コンサルティング業界の面接は、他の業界と比べて非常に競争が激しく、厳しいものがあります。
面接で求められるのは、単にスキルや経験だけでなく、コンサルタントとしての思考力や問題解決能力、さらには企業文化にフィットするかどうかです。面接官は、候補者がどれだけ論理的に考え、自己表現できるかを見極めるため、あらゆる場面で質問を投げかけます。そこで、面接に臨む前に、コンサルティングファームの面接の傾向やポイントをしっかり把握しておくことが非常に重要です。
本記事では、コンサル面接で求められるスキルやよくある質問、対策方法を詳しく解説します。これからコンサルタントを目指す方々はぜひ参考にしてください。
コンサル業界向け
おすすめ転職エージェント
サービス名 | 特徴 |
---|---|
![]() MyVison | 200社以上のコンサルファームとの強固なコネクションで国内に展開するファームほぼすべてに紹介可能。 「面接対策資料」と「想定頻出問答集」に加え、元コンサルタントを仮想面接官とした模擬面接により、実践力を鍛えられる |
![]() アクシスコンサルティング | 大手ファームの4人に1人が登録する国内最大級コンサル採用・転職支援サービス 未経験からのコンサル転職やポストコンサル、事業会社CxOなど、希望のキャリアパスに応じて幅広い支援が可能。 |
![]() コンコードエグゼクティブグループ | 日本ヘッドハンター大賞MVP受賞の転職支援サービス コンサル幹部との強固なネットワークでマッキンゼーやBCGなどの「コンサルタント転職」や、コンサル出身者の経営幹部キャリアを支援する「ポストコンサル転職」に高い実績あり |
関連記事>>コンサル業界におすすめ転職エージェント
面接はコンサル入社への必須関門
コンサル業界の人気が高まり、新卒や転職希望者の応募が増えています。その中で、コンサルファームの面接は、求職者の能力や適性を見極める重要なプロセスといえるでしょう。面接では、論理的思考力や問題解決能力、柔軟な対応力、チームワークなどが重視されます。
特に注目すべきは「ケースインタビュー(ケース面接)」で、これは実際のビジネス課題に対して、候補者がどのようにアプローチし、解決策を導き出すかを評価する場です。通常の面接とは異なり、ケースインタビューでは実践的な問題解決能力が試されます。
効率よく就職・転職するためには、このようなコンサル特有の面接について知っておくことが重要といえるでしょう。
コンサル面接の内容と流れ
まずはコンサル面接について具体的にイメージしていただくために、形式、回数、面接相手などを説明します。
面接の形式や相手は、新卒採用と中途採用によって若干異なるケースがあります。
それぞれ詳しく解説していきます。
面接の形式
コンサルティングファームのおもな面接形式は、個別面接、グループディスカッション、ケースインタビューなどです。
個別面接では、候補者の論理的思考力や問題解決能力が直接評価されます。グループディスカッションは、複数の候補者が一緒に課題を解決する形式で行われます。この場で重視されるのは、候補者同士の協力やコミュニケーション能力です。リーダーシップや柔軟な対応力も試されることになります。
また、ケースインタビューはコンサルティング業界の面接で特に重要です。ケース面接では実際のビジネス課題を提示されます。問題解決の過程や論理的なアプローチが見られるため、事前にしっかりと準備しておくことが重要です。
面接回数
新卒の集中面接では、候補者が2人程度の面接官とそれぞれ30分程度の面接を行うのが一般的です。場合によっては、最初の1〜2回の面接で合格した候補者に対して、その日のうちに追加の面接を行うこともあります。
最初の面接を通過した後は次のラウンドの面接が後日行われます。インターン採用に至るまでには4〜5名の面接官と面接を重ねることになるでしょう。
中途採用でも採用までに会う面接官の人数は4〜5名が一般的です。しかし、評価がギリギリの候補者は、さらに多くの面接を受ける可能性もあります。特定の業界チームへの配属を前提とした採用では、そのチームのシニアメンバー全員と個別に面接するケースもあるでしょう。
面接官
面接官は、そのコンサルティングファームの現場で働いているコンサルタントが務めます。
新卒の場合、最初の面接相手は、マネージャーになって間もない若手コンサルタントが中心です。次の選考へ進むと、面接官の役職もマネージャーから若手パートナーなどに変わっていきます。
最終選考では、新卒採用担当のパートナーが面接官になるのが普通です。中途採用の場合は、最初の面接は若手マネージャーが務めるケースもあります。
どのような役職の人が面接官でも、最初の1〜2回はあくまでも候補者の絞り込みが目的です。仮にシニアクラスのコンサルタントが面接官になったとしても、気負ったり油断したりしないようにしましょう。
Web面接について
コロナ禍の影響で、Web面接を実施するコンサルティングファームが増えました。Web面接は、インターネット環境さえ整っていれば、場所に関係なく面接を受けることができるため、特に地方や海外に住んでいる候補者にとっては、選考のハードルが低くなったと言えます。
