PMOとしての経験を積む中で、フリーランスとして独立する選択肢が頭をよぎる人は少なくありません。単価の伸び悩みや評価制度への不満、裁量の少なさを感じる中で、より高い報酬と自由度を求める流れは自然なものです。
一方で、フリーランスPMOとして本当に需要があるのか、安定して稼げるのか、営業や案件獲得を自力でできるのかといった不安を抱えるのも現実です。
この記事では、フリーランスPMOとして独立する際のメリットとデメリット、単価や年収の目安、案件獲得の方法までを体系的に解説します。
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PMOの独立事情

企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)やプロジェクトの多様化に伴い、従来の正社員だけでなく、専門スキルをもつ即戦力としてのフリーランス人材のニーズが高まっています。ここでは、フリーランスPMOの定義や働き方、現在の市場における需要と将来性について解説します。
フリーランスのPMOとは?
フリーランスPMOとは、会社に所属せず、プロジェクト単位または一定期間の契約でPMO業務を請け負う形態のことを指します。従来の正社員PMOと異なり、案件ごとに契約を結び、複数企業やプロジェクトをまたいで関わることが可能です。
納期や成果、契約条件に応じて柔軟に働けるため、ライフスタイルや働き方の自由度が高く、正社員では実現しづらいキャリア設計が可能になります。フリーランスPMOは「常駐型プロジェクト支援」「部分的なタスク支援」「リモートでのマネジメント補助」など、案件内容に応じて柔軟に稼働形態を選べるのが特徴です。
自ら営業や交渉をして契約を取るため主体性が求められますが、そのぶん報酬や働き方に裁量が持てるのが大きな強みです。
PMOが独立した場合の働き方
PMOが独立すると、会社員時代とは大きく異なる働き方になります。まず大きな違いは、雇用ではなく業務委託契約を結び、プロジェクト単位で仕事をする点です。
案件ごとに契約期間や業務範囲が決まっており、プロジェクトの完了や契約満了をもって次の案件へ移行します。そのため、一社に長く在籍する正社員PMOとは異なり、短期間で複数の現場を経験できる点が特徴です。
また、フリーランスPMOは、ひとつの案件に専念するだけでなく、業務量に応じて複数のプロジェクトを同時に担当するケースもあります。稼働時間に余力があれば、他社案件を並行することで収入の安定化を図ることも可能です。
フリーランスPMOの需要や将来性
2025年版ITフリーランス市場調査レポートによると、2025年時点でITフリーランス市場の規模は約1兆1,849億円※1に達しており、2015年と比べて約1.6倍に成長しています。
また、企業側のニーズとして、正社員を新たに採用せずに柔軟にプロジェクト体制を組みたいという流れが強まりつつあり、フリーランスPMOを活用するケースが増加傾向です。市場全体の拡大と企業の働き方の変化が合わさり、今後もPMOの需要は安定的に見込まれると考えられます。
自身のスキルを最大限に活かせる活躍の場を自己選択する動きが強まる結果、デジタル人材におけるフリーランス比率は2030年には15.3%※2を超え、市場規模は1兆3,619億円※3に到達すると予測されています。
参照元
※1※2※32025年版ITフリーランス市場調査レポート
PMOが独立して行う仕事内容

