投資銀行に転職をすると決めた時、どこまで投資銀行について知っていますか?
「普通の銀行と何が違うの?」そう思っている方は要注意です。
なぜなら投資銀行は、銀行業をする会社ではないためです。
この記事では、投資銀行に転職するために必要な条件や難易度、そもそも投資銀行はどのような事業を展開しているのかについて解説しています。
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投資銀行に転職するには?難易度や必要な条件を解説
投資銀行に転職するためには何が必要でしょうか。
それぞれ詳細を解説していきます。
投資銀行へ転職する難易度と条件について
これまで金融関連の仕事に従事し、M&Aや企業分析に長けた方であれば、そこまで難しい転職ではないかもしれません。
一方で、金融関連事業について未経験だと転職のハードルが一気に上がります。
まずは、投資銀行へ転職する条件などを詳しく見ていきましょう。
投資銀行への転職に適した年齢とは?
投資銀行への転職は20代~30代前半が現実的です。
投資銀行の業務は激務となりやすく、会社に寝泊まりをして仕事をすることも少なくありません。
このようなハードワークを何年も続けることができるのは、体力が十分にある年齢と考えられ、若手の採用が優先されます。
投資銀行へ転職するために必要なスキルとは?
投資銀行は、資金に問題を抱え、困っている企業に対して、資金調達の支援をすることで利益を得る業態です。
したがって、どのような企業に投資すべきかを的確に判断する必要があります。
この判断をするには、投資先企業の経営状況を読み解き、企業が持っている技術や、その技術をもって将来的にどのような利益を得るか予測することが重要です。
こういった目線を持つためには、経営について深く学ぶことが求められます。
例えば経営学修士(MBA)などハイレベルな学びを経験することで理解が深まります。
投資銀行に転職するために知っておきたいこと
ここからは、投資銀行に転職するために、最低限知っておきたい事項を解説していきます。
しっかりと投資銀行の仕組みや業務内容についてインプットしておきましょう。
そもそも投資銀行とは?
投資銀行は、「銀行」と名がついていますが、銀行ではありません。
どちらかというと「証券会社」に近い存在です。
「銀行」はお金を預かりそのお金を貸付ることで利益を得ますが、「証券会社」は法人に対して、資金調達やM&Aをサポートするビジネスだからです。
ちなみに「投資銀行」の由来は、英語の「Investment banking」。これを和訳した言葉が投資銀行となっています。
投資銀行の業務内容について
投資銀行は対象の法人に対して直接融資をするわけではありません。
主に企業の資金調達や、M&Aなどの買収関連サポートを実施し、手数料を得るというビジネスを展開しています。
その点で、投資銀行は、証券取引の仲介をして、その手数料を得る証券会社の事業モデルに近いと言えます。
ここからは、実際に投資銀行の業務について詳しく紹介します。
資金調達の支援
投資銀行で実施する資金調達の支援とは、具体的にどのような事を行っているのでしょうか。
資金調達には、対象の企業の有価証券を発行する支援をして投資家に購入してもらう「直接金融」や、銀行などの金融機関に借入をする「間接金融」の方法があります。
対象の企業へ、こうした資金調達方法についての助言を行うのが投資銀行の業務の一つです。
M&Aの支援
M&Aの実施を考えている企業への助言やサポートも投資銀行のメイン事業です。
具体的には、市場分析をして買収戦略の策定を行います。
また、M&Aの対象となる企業へのコンタクトや交渉、買収成立にいたるまでを細かくサポート。最終的にM&Aが成功するように伴走していきます。
投資銀行の各部門における業務
投資銀行は大きく以下のような部門に分かれています。
- 投資部門
- マーケット部門
- リサーチ部門
- アセットマネジメント部門
部門によって業務内容が異なりますので、それぞれ詳細を確認しましょう。
投資部門
投資部門は、クライアントになる企業が実際に株式を発行したり、M&Aを実施する際のサポートや交渉をする部門です。
例えば、M&Aで買収をしようとしている企業の状況などを投資部門の担当者が調査し、その企業価値を算出します。
その後、買収する会社との交渉を引き受けるのが投資部門です。
投資部門はさらに、対象企業に営業をする「カバレッジ」と、M&A先の企業の価値を割り出す「プロダクト」の部門に分けかれます。
マーケット部門
マーケット部門は機関投資家向けの対応をする部門です。
資金調達をしたいクライアント企業へのサポートではなく、銀行などへのアプローチをする部門です。
