ベンチャーキャピタルは転職市場において人気が高まっています。
しかし、興味はあるものの「激務」「きつい」という話を聞いて不安を感じたことのある人もいるのではないでしょうか。
この記事では、ベンチャーキャピタルがきついと言われる理由やその実情、ベンチャーキャピタルで働くメリットや転職情報について紹介します。
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ベンチャーキャピタルとは
ベンチャーキャピタル(VC)とは、投資家から資金を集めてベンチャー企業やスタートアップ企業に投資を行う会社のことを指します。VCは通常、未上場の企業に対して資本を提供し、成長支援や経営アドバイスを行いながら企業価値の向上を図ります。
そして、投資先企業がIPO(新規株式公開)やM&A(企業買収)などで事業価値が高まったタイミングで株式を売却し、その売却益(キャピタルゲイン)によってリターンを得る仕組みです。高リスク・高リターンな投資である一方、社会的インパクトの大きなビジネスモデルとして注目を集めています。
ベンチャーキャピタルの仕事内容
ここでは、ベンチャーキャピタル(VC)の主な業務を以下の4つに分けて解説します。
投資先を探す(ソーシング)
ベンチャーキャピタル(VC)の仕事は、有望なスタートアップを見つけ出す「ソーシング」から始まります。具体的には、起業家とのネットワーク、業界イベントやピッチコンテストへの参加、既存の投資先やスタートアップ支援機関からの紹介などを通じて、成長の可能性が高い企業との接点を築いていきます。
ソーシングでは、技術や市場の将来性を見る目だけでなく、起業家との信頼関係を構築する力も重要です。VC同士の競争も激しく、良い案件をいち早く発掘し、関係を築けるかどうかが投資の成果に直結します。
日々の情報収集力やアンテナの広さ、そして「この起業家とともに成長できるか」という直感も問われる、VC業務の中でも最も泥臭く、かつ重要な業務の一つです。
投資を実行する
ソーシングによって見つけたスタートアップに対しては、詳細な審査と検討を経て投資を実行します。VCはまず、事業モデルや市場規模、競合状況、起業家のビジョンと実行力などを多角的に評価し、投資判断を下します。
これには財務分析やデューデリジェンス(企業調査)、将来の資金調達計画の検討などが含まれ、金融的な知見とビジネスセンスが必要です。また、出資比率や株主間契約といった投資条件の交渉も行われ、法務・税務面の理解も求められます。最終的に投資委員会の承認を得て契約締結となり、資金をスタートアップに提供します。
投資実行はVCにとってリスクを伴う意思決定であり、定量と定性のバランスをとった慎重な判断が求められる重要な業務です。
経営支援を行う
投資後、ベンチャーキャピタルは単なる資金提供者ではなく、スタートアップの「伴走者」として経営支援に深く関わります。具体的には、経営課題に対する助言、資金調達や事業提携の支援、経営幹部の紹介、人材採用の支援、上場準備のサポートなど多岐にわたる業務を行います。
特に成長フェーズでは、外部の専門家や大企業とのネットワークを活用してスケールアップを促進する役割が重要です。支援のスタンスはVCごとに異なりますが、過干渉にならず、起業家の意思を尊重しながら支えるバランス感覚が求められます。
また、事業の進捗管理や次回ラウンドに向けた戦略立案もVCの支援領域です。経営支援はスタートアップの成功とVCのリターンに直結するため、最もやりがいがある一方で責任も重い業務といえます。
株式を売却する(イグジット)
ベンチャーキャピタルの最終的な目的は、投資先企業の株式を売却(イグジット)して利益を得ることです。イグジットは、VCにとって成果を可視化する瞬間であり、ファンド全体の成績にも直結します。
代表的なイグジット手段は、IPO(株式公開)とM&A(企業買収)の2つです。IPOでは株式市場に上場することで、保有株式を市場で売却可能になります。一方、M&Aでは他企業による買収に伴い、保有株が現金化されます。