フリーランスPMOが担当する業務内容は、基本的には会社員PMOと大きく変わりません。ただし、業務の進め方や責任範囲、求められる成果のレベルは独立後の方がより明確になります。
ここでは、フリーランスPMOが担う代表的な業務であるプログラム、プロジェクト、ポートフォリオの三つの観点から仕事内容を解説します。
プログラムマネジメント
プログラムマネジメントとは、複数の関連プロジェクトをひとつのプログラムとして統括し、組織全体の目的達成に向けて最適な進行を管理する業務を指します。
具体的には、各プロジェクトの進行状況を俯瞰して可視化し、リソースの偏りやスケジュールの破綻リスクを洗い出します。そのうえで、優先順位の再設定やスコープ調整を行い、全体の遅延やコスト超過を防ぐための是正策を実行する役割です。
会社員時代よりも裁量が大きくなる一方で、成果が数字や結果として求められるため、判断ミスは直接評価に影響します。そのため、論理的な整理力と説明力、そして複数プロジェクトを同時にコントロールする高度な調整力が必要とされます。
プロジェクトマネジメント
プロジェクトマネジメントは、特定のプロジェクト単位で進行管理や課題解決を行う業務です。フリーランスPMOは、計画立案、進捗確認、課題管理、品質管理など、プロジェクト成功に必要な管理業務全般を担当します。
会社員PMOとの違いは、決められた枠内での運用ではなく、体制構築やルール設計から関与するケースが多い点です。進行中は、トラブルの兆候を早期に察知し、関係者との調整や方針転換を提案します。
また、開発ベンダーや社内関係者との折衝を通じて、認識のズレを防ぎ、合意形成を進める役割も担います。フリーランスとして関与する場合、経験に基づく判断力や改善提案力が重視され、単なる進行役ではなく、プロジェクトを前に進める推進役としての役割が求められる役割です。
ポートフォリオマネジメント
ポートフォリオマネジメントとは、企業が実行しているすべてのプロジェクトを俯瞰し、経営戦略に沿った投資判断やリソース配分を最適化する業務です。フリーランスPMOが担う場合は、経営層に近い立場でプロジェクト全体を分析し、どの案件に注力すべきか、どの案件を見直すべきかを可視化します。
具体的には、各プロジェクトのコスト、進捗、リスク、成果見込みを整理し、一覧化したうえで比較検討を行います。その結果をもとに、優先度の低い案件の縮小や停止、注力すべき重点領域の明確化など、経営判断に直結する提案をまとめる役割です。会社員PMOがプロジェクト単位で動くことが多いのに対し、フリーランスPMOは全社視点での調整役となる点が大きな違いです。
PMOがフリーランスになるメリット

PMOがフリーランスに転身する最大の魅力は、働き方やキャリアの選択肢が大きく広がる点です。ここでは、PMOがフリーランスになるメリットを解説します。
自由な働き方をしやすい
フリーランスPMOの大きな利点は、働き方を自分で設計できる点にあります。会社員の場合、勤務時間や勤務地、担当業務は組織側が決めるのが一般的ですが、フリーランスであれば参画する案件や稼働時間、働く場所を自分で選べます。
例えば、フルリモート案件を選べば通勤に時間を取られることもなく、家庭の事情に合わせた働き方も実現可能です。また、週5日稼働にこだわらず、稼働率を調整しながら仕事量をコントロールできる点も魅力です。
副業的に稼働日数を抑えたり、複数案件に分散させてリスクを下げたりと、状況に応じた調整ができます。働く時間や量を最適化できるため、ワークライフバランスを重視したい人にとっても現実的な選択肢となるでしょう。
会社員より高年収になる可能性
フリーランスPMOは、会社員よりも高い年収を目指しやすい職種です。会社員の場合、給与は評価制度や役職、年功序列などの影響を受けやすく、実力に対して収入が伸びないケースも少なくありません。
一方で、フリーランスは市場評価がそのまま報酬に反映されるため、スキルや実績によっては会社員時代以上の収入を得ることが可能です。PMO案件は、プロジェクトの成否を左右する重要ポジションであるため、単価は比較的高めに設定される傾向があります。
月額単価で見ると、経験やスキル次第で80万円以上の案件も珍しくなく、年間ベースでは1,000万円超えも現実的です。
専門性を高めやすい
フリーランスPMOは自分で案件を選べるため、専門性を高めやすい環境にあります。会社員PMOの場合、異動や配置転換によって意図しない業務を任されることも少なくありません。
しかしフリーランスであれば、業界や技術領域、プロジェクト規模などを基準に案件を選択できるため、特定分野に集中して経験を積むことが可能です。例えば、ERP導入、金融系システム、DX推進、基幹システム刷新など、自分が強みとする分野を軸に案件を選べば、スキルはより尖っていきます。
専門領域が明確になることで、単価の高い案件への参画や、指名案件の獲得にもつながりやすくなります。幅広く浅くではなく、深く掘り下げるキャリア設計が可能になる点が、会社員PMOとの大きな違いです。
様々な企業の案件で経験が増える
フリーランスPMOは、短期間で多くの企業やプロジェクトを経験できる点もメリットです。会社員の場合、同じ企業文化の中で働き続けることになりますが、フリーランスは複数企業のプロジェクトに関与するため、業界ごとの特徴やマネジメント手法の違いを体感できます。
このような多様な経験は、視野を広げるだけでなく、問題解決力や調整力の向上にもつながります。ある業界で得たノウハウを別業界に応用できるケースも多く、実務経験が知的資産として蓄積されていくでしょう。
経験値が増えるほど、自身の市場価値も高まり、より条件の良い案件へのステップアップが可能になります。結果として、キャリア形成のスピードが加速する点もフリーランスPMOならではの利点です。
ニーズがあるので案件を探しやすい
フリーランスPMOは、他の職種と比べても比較的案件を探しやすいポジションと言えます。近年はDX推進やIT投資の拡大により、プロジェクトの数自体が増加傾向にあります。その一方で、社内でPMO人材を十分に確保できない企業も多く、外部人材への依存度が高まっているのです。
企業側は、即戦力として活躍できるフリーランスPMOを求めており、一定以上の経験があれば複数の案件に同時に応募できる状況も珍しくありません。また、エージェントを活用すれば営業活動に時間を取られずに案件紹介を受けられるため、効率的に仕事を探すことが可能です。
需要が継続的に存在する点は、独立後の不安を軽減する重要な要素となります。
PMOがフリーランスになるデメリット・注意点