対面面接に比べ、Web面接特有の技術的な問題(音声やカメラの不具合)が発生することもあるため、事前のテストや準備が重要です。今後もWeb面接の重要性は増すと予想され、リモートでの選考が標準となる可能性もあります。
コンサルのケース面接(ケースインタビュー)について
コンサルティングファームの選考で重要とされるケース面接では、候補者の論理的思考力や問題解決能力、業務に必要な戦略的なアプローチが見られます。本項目では、ケース面接の例題や対策について解説しています。
コンサルのケース面接例題
本項目では、コンサルの選考における代表的なケース面接の例題をいくつか紹介します。
コンサルのケース面接例題 | |
---|---|
市場規模の推計 | ある製品やサービスの市場規模を推計する問題。 具体的な数字や市場動向を分析し、論理的に推定を行います。 |
売上・利益拡大策 | 企業の売上高や利益をどのように拡大するかを考える課題。 戦略的なアプローチが求められます。 |
データ分析 | グラフや表を使って、データから何が分かるのか、 どんな示唆が得られるのかを考える問題。 データを的確に読み取る力が試されます。 |
企業の課題解決 | 企業が直面する課題(人手不足、M&A、不祥事など)への対応策を検討する問題。 状況に応じた解決策を提案します。 |
時事問題への対応 | 働き方改革、少子高齢化、地方創生など、 社会的な課題に対する対応策を考える問題。 時事問題に対する理解と提案能力が求められます。 |
これらの課題では、論理的な思考と現実的な解決策の両方が重要です。
コンサルのケース面接対策
ケース面接では、事前の準備と練習が成功のカギとなります。過去の事例や模擬面接を活用して、実際のビジネス課題にどうアプローチするかを理解することが重要です。以下の方法で対策を進めましょう。
- 過去の事例の分析: ケースインタビューでよく出される問題を理解し、解決策を考える練習をする。
- 論理的思考を意識する: 問題の本質を見抜き、解決策を導く過程を論理的に説明できるように練習。
- 模擬面接: 実際の面接の流れをシミュレーションし、時間内に答える練習を行う。
これらを実践することで、面接当日に自信を持って臨むことができます。
コンサルの面接で行われるフェルミ推定について
コンサルティングファームの面接で実施されることのあるフェルミ推定は、限られた情報をもとに論理的に推論を進め、近似的な数値を導き出す方法です。
本項目では、フェルミ推定の例題や対策を解説します。
フェルミ推定の例題
フェルミ推定の面接例題では、限られた情報を元に論理的に推論を進める力が試されます。以下はよくある例題です。
フェルミ推定の例題 | |
---|---|
東京に存在するピザ屋の数を推定してください | これは、東京の人口や、 1人あたりが消費するピザの数などの仮定を立てて、 推定値を算出する問題です。 |
東京のタクシーの台数を推定してください | 東京の交通量やタクシーの利用頻度を元に、 タクシーの総数を予測する問題です。 |
1年間に消費される歯ブラシの 本数を推定してください |
全国的な消費量を仮定し、 人口や使用頻度から推定を行います。 |
フェルミ推定の問題では、実際のデータが不明確でも、論理的に仮定を設定し、その仮定に基づいて計算を進めることが求められます。重要なのは、仮定が現実的であり、解答に至る過程をしっかり説明することです。
コンサル面接でのフェルミ推定対策
フェルミ推定対策では、まず基本的な計算力や論理的思考力を高めることが重要です。具体的には、以下の点を意識して取り組むと効果的です。
- 過去の問題を解く: フェルミ推定の本などを活用し、過去に出題された問題を解いてみる
- 仮定を立てる練習: 正確なデータがない状態で、仮定をどのように設定し推論を進めるかを練習
- 推定プロセスの分解: 数字を導き出す際のプロセスを段階的に分解し、順を追って論理的に説明できるようにする
しっかりとした準備を行い、練習を重ねることで、フェルミ推定にも自信を持って臨めるようになります。
ケース面接とフェルミ推定の違いとは
ケース面接とフェルミ推定は似ているようで異なる部分もあります。
ケース面接では、具体的な施策や戦略を提案し、実際のビジネス課題に対してどのように解決策を導くかが評価されます。一方、フェルミ推定は、限られた情報をもとに数値を推定する方法です。データが不確かな状態でも、論理的に計算を進める力が問われます。
具体的な施策を提案するケース面接とは異なり、フェルミ推定では数値の仮定をし、そこから導かれる結論を重視します。
フェルミ推定はケース面接の一部として組み込まれることもありますが、ケース面接はより広範な分析力と戦略的思考が求められる場です。フェルミ推定はその中で一つのツールとして活用されます。
コンサル面接でよくある質問(フィットインタビュー)
フィットインタビューとは、志望動機や候補者の人物像を確認するための面接です。
フィットインタビューで行われる典型的な質問内容は、以下のとおりです。
これまでに何をしてきたか?
