了したら、いよいよ改善策を実際の業務に組み込む導入フェーズに入ります。ここでは、トレーニングの実施や手順書の配布、新しいシステムの運用開始などを通じて、関係者が新プロセスにスムーズに適応できるよう支援します。
また、現場からのフィードバックを逐次確認し、現実とのズレや混乱を即時修正していく柔軟性も重要です。段階的な展開(パイロット導入→全社展開)や、支援チームの常駐によるハンズオン支援など、BPRコンサルが「実行力」を問われるフェーズでもあります。業務が本当に定着するまでがミッションです。
評価と最適化
導入後は、計画通りに改善が機能しているかどうかを定量・定性の両面から評価する必要があります。設定したKPIの達成状況、コストや工数の変化、現場の満足度、トラブル件数などを確認し、必要に応じて運用ルールや業務設計を微調整します。
特に、初期段階では予期せぬ課題が顕在化することも多く、「導入して終わり」ではなく、継続的な最適化が欠かせません。このフェーズで改善を回し続ける体制を構築することで、BPRは一過性ではなく、企業文化として根づいていきます。
成果の報告
プロジェクトの終盤では、クライアントや関係者に対し、成果を明確に示す報告・プレゼンテーションを行います。KPI達成状況や業務効率の変化、コスト削減額、定着率などの成果指標に加え、現場からの定性的な声も交えて報告することで、実感値の高い成果説明が可能になります。
また、再発防止策や今後の改善余地、他部門への展開可能性なども整理して伝えることで、BPRを「持続的な改善文化」として定着させる土台になります。この報告フェーズが次のプロジェクトへの信頼構築にもつながります。
BPRコンサルティングの成功事例
日本国内の企業においてBPRコンサルティングが成功した事例を紹介します。
札幌市のBPR事例(業務可視化・自治体連携)
札幌市では、労働力不足と生産性向上への対応として、全庁的にBPRを推進。全業務をタスクレベルで定量化し、事実に基づく業務改善を進めました。就学援助業務ではAI-OCR導入により約70%、保育園の登降園管理では約80%の業務時間削減を試算。
神戸市の先進事例をもとにした「行政事務センター」の試行(TOPPAN株式会社)や、民間企業との協定によるプロセス整理支援も実施しました。これにより、庁内のBPR文化醸成や自己チェックツールの開発など、多面的な改革が着実に進んでいます。
組織名 | 札幌市 |
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支援企業 | TOPPAN株式会社 |
開始時期 | 2017年ごろ |
施策内容 | AI-OCR導入、プロセス整理支援、他自治体との連携協定締結 など |
ブリヂストンのBPR事例(設計業務の標準化)
世界トップのタイヤメーカーであるブリヂストンは、設計業務の属人化や工数不足といった課題に対し、トランスコスモスのEPO(Engineering Process Outsourcing)を活用してBPRを実施。設計業務を作業レベルまで分解・可視化し、マニュアル化や帳票の共通化を進めました。
標準化された業務は沖縄のBPO拠点に移管され、品質と生産性を両立。結果として設計業務の安定化に成功し、設計者を企画・開発領域へ年間38,000時間分パワーシフトできたとされています。改善は他領域にも波及し、試験情報のデータベース化や自動化ツールの活用により業務効率も大幅に向上しました。
企業名 | 株式会社ブリヂストン |
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支援企業 | トランスコスモス株式会社 |
開始時期 | 2019年ごろ |
施策内容 | 設計業務の可視化、データベース構築、マニュアル整備 など |
SCMの導入
SCMはサプライチェーンマネジメントのことで、商品や製品を制作する最初の段階からユーザーに届くまでの流れを管理すること、およびそのシステムを指します。SCMを導入するとユーザーへの商品提供の短縮がはかれ、在庫管理の最適化につながるなど、さまざまな効果が期待できます。
具体的な成功事例としては、主要部門の国際拠点の再編成と教育、研修の充実、統一的品番体系の整備をおこなうことで、製造固定費数十億円のカットに成功しました。
企業名 | 製造業E社 |
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支援企業 | – |
開始時期 | 2004年ごろ |
施策内容 | 主要部門の国際拠点の再編成、研修の充実、統一的品番体系の整備 など |
BPRコンサルタントの転職に強いエージェント
BPRコンサルタントの転職に強いエージェントを3社紹介します。それぞれ特徴や強みをあげていますので、ぜひ参考にしてください。
MyVison

引用元:MyVison
- コンサルファーム出身者による高品質な転職支援
- 200社超のコンサルファームとの強いコネクションが強み
- 実践的な模擬面接を含む独自の選考対策
MyVisionは、コンサル業界への転職支援に特化したエージェントです。戦略・総合・IT系をはじめとする幅広いファームとのネットワークを構築しています。BPR領域を含む業務改革系のポジションにも強く、これまでに多様な業界・職種の支援実績を積み重ねてきました。