フリーランスPMOは自由度や収入面で魅力がある一方、会社員とは異なるリスクや負担も発生します。独立後はすべて自己責任となるため、スキル不足や準備不足のまま転身すると後悔につながりかねません。
ここでは、PMOがフリーランスになるデメリット・注意点を解説します。
高いスキルや専門性を求められる
フリーランスPMOは、経験の浅い状態では受注が難しく、即戦力としてのスキルや専門性が強く求められます。会社員の場合、業務を通じて育成を受けながら成長する環境が整っていますが、フリーランスでは最初から成果を出すことが前提です。
そのため、プロジェクト管理の基本だけでなく、リスク対応力や課題解決力、関係者との調整力まで含めた実務能力が必要になります。特に、プロジェクトの遅延やトラブル発生時には、指示待ちではなく、自ら解決策を提示する姿勢が求められます。
上司や組織に頼れない環境では、自身の経験と判断だけが拠り所です。求められるレベルが高い一方で、スキルに見合った報酬が用意されているのも事実です。
会社員のような安定がなくなる
フリーランスになると、会社員時代のような収入や雇用の安定はなくなります。毎月決まった給料が振り込まれる環境ではなくなり、案件の有無が収入に直結します。
契約終了と同時に収入が途絶える可能性もあり、継続的に案件を確保するための動きが欠かせません。また、社会保険や有給休暇といった福利厚生もありません。
病気やケガで働けなくなった場合、そのまま収入が途切れることになります。
長期的な契約がない状態では、金融機関から不安定と判断されるケースも少なくありません。そのため、独立前に生活防衛資金の確保や保険加入など、リスク対策を講じておくことが重要になります。
事務作業などのタスクが増える
フリーランスPMOになると、業務内容はプロジェクト管理だけにとどまりません。営業活動や単価交渉、契約書の確認、請求処理、税務申告など、会社員時代には対応しなかった業務も自分で行う必要があります。
これらの作業は直接収入につながらないにも関わらず、一定の時間と労力を要します。特に確定申告や保険手続きなどの税務関連は、知識がない状態で進めるとミスにつながる可能性があるため注意が必要です。
経費管理や仕訳作業を怠ると、不要な税負担が発生することもあります。効率的に進めるには、会計ソフトの導入や税理士への依頼など、外部サービスの活用も検討すべきです。
本業であるPMO業務に集中するためにも、バックオフィス業務の仕組み化は重要課題となります。
フリーランス特有の孤立感
フリーランスPMOは、会社組織に属さない働き方となるため、孤立感を覚えやすい傾向があります。社内に相談相手がいない環境では、判断に迷う場面ですべて自分で考える必要があるのです。
特にトラブル発生時や人間関係の問題が生じた際、頼れる上司や同僚がいない状況は精神的な負担につながります。また、会社員のような定期面談や評価制度がないため、自分の成長を客観的に把握しにくくなります。
学ぶ姿勢を持ち続けないと、スキルの停滞にもつながりかねません。そのため、勉強会への参加やコミュニティへの所属など、外部とのつながりを意識的に持つことが重要になります。
PMOの独立で求められるスキル・資格