面接でよく聞かれる質問の一つは、「これまでに何をしてきたか?」というものです。この質問は、過去の職務経験や学業、プロジェクトなどを通じて、候補者がどのような実績を上げてきたのか、またその経験がどのようにコンサルティング業務に活かせるのかを知るためのものです。
答える際は、自分の経験をただ列挙するのではなく、具体的な成果や学んだことを明確に示すことが重要です。さらに、その経験が応募先の業務にどのように貢献できるかを明確に伝えることで、説得力が増すでしょう。
自分の強み・弱みは何か?
「自分の強み・弱みは何か?」という質問は、自己理解や自己改善能力を評価するためによく聞かれます。強みについては、コンサルタントに求められるスキル(問題解決能力、論理的思考、コミュニケーション能力など)を具体的に挙げるとよいでしょう。そして、それがどのように自分の成果に結びついたかを示すことがポイントです。
弱みについては、正直に答えることが大切です。しかし、単にネガティブな点を挙げるのではなく、それを改善するためにどのような努力をしているかを話すとよいでしょう。
転職理由は何か?
転職理由を聞かれることは非常に多い質問ですが、その理由をどう伝えるかが重要です。転職理由としては、ポジティブな動機(キャリアアップ、新しい挑戦、専門的な成長など)を伝えると良い印象を与えられます。
ただし、前職に対する不満や批判的なコメントは避けるべきです。面接官は、転職者が前向きな理由で転職を決断したかどうかを重視します。また、なぜその転職先(コンサルティングファーム)を選んだのかも一貫性を持って説明することで、説得力が増します。
自分のキャリアプランをどう考えているか?
この質問は、候補者が将来に向けてどのようなキャリアパスを描いているかを把握するために聞かれます。コンサルタントとしてのキャリアは、プロジェクトの成功やクライアントの成果を通じてスキルを高め、さらに上のポジションを目指すものです。
答える際は、コンサルタントとしての成長を重視したプランを話しつつ、具体的な目標(例えば、特定の業界に特化する、マネジメント層に昇進するなど)を盛り込むと良いでしょう。また、短期的・長期的な目標を分けて話すことで、現実的かつ計画的な印象を与えることができます。
なぜコンサルティングファームで働きたいのか?
「なぜコンサルティングファームで働きたいのか?」という質問は、業界に対する理解と興味を確認するために聞かれます。コンサルタントは複雑な問題を解決する役割を担っているため、その業務に興味を持つ理由を具体的に説明することが大切です。
例えば、「多様な業界のクライアントに対して課題解決に取り組みたい」「戦略的な問題解決に魅力を感じている」など、コンサル業務への具体的な興味や魅力を伝えると効果的です。個人的な価値観と業界の特徴を結びつけて話すと、面接官に強い印象を与えることができます。
なぜ当社で働きたいのか?
「なぜ当社で働きたいのか?」という質問では、応募先のコンサルティングファームの特徴やカルチャーを理解しているかどうかが評価されます。具体的な理由を挙げるためには、企業研究が必要です。
例えば、そのファームの取り組んでいる業界、過去の成功事例、企業文化、成長機会などに触れ、なぜそのファームが自分のキャリアに合っているのかを明確に伝えます。また、単に待遇やブランド名だけではなく、仕事のスタイルや理念に共感した点を強調すると、より説得力が増します。
入社したらどんなことをしてみたいか?
