監査法人に入社したものの「業務が大変でついていけない」と感じていませんか?長時間労働や専門性の高さ、上下関係のプレッシャーに押しつぶされそうになり、自信を失ってしまう若手スタッフは少なくありません。
周囲に優秀な人が多い環境では、つい自分を過小評価しがちです。本記事では、監査法人の仕事についていけないと感じる主な理由と、その対処法をわかりやすく解説します。
さらに、公認会計士としての経験を活かせる転職先やキャリアを前向きに考えるためのコツも紹介しますので、参考にしてください。
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監査法人の仕事についていけないと感じる理由

監査法人の仕事内容は専門性が高く、社会的責任も重いため、慣れるまでに大きな壁を感じる人が少なくありません。ここでは、監査法人の仕事についていけないと感じる理由を紹介します。
業務量が多く長時間労働
監査法人では繁忙期に特に業務量が集中し、長時間労働が常態化しやすい傾向があります。決算期や監査報告の提出期限が重なると、夜遅くまでオフィスに残ることも珍しくありません。
短期間で大量の書類確認やデータ分析をこなさなければならないため、体力的にも精神的にも負担が大きく、このまま続けられるだろうかと不安になる人も多いでしょう。また、納期に追われる中でミスが許されない緊張感が続くため、業務効率と正確性を両立させる難しさもついていけないと感じる要因になります。
専門知識の不足
公認会計士試験に合格したとしても、実務では高度な会計基準や監査基準をすぐに使いこなせるわけではありません。クライアントごとに業界特有の知識や会計処理が求められ、マニュアル通りに進まないケースも多々あります。
その結果、知識不足を痛感し、自分だけ理解が遅れているのではないかと焦る場面が増えます。先輩や上司に質問するにも気後れしてしまい、解決できないままストレスを抱える人も少なくありません。
知識のギャップは時間をかけて埋めていく必要がありますが、即戦力を期待される環境では大きなプレッシャーとなり、自分には向いていないのではと悩む原因になります。
コミュニケーション・上下関係のプレッシャー
監査法人の仕事はチームで進めるため、円滑なコミュニケーションが欠かせません。しかし、先輩や上司との上下関係は厳しく、ミスを指摘される場面も多くあります。
「もっと正確に、早く」と求められることが続くと、自信をなくしたり人間関係に疲弊したりすることもあるでしょう。また、クライアントとの対応では、専門用語を正確に説明し理解を得なければならないため、対話力や交渉力の不足を痛感しやすいです。
上下関係の厳しさや対人プレッシャーに慣れないうちは、この環境についていけないと感じやすくなります。
周りに優秀な人が多くて自信がなくなる
監査法人はトップクラスの人材が集まる環境です。周囲には公認会計士試験を短期間で突破した人や、多彩なバックグラウンドを持つ優秀な同僚が多く、自分と比較してしまい劣等感を抱くケースは珍しくありません。
会議での発言や業務のスピードで差を感じると、自分だけが劣っているのではないかと不安が募ります。努力しても成果が見えにくい初期段階では特に、自分の成長を実感できず、周囲との比較でさらに気持ちが落ち込む悪循環に陥ることがあります。
上記のような環境は刺激にもなりますが、同時についていけないと感じる大きな要因にもなるのです。
単調な業務の繰り返しでつまらない
監査業務は高度な専門性を要する一方で、同じ作業を繰り返す場面も多いのが実情です。証憑の突合や数字の確認など細かいチェック作業は重要ですが、日々続ける中で単調でつまらないと感じる人もいます。
新人時代は基礎的な作業を任されることが多いため、自分が成長している実感を得にくいのも理由の一つです。将来的に高度な業務に携われるとしても、今の時点でモチベーションが下がり、この先続けられるのだろうかと不安になる人は少なくありません。
作業の意味や全体像を理解できないまま続けていると、単調さがより強く感じられるのです。
キャリアの将来像が見えない
監査法人はキャリアの選択肢が広いと言われますが、入社したばかりの段階では将来像が明確に見えにくいことがあります。スタッフとして日々の業務に追われていると「この先どんなキャリアを築けるのか」「自分は監査法人に向いているのか」と不安になるのは自然なことです。
また、シニアやマネージャーといった先輩の姿を見て、自分には到底できそうにないと感じることもあります。将来のキャリアパスがイメージできないと、今の努力がどこにつながるのか分からず、モチベーションが低下し「ついていけない」という気持ちを強めてしまいます。
監査法人の仕事についていけない場合の対処法