在籍コンサルタントの多くは大手ファーム出身者で構成されており、業界構造や各ファームの特徴に精通。応募者のバックグラウンドや志向に沿って、最適なキャリア提案を行っています。また、ケース面接や深掘り質問に備えた模擬面接を何度も実施できる点も大きな強みです。
BPRコンサルタントとしてのスキルを活かし、次のキャリアでより高度な業務改革に携わりたい方にとって、MyVisionは頼れるパートナーとなるはずです。中長期的な視点でのキャリア相談にも対応しており、初めての転職でも安心して相談できます。
MyVisonの基本情報 | |
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運営会社 | 株式会社MyVision |
公式サイト | https://my-vision.co.jp/ |
公開求人数 | 非公開(2025年8月26日現在) |
主な求人職種 | コンサルタント特化 |
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コンコードエグゼクティブグループ

引用元:コンコードエグゼクティブグループ
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コンコードエグゼクティブグループの基本情報 | |
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BPRコンサルタントの将来性と需要
BPRコンサルタントの将来性は非常に高いといえます。企業のDX推進が進む中で、業務プロセスの抜本的な見直しは不可欠となっており、業務改革をリードできるプロ人材への需要は確実に増加中です。
実際、独立行政法人情報処理推進機構の「DX動向2024」では、DXに取り組む企業の割合が2021年度の55.8%から2024年には73.7%に増加※し、DXが企業に着実に浸透していることが示されています。
業務の可視化・標準化・IT活用を統合的に進められる人材は特に重宝され、大手からベンチャーまで活躍の場は広がっています。BPRは「守り」から「攻め」の戦略へと進化しており、今後も高いニーズが期待される分野です。
参照元
BPRコンサルタントについての疑問
BPRコンサルタントについての疑問にお答えします。
BPRコンサルティングに用いるフレームワークとはどんなもの?
BPRコンサルでは、現状分析からTo-Be設計までを構造的に進めるために、いくつかのフレームワークが用いられます。代表的なものに「As-Is/To-Be分析」や「ECRS(排除・結合・交換・簡素化)」「5W1H」「シックスシグマ」などがあり、業務の棚卸しや再構築をスムーズに進めるための道具として活用されます。
また、業務フロー図(BPMN)を活用して視覚的に現状把握を行い、改善点を定量化するアプローチも一般的です。クライアントごとに適したフレームワークを選定し、実行可能かつ納得感のある提案につなげるのがBPRコンサルの力量のひとつです。
BPRコンサルティングを依頼すると費用はどれくらいかかる?
BPRコンサルティングの費用は、プロジェクトの規模や期間、対象業務の範囲によって大きく異なります。一般的には数百万円〜数千万円の幅があり、短期的な業務診断のみの場合は数百万円、中長期の全社的な改革支援では数千万円単位の見積もりになることもあります。
費用には、コンサルタントの稼働工数のほか、業務分析ツールの使用、関係者との会議設定、マニュアル作成支援なども含まれます。導入企業にとっては決して安くない投資ですが、効果測定が可能な成果が得られるため、費用対効果が明確に実感できるサービスといえるでしょう。
BPRコンサル、業務コンサルはつまらない?
「業務コンサルは地味でつまらないのか?」という疑問がある一方で、実際には現場に最もインパクトを与える改革を主導する重要な役割を担っています。確かに、華やかな戦略提案やクリエイティブ要素が少ない分、泥臭く地道な改善活動が多いのは事実です。
しかし、実行支援まで関わることで、クライアントの業務が本当に楽になったり、現場から感謝されたりする瞬間がある点は、他のコンサル業務にはない魅力です。目に見える成果と実行力が求められる分、結果への責任も大きく、やりがいを見出しやすい分野とも言えます。向き不向きはあるものの、決して“つまらない”仕事ではありません。
BPRコンサルタントまとめ
BPRコンサルタントは、企業の業務改革をリードする専門職として、全社的な視点が求められるハイレベルな職種です。変化の激しいビジネス環境において、効率化や組織変革の実行支援など、企業が直面する課題に向き合います。
一方、成果が出るまでに時間がかかる、抵抗勢力との調整が難しいといった側面もあり、決して楽な仕事ではありません。ただし、業界を問わず求められる普遍的なスキルが身につく分野であるため、成長意欲のある方にとっては大きなチャンスとなる職種です。
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