ESGコンサルタントとは?仕事内容や年収、転職に必要なスキルを解説

本ページにはプロモーションが含まれています。

国際連合が2006年に「責任投資原則(PRI)」を提唱して以来、ESGに配慮した企業に対して投資を行うESG投資は増加の一途を辿っています。

それにともない、ESG投資に向けた戦略を提案・導入・運用するESGコンサルタントの需要も高まり続けています。

コンサルティング業務に就いている方の中には、将来性を見据えてESGコンサルタントへの転職に前向きな方もいるでしょう

今回は、ESGコンサルティングの仕事内容や年収、さらにESGコンサルタントへ転職する際に必要なスキルを解説します。

>>コンサル業界におすすめ転職エージェント17社を比較【専門領域別】

目次

ESGコンサルタントとは?

ESGコンサルタントとは?

ESGコンサルタントとは、文字どおりESG投資に向けた戦略の提案・導入・運用などをサポートするコンサルタントのことです。

ちなみにESGは、「Environment Social Governance」の略称で、日本語だと環境、社会、政治を意味します。

企業では、自社の利益だけを考えるのではなく、長期的な目線を持って、社会問題や環境問題へ取り組む姿勢が求められています。

ESGに配慮した企業に対して投資を行う「ESG投資」は増え続けており、ESG投資残高を集計するGSIAの調べによると、2020年、世界のESG投資総額は全体で35兆3千億ドルとなりました。これは、機関投資家の全運用資産の3割以上にあたります。

なお、ESG投資の増加は日本も例外ではなく、2020年のESG投資額は2.8兆円。

2018年のESG投資額と比べると34%も増加しており、この動きはこれから先も続くと考えられています。

企業にとっては、事業の拡大や成長をするために経済活動とESGの両立が求められるということです。

そこで、企業にとって心強いサポーターとなるのがESGコンサルタントです。

ESGコンサルタントはすでに欧米では広く浸透しており、通常のコンサルタントのように活躍しています。

しかし、日本ではまだまだ知名度が低く、専門的な知見を持つコンサルタントも不足しているのが現状です。

だからこそ、専門的な知見を持つESGコンサルタントの需要は高いともいえます。

サスティナビリティコンサルタントとの違いは?

サスティナビリティとは、日本語で「持続可能」を意味します。

サスティナビリティコンサルタントとは、ESG、CSR活動の持続可能性を高め、サポート業務を行うコンサルタントです。

したがって、ESGコンサルタントと業務内容はあまり変わらないと考えてよいでしょう。

強いて違いをあげるとすると、サスティナビリティコンサルタントのほうがCSR活動のサポートを含める分、広い知見が求められることです。

なお、CSRとは「企業の社会的責任」のことで、ESGに取り組むこともCSR活動の一環ともいえます。

したがって、サスティナビリティコンサルタントと名乗るESGコンサルタントもおり、企業もESGコンサルタントをサスティナビリティコンサルタントと呼ぶ場合もあります。

ESGコンサルタントの仕事内容

ESGコンサルタントの仕事内容

ESGコンサルタントの仕事内容を一言で説明すると「顧客となる企業にあったESG活動を中心に据えた企業の評価を行なったうえで、ESG投資に向けた戦略の提案・導入・運用を実施すること」です。

ESG活動は幅広く、ESG投資の方法も多岐にわたります

したがってESGコンサルタントは、依頼を受けるとまず、企業についての情報収集を行うのが一般的です。

収集した情報に基づいて、持続的な開発報告書の作成、ブランドの広報活動の提案、金融商品の認証などを行います。

同時に、ESGの観点から企業評価を行ない、現在企業が抱えている課題や解決すべき問題を具体的に洗い出す仕事を行う場合もあるでしょう。

そして、投資家がESG投資を行いたくなるような戦略を提案します。

具体的な仕事内容としては、外部に向けた「総合報告書」の作成が挙げられます。

ESG活動の幅は広いため、投資家達は総合報告書を読んで企業がどのような活動を通して社会的責任を果たしているかなどを判断するのです。

このほか、クライアントの求めに応じてESGの組織構造の構築などを行う場合もあります。

一般的なコンサルティング業務に比べるとESGに特化している分、より専門的な知識と情報収集能力が求められ、といってよいでしょう。

単に業績を上げるだけでなく、企業が環境問題や社会問題の解決に向けて、どう取り組み、どのような結果を出しているかを第三者に分かりやすく示さねばなりません。

そのため、ESGコンサルタントは現在、世界中で注目を集めており、数ある社会問題の中からクライアントが解決に取り組めるものをピックアップする能力など多様な能力が求められます。