「仕事についていけない」と感じたとき、大切なのは感情だけで判断せず、冷静に現状を整理し対処法を考えることです。ここでは、監査法人の仕事についていけない場合の対処法を紹介します。
自分の状況を客観的に整理する
まず必要なのは、自分がなぜついていけないと感じているのかを客観的に見つめ直すことです。業務量の多さなのか、専門知識の不足なのか、人間関係のプレッシャーなのか、原因によって取るべき対処法は変わります。
感情的になったままでは冷静な判断ができず、辞めたいという気持ちばかりが先行してしまいがちです。紙に書き出す・日記をつける・タスクを可視化するといった方法を使うと、自分の状況を客観的に整理できます。
自分の努力で改善できることと環境に依存することを切り分けることで、次の行動が明確になり、気持ちが楽になる効果も期待できます。
周囲に相談してみる
悩みを一人で抱え込まず、信頼できる上司や先輩、同期に相談することも有効です。監査法人はチームで動く組織であり、多くの人が同じような悩みを経験してきています。
そのため、自分だけが苦しんでいると思っていたことも、実は多くの人に共通する課題である場合が少なくありません。相談することでアドバイスを得られるだけでなく、共感や励ましをもらえれば、大きな支えになるでしょう。
また、職場内で話しにくい場合は、キャリアアドバイザーや外部のメンターに相談する方法もあります。第三者の意見を取り入れることで視野が広がり、自分の選択肢を冷静に見極めやすくなります。
スキルアップのために勉強する
知識不足でついていけないと感じる場合は、学び直しを通じて自信を取り戻せます。監査法人の業務は会計基準や税法改正など最新知識が常に求められるため、自己研鑽を怠らない姿勢は必須です。
業務後や休日に専門書を読む、セミナーや勉強会に参加する、資格試験を目指して体系的に学ぶといった方法があります。勉強を重ねることで日々の業務に活かせる知識が増え、理解が深まり、実務に自信を持てるようになります。
小さな成長実感の積み重ねが自分でもやっていけるという安心感につながり、結果的にモチベーションの回復にも役立つでしょう。
転職も視野に入れる
どうしても環境が合わない、改善の余地がないと判断した場合には、転職を視野に入れるのも現実的な選択肢です。監査法人で培った知識や経験は、事業会社の経理・財務部門やコンサルティングファーム、金融機関など多様なフィールドで評価されます。
監査法人で頑張ることだけがキャリアの正解ではなく、自分に合った場所で力を発揮することが大切です。そのためには転職エージェントを活用し、非公開求人や自分の強みを活かせる職場を紹介してもらうのがおすすめです。
無理に続けて心身をすり減らすよりも、新たな環境で活躍できるチャンスを選ぶことが長期的なキャリア形成にとってプラスになることもあります。
監査法人の新人は特につらい?1年目の乗り切り方