どちらの場合も、投資回収だけでなく、起業家や従業員の成功にもつながる重要な節目です。ただし、出口戦略の実現には長期的な視点と事前の計画が不可欠で、資本政策や経営体制の整備、法的手続きなど、多くのハードルを乗り越える必要があります。
イグジットはVC業務の集大成であり、ここで得たリターンを次の投資につなげていく循環がVCビジネスの核を成しています。
ベンチャーキャピタルがきつい・激務・やめとけと言われる理由
ベンチャーキャピタルは「激務できつい」というイメージを持つ人が少なくないのはなぜなのでしょうか?ここでは、ベンチャーキャピタルはきつい、やめとけと言われる理由をご紹介します。
成果主義
ベンチャーキャピタルは成果主義の評価体制であることが多く、評価が給与に反映されます。
投資に見合った成果を求められるため、成果をあげるために投資先企業へきめ細かなサポートを行うこととなり、どうしても多忙になります。しかも、スタートアップの成長は不確実性が高く、どれだけ尽力しても結果につながらないことも珍しくありません。
定量的な目標だけでなく、「目利き力」や「支援の質」など定性的な評価も重なるため、常に結果を求められる厳しさがあります。このように、ハイリスク・ハイリターンの成果主義が、VCが「きつい」と言われる一因となっています。
プレッシャーが大きい
ベンチャーキャピタルでは、企業に投資を開始してから成果が出るまでに時間がかかります。
また、絶対に投資した分を回収できるという保証はありません。経済情勢により投資先に予想していなかった悪影響が出てしまうこともありますが、どんな状況でも成果にコミットし続けることを求められます。
投資先企業から相談を持ち掛けられることも多いため、精神的なプレッシャーが多い仕事だといえます。
ワークライフバランスを取りづらい
ベンチャーキャピタルは投資先企業の経営者とのコンタクトが重要です。常に忙しい経営者のスケジュールに合わせることになるため、平日の夜間もしくは土日に仕事が入ることも多くなり、自ずと残業時間・拘束時間が長くなります。
また、ベンチャーキャピタルは情報収集が欠かせない仕事でもあります。新しい投資先を見つけることはもちろん、業界の動向や最新情報を得るためには人脈作りが重要です。人脈作りに休日やプライベートの時間を遣うことになるため、どうしてもワークライフバランスは取りづらくなります。
1人で複数案件を同時に進める
ベンチャーキャピタルは投資の成果が出るまでに時間がかかるため、継続的に成果を出すには複数の案件を同時に進めておく必要があります。
業界や状況が異なる投資先企業に対してそれぞれに合ったサポートを行うためには、データ収集や分析などが欠かせません。どうしても業務量が多くなるため、多忙になりがちです。
ベンチャーキャピタルの平均年収は低い?
ベンチャーキャピタル(VC)の年収については、公的な統計が少なく、はっきりとした平均年収データは存在しません。ただし、求人情報からおおよその水準を推測することは可能です。
たとえばヤマトヒューマンキャピタルの公開求人によると、記事執筆時点でVC関連の求人は40件あり、提示されている年収の下限平均は630万円、上限平均は990万円となっています。※1 この金額は、国税庁が公表した令和5年の給与所得者の平均年収(460万円)※2と比較しても、かなり高水準であることがわかります。
VC業界は少数精鋭で専門性が高く、成果に応じた報酬体系が整っていることから、特に中堅以上では1,000万円超の年収を得ることも珍しくありません。実態は高年収の傾向にある職種といえるでしょう。
参照元
※1 ヤマトヒューマンキャピタル「【07/25更新】ベンチャーキャピタルの求人・転職情報を探す」(2025年7月25日時点)
※2 国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」(2025年7月25日時点)