「入社したらどんなことをしてみたいか?」という質問は、候補者が具体的な目標を持っているか、またそのファームでどのように成長したいのかを確認するために聞かれます。答える際は、企業の業務内容や今後の事業展開に沿った目標を示すと良いでしょう。
例えば、特定の業界の知識を深めることや、クライアントとの関係構築に注力したいなど、具体的なアクションプランを挙げると、意欲的かつ計画的な印象を与えることができます。
面接のキラー質問とは
面接における「キラー質問」とは、候補者の回答によって合否が決まる可能性が高い質問です。これらの質問は、その人物が企業文化に適応できるか、また自社にふさわしい人材かどうかを見極めるために行われます。
例えば、「過去の失敗を教えてください」といった質問や「困難な状況にどう対処したか?」という質問では、問題解決能力や冷静な判断力が問われます。企業によっては「こう答えるとアウト」とされる定型的な回答が存在するケースもあるため、答え方には注意が必要です。
キラー質問を乗り越えるためには、具体的な経験を基にした正直な回答を準備し、面接官に自分の強みをしっかりと伝えることが重要です。
コンサル面接での自己紹介や自己PRについて
コンサルティングファームの面接では、自己紹介や自己PRの際に、自分の実績や能力を具体的にアピールすることが求められます。特に大切なのは、他人に誇れる実績を紹介し、それを数字や具体的な事例で裏付けることです。
単に「売上増加に貢献した」「学生時代に起業した」などと言っても、多くの応募者が同じようなことを話すため、面接官にとっては新鮮味がありません。
具体的には、自分の経験がどのようにコンサルティングファームで求められる仕事に役立つのかを明確にすることがカギとなります。例えば、「どのような課題に対してどのようなアプローチを取り成果を上げたのか」を具体的に示すことで、説得力のあるアピールになります。
コンサル面接での逆質問について
面接の最後に設けられる逆質問は、候補者の熱意や理解の深さを示す以外に、インターネットでは得られない一次情報を得る機会でもあります。
本項目では、コンサル面接での逆質問について解説します。
【逆質問例】コンサル面接における良い質問の仕方
コンサル面接における良い質問の仕方について以下で紹介します。
面接官についての質問
- 何が魅力で入社されましたか?
- どういったバッググランドをお持ちですか?
コンサルの面接では、面接官として立つのは、将来的には同僚、上司、または先輩となる可能性のあるコンサルタントです。
仕事を選ぶ際、一緒に働く人を選ぶことは多くの人にとって重要な要素ですが、まず最初に、面接官がどのような人物かを知ることが大切といえるでしょう。
プロジェクトについての質問
- 直近のプロジェクトでは、どのような業界やテーマに焦点を当てましたか?
- 実際のプロジェクトの成果や成功事例を教えていただけますか?
プロジェクトについての質問については、実際のプロジェクトでどの産業のどのテーマに関連し、どのような役割を果たしたかについて聞いてみましょう。やりがいや課題について尋ねてみるのもおすすめです。
自社の魅力や改善点についての質問
- どのような価値観がこの企業で大切にされていますか?
- 自社が直面している主要な課題や将来のチャレンジについて教えていただけますか?
面接官に対して自社で働いているからこそ感じる素晴らしさや課題について尋ねてみるのもおすすめです。この質問では、企業に対する真剣な興味を示すことができます。
競合他社との違いについての質問
- 競合他社と比べて、貴社が特に優れていると考える点は何ですか?
- 競合他社が取り組んでいる課題やトレンドについて、貴社の視点はどのように異なりますか?
競合他社との違いについての質問に対しては、「逆にどう思いますか?」と返されることもありますが、特に、複数のコンサルティングファームを経験した面接官の場合、実際の経験に基づく話を聞ける可能性もあります。
入社後についての質問
- キャリアの成長と昇進について、貴社の方針や基準はどのようになっていますか?
- 入社後、初期のプロジェクトやクライアントについてどのように決定されますか?
コンサルティング面接で入社後のことについて面接官に逆質問することは、将来のキャリアや成長について関心を示し、企業での成功を追求する意欲をアピールする良い方法となります。
【逆質問例】新卒でのコンサル面接における良い質問の仕方
- 新卒入社者に対して、貴社はどのような研修プログラムを提供していますか?