ESGコンサルタントの主な業務内容

  • 情報収集
  • ESG関連の戦略立案、方針の策定
  • ESG関連プロジェクトの支援
  • 企業の評価
  • 総合報告書の作成

ESGコンサルタントの転職市場動向

ESGコンサルタントの転職市場動向

ESGコンサルタントの需要は、ESGへの取り組みを強化する企業の増加に伴い、増えています。

その一方で、日本ではまだESGコンサルティングに特化した人材が数少ないのが現状です。

日本のESGへの取り組みはサステナビリティの支援から始まりました。

監査法人やシンクタンクなどで、サステナビリティ支援に特化した部門を起ち上げて企業をサポートしている会社が現われ、その人材がコンサルタント業務に関わるようになっています。

また、SEG投資をする投資家や投資額の増大を受けて、一般的なコンサルティング会社もESGに特化した部門を設置するところが増えました。

しかし、前述したようにまだまだESG投資に関する認知度は低く、コンサルタント業務に関わっている方でも最近になってようやくESGに関する勉強を始めたといったケースも珍しくありません。

つまり、ESGコンサルタントの転職市場は需要に対して圧倒的に供給が追いついていません

そのため、未経験でもESGコンサルタントになることが可能です。

コンサルタント業務の経験があれば、サステナビリティやESGの知識や最新の動向を勉強しながら転職活動に臨めます。

もちろん、監査法人やシンクタンクでサステナビリティ支援の経験がある方ならば、引く手あまたとなる可能性もあります。

通常のコンサルタントから、ESGに特化したコンサルタントに転職したい方や、監査法人などでコンサルティング業務を行ってきた方にとって、有利な状況です。

ESGに関わる業界としては、シンクタンク業界も挙げられます。以下の記事では、シンクタンクへの転職について詳しく解説していますので、あわせてチェックしてみてください。