大手ベンチャーキャピタルの年収ランキング
ベンチャーキャピタル業界の年収は非公開情報が多く、全体像を把握しにくいのが実情です。しかし、有価証券報告書やOpenWorkなどの公開情報をもとにVC約80社の平均年収を調査したところ、参考となるデータが得られた大手企業が3社確認できました。以下はそのランキングです。
- ジャフコ グループ株式会社:12,661,807円※1
- 日本アジア投資株式会社:8,045,961円※1
- SBIインベストメント株式会社:6,750,000円※2
ジャフコは国内最大級の独立系VCであり、平均年収も突出して高い水準にあります。日本アジア投資、SBIインベストメントも大手ベンチャーキャピタルとして一定の報酬水準を維持しており、VC業界が高年収傾向にあることがデータからも見て取れます。
参照元
※1 EDINET「書類簡易検索(有価証券報告書)」(2025年7月25日時点)
※1 OpenWork「SBIインベストメントの「年収・給与制度」 」(2025年7月25日時点)
ベンチャーキャピタルで働くメリット
本項目では、ベンチャーキャピタルで働くメリットをご紹介します。
成果次第で高収入が目指せる
ベンチャーキャピタルでは、投資成果やファンド運用成績によって報酬が大きく変動します。基本給だけでも比較的高水準な傾向がありますが、役職が上がったり、成功案件のキャリー(成果報酬)が加わったりすることで、数千万円〜億単位の報酬を得ることも可能です。
特に独立系VCや外資系VCではインセンティブ設計が明確で、成果が正当に評価される環境にあります。ハードワークな職種ではあるものの、そのぶん報酬面でのリターンが期待できる点は大きな魅力です。
努力や実績が年収に反映されやすく、実力主義の環境を求める人にとってはやりがいのある職業といえるでしょう。
投資先の成長に関われる
VCは資金提供だけでなく、経営支援や戦略アドバイスを通じてスタートアップの成長に深く関与します。起業家のビジョンを実現するパートナーとして伴走する立場にあり、企業が資金調達を成功させたり、新サービスを展開する瞬間に立ち会えるのは大きなやりがいです。
また、自らの助言や支援が事業成長に貢献した実感を得られるのも、他の金融業務とは異なる魅力です。特に創業初期のフェーズでは、VCの存在が企業の命運を左右することもあり、責任感と達成感の両方を味わえるポジションです。
数字だけでなく「人」や「未来」に投資できる仕事である点も、VCの醍醐味だといえるでしょう。
様々な業界・人と関わることができる
ベンチャーキャピタルでは、IT・バイオ・環境・教育・ヘルスケアなど、多様な業界のスタートアップに関わることができます。新しい技術や市場に触れる機会が豊富で、知的好奇心を刺激される場面が多いのもこの仕事の特徴です。
また、起業家だけでなく、大企業の経営者、専門家、他の投資家、官公庁関係者など、非常に幅広い人脈を構築できるのもメリットの一つです。これらの経験やネットワークは、VC内でのキャリア形成はもちろん、将来的な独立や事業参画にも活きてきます。
日々新しいテーマと向き合い、多様な人と刺激的な仕事ができる点に魅力を感じる人に向いています。
ベンチャーキャピタルに向いている人の特徴
本項目では、ベンチャーキャピタルに向いている人の特徴をご紹介します。
ベンチャー企業や業界に興味がある人
VCの仕事はスタートアップを支援し、その成長に伴走することが中心です。したがって、ベンチャー企業に対する関心やリスペクトがある人は、この仕事に向いています。
特に、未知のビジネスモデルや技術、マーケットに対して好奇心を持ち、柔軟に学び続けられる姿勢が求められます。スタートアップの多くは変化が激しく、完璧なデータや実績が揃っているわけではないため、仮説思考や将来を見る目も重要です。