フリーランスPMOとして独立するためには、単なる進行管理スキルだけでは不十分です。資格は必須条件ではありませんが、スキルの裏付けとして有効に働く場面もあります。
ここでは、PMOの独立で求められるスキル・資格を紹介します。
マネジメントスキル
フリーランスPMOに求められるマネジメントスキルは、単なるスケジュール管理にとどまりません。プロジェクトの目的を理解し、進捗やコスト、品質を総合的にコントロールする能力が求められます。
特に重要となるのが、問題が表面化する前に兆候を察知し、先回りして手を打つ力です。また、リスクマネジメントも中核的な役割のひとつです。
想定されるリスクを洗い出し、影響範囲や発生確率を整理したうえで対策を準備する仕事が含まれます。トラブルが発生してから動くのではなく、事前に防ぐ仕組みを作ることがPMOの存在価値となります。
フリーランスの場合、失敗はそのまま評価に直結するため、計画力と危機管理能力の両方が欠かせません。
コミュニケーションスキル・交渉力
フリーランスPMOは、社内外の関係者と幅広く関わるため、コミュニケーション能力が実務の成否を左右します。開発メンバー、ベンダー、クライアント、経営層など、立場や利害の異なる人々と調整を行う役割を担います。
その中で、相手の意図を正確に把握し、自分の意見を的確に伝える力が必要です。加えて、案件獲得という営業活動の面でも、コミュニケーションスキル・交渉力は重要になります。
フリーランスは自ら条件交渉を行い、単価や稼働条件を調整する立場となります。自分のスキルを正しく伝え、価値を理解してもらうためには、論理的な説明力と説得力が不可欠です。
良好な関係構築ができれば、継続案件や紹介にもつながりやすく、安定した働き方の基盤となります。
課題解決スキル
PMOの本質的な役割のひとつが、問題を解決に導くことです。フリーランスPMOとして求められるのは、表面的な課題処理ではなく、根本原因を突き止める力です。
遅延や品質低下といった事象の背景には、多くの場合、体制、意思決定プロセス、情報共有の仕組みなどの構造的な問題が潜んでいます。課題解決には、情報整理力と論理的思考が不可欠です。
状況を分解し、優先順位を見極めたうえで、実行可能な改善策を提示することが求められます。また、提案した対策を実行に移し、結果を検証するところまで責任を持つ姿勢も重要です。
現場任せではなく、解決まで伴走する姿勢が信頼につながります。
データ分析スキル
フリーランスPMOには、感覚的な判断ではなく、データに基づいた提案能力が求められます。進捗状況、工数、コスト、品質指標などを数値で把握し、客観的に状況を判断することが重要です。
データがあれば、課題の可視化や説明が容易になり、関係者の納得感も高まります。例えば、遅延リスクを示す際にも、実績工数と見積工数の乖離や進捗率などを数値で提示すれば、問題の深刻度が伝わりやすくなるでしょう。
データ分析スキルは、報告書作成や経営層への説明の場面でも活きてきます。ExcelやBIツールなどを活用し、数字を使って語れるPMOは、市場価値が高い存在と言えます。
IT技術やPMOに関する資格
フリーランスPMOとして活動するうえで、資格は必須条件ではありませんが、スキルを客観的に証明する手段として有効です。特に、クライアントが初めて接するフリーランスに対しては、資格が信頼材料になることがあります。
代表的な資格としては、PMPやプロジェクトマネージャ試験などが挙げられます。また、IT知識を補強するために、ITパスポートや基本情報技術者試験などを取得しておくと、用語理解や技術者との会話がスムーズです。
資格取得の過程で体系的な知識を身につけることで、実務にも良い影響を与えるでしょう。資格はあくまで補助的な存在ですが、スキルの裏付けとしての価値は高いと言えます。
PMOが独立した場合の年収相場