- 貴社でのプロジェクトの割り当て方法や新卒者の役割について教えていただけますか?
- 新卒者に対するキャリアサポートがある場合、どのように機能していますか?
新卒のコンサル面接での逆質問は、企業への関心と自分の適性を示すよい機会です。企業の研修やプロジェクト体制、キャリアサポートについて具体的に尋ねれば、理解を深められるだけでなく、準備や主体性も伝わります。限られた時間の中で印象を残すために、逆質問を効果的に活用しましょう。
【逆質問例】転職や中途でのコンサル面接における良い質問の仕方
- 御社で活躍している中途入社の方に共通している強みは何ですか?
- 中途採用者に対するキャリアパスや成長機会について、どのような展望がありますか?
転職や中途採用でのコンサル面接における逆質問は、自分が企業でどのように価値を提供できるかを示すチャンスです。入社後の役割やキャリアパス、これまでの経験を踏まえた具体的な質問をすることで、即戦力としての適性や成長意欲をアピールできます。逆質問を通じて面接官との対話を深め、企業との相性を確かめましょう。
NGとなりやすい逆質問例
- 「休日出勤はありますか?」
- 「プロジェクトで最も忙しい時期の残業時間は?」
逆質問で聞いてはいけない内容は、「調べればわかる内容」「意欲を感じさせない内容」です。
インターネットなどの情報を調べればわかる内容は、逆質問にふさわしくありません。例えば、力を入れている領域はどこか、などですね。また、ワークライフバランスに関する質問も、意欲が低いと感じさせてしまいます。
逆質問の対策方法
面接における逆質問では「入社への意欲が伝わる質問」をすることが大切です。コンサルの面接官は質問のプロであるため、ありきたりな内容では簡単に評価を下げてしまいます。しっかりと考え抜いた質問をすることで、面接官に自分の入社意欲をしっかり伝えることができます。
逆質問を準備するためには、まず企業のホームページを徹底的に確認しましょう。企業紹介だけでなく、プロジェクト活動に関する報告やケーススタディも多く掲載されているため、自分がどのような形で貢献できるかを考え、その内容に関連する質問を作成します。
事前に考えた質問が実際に活かせるかを確認するためには、模擬面接などを実施することもおすすめです。
面接で見られるポイントとは
では、面接する側は、候補者のどんな点を見ているのでしょうか?主な評価ポイントは大きく4つに分かれます。
考える力
コンサルタントの仕事は、クライアントの課題に対して最適な答えを出すことです。従って考える力は最も重要視されます。
考える力はおおまかに以下の2つの視点に分けられます。
ロジカルに考える力
コンサルタントにはロジカルな思考が常に求められます。ロジカルな思考とは、ざっくりというと物事を勘や好き嫌いだけでなく、筋道を立てて理詰めで考える思考です。
例えばケースインタビューで「売上を拡大するには〇〇という策が必要」と結論づけるとします。その際に、なぜその策が必要なのかを、現状の整理、売上を拡大させるドライバーの把握、ドライバーの配置方法などを踏まえて結論を出すことが求められます。
ロジカルな思考法は、フィットインタビューでも問われます。例えば「自分の強みは〇〇です」と答える時に、他の人と比べて自分はどこが違うのか、具体的な事例を示しながら比較すると、ロジカルな印象を与えられます。
独創性・オリジナリティ
独創性やオリジナリティは、コンサルタントとして活躍するために必要な要素です。面接官は、単にフレームワークや理論を適用するだけでなく、それに独自の視点や考えを加える力を求めています。多くの候補者が同じフレームワークを使いこなす中で、いかに自分らしさを表現し、既存の枠組みを超える発想をするかがポイントです。
例えば、ケースインタビューで「売上拡大策」を考える際、フレームワークでの解決に加え、自分の経験や最近のトピックを絡めることで、独自性を持たせることができます。
面接官は、単なる模範解答に終わらず、自分の考えが反映されたオリジナルな解決策に対して高い評価をつけるでしょう。
コミュニケーション力
コンサルのコミュニケーション力は、面接において重要な評価ポイントです。主に「聞く力」と「話す力」の2つの視点があり、それぞれが候補者の対応力を示す鍵となります。
聞く力
面接において「正しく聞く力」は重要です。なぜなら面接官の質問内容や質問の意図を正しく理解しないと、会話がかみ合わない面接になってしまうからです。例えばケースインタビューで「利益拡大の戦略」が求められているのに、価格を下げて販売量を増やす「売上拡大策」を回答したのでは話にならないですよね。
また自身の回答に対して、「〇〇という観点についてはどうでしょうか?」と質問された場合、その観点からも分析してみると良いでしょう。面接官からのアドバイスや質問の内容を理解して、さらに踏み込んだ話ができる候補者の方が、高評価を得やすくなるのは言うまでもありません。