マーケット部門はクライアントに対して株式などを案内する「セールス」、会社の資金をもとに株式などの売買をする「トレーダー」、オプション取引やスワップ取引をおこなう「ストラクチャー」という部門に分けられます。
リサーチ部門
リサーチ部門は広く金融の動きや日本・世界中の情勢を調査し、分析するための部門です。
どのような企業の株が上昇するのか、これから株が下落しそうな企業はどこかなどのリサーチをしながら、投資部門やマーケット部門と連携し仕事を進めていきます。
アセットマネジメント部門
アセットマネジメント部門は取引先の企業から株や資金などを預かり、それらを運用する部門です。
つまりアセットマネジメント部門は投資のプロ集団です。
投資銀行の種類について
ここで投資銀行の種類について見ていきましょう。
大きくは以下の表の通り、日経投資銀行と外資系投資銀行に分けられます。
日系投資銀行 | 外資系投資銀行 |
野村證券 | ゴールドマンサックス |
大和証券 | モルガンスタンレー |
日本政策投資銀行 | バンクオブアメリカ |
日系投資銀行
日系投資銀行で有名なのは野村證券や大和証券、日本政策投資銀行です。
野村證券や大和証券は他のグループや部門も抱える大手総合証券会社。
日本政策投資銀行は、政府が出資している金融機関のため、他のグループ企業や財閥などに依存することなく、常に中立的に立ち回れる点が特徴です。
外資系投資銀行
代表的な外資系投資銀行のトップ3は、世界的に有名なゴールドマンサックス、日系企業との協業もしているモルガンスタンレー、多額の資金力をもったバンク・オブ・アメリカです。
投資銀行名 | 特徴 |
ゴールドマンサックス | グローバルでトップクラスの投資銀行。資金力が高く、サービスも幅広い。 |
モルガンスタンレー | Bank of the yearの最優秀賞受賞経験のあるグローバルトップクラス企業。 |
バンク・オブ・アメリカ | 商業銀行機能をもった投資銀行。資金力も膨大。 |
ゴールドマンサックスは、トップレベルのブランド力を持つ投資銀行。資金力も膨大で、多種多様な顧客への対応と多くのサービスを提供し続けている点が特徴です。
モルガンスタンレーの投資銀行部門は、三菱UFJファイナンシャルグループと繋がり、三菱UFJモルガンスタンレー証券として投資銀行業務を担っています。
バンク・オブ・アメリカは、ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーがもっていない商業銀行(預金業務取扱い)としての機能も持ち合わせています。商業銀行目線での事業戦略を立てられるのが強みです。
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投資銀行で活躍するために必要な知識とは
投資銀行で働く時に、必要となる知識はどのようなものでしょうか。
ここからは、投資銀行で役立つ知識について解説していきます。
会計の知識
会計の知識は非常に重要。中でも、財務3表の理解は基礎中の基礎です。
財務3表は、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3つを指します。
都市銀行では、買収先企業の財務諸表などが資料として出されることが一般的なので、資料を理解して交渉するためにも会計の知識は必須です。
むしろ、この知識が無ければ投資銀行への転職は難しいでしょう。
また、上場企業などがウェブサイトに掲載している「有価証券報告書」や「IR情報」などを読み込み、理解することが必要です。
それによって、対象の企業の状況が把握でき、今後どのようなビジネスを展開していくかなどの中長期的なイメージをもって企業と向かい合うことが可能になります。
経営に関わる知識
投資銀行の主な役割として、資金調達やM&Aの支援がありますが、これらは基本的に経営者としての目線を持ちながら取り組む必要があります。
会計の知識と合わせて、対象の企業における経営状況や中長期計画がどのように進捗しているかなどについて着目することが重要です。
「M&Aをしても本当に大丈夫なのか?」「企業価値は高まるのか?」など、慎重に判断をしなければいけません。
経営に関わる知識を得られる代表的な資格は、MBAや中小企業診断士などの資格取得です。
また、会社を運営した経験がある方は、投資銀行での活躍が期待できます。
時事ネタや業界関連のニュースにも敏感になろう
一般的なニュースだけでなく、関連する企業や業界の情報は貪欲に吸収する必要があります。
クライアント企業の経営者や役員クラスの人物とコミュニケーションを取るため、投資銀行で活躍するためには、各社のウェブサイトにあるプレスリリースのチェックや、ちょっとした経営陣のコメントなども見逃さないようにすることも重要です。
また、企業を支援をする際には、社会全体の動向を踏まえた支援が必要となります。