ベンチャー業界をただの投資対象と見るのではなく、「一緒に成長したい」「社会に新しい価値を生み出したい」と思える人こそ、VCの本質的な魅力を感じられるでしょう。
投資に関する知識がある人
VCはファンドマネジメントや企業評価、資本政策など、金融・投資に関する知識を活かす場面が多くあります。特に投資実行時や株主間契約の交渉などでは、財務・法務の理解があると有利に働きます。ファイナンスの実務経験がなくても、投資思考を持ち、数字に強い人であれば十分に活躍可能です。
スタートアップへの投資は定量・定性のバランスが求められ、リスクを適切にとりつつ事業の将来性を見極める判断力が重要です。証券アナリストや投資銀行出身者はもちろん、起業経験や経営の当事者意識を持つ人も、その知見を活かして投資家として価値を発揮できます。
マネジメント経験がある人
スタートアップは経営体制が未成熟なケースも多く、VCの支援によって成長スピードが左右されることも少なくありません。そのため、企業経営や組織運営に携わった経験がある人は、VCとしても強みを発揮しやすい傾向があります。
採用、組織づくり、財務管理、事業計画など、経営者目線のアドバイスができることで、投資先からの信頼を得やすいでしょう。また、ファンド内部でのチーム運営や後輩の育成にも活きるスキルであり、将来的なパートナー候補としても評価されやすい資質といえます。投資家でありながら、実務のリアリティを理解しているという点が大きな武器になるでしょう。
ネットワーク構築力がある人
VCの仕事では「人と人をつなぐ力」が非常に重要です。起業家との関係構築はもちろん、専門家、大企業、他VC、支援機関など、多様なプレイヤーと信頼関係を築き、投資先の成長を促すためのネットワークを広げていく力が求められます。紹介経由で案件が集まることも多く、常にアンテナを張り、人脈を活かす姿勢が成果に直結します。
また、LP(出資者)との折衝やファンドレイズでも対人スキルは重要です。社交性や調整力に長けた人、人付き合いが好きな人は、VCというフィールドで強みを発揮しやすいでしょう。
ベンチャーキャピタルが向いていない人の特徴
続いて、ベンチャーキャピタルが向いていない人の特徴をご紹介します。
すぐに結果を求める人
VCの仕事は、投資の成果が出るまでに時間がかかることが多く、数年単位での視点が求められます。スタートアップへの出資がすぐにリターンに結びつくわけではなく、粘り強く支援を続ける必要があります。
そのため、短期的な成果や目に見える実績ばかりを求める人には不向きです。地道なリサーチや関係構築、案件育成など、裏方的な業務も多く、すぐに数字で評価されるわけではありません。長期的な視野で成果を積み上げていける人でないと、フラストレーションを感じやすい職種といえます。
ワークライフバランスを重視する人
ベンチャーキャピタルの仕事は、スタートアップとの密なコミュニケーションが求められるため、決まった勤務時間内で完結するとは限りません。投資先の急な相談やトラブル対応、週末のイベント参加、海外投資家とのやり取りなど、柔軟な働き方が求められる場面も少なくありません。
そのため、仕事とプライベートをきっちり分けたい人や、定時で帰りたいと考える人には負担が大きく感じられることもあります。やりがいと引き換えに時間的拘束が発生しやすい点を理解しておく必要があります。
受け身な人
VCの業務は自ら動いて情報を取りに行き、案件を創出する「攻めの姿勢」が基本です。待っていれば投資先が見つかるわけではなく、自らのネットワークや仮説に基づいて起業家を発掘し、支援の可能性を見極めていく必要があります。
指示待ちやルーチンを好む人、変化を避けたい人には厳しい職場環境になりやすいでしょう。また、投資後の支援でも能動的な提案やリードが求められるため、自走力のある人材でなければ成果を上げにくい傾向があります。VCでは「自分で仕事をつくる力」が問われることを理解しておくことが重要です。
ベンチャーキャピタルの転職難易度・就職偏差値は高い?