話す力
コンサルタントの面接では、論理的かつ簡潔に説明する力が求められます。特に有効なのが「結論ファースト」の話し方です。最初に結論を伝え、その後に理由や根拠を順序立てて説明すると、相手も要点を理解しやすいため、説明したい内容が明確に伝わります。
この力を高めるには、普段から考えを整理して話す練習が欠かせません。短く答えるだけでなく、結論を先に示し、「理由は3つあります。1つ目は〇〇、2つ目は△△、3つ目は××です」といった表現を意識しましょう。明確な構成で説明することで、面接官に好印象を与えることができます。
ファームやチームに貢献するスキル・知識
専門的な知識や経験を持っている人は、面接が少々荒削りだったとしても、ファームに貢献できる人材として高評価を得やすくなります。
なぜなら最近では、ファームで取り組むプロジェクトの専門性が高まっているからです。その分野は経営や会計にとどまらず、医療や農業、宇宙工学、ITなど多岐にわたっています。例えば、「トヨタの生産現場で改善に取り組んだ経験」などがあれば、単に本で読んだだけの知識よりコンサルティングの現場に役立ちます。
このように珍しい経験や深い知識を持っている人は、面接が少々荒削りだったとしてもファームやプロジェクトに貢献できる人材として採用されやすい傾向にあるのです。
人間性
コンサルティングファームにおける仕事は、チームでの協力やクライアントとの密接な関係構築が求められます。そのため、面接官は候補者の人間性も重要な評価基準として見ています。特に、意見が異なる場面で柔軟に意見を受け入れる姿勢がある候補者は高評価を得やすいです。
一方で、自分の意見に固執し、面接官の意見に対して反発的に反応することは、コンサルタントにとって重要な資質を欠いた印象を与えてしまう可能性があります。面接では、自分の意見を持ちながらも、相手の意見を受け入れる姿勢を示すことが大切です。
コンサルタント転職におすすめのエージェント
今回は、コンサルタント転職に特化した転職エージェントを紹介します。特化型のエージェントでは、コンサル業界特有の面接対策を万全に整えることができるためおすすめです。
MyVision

引用元:MyVision
- コンサルタント経験者が専任サポート
- 厳選された非公開求人を多数保有
- 中長期的なキャリア形成にも対応
MyVisionは、コンサルタントやポストコンサルの転職に特化したエージェントです。戦略・IT・総合系など幅広いコンサルファームや事業会社の経営企画・新規事業など、ハイレベルなポジションを中心に紹介。実務を熟知したコンサル出身のアドバイザーが、キャリアの方向性や転職タイミングまで含めて伴走します。
案件の多くは非公開で、企業の重要プロジェクトや幹部候補ポジションなど、市場に出回らない希少な求人が揃っています。
短期の転職だけでなく、数年先を見据えたキャリア形成にも力を入れており、長期的に相談できるパートナーを求める方に適しています。コンサルタントとして次の一歩を確実に踏み出したい方に心強い選択肢です。
MyVisionの基本情報 | |
---|---|
運営会社 | 株式会社MyVision |
公式サイト | https://my-vision.co.jp/ |
公開求人数 | 非公開(2025年8月11日現在) |
主な求人職種 | コンサルタント ほか |
関連記事>>MyVisionの評判・口コミ
コンコードエグゼクティブグループ

引用元:コンコードエグゼクティブグループ
- コンサル・経営幹部求人に強み
- 専門性を活かした選考対策
- 長期的なキャリア設計を支援
コンコードエグゼクティブグループは、コンサルティング業界や経営幹部ポジションに強い転職エージェントです。外資戦略・総合系・デジタル/AI系など、主要ファームを網羅した豊富な求人を保有。
非公開案件や経営層への直接推薦ルートなど、独自のネットワークを活かした機会を提供しています。選考対策では、コンサル出身者によるケース面接トレーニングや企業ごとの出題傾向分析など、実践的なサポートが充実。
さらに、入社後のキャリアや将来の起業まで見据えた中長期的支援も行い、「転職して終わり」ではない伴走型のサポートが特徴です。長期的なキャリア戦略を大切にしたいコンサルタント志望者におすすめです。
コンコードエグゼクティブグループの基本情報 | |
---|---|
運営会社 | 株式会社コンコードエグゼクティブグループ |
公式サイト | https://www.concord-career.com/ |
公開求人数 | 1,095件(2025年8月11日現在) |
主な求人職種 | コンサルタント、経理財務、人事・法務・総務、営業 ほか |
関連記事>>コンコードエグゼクティブグループの評判・口コミ