>>シンクタンクに転職するには|採用状況や転職を成功させるポイントも解説

ESGコンサルタントの年収

ESGコンサルタントの年収

ESGコンサルタントの年収は、企業によってかなりの差があります。

また、職種としての歴史も浅いので、年収の平均などもまだ出ていないのが現状です。

仮に、コンサルタントとしての経験が豊富な方で、ESG投資に力を入れている企業への転職に成功すれば、1千万円近い年収も期待できるでしょう。

その一方で、年収300万円代後半のところもあり、企業によって大きく異なります。

そのため、経験者と未経験の方の転職では、年収に数百万円の差が出るケースもあるでしょう。

しかし、ESGコンサルタントは需要が高まっている職種。

未経験の方でも一定の実績を積んでさらに転職することで、年収アップは大いに期待できるでしょう。

ESGコンサルタントになるために必要なスキルや経験

ESGコンサルタントになるために必要なスキルや経験

ここでは、ESGコンサルタントに転職するために必要なスキル・経験を紹介します。

ESGコンサルタントへの転職を検討している方は、参考にしてください。

コンサルタントとしての実務経験

ESGコンサルタントに転職する場合、最も求められるのはコンサルタントとしての実務経験です。

ESGに特化したコンサルタントであっても、経営戦略への洞察力、分析能力、マネジメント能力などが求められるのは一般的なコンサルタントと同じです。

コンサルタントの実務経験があれば、ESGに関する知識は後からでも身に付けられるので、コンサルタントとしての実務経験がある方は、転職も比較的容易となるでしょう。

また、コンサルタント業務に直接携わっていなくても、監査法人や企業の経営などでコンサルタント業務に近い仕事をしている場合も、転職に有利です。

>>コンサルタントに向いている人の特徴とは?業務内容から適正や必要なスキルを解説

語学力

環境問題や社会問題の中には、グローバルな視点で解決しなければならない問題も多数あります。

また、ESGは海外の企業のほうが熱心に取り組んでいるケースが多く、投資家の関心をより集めるために最新の情報を海外に求める場合も多いでしょう。

そのため、ESGコンサルタントは語学力が求められます。

英語はもちろんのこと、フランス語やドイツ語といったヨーロッパの言語に精通していればさらに重宝されるでしょう。

このほか、これからの経済的な成長してくる国を考えると、中国語の読み書きに精通しているのも有利です。

TOEICをはじめとして、各種語学検定を取得していると、転職活動の際にアピールできます。

英語とフランス語など複数の語学に精通していればさらに有利です。

>>コンサルタントは英語が出来ないと苦労するのか?

環境学・気候学などの知識

ESGの中でも特に多くの方の関心を集めているのが、環境や気候です。

地球温暖化や環境汚染を防ぐためにどのような取り組みをして、どんな結果を出してきたかをアピールすれば、投資家への訴求力もあります

したがって、ESGコンサルタントは環境学や気候学などの知識も求められます。

気候の変動や環境汚染への理解も、環境学や気候学の知識があればより深まるでしょう。

また、環境汚染や地球温暖化の改善に取り組む方法は多数あり、その中から最善の選択をするためにも、気象学や環境学の知識は役立ちます

環境学や気候学を学ぶためには、わかりやすい入門書や大学のオープン講義などを上手く活用しましょう。

ESGコンサルタントの転職に有利となる資格

ESGコンサルタントの転職に有利となる資格

ESGコンサルタントになるために、必須となる資格はありません。

しかし、前述したようにTOEICをはじめとして、各種語学検定の級を取得していると語学力のアピールができます。

また、MBA中小企業診断士の資格を取得していれば、経営に関する知識を客観的に証明できるでしょう。

これに加えて、環境学・気候学などに対する修士号・博士号などを取得していれば、専門知識があると重宝される可能性もあります。

ただし、資格はあくまでもプラスαと考えておき、余裕があれば取得しておく程度でよいでしょう。

優先順位を上げるならば、語学、経営に関する資格、環境学の順です。

ESGコンサルタントが活躍できる企業

ESGコンサルタントが活躍できる企業

前述したように、ESGコンサルタントの需要は高まっているため、多くの企業にESGコンサルタントの活躍の場があります。

例えば、4代監査法人やその系列のコンサルティング会社、大手コンサルティング会社などでも、ESGコンサルタントを募集しています。

また、ESGコンサルタントの専門部署を設けているコンサルタント会社の場合は、大量採用の可能性もあるでしょう。

このほか、金融会社のコンサルティング部門なども、これからESGコンサルタントの獲得に力を入れています。

ただし、それぞれの会社で求めている能力や資格が異なります。

コンサルティング業務に一定の実績や経験がある場合は、大手会社に絞って転職活動をしてもいいでしょう。

一方、未経験に近い状態ならば、最初は中小の監査法人やコンサルタント会社に絞って転職活動を行ない、そこで実績を積んで再度転職する方法もあります。

ESGコンサルタントになるための近道

近道

ESGコンサルタントに転職したい場合、コンサルティングの転職支援に特化したエージェントを利用するのもおすすめです。

ここでは、ESGコンサルタントになるためにおすすめのエージェントを3つ紹介します。

MyVison

MyVision

運営会社 株式会社MyVison
公式サイト https://my-vision.co.jp/
公開求人数 非公開(2024年10月24日現在)
主な求人職種 各種コンサルティングファーム

MyVisionは、コンサル転職エージェントとトップ戦略ファームの出身者が提供するコンサルに特化した転職支援サービスです。

累計内定者数800名以上の実績があり、他業種や未経験からのコンサル転職にも強みをもっています。

紹介企業はBig4をはじめ外資系戦略ファームや領域特化型ファームなど、国内ほぼ全てのコンサルファームの紹介が可能としています。

個々の経歴やキャリア志向に応じて最適な転職戦略を提示してくれ、選考対策についてもレジュメ添削や過去の面接内容を分析した「独自の面接対策資料」、本番想定の模擬面接によるフェルミ推定・面接対策など徹底したサポートが受けられます。