ベンチャーキャピタルへの転職・就職は、憧れを持つ人も多い一方で、狭き門とされることも少なくありません。ここでは、VC業界の転職難易度について解説します。
新卒でベンチャーキャピタルを目指す場合
VCは新卒採用を積極的に行う業界ではありません。あったとしても採用枠は非常に限られており、特に大手や独立系VCでは外資金融・戦略コンサル志望者と競合するような高倍率が前提となります。
新卒でVCに入るには、インターンシップ経験や、スタートアップでの実務経験、起業経験などが評価対象になります。また、学歴だけでなく「起業家の視点を理解できるか」「成長性を見抜く目があるか」といった観点も重要です。自ら企画・提案できる地頭の良さや行動力、ビジネスへの強い関心が求められるため、準備なしでは非常に厳しい戦いになります。
VCに強い関心があるなら、まずは戦略コンサルや金融機関で経験を積み、将来的な転職を視野に入れるのも有力な選択肢です。
未経験でベンチャーキャピタルへの転職を目指す場合
未経験からVCに転職することは不可能ではありませんが、高いハードルがあることは理解しておく必要があります。VCが未経験者に求めるのは、ファンドの成長に貢献できるだけの専門性や経験です。具体的には、起業経験、スタートアップでの経営実務、M&Aやファイナンスの実績、業界に対する深い知見などが評価されます。
また、ベンチャー企業の課題を自分ごととして捉え、実行支援ができるかも重視されます。単なる「投資に興味がある」だけでは選考通過は難しく、「どの領域のスタートアップに価値提供できるか」を明確にすることが重要です。
未経験でVCを目指すなら、まずは関連業界で実績を積み、少しずつVC業務に近づくルートをとるのが現実的です。加えて、VCとの接点を意識的に持つことで、転職のチャンスをつかめる可能性が高まります。
ベンチャーキャピタルの将来性
ベンチャーキャピタルは将来性のある業界です。
近年、政府がスタートアップに対する支援施策を打ち出し進めていることから起業しやすい環境が整備され始めています。また、消費者ニーズの多様化によりDX(デジタルトランスフォーメーション)に注目が集まり、AIやIOT領域のスタートアップ企業も増えてきました。
その分、ベンチャーキャピタルによる資金調達が行われるチャンスが増えています。
ニーズの増加に伴い新規ベンチャーキャピタルの立ち上げも増加するため、成長していく業界だといえるでしょう。
ベンチャーキャピタルでクビになる可能性はある?
VCには、市場環境の変化によって人員削減が行われるケースも存在します。たとえば2023年には、米大手VCのセコイア・キャピタルがスタートアップ支援を担当するオペレーション部門の7人を解雇しました。背景には、投資先スタートアップの採用ニーズの減少や、VC業界全体の市場調整があります。
このように、VCは外部環境の影響を大きく受ける職種であり、業務再編や組織のスリム化によって解雇される可能性がゼロではありません。特にオペレーションやタレント支援など、直接的に収益を生まない部門では柔軟な人員調整が行われる傾向にあります。VC=安定とは限らず、常に変化と隣り合わせの業界であることを理解しておく必要があります。
ベンチャーキャピタルのキャリアパス
ベンチャーキャピタル(VC)は少数精鋭の専門職であるため、一般的な企業よりもキャリアパスが明確で、階層ごとに役割と求められる能力が大きく異なります。ここでは、VC業界での典型的なキャリアの流れをご紹介します。
初期キャリア:アソシエイト・アナリストからのスタート
ベンチャーキャピタル業界の入り口として一般的なのが、アナリストやアソシエイトといった若手ポジションです。アナリストは情報収集や市場調査、ソーシングのサポートが主な業務で、アソシエイトはより踏み込んだ投資検討や起業家との面談、資料作成などを担います。基本的には他業界での実務経験者やMBA卒が対象となり、金融・コンサル・スタートアップ出身者が多く見られます。
このフェーズでは、まだ最終的な投資判断に関わることは少ないものの、日々の業務を通じて「案件を見る目」や「起業家との関係構築力」を磨くことが重要です。また、社内での信頼を築くことで中堅層への昇格の道が開かれます。ハードワークながらも、VCとしての基礎を築く貴重なステージです。
中堅層:プリンシパル〜ヴァイス・プレジデント
