転職市場でも人気の高い「M&A業界」。
「M&A業界ってよく聞くけど、実際どんな業界?」
「未経験でも転職できる?」
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
M&A業界は今後も成長が期待され、採用活動は盛んな業界です。一方で、転職希望者が多く、狭き門であることに違いはありません。
M&A業界への転職の際には、業界についてしっかりと理解し、業界特有のポイントを押さえる必要があります。
この記事では、M&A業界とはどのような業界なのか、また転職に際して必要なスキルや経験などについて詳しく解説しています。
また、未経験者でも転職が可能か、転職難易度、おすすめの転職エージェントについても紹介していますので、M&A業界への転職を考えている方はぜひチェックしてみてください。
>>M&A業界におすすめ転職エージェント!選び方や利用時の注意点も解説
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M&A業界とは?
M&A業界とは、一体何を指す言葉なのでしょうか。
具体的には、M&Aを支援したり、M&Aの仲介を生業とする業界と理解いただければ問題ありません。
しかしながら、その業態は幅広く存在し、いくつかのパターンに分けられます。
まずは、M&A業界の主なプレイヤーを解説し、業務内容や職種についても解説していきます。
M&A業界の主なプレイヤー
M&A業界の主なプレイヤーとして、以下のようなビジネスモデルに分けられます。
- M&A支援企業
- 金融系企業のM&A部門
- コンサルティング系企業のM&A部門
- 一般的な事業会社におけるM&A部門や担当
これらのビジネスモデルがそれぞれ、「主なプレイヤー」として、M&A業界でビジネスを展開しています。
それぞれを解説していきます。
M&A支援企業
M&A支援企業はその名の通り、M&Aを考えている企業のサポートを実施したり、M&Aの対象となる企業へ交渉を行ったり、M&Aの流れ全体を請け負う企業です。
まず、M&A支援企業は企業と企業を「マッチング」します。
つまり、「会社を買いたいと考えている企業」と、「会社を売りたいと考えている企業」とを引き合わせ、最終的にM&Aを完了させるところまでサポートを実施する役目です。
有名な企業には、以下のような会社があります。
金融系企業のM&A部門
金融系の企業と言っても、銀行や証券会社だけでなく投資銀行など多岐にわたります。
M&A業務を生業としているのは、各金融系企業のなかにある「投資銀行部門(IBD)」です。
これら投資部門の中には、M&Aを支援するだけでなく、IPOをサポートしたり、株式や債券による資金調達サポートをおこなうなどの機能もあります。
例えば、以下のような企業でもM&Aを支援する部門があります。
コンサルティング系企業のM&A部門
戦略コンサルティングファームや、ファイナンス系のコンサルティングファームでは、常にクライアント企業への助言やサポートをしています。
その中で、M&Aの話も例外ではなく、頻繁に取り上げられます。
特徴的なのは、コンサルティング系企業のM&A部門の仕事として、買い手側の企業に対し、M&Aのアドバイスを行う点です。
コンサルティング系の企業でM&A部門があるのは、以下のような企業です。
これらの企業はいわゆる「BIG4」といわれています。
一般的な事業会社におけるM&A部門や担当
一般的な事業会社におけるM&A部門は、その会社内の投資部門やM&A専属のチームなどに配属されている担当者がメインで活動します。
他のM&A支援企業やファンドのようにM&Aに特化するわけではなく、例えば財務部に所属しながらM&Aのチームに参画するなど複数の業務を抱えながら携わるケースが多くなっています。
業務内容
では、実際のM&Aに関する業務とはどのようなことをするのでしょうか。
M&Aに関する業務内容を3つのフローに分け、それぞれ詳しく解説していきます。
- M&A戦略立案・・・M&Aをどう成立させるか等戦略を立てる(対象企業の選定や基本合意締結などを実施)
- DD&VAL・・エグゼキューションと言われ、デューデリジェンス(DD)とバリュエーション(VAL)に分かれます。クロージングまで進めます。
- PMI・・・クロージング後のPMI(Post Merger Integration)を実施します。
M&A戦略立案
まずは、買い手の企業からM&Aの目的を聞き、達成後の影響や効果などを洗い出します。
その後、買収する企業の選定を行い、M&Aの具体的なアプローチ方法や戦略を立てていきます。
DD&VAL
まずは、M&Aのターゲットとなった企業の徹底的な調査を行います。
これをデューデリジェンス(DD)といいます。
M&Aをするにあたってのリスクや、利益について予め把握するために必要な活動です。
DDで、対象企業の状況などを明確にしたら、バリュエーション(VAL)を実施します。
VALは対象の企業が持つ株式の価値などから、会社の全体的な「企業価値」を算出する活動です。
これらの活動によって、「M&Aをしても大丈夫」という裏付けを取って、買収の実行をします。
PMI
PMIはポストマージャーインテグレーションの略称で、名前の通り、合併後の統合活動を意味する言葉です。
M&Aをすると、異なる文化を持つ企業が一つになります。
そのため、働く方々の制度設計や、さまざまな業務プロセスの統合を行うことで、よりM&Aの効果を高める必要があります。
PMIでは、経営戦略、業務体制、社員の意識統合などさまざまな分野でのコンサルティングを行い、最終的には合併した会社を一つの企業として整えていくことが必要です。
ここまで、M&Aの業務内容について概要を解説してきました。
一言にM&Aといっても、さまざまな工程があり、それぞれにきめ細やかな活動が必要だということをご理解いただけたでしょうか。
M&A仲介とアドバイザリーの違いは?