監査法人に入社した1年目は、多くの新人が「ついていけない」と感じやすい時期です。慣れない環境や専門性の高い業務に戸惑い、自信をなくすこともあります。ここでは、1年目を乗り切るための具体的なポイントを紹介します。
1年目は仕事に慣れる時期と割り切る
入社してすぐの時期は、業務の内容や職場の文化に適応するだけでも精一杯です。最初から完璧を目指そうとすると、必要以上にプレッシャーを感じてしまい、結果的に自分には向いていないのではと不安を募らせる原因になります。
そのため、1年目はまずは慣れる時期と割り切ることが大切です。仕事の全体像がまだ見えない中でも、基本的なタスクを着実にこなし、少しずつ監査の流れを理解していくことを優先しましょう。
焦らずに経験を積むことで、徐々に自信を持てるようになります。
「作業」ではなく「思考」を身につける
新人時代は証憑確認やデータ突合など、単調に見える作業が中心になることが多いです。しかし、そこで重要なのは単なる作業として流すのではなく、なぜこの確認が必要なのか・数字の背景にどんな意味があるのかと考える姿勢を持つことです。
作業に目的意識を持たせることで、監査の全体像が理解しやすくなり、知識として定着します。また、先輩や上司からの指示を受ける際にも、背景を理解しようとする姿勢を見せることで成長意欲があると評価されやすくなります。
思考力を磨くことは、将来的にシニアやマネージャーへ昇進する際の大きな基盤となるでしょう。
比較するのは「他人」ではなく「昨日の自分」
監査法人は優秀な人材が集まる環境であり、同期や先輩の能力に圧倒されてしまうことも少なくありません。しかし、他人と比べ続けると劣等感ばかりが強まり、自己肯定感を失ってしまいます。
意識すべきは他人ではなく昨日の自分です。昨日より少し早く作業を終えられた、前より正確に資料を作成できた、といった小さな成長を積み重ねることで、自信を持って取り組めるようになります。
比較対象を自分に変えることで、気持ちが楽になり前向きな姿勢を維持しやすくなります。1年目は特に成長スピードが速い時期なので、日々の進歩を意識することがモチベーションにつながるでしょう。
メンタルケアと適切な休息を忘れずに
監査法人の新人は、多忙な日々に追われ心身のバランスを崩しやすい傾向があります。業務に全力で取り組む姿勢は大切ですが、無理を続ければ疲労やストレスが蓄積し、パフォーマンス低下や体調不良につながりかねません。
そのため、適度に休息を取り、メンタルケアを意識しましょう。休日は仕事から離れてリフレッシュする、趣味や運動を取り入れてストレスを発散するなど、自分なりの回復法を持つことが大切です。
また、心が限界を感じる前に、信頼できる人や専門の窓口に相談するのもおすすめです。健やかな状態を保つことが、長期的にキャリアを築くための土台になります。
監査法人での経験を活かせる転職先は?

監査法人で培った会計や監査の経験は、多様なキャリアに応用できます。ここでは、監査法人での経験を活かせる転職先を紹介します。
事業会社(経理・財務部門)
監査法人での経験は、事業会社の経理・財務部門で非常に重宝されます。監査で培った知識を活かし、決算業務や内部統制の整備、財務分析などに携わることが可能です。
上場企業や大手企業では、監査対応の経験がある人材を高く評価する傾向があります。監査法人での経験を持つことで、決算開示のプロセスや内部統制の重要性を理解している点は大きな強みとなります。
安定した働き方を求めたい、企業内部から経営に関わりたいと考える人にとって、経理・財務部門への転職は有力な選択肢です。また、将来的にCFOなど経営層を目指せるキャリアパスも期待できます。
コンサルティングファーム
コンサルティングファームは、監査法人で培った会計・財務の専門知識をさらに発展させたい人に適した転職先です。監査業務で得た企業分析力やリスク評価の視点は、コンサルティング業務に直結します。
財務アドバイザリーやM&A、事業再生コンサルティングなどでは、監査法人出身者が多数活躍しています。また、クライアントに改善策を提案する役割を担うため、論理的思考力やコミュニケーションスキルを磨ける環境でもあるのです。
給与水準も比較的高く、実績次第で短期間での昇進も可能です。挑戦的な環境でスキルを広げたい人にとって、コンサルティングファームは魅力的な選択肢といえるでしょう。
金融機関
金融機関、銀行や証券会社、投資ファンドなども監査法人経験者を積極的に採用しています。財務諸表や企業価値の分析スキルは、融資審査や投資判断において不可欠だからです。
監査法人で培ったリスク管理の視点や企業の健全性を見極める力は、金融機関の実務に直結します。また、証券会社や投資銀行ではM&AやIPOに関わる業務があり、監査経験を持つ人材は即戦力として期待されます。
金融機関は安定性が高いだけでなく、専門性をさらに磨ける場でもあるのです。将来的に資産運用や企業金融の分野でキャリアを築きたい人には、非常に有望な選択肢です。
フリーランスとして独立も
監査法人での経験を積んだ後に、フリーランスとして独立する道を選ぶ人も増えています。公認会計士として独立すれば、税務顧問や会計コンサルティング、内部統制のアドバイスなど幅広いサービスを提供できます。
自分の裁量で働けるため、柔軟な働き方やワークライフバランスを重視したい人には大きな魅力です。ただし、営業活動や顧客獲得は自ら行う必要があり、安定した収入を得るまでには時間がかかる場合もあります。
その一方で、自分の専門性を活かして自由に働ける点は大きなメリットです。監査法人で培った信頼性や実績を強みにすれば、独立後も十分に活躍の場を広げられるでしょう。
監査法人からの転職におすすめエージェント