アソシエイトとして成果を積むと、プリンシパルやヴァイス・プレジデント(VP)といった中堅層へキャリアアップします。この段階になると、投資案件の主導や投資実行における意思決定の補佐、起業家支援の責任者としての役割を担います。案件発掘からEXITまでを一貫して担当することもあり、VCとしての実力が本格的に問われるフェーズです。
また、若手メンバーの育成やファンド運営全体に関わる機会も増え、パートナー候補としての資質が評価されるようになります。成果が目に見える形で表れる一方、プレッシャーや期待も大きく、プロフェッショナルとしての成長が加速する時期です。ここで実績を残せれば、VC業界内での評価が一段と高まります。
キャリアのその先:パートナー、独立、事業会社への転身
中堅層として実績を積んだ後、VCにおける最終的なキャリアの一つが「パートナー」になることです。パートナーはファンドの方向性を決定し、最終的な投資判断やLP(出資者)とのリレーション構築、組織運営に携わります。責任は重いものの、裁量と報酬は極めて大きく、業界内での影響力も増します。
一方で、VC出身者には多様なキャリアの可能性も広がっています。たとえば、独立して自らVCファームを立ち上げる人や、スタートアップの経営陣として参画する人、大企業の新規事業部門で活躍する人などが挙げられます。VCで培った目利き力・支援力・ネットワークは、多くの分野で通用する強力な武器となり、次のキャリアへの展開も魅力的です。
ベンチャーキャピタルへの転職におすすめのエージェント
ベンチャーキャピタルへの転職におすすめのエージェントをご紹介します。
MS-Japan

引用元:MS-Japan
- 管理部門・士業特化で35年の転職支援実績
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MS-Japanは、経理・財務など管理部門や公認会計士・税理士など士業領域に特化した転職エージェントです。35年以上にわたり蓄積された支援ノウハウをもとに、ベンチャーキャピタルが求める専門性の高い人材にも対応可能なキャリアサポートを提供しています。
取引先には、上場企業や成長中のベンチャー、会計・税務の大手事務所などが名を連ね、管理部門のリーダーや財務・経営企画といった職種の求人も豊富です。過去には、ITや医療分野のIPO準備企業やコンサルグループ企業への転職成功例もあります。
キャリア相談から求人紹介、面接対策、年収交渉、入社まで一貫して支援が受けられ、転職者の約84%が年収アップを実現しています。会計や財務の専門性を活かしてVC業界へ転身を目指す方にとって、信頼できるパートナーとなるエージェントです。
MS-Japanの基本情報 | |
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運営会社 | 株式会社MS-Japan |
公式サイト | https://www.jmsc.co.jp/ |
公開求人数 | 10,714件(2025年8月5日現在) |
主な求人職種 | 公認会計士、税理士、弁護士、管理部門、コンサルタントなど |
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ヒュープロ

引用元:ヒュープロ
- 士業・管理部門に特化した業界最大級の求人数
- M&A・FASなどVC関連領域の求人も多数
- BIG4や上場企業との強いコネクションを保有
ヒュープロは、税理士・会計士・経理・M&A・FASといった士業・管理部門に特化した転職支援サービスで、ベンチャーキャピタルが求める財務・経営領域の専門人材にも対応可能なエージェントです。公開求人は全国で1万件以上、非公開求人も多数保有しており、スタートアップから上場企業、BIG4税理士法人まで幅広い企業との強いネットワークを築いています。
特にM&A支援やIPO支援、財務・CFO候補といったVC関連ポジションの求人を扱う税理士法人や会計事務所とのつながりが豊富で、会計・財務の経験を活かして投資先支援や経営企画などのキャリアを目指す方に最適です。また、登録から入社までを丁寧にサポートし、LINEなどを活用したスピーディな対応も強みの一つです。
VC領域で活躍したい公認会計士や経理財務経験者にとって、ヒュープロは求人の幅広さと専門性の高さを兼ね備えた心強いパートナーとなるでしょう。
ヒュープロの基本情報 | |
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運営会社 | 株式会社ヒュープロ |
公式サイト | https://hupro-job.com/ |