フリーランスHubが集計したPMOのフリーランス案件における月額単価の相場は100万円以上が最も多く、次いで70万円~80万と月額単価が非常に高いのが分かります。

仮に毎月100万円で1年間フル稼働した場合、年収は約1,200万円です。
もう少し低い月80万円の案件で年間フル稼働する場合でも、年収は約960万円となり、多くの会社員より高い水準です。一方で、案件内容や参画形態、個々のスキルや稼働率などによって単価は大きく変動します。
スキルと実績を備えたフリーランスPMOなら年収1,000〜1,500万円前後を目指せるポテンシャルがあり、条件次第ではそれ以上の収入も十分現実的、というのが現状の年収相場感です。
PMOのフリーランス案件例

フリーランスPMOの案件は、業界や目的によって内容や求められるスキルが大きく異なります。ここでは、レバテックフリーランスに掲載されていた実案件をもとに、仕事内容や特徴、求められるスキルの傾向を解説します。
案件例①不動産業界向けシステム開発のPMO
| 単価 | 〜1,000,000円/月 |
|---|---|
| 職種・ポジション | PMO |
| 職務内容 | ・BPRの一環で既存作業フローの洗い出しや改善提案 ・システム全体の図面の作成 |
| 求めるスキル | ・作業改善とBPRプロジェクトの経験 |
上記PMO案件では、プロジェクト全体の進捗管理や課題管理、関係部署との調整が主な業務になります。不動産業界特有の業務フローや契約管理、顧客情報の取り扱いなどを理解したうえで、要件定義からテストフェーズまでを横断的に支援する役割が期待されます。
システム部門だけでなく、営業部門や管理部門との連携も多く、コミュニケーション能力が求められる点も特徴です。
案件例②ERP導入企画検討のPMO
| 単価 | 〜800,000円/月 |
|---|---|
| 職種・ポジション | PMO |
| 職務内容 | ・ERP導入企画検討案件 |
| 求めるスキル | ・PMO作業の経験 ・各種報告資料の作成経験 |
※記事執筆時点の情報のため現在は募集終了している可能性があります
ERP導入プロジェクトのPMO案件は、業務改革とシステム導入を同時に推進する高難度な業務が中心です。業務要件の整理、ベンダーコントロール、進捗管理、リスク管理など、幅広いマネジメントスキルが必要とされます。
上記の案件では、導入前の企画検討フェーズから参画するため、単なる進行管理ではなく、業務設計の視点や経営層との折衝力も重視されます。ERPの知識に加え、会計や販売管理などの業務知識があるPMOほど評価されやすい案件です。
案件例③SIer向けSalesforce導入のPMO
| 単価 | 〜1,550,000円/月 |
|---|---|
| 職種・ポジション | ERPコンサルタント(SAPコンサル)・PMO |
| 職務内容 | ・一次要件確認と分析 ・要件定義書と基本設計書の作成 |
| 求めるスキル | ・開発における要件定義と設計経験 (3年以上) ・Apex利用の要件定義と設計経験 |
※記事執筆時点の情報のため現在は募集終了している可能性があります
SIer企業によるSalesforce導入プロジェクトのPMO案件では、要件定義や設計フェーズの調整に加え、複数のベンダーや開発チームを取りまとめる役割を担うことが多く、調整力が重視されます。
PMOとしては仕様管理や課題管理、進捗報告などの基本業務を確実に担えることが評価ポイントです。
PMOが独立するまでのステップ