投資銀行への転職に強い転職エージェント3選
投資銀行に転職をする際には、エージェントを介して転職活動をすることが効率的と言えます。
数あるエージェントの中でも、以下の企業は特に投資銀行への転職支援に力を入れています。
エージェント名 | 特徴 |
アンテロープ | 投資銀行はじめ金融機関への転職支援に強い |
コトラ | 金融業界をはじめとしたハイクラスの転職支援が得意 |
ムービンストラテジックキャリア | 投資銀行出身のコンサルタントが在籍 |
各社の特徴を簡単にご紹介します。
アンテロープ
運営会社 | アンテロープキャリアコンサルティング株式会社 |
---|---|
公式サイト | https://www.antelope.co.jp/ |
公開求人数 | 4,560件(2024年11月25日現在) |
主な求人職種 | 金融/コンサル業界 |
アンテロープは金融業界、コンサルティング業界に特化したエージェントです。
投資銀行の転職情報についても常に多くの案件を持っています。したがって、同業界への転職を考えている場合は利用すべきエージェントです。
また非公開案件という希少な情報を多く持ち合わせているのも特徴です。
コトラ
運営会社 | 株式会社コトラ |
---|---|
公式サイト | https://www.kotora.jp/ |
公開求人数 | 28,068件(2024年11月25日現在) |
主な求人職種 | 金融、コンサル、経営層、IT/WEB、製造業 |
コトラはハイクラスの転職に定評のある人材エージェントで、特に金融関連やコンサルティング企業への転職支援に強みを持っています。
金融業界やコンサルティング業界への人材支援に力をいれているため、それぞれの業界に深い知見や経験をもったコンサルタントが多数在籍している点も魅力です。
また、金融系出身者がコンサルタントに多くいる点からも信頼できます。
ムービン・ストラテジック・キャリア
運営会社 | 株式会社ムービン・ストラテジック・キャリア |
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公式サイト | https://www.movin.co.jp/ |
公開求人数 | 非公開(2024年11月25日現在) |
主な求人職種 | コンサルタント特化(戦略/経営/IT/金融/人事など) |
ムービン・ストラテジック・キャリアは、野村證券や日本政策投資銀行など投資銀行出身者が在籍しており、実務レベルを理解しているコンサルタントが多数活躍していることが特徴です。
投資銀行での仕事の様子などについて、リアルな声を聞けます。
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投資銀行での働き方や業務内容などについての明確なイメージを持って転職活動をしたい方にはおすすめできます。
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投資銀行へ転職するメリットとデメリット
投資銀行へ転職した場合のメリットとデメリットも気になるところです。
それぞれについて詳しく確認してみましょう。
メリット
投資銀行では、高い年収が期待できる点がメリットです。
また、経営に近いところで経験を積むことができるため、エグゼクティブ層との接点が持てる点も魅力。
経営者に近いところでの業務経験、投資銀行で得られる会計や経営などの知識は、自らの市場価値をあげることにも役立ちます。
デメリット
あえていうならデメリットは、投資銀行での業務が「激務」になりやすいということです。
資金調達のサポートというかなりの責任が問われる仕事ということもあり、担当者は想像を超える実務を強いられることになります。
しかし、投資銀行の業務を通して経営者の目線が持て、どういったビジネスが成功するのかを判断する目が養われると考えると、投資銀行で働くことで得られる経験や知識は、デメリットを払拭するくらい多いとも言えます。
まとめ
この記事では、投資銀行へ転職するために必要な情報について以下の通り解説してきました。
- 投資銀行へ転職する難易度や必要条件の解説
- 投資銀行へ転職するために知っておきたい情報について解説
- 投資銀行で活躍するために大前提必要になる知識について紹介
- 投資銀行への転職支援につよいエージェント紹介
- 投資銀行へ転職するメリットとデメリット
投資銀行へ興味を持って転職にチャレンジしようと考えている方にとって、本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
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