公開求人数 | 12,858件(2025年8月5日現在) |
主な求人職種 | 税理士、経理、公認会計士、コンサルタントなど |
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ヤマトヒューマンキャピタル

引用元:ヤマトヒューマンキャピタル
- 未経験からVC・PEファンドへの支援実績
- ベンチャーキャピタル含むハイクラス求人を多数保有
- 模擬面接・職務経歴書サポートなど徹底した選考対策
ヤマトヒューマンキャピタルは、未経験からのベンチャーキャピタル・PEファンド・M&Aアドバイザリーなどの難関職種への転職支援実績を多数持つ転職エージェントです。年間5,000人以上が登録・相談しており、特に成長業界であるVC・スタートアップ領域において高い実績を誇ります。
保有する求人数は6,000件以上。企業トップとの信頼関係を活かし、表に出ない特別なポジションや「今回だけ未経験OK」といった希少な求人も提案可能です。また、履歴書・職務経歴書の添削から模擬面接、面接官の性格分析に基づく個別対策まで、徹底したサポートで内定獲得をバックアップします。
多様なバックグラウンドを持つアドバイザーが、10〜20年単位のキャリア戦略を共に考えてくれるため、VC業界に挑戦したい方にとって、安心して相談できるエージェントです。
ヤマトヒューマンキャピタルの基本情報 | |
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運営会社 | ヤマトヒューマンキャピタル株式会社 |
公式サイト | https://yamatohc.co.jp/ |
公開求人数 | 2,903件(2025年8月5日現在) |
主な求人職種 | PEファンド・VC・コンサルタント ほか |
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ベンチャーキャピタルに関する疑問
ベンチャーキャピタルに関する疑問をご紹介します。
日本の最大手ベンチャーキャピタルは?
日本の最大手ベンチャーキャピタルは、ジャフコ グループ株式会社(JAFCO)です。
ジャフコは1973年設立の老舗ファンドで、長年にわたり日本のVC業界を牽引してきた存在です。独立系ベンチャーキャピタルとしては最大規模の運用資産を誇り、IPO実績も多数あります。東証プライム市場にも上場しており、業界内でも信頼性・実績ともに抜群です。
投資対象は幅広く、テクノロジー系スタートアップから製造業・医療・小売など多岐にわたります。日本国内だけでなく、アジア市場への展開も行っており、VC業界におけるブランド力・影響力は群を抜いています。
ベンチャーキャピタルへ転職するには高学歴が必要?
ベンチャーキャピタルへ転職するには必ずしも高学歴が必要なわけではありません。
高学歴だと一定有利にはなりますが、高学歴でなくても投資に関する知識や経験、金融系の資格、語学力など、実務に活かせそうな経験や知識があればアピールになります。
ベンチャーキャピタルはつまらない?
ベンチャーキャピタルはつまらないのか?という疑問については、VCの実態を誤解しているケースが多いといえるでしょう。VCの仕事は、起業家のビジョンに共感し、リスクを取って成長を後押しする極めてクリエイティブな業務です。
ただし、地道な情報収集や分析、社内調整や契約関連の事務作業など、地味な業務が多いのも事実です。成果がすぐに見えづらく、長期的な視点が求められるため、「派手な仕事」と思っていた人にとってはギャップを感じやすいかもしれません。
しかし、スタートアップの成功に貢献できる達成感や、社会に新たな価値を生む喜びは他の職種では得がたい魅力であり、「つまらない」と感じるかどうかは本人の志向次第だといえるでしょう。
ベンチャーキャピタルまとめ
ベンチャーキャピタルは「きつい」と言われる一方で、高い専門性とやりがいのある仕事です。複数案件を抱えて業務量が多く、休日も人脈構築に費やすなど激務になりやすい面がありますが、成果次第で高収入が得られるうえ、企業の成長支援や多様な出会いを通じて自分自身も成長できます。
ただし転職難易度は高いため、エージェントを活用するのも有効です。本記事が理解の一助となれば幸いです。
\金融業界におすすめの転職エージェント/ ※(2020年10月時点)サービス名 特徴 MS-Japan
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