PMOとしてフリーランスになるには、勢いだけで独立するのではなく、段階的な準備が重要です。ここでは、未経験者や会社員がPMOとして独立するまでの一般的な流れを解説します。
1.未経験者は実務経験を積む
PMO業務は高度なマネジメント力が求められるため、実務未経験のままフリーランスとして独立するのは現実的ではありません。企業側は即戦力を求めて外部PMOを活用するため、育成前提で採用されるケースはほぼありません。
そのため、まずは会社員としてPMO業務を経験し、現場での実績を積み上げることが重要です。独立を見据えるなら、将来的にアピールできる実績を意識的に積み上げていくことが重要です。
2.フリーランスエージェントに相談
実務経験を積んだ後は、フリーランスエージェントに相談することが有効です。エージェントにはPMO案件が集まっており、今のスキルでどのレベルの案件が狙えるのか、市場価値を客観的に把握できます。
エージェントとの面談を通じて、独立時期やキャリア設計の相談ができる点もメリットです。法人化すべきか、個人事業主で始めるべきかといった相談にも応じてくれるため、独立までのロードマップを描きやすくなります。
3.副業としてPMO案件を受注
いきなり独立せず、副業としてPMO案件を受注することも現実的な選択肢です。近年は、週1〜2日稼働や月数十時間といった低稼働案件も増えており、本業と並行して経験を積むことが可能です。
エージェントを活用すれば、副業可の案件を紹介してもらえることもあります。副業としての経験を積むことで、フリーランスの働き方を事前に体験できます。
案件の進め方や報酬体系、契約形態を理解することで、独立後のギャップを減らせるでしょう。
4.個人事業主として独立
準備が整った段階で、個人事業主として独立します。税務署に開業届を提出すれば、形式上はすぐにフリーランスとして活動可能です。
独立直後は不安もありますが、エージェントを活用すれば案件探しの負担を軽減できます。
確定申告や会計処理についても、会計ソフトや税理士を活用することで業務効率が向上するため安心してください。継続的に案件を確保し、スキルを磨き続けることで、フリーランスPMOとして安定したキャリアを築けます。
PMOが独立して案件獲得する方法

フリーランスPMOとして独立するうえで最大の課題となるのが、安定的な案件獲得です。ここでは、PMOが独立して案件獲得する方法を解説します。
フリーランス向けエージェントを活用
案件獲得の方法として、最も効率的なのがフリーランス向けエージェントの活用です。PMO案件を専門的に扱うエージェントでは、企業のニーズに合わせた案件紹介が行われており、自分で営業する必要がありません。
登録後の面談を通してスキルや希望条件を伝えるだけで、条件に合う案件を提案してもらえます。エージェントを利用するメリットは、案件の質と量の両面にあります。
非公開案件を多く保有しているケースもあり、個人では見つけにくい高単価案件に出会える可能性も高まるでしょう。
ビジネス系SNSやクラウドソーシングを利用
ビジネス系SNSを活用して案件を探す方法もあります。WantedlyやLinkedInは企業の採用情報や業界関係者とのつながりを作れる場として活用されており、プロフィールを整えることで声がかかる可能性もあります。
ただし、これらのサービスはフリーランス案件に特化したものではなく、正社員採用や別職種の募集も多く含まれるため、効率的にPMO案件を探すには工夫が必要です。また、クラウドソーシングを利用する方法もありますが、PMO案件は比較的少なく、あったとしても低単価な小規模案件が中心となる傾向があります。
人脈を活かして直接受注する
前職や副業で築いた人脈を活かし、直接案件を受注する方法も有効です。信頼関係がすでに構築されている場合、営業活動をしなくても案件につながる可能性があります。
ある程度の実績や評価がないと声はかかりにくく、実力次第では案件が継続しないこともあります。独立直後にこの方法だけに頼るのはリスクが高いため、エージェント利用と併用しながら徐々に直案件を増やしていく形が現実的です。
PMOのフリーランス案件探しにおすすめのエージェント

PMOとしてフリーランス案件を安定的に獲得するには、エージェント選びが重要です。ここでは、PMO向け案件に強みをもつ代表的なエージェントを紹介します。
ハイパフォコンサル