M&A仲介とM&Aアドバイザリーは、まず立ち位置が異なります。
M&A仲介は、買い手の企業と売り手の企業の間に入り、中立な立場で両社の交渉の支援、仲介を実施します。
あくまでも、ナチュラルスタンスで両社と上手くバランスをとって、クロージングに持っていきます。
一方で、M&Aアドバイザリーは、買い手もしくは売り手のどちらかに入り、担当する企業側の利益を考えて、アドバイスをする役目です。
同じM&A支援事業でも、立場が変われば業務も変わってきます。
採用動向
採用動向については、以下の3つがポイントとなります。
- 金融系企業での経験があるか
- 営業職の経験があるか
- 現職で高い実績、成果をあげているか
それぞれのポイントを一つずつ見ていきましょう。
金融系企業での経験
M&A業界に経験が無くて参画できるパターンは、もともと金融系出身などファイナンスのバックグラウンドがある人材をとる傾向にあります。
理由としては、事業会社への融資や財務諸表を始めとするファイナンス関連の知識をもって仕事に従事した経験が、M&A業界でも即戦力として活用できると考えられるためです。
営業職の経験
また、M&Aのコンサルティングができる人材となると、営業経験者のニーズが高い傾向にあります。
特に、中小企業の経営陣とのコミュニケーション、商談経験者が優遇されます。
M&Aを支援する際は、買い手企業の経営者と戦略を打ち合わせ、売り手企業の経営者と交渉をするなど高度なコミュニケーション能力が必要です。
現職で高い実績、成果をあげているか
M&A業界は、多額の資金を扱い、大きな責任を伴う世界です。
そのため、目標を達成する姿勢が重要な意味を持ちます。
現職できちんと目標を達成し、実績をあげているかどうかが、M&A業界への転職の際、ダイレクトに選考に響きます。
転職難易度
転職難易度としては、現職の業界にもよりますが、金融系で仕事をしている方であればM&A業界が未経験でも、優遇してもらえる可能性が高くあります。
しかし、金融系やファンド系などに所属したことのない完全なる業界未経験者となると、転職はかなり難しいといえます。
未経験の方は、「未経験でもOK」と記載のある企業へ積極的に応募したり、転職活動をするまでに最低限のファイナンスの知識や経営の知識を学習したりといった対策をとることが必要です。
また、年齢によっても転職難易度は変わってきます。
M&A業界未経験者の場合、20代から30代前半くらいまでの人材が、成長性の観点から採用されやすい傾向です。
30代後半以上での転職の場合は、経験者の方が即戦力として採用されるケースが多くなります。
M&A業界の年収は?
M&A業界の年収は、一般的な職業よりもかなり高いと言えます。
企業によりますが、具体的には、平均年収が約1,200万円~約3,000万円とされています。
M&A業界は、多額のお金が動く業界です。
さらに、M&Aを成功させた担当者は、基本給のほかに、成果報酬を受け取れる制度が各社に用意されていたり、特別手当が支給される企業があったりするため、平均年収が高くなっています。
具体的な企業名と、平均年収につきましては以下のリンクもご参照ください。
>>M&A業界の年収はなぜ高い?大手3社の平均年収と高年収の理由を解説
M&A業界で求められるスキルや経験は?