監査法人での経験を活かした転職を考えるなら、会計・財務や士業領域に特化した転職エージェントを活用することが重要です。ここでは、監査法人出身者に特におすすめできる3つのエージェントを紹介します。
MS-Japan

- 管理部門・士業に特化した転職エージェント
- 職種特化型で35年の転職支援実績がある
- 質の高い転職サポートを受けられる
MS-Japanは、管理部門や士業領域に強みを持つ転職エージェントで、監査法人からの転職を検討する人にとって心強い存在です。公開求人だけでも豊富ですが、さらに約90%※1を占める非公開求人の中に、大手から中堅までの監査法人や会計系のポジションが多く含まれています。
MS-Japan独占求人も多数保持しています。転職成功事例を見てみると、東証プライム企業法務部長やブティック系法律事務所アソシエイトなどキャリアアップに成功している人が多く、年収アップにも期待できる転職エージェントです。
キャリアアドバイザーは会計業界や監査法人の事情に精通しており、応募書類の添削や面接対策はもちろん、志望動機のブラッシュアップまで丁寧にサポートしてくれます。ハイクラス求人やキャリアアップを目指す人にとっては、有力な選択肢となるでしょう。
MS-Japanの基本情報 | |
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運営会社 | 株式会社MS-Japan |
公式サイト | https://www.jmsc.co.jp/ |
公開求人数 | 19,000件以上(2025年4月現在) |
主な求人職種 | 人事、総務、経理、財務、法務 経営企画コンサルティング、マーケティングなど |
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参照元
※1MS-japan
ヒュープロ

- 求人掲載数が業界No.1※
- 優秀なエージェントが多数在籍
- 業界特化でリアルな情報提供が可能
ヒュープロは、会計・税務・経理といった専門職に特化した転職エージェントで、幅広い求人と詳しい情報を提供してくれます。求人掲載数が業界No.1※で、あらゆるジャンルの求人が揃っているから、あなたにピッタリな求人が見つかります。
忙しい士業・管理部門の方のための転職エージェントで、手間をかけないフローを徹底しているのが特徴です。業界特化型の転職エージェントだからこそ、企業とのコネクションが深く、求人には掲載されていないリアルな情報提供を可能にしています。
働きやすい個人事務所から業界最大手のBig4、プライム上場企業まで、好条件・好待遇の求人案件を保有しています。無料会員登録をするだけで、ヒュープロ独占求人に応募可能です。
ヒュープロの基本情報 | |
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運営会社 | 株式会社ヒュープロ |
公式サイト | https://hupro-job.com/ |
公開求人数 | 5,883件(2025年9月22日現在) |
主な求人職種 | 税理士・税務、公認会計士社会保険労務士、弁護士など |
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ヤマトヒューマンキャピタル

- 書類添削・面接対策の徹底
- 平均年収増加率186%※
- 一生涯のキャリアアドバイザー
ヤマトヒューマンキャピタルは、監査法人出身者や公認会計士向けの転職支援に特化したエージェントです。業界経験者による丁寧なサポートが特徴で、監査法人の実務を理解したうえでキャリアの選択肢を提案してくれます。
大手から中堅、海外勤務のチャンスがある求人まで幅広く扱っており、監査法人で培ったスキルを最大限活かせるフィールドを見つけやすいのが魅力です。さらに、会計士としての専門性を活かした事業会社の経理・財務ポジションや、コンサルティングファームへの転職も得意としています。
書類添削・面接対策を徹底しており、理想のキャリア形成を成功に導くチャンスが広がります。
ヤマトヒューマンキャピタルの基本情報 | |
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運営会社 | ヤマトヒューマンキャピタル株式会社 |
公式サイト | https://yamatohc.co.jp/ |
公開求人数 | 2,903件(2025年9月11日現在) |
主な求人職種 | 経営・経営企画・事業企画系、管理部門系、 営業系、コンサルタント系、金融系専門職など |
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監査法人からの転職を成功させるポイント