- 平均報酬135万円/月※1
- 会員登録者数52,000名※2
- 支払いサイトは月末締め翌月15日払いの業界最速水準※3
ハイパフォコンサルは、フリーランスコンサルタントのための案件紹介サイトです。紹介案件は、IT業界をはじめとして、金融や医療、不動産・建設まで多岐にわたり、職種もPM・PMOや戦略、マーケティングなど豊富に揃っています。
また、直請けの高待遇案件を数多く保有しているのも特徴です。PMOやITコンサルティングなどの上流工程にあたる上流工程にあたる案件も紹介してもらえ、案件が豊富かつ担当者のフットワークが軽い点も評価されています。
さらに、支払いも月末締め翌月15日の短いサイトとなっているため、フリーランスになったばかりで収入が安定しない人にとっても嬉しいポイントと言えるでしょう。
また、条件交渉や契約締結のサポートも受けられるため、営業経験がない人でも安心です。一定以上の実務経験が求められる傾向があり、未経験者や実績の少ない人には案件紹介が難しい場合もありますが、経歴を積んだPMOにとって、年収アップやキャリアアップの両立を狙えるサービスと言えます。
| ハイパフォコンサルの基本情報 | |
|---|---|
| 運営会社 | INTLOOP株式会社 |
| 公式サイト | https://www.high-performer.jp/consultant/ |
| 公開案件数 | 275件(2025年12月4日現在) |
| 主な取扱職種 | PMO、コンサルタント、マーケターなど |
参照元
※1※2※3ハイパフォコンサル
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デジタル人材バンク

- 高単価な案件が大半
- DX・デジタル化をテーマとした案件が豊富
- コンサル出身者がサポート
デジタル人材バンクは、ITコンサルタントやDX人材向けのマッチングに強みをもつエージェントです。PMO案件においても、システム導入や業務改革、デジタル施策推進などのプロジェクトに関わる案件を多く取り扱っています。
大手コンサルティングファームやSIer出身のITコンサルタント、メガベンチャーやGAFAM出身のPMを経験したフリーランスのために、業務委託の案件を紹介するプラットフォームです。約7割が上場企業の案件※1で、戦略コンサル/ITコンサルが活躍できる案件が大半です。
さらに、平均人月単価は201万円※2と高く、経験があれば独立後すぐに高収入を狙うことも可能です。DX戦略や構想策定、IT案件のPMOといった内容が中心なので、フリーランスPMOとして独立したい人には嬉しいサービスと言えるでしょう。
コンサル出身者がじっくりヒアリングし、最適な案件を紹介してくれます。それだけでなく、独立やキャリア相談から起業・お金について気軽に相談できるのも利点です。
| デジタル人材バンクの基本情報 | |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社クラウド人材バンク |
| 公式サイト | https://consultant.digital.hr-bank.co.jp/ |
| 公開案件数 | 38件(2025年12月4日現在) |
| 主な取扱職種 | 戦略/ITコンサルタント、PMOなど |
参照元
※1※2デジタル人材バンク
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ProConnect(プロコネクト)
- フリーランスコンサルタントのための案件紹介サービス
- 高単価・リモート案件多数
- 運営元がファームなので高単価プライム案件を多数保有
ProConnect(プロコネクト)は、フリーランスコンサルと企業のダイレクトマッチングプラットフォームです。上流工程に関わる案件が多く、要件定義フェーズから参画するポジションや、経営課題に直結するプロジェクトのPMO案件が中心です。
戦略・業務・IT領域で毎月500件以上の新規案件※1を取り扱い、案件は面談後即日紹介してくれます。支払いサイトは9営業日で支払う※2仕組みで、独立後すぐで資金に余裕がないフリーランスでも安心して働ける環境を提供しています。
平均単価170万円※3と高く、経験さえあれば独立後すぐに年収1,000万円以上も夢ではありません。ハイクラス転職を望んでいる人にとっては、嬉しいサービスと言えるでしょう。
基本的にリモート+出社の案件が多いですが、全体の2割ほどフルリモートの案件※4も取り扱っています。
| ProConnect(プロコネクト)の基本情報 | |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社WorkX |
| 公式サイト | https://pro-connect.jp/ |
| 公開案件数 | 310件(2025年12月4日現在) |
| 主な取扱職種 | 戦略コンサル、業務改善コンサル ITコンサル、SAPコンサル、PMOなど |
参照元
※1※2※3※4ProConnect(プロコネクト)
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PMOが独立して高年収を目指すには