ここからは具体的に、M&A業界に転職するため、求められるスキルや経験はどういったものが必要かについて解説していきます。
求められるスキル
M&A業界に転職する際に求められるスキルは例えば以下のようなものがあります。
- ファイナンススキル
- 営業スキル
- 語学力
それでは、一つずつ解説していきましょう。
ファイナンススキル
M&A業界で求められる重要なスキルは、なんといってもファイナンスのスキルです。
これは、M&Aをする際、企業価値を算出したり、対象企業の財務諸表を分析し、将来的な利益に結び付くのかという判断をしたりする必要があるためです。
特に、M&A仲介の仕事をするためには財務諸表を必ず読めるようにならなければいけません。
ファイナンススキルを身につけるために、公認会計士や税理士資格を取得する方も存在します。
最低でも、日商簿記2級以上のファイナンススキルをもっておきましょう。
営業スキル
M&A支援や仲介の業務は、会社自体の売り買いをお手伝いすることになります。
そこには、創業者や経営者の強い想いが存在するものです。
そのような企業の売買においては、経営陣も会社を売り渡す、買うといった決断を簡単にはしません。
そこで、それぞれの経営陣と臆することなく対話をし、スムーズにM&Aを成功させるための営業力が必須となります。
先に紹介したファイナンススキルも持ち合わせながら、説得力を持って営業するスキルが必要です。
また、M&Aの成立までには、年単位の長期的な時間がかかるケースがあります。
そういった長期スパンで各社へのフォローアップをし続けられる根気も必要です。
語学力
企業によっては英語力など、海外とのコミュニケーションのため語学力を求められるところもあります。
M&Aは日本国内だけではなく、海外の事業会社とのM&Aを積極的に行うケースが存在します。
例えば、日系の製薬会社が海外の創薬ベンチャーをM&Aで買収するなどして、会社の技術力を高め、企業価値を上げるという話も耳にしたことはありませんか?
こういったケースでは、海外の対象企業への交渉は英語や、現地の言語でのコミュニケーションとなります。
特に、投資銀行や、外資系M&A支援企業に参画する場合は語学力が必須です。
転職成功者の主なバックグラウンド
M&A業界に転職した方のバックグラウンドは気になりますよね。
これまでに紹介してきた内容も踏まえて、以下のような人材が転職に成功しているケースが多いとされています。
- 営業経験は最低でも2年以上
- 前職での業務成績優秀者(社長賞や社内アワードを受賞しているなど)
- 営業成績が常に上位
M&A業界への転職を成功させた方々のバックグラウンドはそれぞれですが、上記の項目については共通しています。
従って、M&A業界への転職を検討する際は、まず現職での目標を達成することを目指す意識が必要です。
転職に有利な資格
以下のような資格が、M&A業界への転職には有利です。
全体的に経営とファイナンスに関わる資格が並んでいますね。
また、企業によっては最低限のファイナンススキルの取得という意味で、入社前、もしくは入社後に日商簿記2級の取得を課す企業も存在します。
転職成功事例は?
未経験者からのM&A業界への転職成功事例としては、20代~30代前半くらいまでの転職に多くみられます。
例えば、M&A仲介会社へ転職を成功させた方々の前職は以下のようなものがあります。
- 大手証券会社 リテール営業
- メガバンク 法人営業
- 金融機関 法人営業
また、金融系以外では、以下のような業種からの転職成功者も存在します
- 大手メーカーの法人営業
- 人材サービスの法人営業
- 大手IT企業の法人営業
以上のことからもわかるように、必ずしも前職が金融系でなければいけないという事ではありません。
M&Aは未経験でも転職できる?