アクシスコンサルティング

引用元:アクシスコンサルティング
- コンサル・ポストコンサル転職に精通
- 幹部候補やCxOクラスの支援実績豊富
- 独立・副業など多様なキャリア支援
アクシスコンサルティングは、戦略・IT・総合系ファームや事業会社への転職に強いエージェントです。10,000人以上の現役コンサルタントや10万名規模の転職志望者を支援してきた実績があり、コンサルタントとしての経験を幹部候補・採用戦略・経営企画などへ活かしたい方にも適しています。
非公開求人が多く、新組織立ち上げや経営課題解決に直結するポジションの提案が可能。加えて、独立支援や副業案件紹介など、働き方の選択肢を広げるサポートも充実しています。
短期的な転職だけでなく、3年以上の長期支援を前提にした丁寧なキャリア設計で、将来を見据えた転職活動を進めたい方にもおすすめです。
アクシスコンサルティングの基本情報 | |
---|---|
運営会社 | アクシスコンサルティング株式会社 |
公式サイト | https://www.axc.ne.jp/ |
公開求人数 | 40件(2025年8月11日現在) |
主な求人職種 | CxO・経営層、デジタル・DX領域、コンサルタント ほか |
関連記事>>アクシスコンサルティングの評判・口コミ
コンサル面接での服装・身だしなみについて
本項目では、コンサル面接の際に気を付けたい服装・身だしなみについて解説します。
コンサル面接ではスーツが最適?
コンサルティングファームの面接では、スーツが最適な服装とされています。特に男性の場合、黒や紺のダークスーツに白や青のシャツ、シンプルなネクタイを合わせることが一般的です。
女性の場合も、シンプルで清潔感のあるスーツが好まれます。スカートやパンツのスタイルは企業の文化や地域による違いもありますが、過度な装飾や派手な色使いは避けるべきです。面接官に対して「プロフェッショナルである」という印象を与えるために、スーツを着用することは、面接準備の一環として必須と言えるでしょう。
メイクの注意点はありますか?
女性の面接では、メイクにも注意を払う必要があります。コンサルティング業界では、清潔感やプロフェッショナリズムが求められるため、過度なメイクは避けることをおすすめします。自然でシンプルなメイクを心がけ、ナチュラルな肌作りを意識することが重要です。
派手な色のアイシャドウや口紅は控えめにし、眉毛やアイラインは整えて、顔全体が柔らかい印象になるようにしましょう。また、髪型にも注意が必要です。整髪料で髪を整え、顔が見えるようにまとめると清潔感のある印象を与えられます。
面接当日に気をつけておきたい内容
ここでは面接当日に気を付けたい内容についてご紹介します。
遅刻しないように時間に余裕を持って行動する
コンサル面接に限らず、遅刻は絶対にアウトです。遅刻しなくても、面接時間ギリギリに会社の待合室に駆け込む状況もよろしくありません。本命度が高い企業の面接なら、約束の1時間前には本社に到着し、残り時間を近くの喫茶店で過ごすくらいの余裕が必要です。
約束時間の10〜15分前には会社のある建物に到着し、化粧室で身だしなみを整えます。そして7〜8分前には、受付に移動して担当者を待ちましょう。
面接担当者は約束の時刻までは、別の仕事をしているのが通常ですので、あまり早く呼びすぎると迷惑になってしまいます。そのため約束時間の10分前を切った7〜8分前が理想的なのです。
緊急連絡先を把握しておく
どんなに遅刻しないように行動していても、事故や遅延などで遅刻が確定してしまう場合もあるでしょう。
そんな時には、約束の時間がすぎてしまう前に企業に連絡を入れるのが先決です。面接開始の1時間〜30分前に連絡すれば、面接官の業務予定も変更が可能なので、印象にも影響しません。
ただ連絡を入れようとした時に、採用担当者への連絡先が出てこないと非常に焦ります。スマホさえ持っていれば確認できますが、気持ちに余裕を持つためにも手帳などにメモしておきましょう。
面接前日にアクセスを再確認する
企業によっては、建物の場所が見つけにくい場合があったり、道に迷ってしまったりする可能性があります。面接当日に道に迷って時間を浪費することは避けたいところ。
そのため地図ベースだけで確認するのではなく、場所を下見しておくと安心です。下見と言っても、実際に足を運ぶ必要はありません。Googleマップのストリートビューを使って、周囲の景色や特徴を眺めておくだけでも大丈夫です。
また盲点となりやすいのがビルの階数です。同じ会社でも仕事をする階数と面接を行う階数は違う場合がありますので、こちらもしっかりと把握しておきましょう。
コンサル面接の疑問について
本項目では、コンサル面接に関するよくある質問について回答しています。
中途採用の面接と就活(新卒)の面接の違いは何ですか?