フリーランスPMOとして高年収を実現するためには、単に案件をこなすだけでは不十分です。ここでは、PMOが独立して高年収を目指すための実践ポイントを解説します。
クライアントの評価を上げる
フリーランスPMOとして収入を伸ばすために最も重要なのが、クライアントからの評価を高めることです。評価が高まれば、継続契約につながりやすくなり、新たな案件獲得のための営業を行う必要が減ります。
成果を出すためには、指示された業務をこなすだけでなく、現場の課題に一歩踏み込んだ提案を心がけることが重要です。
プロジェクトの進行に支障が出る前に問題を察知し、対策を提示できるPMOは高く評価されます。さらに、報告や共有の質も評価に大きく影響します。
PMに近い視点・スキルをもつ
高年収を目指すフリーランスPMOには、PMに近い視点とスキルが求められます。単なる進捗管理にとどまらず、プロジェクト全体を俯瞰し、成果創出に責任をもつ姿勢が重要になります。
経営層や責任者の意図を理解し、現場に落とし込む役割を担えるPMOは、企業から高い評価を受けやすいです。あわせて、意思決定の背景を理解し、改善提案までできるようになれば、単なる管理役ではなく、事業推進のパートナーとして認識されるようになります。
案件獲得の入口を増やす
収入を安定させ、さらに伸ばしていくためには、案件獲得の入口をひとつに絞らないことが重要です。エージェントだけに頼るのではなく、人脈、SNS発信、紹介など複数のルートをもつことで、案件が途切れるリスクを低減できます。
情報発信はすぐに成果が出るものではありませんが、長期的に見れば信用の積み重ねにつながります。複数の入口を確保することで、単価交渉の際にも主導権をもちやすくなり、条件の良い案件を選べる立場に近づきます。
PMOの独立に関するQ&A

フリーランスPMOに興味をもっても、具体的なキャリア像が見えず不安に感じる人は少なくありません。ここでは、PMOの独立に関するよくある質問に回答していきます。
フリーランスPMOを目指しやすい職種はある?
フリーランスPMOを目指しやすい職種はいくつかあります。代表的なのは、システムエンジニアやITコンサルタント、プロジェクトマネージャなど、プロジェクト推進に直接関わってきた職種です。
これらの職種は、スケジュール管理や要件調整、関係者との折衝といったPMO業務と親和性が高く、独立後もスキルを活かしやすい特徴があります。また、業務企画や事業企画、管理部門でプロジェクト管理に関与してきた人も有利です。
ITに限らず、複数部門を横断する調整経験や社内推進業務の経験があれば、PMOとして通用するケースもあります。ただし、独立にあたっては肩書きよりも実務経験が評価されます。
PMOの独立後のキャリアは?
フリーランスPMOのキャリアは、会社員時代よりも選択肢が広がります。PMOとして専門性を深める道もあれば、プロジェクトマネージャとしてステップアップする道もあります。
また、業務改善コンサルタントやITコンサルタントといった、より上流工程に関与するポジションへ移行する人も少なくありません。経験を積めば、企業の課題解決を支援する立場として、経営層と直接やり取りする機会も増えていきます。
さらに、フリーランスとしての実績をもとに、法人化してコンサルティング会社を設立する人もいます。PMOという枠にとらわれず、キャリアの幅を広げられる点が、独立後の大きな魅力です。
PMOの独立まとめ

フリーランスPMOとして独立する働き方は、収入や裁量の面で大きな魅力がある一方、案件獲得や収入管理を自分で行う必要があります。そのため、独立を検討する際は、メリットだけでなくリスクも理解したうえで判断することが重要です。
まずは現在のスキルや経験を棚卸しし、市場価値を把握するところから始めることが現実的な第一歩となります。自分に合ったエージェントに登録し、PMOとしての次のキャリアを具体化していきましょう。