M&A業界への転職は未経験者でも可能なのかという質問に対しては「YES」と言えます。
現代において、M&A仲介をする企業は増加傾向にあり、採用活動も積極的に行われているためです。
先に述べた資格や条件を満たしている方であれば、可能性がゼロではありません。
しかし、未経験者の場合、転職難易度はとても高いといえます。
M&A業界に必要なファイナンスや経営の知識だけでなく、ビジネスの流れや、エグゼクティブ層とのコミュニケーション力などが問われ、簡単に転職できるわけではありません。
未経験者でも転職を成功させるためには、M&A業界に精通した転職エージェントを利用するのがおすすめです。
M&A業界転職におすすめのエージェント
M&A業界に転職を検討した際、登録しておくべき転職エージェントを3社紹介します。
Flow Group
運営会社 | 株式会社 Flow Group |
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公式サイト | https://consul-career.com/lp-consul-non-experience/ |
公開案件数 | 非公開(2025年1月27日現在) |
職種 | コンサル業界、ポストコンサル、マーケティング、その他 |
Flow Groupは、大手・外資のコンサル求人を多く保有する転職エージェントです。
金融コンサルへの転職にも強く、年収や市場価値を高めるためのサポートが充実しています。
アドバイザーは全員が大手コンサルでの勤続実績があり、マンツーマンサポートによるコンサルファームの採用プロセスや評価基準に沿った的確な対策など手厚い支援がうけられます。
紹介実績にはM&Aに関わるPEファンドを始め、金融系コンサルティング企業も多く、レベルの高い大手金融コンサルでスキルアップを目指す方にも適しています。
特に金融コンサルタントとしてM&A業界への転職を考えている方には、おすすめのエージェントです。
ヒュープロ
運営会社 | 株式会社ヒュープロ |
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公式サイト | https://hupro-job.com/ |
公開求人数 | 12,129件(2025年1月27日現在) |
主な求人職種 | 税理士/経理/公認会計士など |
ヒュープロは公認会計士や税理士をはじめとした士業を中心に転職支援をする転職エージェントです。
ファイナンス系の資格保有者の斡旋を得意にしていることから、M&A業界や金融系企業の求人が多く取り扱われています。
また、AIによるマッチングシステムを導入しており、求職者にとっては効率的な職業紹介を得られる可能性が高く、同社も「最速転職」と謳っている点も特徴です。
>>最速転職HUPRO(ヒュープロ)の評判・口コミは?会計業界・税理士に特化した特徴やメリットを解説
ヤマトヒューマンキャピタル
運営会社 | ヤマトヒューマンキャピタル株式会社 |
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公式サイト | https://yamatohc.co.jp/ |
公開求人数 | 2,903件(2025年1月27日現在) |
主な求人職種 | M&A/PEファンド/VC/事業再生コンサル/実行支援コンサル/戦略コンサル/CFO/事業会社(M&A,経営企画)など |
ヤマトヒューマンキャピタルは、経営とファイナンス系の転職支援に強みを持つエージェントです。
社内にはM&A仲介企業出身者が多数在籍しています。
また、M&A業界を始めとした未経験者の転職支援にも力を入れている点が大きな特徴です。
>>ヤマトヒューマンキャピタルはどんな転職サービス?実際の評判や口コミを詳しく調査
M&A業界の転職に関する疑問・Q&A
それでは最後に、M&A業界の転職に関してよくある疑問について紹介し、それぞれに回答していきます。
M&A業界は激務?
結論から言えば、相当な「激務」になることが予想されます。
大きな決断をする企業と企業の間に立って、責務を果たすということもあり、徹底的な情報収集や綿密な思慮づくりなどに追われ、深夜にまで仕事が及ぶことも多いようです。
ただし、「思い切り仕事に没頭したい」、「大きな仕事をしたい」と考えている方にとっては、非常に魅力的な仕事といえます。
また、大きな資金を動かして、大きな利益を得るビジネスモデルの業界であるため、高い年収が得られるという点もメリットですね。
M&A業界転職者の主な転職理由は?
気になる転職理由ですが、「報酬アップ」と「仕事のやりがい」が多く見受けられます。
ハードワークになる事は必至の現場ですが、それによって得られる報酬と達成感は、一般的な職業のそれよりも大きく感じることができるでしょう。
成果に応じた特殊な報酬体系と、ダイナミックな仕事に魅力を感じて転職する方が多いようです。
また、M&A業界の業務では、経営の目線やファイナンススキルが身につけられるため、そうしたスキルアップを目指し転職するケースもあります。
M&A業界転職のまとめ
今回はM&A業界への転職に関して解説してきました。
以下、本記事のまとめです。
- M&A業界の解説
- M&A業界の年収情報
- M&A業界で求められるスキルや経験について解説
- M&A業界への転職成功事例の紹介
- M&A業界へ未経験者が転職可能か説明
- M&A業界へのオススメ転職エージェントの紹介
- Q&A
M&A業界へ転職をするためにはそれなりのハードルがあること、それを乗り越える方法があることを解説してきました。
この記事がM&A業界へ転職を目指す方にとって有益なもになれば幸いです。
\金融業界におすすめの転職エージェント/
サービス名 | 特徴 |
最速転職ヒュープロ |
平均21日で内定を獲得できるスピードが強みの会計業界に特化した転職エージェント 紹介案件の9割以上が会計事務所・税理士法人かつリモート求人が豊富
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ヤマトヒューマンキャピタル |
ファイナンス業界未経験者の転職支援人数は業界トップクラス。 転職成功者の平均年収増加率186%の実績あり。※ |
※(2020年10月時点)