監査法人から転職を考える際には、ただ求人に応募するだけでは思うような結果を得られません。ここでは、監査法人からの転職を成功させるポイントを解説します。
転職の目的を明確にする
転職活動を始める前に、なぜ転職したいのかを明確にすることが重要です。例えば、「長時間労働から解放されたい」「より専門性を高めたい」「年収を上げたい」など、目的は人によって異なります。
目的を曖昧にしたまま活動を始めると、選考で志望動機を問われた際に説得力を欠き、結果的に不採用につながることも少なくありません。自分が転職によって何を得たいのかを具体的に書き出すと、応募先の選定基準も明確になります。
また、転職後の満足度にも直結するため、最初にじっくり時間をかけて整理しておくことが成功の第一歩です。
自分のキャリアの棚卸しをする
監査法人で積んできた業務経験を正確に棚卸しすることは、転職活動を有利に進める上で不可欠です。どんな案件を担当し、具体的にどんな成果を出したのかを整理しましょう。
例えば、「上場企業の四半期監査を担当」「内部統制の評価業務を経験」「チームリーダーとして後輩を指導」等、事実ベースで洗い出すことが大切です。これにより、自分のスキルや実績を客観的に把握でき、面接でも自信を持ってアピールできます。
さらに、棚卸しをする過程で自分は何にやりがいを感じたか・今後伸ばしたい分野はどこか等の自己理解も深まり、キャリアの方向性を定める助けになります。
監査法人出身者の強みを理解する
監査法人出身者には、他の業界では得がたい強みがあります。財務諸表を正確に読み解く力、内部統制やリスク管理の知見、クライアントとの折衝力などは、多くの企業で重宝されるスキルです。
また、期限厳守の文化の中で培われた業務遂行力や、チームで協働する能力も大きな武器となります。自分の強みを認識し、転職活動で積極的にアピールできるかどうかが成功の分かれ目です。
「監査法人出身者=即戦力」と評価されやすい一方で、本人が自覚していなければ強みを伝えられません。自分の経験を、どう新しい環境で生かせるかを整理しておくことが大切です。
転職後のキャリアをイメージしておく
転職はゴールではなく、新しいキャリアのスタートです。そのため、入社後にどんな仕事をしたいのか、将来的にどんなポジションを目指すのかをイメージしておく必要があります。
「事業会社で経理・財務の責任者になりたい」「コンサルティングファームでM&A案件に関わりたい」「将来的には独立したい」など、ビジョンを描くと応募先とのマッチ度も高まります。
面接では入社後にどう貢献できるかが必ず問われるため、事前に具体的なキャリアプランを整理しておけば説得力のある回答が可能です。将来像を意識することは、モチベーション維持にもつながります。
転職活動はエージェントを活用する
監査法人からの転職は一般の求人サイトでは見つけにくい非公開案件が多いため、転職エージェントの活用が不可欠です。エージェントは業界の動向や企業ごとの採用基準を熟知しており、自分に合った求人を効率的に紹介してくれます。
また、応募書類の添削や面接対策、キャリア相談などのサポートも充実しているため、初めての転職活動でも安心です。監査法人出身者を専門に扱うエージェントを選べば、スキルの活かし方やキャリアの方向性についても具体的なアドバイスが得られます。
効率よく理想の転職先を見つけるためには、複数のエージェントを併用するのも有効です。
監査法人からの転職成功事例

監査法人でのキャリアは専門性が高いため、多彩な転職先で評価されます。実際に監査法人から転職し、キャリアアップや働き方の改善に成功した人の事例を見てみましょう。
ここでは、金融機関、戦略系コンサル、中堅監査法人への転職ケースを紹介します。
成功事例①大手監査法人から金融機関に転職
大手監査法人で経験を積んだ後、金融機関へ転職した事例があります。
Eさんは、大手監査法人の金融部門で、金融機関出向の経験もあり、順調なキャリアを積んでいました。しかし、当事者として企業に貢献したいという思いも抱いておりました。そんな中、本格的に転職を検討することになりました。(一部抜粋)
年収は一時的に下がったものの、将来的なキャリアの広がりや仕事の意義を重視した判断は、Eさんにとって大きな成功でした。転職は不安も伴いますが、早い段階から情報収集を行い、自分に合う環境を探すことが次のステージへの一歩となるのです。
成功事例②監査法人から戦略系コンサルに転職
次に紹介するのは、監査法人から戦略系コンサル企業に転職したケースです。
論文式試験に合格後、3年間監査法人で働きました。監査は社会的に非常に重要な仕事ですが、次第に経営結果にコミットする仕事がしたいと思うようになりました。修了考査合格後にTACキャリアナビのご紹介で現在の職場へ転職。(中略)大手通信会社とプロジェクトチームを編成したベンチャー企業支援や売上高1兆円以上のインフラ系企業の経営コンサルティングにも携わっています。(一部抜粋)
転職後の年収は、監査法人時代の600万円から800万円へと上がり、待遇面でも大きな向上があったということです。
成功事例③Big4監査法人から中堅監査法人に転職
最後は、Big4監査法人から中堅監査法人に転職した事例です。
「もう少し体を気遣いながら私生活を充実させたい」という思いから、今までの働き方を変えるべく転職を決意されました。これまでの経験を活かせる監査法人で、プライベートの時間も確保できる環境を探すことにしました。(一部抜粋)
Bさんは年収が800万円から700万円へと下がったものの、プライベートの時間を確保しつつキャリアを継続できる道を選びました。市場価値を意識してスキルアップを続けておけば、自分らしい働き方に近づける好例といえるでしょう。
監査法人の仕事についていけないに関するQ&A