これらの実績からJapan Business Research転職エージェント部門では6項目も高評価を得ています。

>>MyVisionの評判・口コミ


JACリクルートメント

JACリクルートメント

運営会社 株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメント
公式サイト https://www.jac-recruitment.jp/
公開求人数 21,619件(2024年10月24日現在)
主な求人職種 管理職・エグゼクティブ・スペシャリスト人材(ハイクラス/ミドルクラス)

JACリクルートメントは、ハイクラス・ミドルクラスの転職に特化していることを強みとしている会社です。

例えば、コンサルティング会社で長年実績と経験を積み、一定の年収を保ったままESGコンサルタントに転職したい方に適しています。

キャリアアップに精通したアドバイザーが丁寧にサポートをしてくれるので、「転職が初めて」「30代後半からの転職でも大丈夫か」といった不安も解消できるでしょう。

ESGコンサルタント以外の求職も豊富なため、キャリアアップのために転職したい方もおすすめです。

>>JACリクルートメントの口コミ・評判

コトラ

コトラ公式サイト

運営会社 株式会社コトラ Kotora Co., Ltd.
公式サイト https://www.kotora.jp/
公開求人数 27,321件(2024年10月24日現在)
主な求人職種 金融・コンサルティング・監査法人・IT関係・製造業

コトラは、業界の縛られず「ハイクラス転職」を強みとしている転職エージェントです。

金融・IT・コンサル・製造業・経営関係など幅広い業界の求人を扱っており、ESGコンサルタント以外にも良い仕事があれば転職したい方に適しています。

また、コトラを利用して転職に成功した方の声も多く掲載しているため、先輩の生の声を聞けるのも魅力です。

これから、ESGコンサルタントの転職実例も掲載される可能性もあるでしょう。

このほか、求人を出している企業のインタビューなども掲載しているため、企業研究にも役立ちます。

>>コトラの評判・口コミ

ESGコンサルタントについての疑問・Q&A

疑問

最後に、ESGコンサルタントについての疑問・Q&Aを紹介します。

ESGコンサルタント転職時の志望動機を書くコツは?

ESGコンサルタントだからといって、ことさら社会問題や環境問題に関心があるとアピールする必要はありません。

コンサルタントはあくまでも企業の利益を上げるためのサポーターの役割です。

今までのキャリアを活かして、将来性のある仕事をしたいといった志望動機でも問題ありません。

むしろそちらのほうが、好印象を与える場合もあります。

ESGコンサルタントの将来性は?

ESG投資は、現に増えており、これからも増加傾向が予想されています。

将来的にESG投資が半数を超える企業もあるでしょう。

それに合せて、ESGコンサルタントの将来性も十分に明るいと考えられます。

ESGコンサルタントまとめ

まとめ

ESGコンサルタントはまだまだ国内では売り手市場が続くと予想されます。

今まで培ってきた経験やキャリアを武器に同業者に差をつけたい方や、社会貢献をしたい方はESGコンサルタントへの転職を前向きに検討してみてもよいでしょう。

また、税理士・公認会計士・中小企業診断士の仕事からコンサルタントへ転職したい方にとっても、狙い目といえます。

まずは、エージェントに登録するなどして情報を集めましょう。

商号フリーコンサル株式会社(Freeconsul Inc.)
URLhttps://www.freeconsul.co.jp/
本社所在地〒107-0062
東京都港区南青山3丁目1番36号青山丸竹ビル6F
有料職業紹介許可番号13-ユ-316208
特定募集情報等提供事業者受理番号51-募-001302
法人番号3010401144747
適格請求書事業者登録番号T3010401144747
フリーコンサル株式会社の会社概要

フリーコンサル株式会社が運営する「コンサルGO」は官公庁や公的機関など信頼できる情報をもとに転職/キャリア/企業情報を執筆・エビデンスチェックをしております。


運営者
フリーコンサル株式会社

当メディア「コンサルGO」は有料職業紹介(許可番号:13-ユ-316208)の厚生労働大臣許可を受けているフリーコンサル株式会社が運営しています。掲載情報はコンテンツポリシーに則り官公庁や公的機関などの信頼できる情報をもとに執筆・エビデンスチェックを実施。情報に誤りがあった場合はお問い合わせフォームよりお知らせください。

目次