中途採用の面接と就活(新卒)の面接では、形式・回数・面接官などが異なるケースがあります。
また、新卒の場合、候補者は学生のため、前職での実績などは期待していません。社会人経験がある候補者よりも、新卒に対しては評価が寛容になります。
最も大きな違いは、新卒の面接は、多くの場合インターンシップの参加者を選ぶために行われるということです。インターンシップでは候補者を時間をかけて評価できます。そのため、どこかに光るものを感じられる候補者には、面接官も「落とすのはもったいない」という目線を持っています。
新卒の場合、小さなミスは気にせず、自分が他の人と違う点を積極的にアピールするのが効果的です。
英語での面接はありますか?
コンサルタント業界では、特にグローバルに展開している企業では英語が必要とされる場合があります。
コンサルタントとしての英語が求められる場面としては、海外クライアントとのやり取りがある場合や、グローバルプロジェクトに携わる場合が挙げられます。このような企業では、英語力が求められることが多いです。
英語での面接が実施される可能性もあるため、事前に確認して準備をしておくことが大切です。英語力に自信がない場合でも、自己紹介や業務に関する基本的な会話はできるようにしておくとよいでしょう。
面接では握手の仕方から大切と聞いたのですが……
外国人が面接官の場合は、最初に握手を求められるケースがあります。日本人には握手の習慣が無いので戸惑いますが、挨拶の一部ですので、変に意識する必要はないといえるでしょう。
それに面接官をするくらいのコンサルタントなら、日本でのビジネス経験も長いので、日本人が握手に慣れていない事実も知っています。よほどのことが無ければ、握手の仕方で評価が大きく変わることは無いでしょう。
役員(パートナー)との面接に進みました。採用に近いということでしょうか?
役員やパートナーとの面接に進んだ場合、通常は採用に近い段階に来ていることが多いです。しかし、必ずしも内定を意味するわけではありません。多くのコンサルティングファームでは、最終面接をパートナーが担当しますが、その目的は大きく分けて「採用前の意思確認」と「適性見極め」の2つです。意思確認の場合、企業側が自社の魅力を伝え、候補者を確保しようとするため、ほぼ採用となることが多いです。
しかし、見極めの場合は合格ラインが高く、見送りとなることもあります。また、パートナーとの面接は最終段階だけでなく、途中で行われることもあります。そのため、どの段階においても、常に準備をして臨むことが重要です。
コンサル面接では詰められるというのは本当?
「コンサル面接では詰められる」とよく言われますが、これは実際の面接で候補者の思考を深堀りするために、面接官が意図的に質問を繰り返すことを指します。面接官は候補者がどれだけ論理的に考え、柔軟に考えを修正できるかを見るために、突っ込んだ質問をすることがあります。
特にケースインタビューでは、回答を深堀りして、問題に対するアプローチや仮説の立て方を確認します。このような「詰め」のプロセスは、候補者の真の能力を引き出すためのものであり、決してネガティブな意味で使われることはありません。冷静に対応し、思考を整理して柔軟に答えることが求められます。
コンサル面接まとめ
本記事では、コンサル面接について説明してきました。コンサルタントとして重要なのは、入社後にクライアントに価値を提供できるプロになることです。面接はあくまでそのための入口に過ぎません。
まずは基本的な知識をつけ、万全の準備をして面接に臨みましょう。この記事が、コンサルタントとして活躍するきっかけになれば幸いです。