監査法人で働く中で「ついていけない」と感じる人は少なくありません。ここでは、よくある質問と回答をまとめ、キャリアを考える参考にしていただけるよう解説します。
監査法人で大変なことは?
監査法人の業務は専門性が高く、かつ繁忙期には激務となることが多いため、多くの人が大変だと感じやすい環境です。特に、以下のような点が代表的です。
- 繁忙期(特に3月決算期)には長時間労働が常態化する
- 常に最新の会計基準や法改正をキャッチアップする必要がある
- クライアント対応のプレッシャーが大きい
- チームワークが重要で、周囲との調整力が求められる
- 業務が細かく正確性を強く要求される
これらは公認会計士やスタッフにとって避けられない課題ですが、経験を積むことで専門性が身につき、キャリアアップにも直結します。大変さの裏には、それだけの成長機会があるといえるでしょう。
監査法人のBig4の離職率は?
Big4監査法人は世界の監査業界を代表する4大監査法人の総称です。具体的には次の4法人を指します。
上記の法人は業界を代表する存在ですが、離職率については公的機関の公式な統計データは公表されていません。業界関係者の間では年間で7%程度と考えられているようです。
繁忙期の厳しさやキャリアパスの多様化によって離職する人もいますが、一方でここで得られる経験は他業界で高く評価されるのです。そのため、短期間で辞めるのではなく、数年は勤めてスキルや実績を積みましょう。
あずさ監査法人の不祥事とは?
有限責任あずさ監査法人は、日本を代表する監査法人のひとつですが、過去に不祥事が報じられたことがあります。代表的なのは、企業不正を見抜けなかった事例や、監査の独立性に疑問が持たれたケースです。
こうした不祥事は監査法人全体に対する信頼を揺るがす問題となり、金融庁からの処分や業界全体での再発防止策につながりました。あずさ監査法人に限らず、監査法人は社会的責任が非常に重いため、不祥事の影響は大きく報じられます。
ただし、これらの事例をきっかけに業界全体で内部統制の強化や監査プロセスの見直しが進められ、信頼を回復するための努力がなされている点も重要です。
監査法人に何年勤めると転職しやすいですか?
監査法人から転職を考える場合、3〜5年程度の勤務経験が目安となります。これは、監査の一連の流れを理解し、クライアント対応やチームマネジメントの経験が積める期間だからです。
1年目や2年目で辞めてしまうと、基礎力が不十分と評価されることが多く、転職市場でのアピールポイントが弱くなりがちです。一方で、5年以上勤務すれば上場企業監査やマネジメント経験を活かして、事業会社の経理・財務部門やコンサルティングファームへ転職しやすくなります。
転職のタイミングは個人のキャリアプランにもよりますが、一定の実績を積んでからの方が選択肢が広がりやすいといえるでしょう。
監査法人ついていけないのまとめ

監査法人での仕事は、専門性の高さや業務量の多さからついていけないと感じることがあっても不思議ではありません。しかし、その経験は会計・財務のプロフェッショナルとして大きな価値を持ちます。
大切なのは、自分の状況を冷静に整理し、必要なら周囲や専門家に相談しながら解決策を見つけることです。勉強や経験を重ねて乗り越える道もあれば、転職という選択肢もあります。
監査法人でのキャリアは幅広い可能性につながるため、焦らず自分に合った道を選びましょう。