- 会計コンサルタントに興味はあるけど、ハードル高そう
- 会計コンサルタントになるにはどのようにすればいいのかわからない
より個人のスキルが求められる現代において、次のキャリアステップとして会計コンサルタントを選択の一つに入れている人もおられるかと思います。
ただ、上記のように会計コンサルタントと聞くだけで身構えてしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、そんな会計コンサルタントに興味はあるけどあまり明確なイメージをもてていなかったり、どのようにして会計コンサルタントになればいいかわからない方に向けに、会計コンサルタントの基礎知識から、実際になるための方法までわかりやすく説明していきます。
こちらの記事を読めば、会計コンサルタントになるための第一歩を踏み出せる内容となっておりますので、是非ご覧ください。
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会計コンサルタントとは
会計コンサルタントの仕事内容ややりがいを以下に解説していきます。
会計コンサルタントの仕事内容
会計コンサルタントとは、主に顧客企業の会計に関するコンサルティングを行う職種のことをいいます。
顧客企業全体の財務・会計に対しての戦略を立案するため、業務の幅も非常に広くなります。
会計コンサルタントの主な仕事は、主に以下を行います。
- 会計業務フローの見直しなどによる最適化支援
- 資金調達やM&Aなどの財務戦略
- 会計関係の法規制など各種規制対応支援
業務フローの見直しにおいては、顧客の企業・事業価値や資産状況を調査・分析して、改善策や戦略プランを提案します。
組織の規模や事業内容によって複雑性が変わるためマニュアル通りの対応ではなく企業や組織の現状に合わせて対応する必要があります。
例えば、製造業の企業では、多数の取引先や製品ラインが存在するため、伝票の処理や在庫の管理が非常に複雑である場合が多いです。
そこで、会計コンサルタントとして社内業務を棚卸しし、ネックとなる課題を解決するためにシステムの導入や業務フローの見直しを行って月末の決算作業の時間を大幅に短縮する等を行うことになります。
その他にも、資金調達やM&Aなどの財務戦略の支援や各種規制対応の支援など、顧客企業の経営に関わる部分において幅広い業務を担うこととなります。
企業の成長や拡大をサポートするためには、適切な資金調達や投資戦略が不可欠です。
特にスタートアップ企業であれば、新しい製品の開発資金を調達するために外部投資を求めていることも多いです。
そこで会計コンサルタントとして企業の財務状況や将来の収益予測を基に、投資家向けの資料を作成して資金調達をサポートすることもあります。
このように、クライアント企業によって抱えている課題は異なるうえに、利害関係者が社外へ多く広がっているため、幅広い知識や経験を活かして適切に対応することが求められます。
会計コンサルタントのやりがい
会計コンサルタントの主なやりがいは以下の様な点があげられます。
- 企業の経営陣直属のもと経営課題解決に携わることができる点
- 自身の仕事が企業の経営に大きな影響を与えられる点
会計コンサルタントは、企業の経営基盤となる財務や会計の部分に深く関与するため、直接経営方針やビジネス戦略の形成に寄与することができます。
このようなポジションから企業の成長をサポートし、自らの手がけた戦略が具体的な成果として現れたときの達成感は計り知れません。
また、さまざまな業界や企業サイズのクライアントと関わる機会が多いため、幅広いビジネスモデルや業界動向に触れることができます。
その分、自らキャッチアップすべき情報も多くなりますが、一般的な企業では経験できない経験を積むことができます。
他にも、会計コンサルタントの提案やアドバイスが実際に企業の経営改善や財務健全性の向上に繋がり、クライアントから感謝の言葉を直接受け取ることができ、それが大きなやりがいとなります。
会計コンサルタントの大変なこと
反対に、大変なことは以下の様な点があげられます。
- 自身の仕事が直接経営に影響を与えるため、責任が大きい
- 常に顧客ファーストで動く必要があるため、長時間労働になる
企業の財務や会計に関するアドバイスを行うため、その判断や提案が企業の経営に直結することが多いです。
このような重要なポジションにあるため、日々の業務において高い責任感を持つ必要があり、それがプレッシャーとなることも。
会計コンサルタントという仕事の特性上、決算期や規制変更時などは、多くのクライアントからの相談や対応が集中し対応に追われることがあります。
さらに、会計や税法の規定は頻繁に変わるため、常に最新の情報をキャッチアップし、その知識を業務に生かすために学び続ける必要があります。
コンサルタントである以上、クライアントよりも豊富な知識量が求められるため変化に対応するための努力が大変と感じるかもしれません。
会計コンサルタントの年収相場
会計コンサルタントの平均年収は700~1,000万円程度といわれています。
年代別にみると、以下のようになります。
20代 | 500~800万程度 |
30代 | 800~1100万程度 |
40代 | 1100~1500万程度 |
日本の平均年収が433万円ということを考えると、20代から平均年収を超える可能性が高く、年収の水準は非常に高いといえます。
会計コンサルタントの激務度
コンサルタント系の職種は激務といったイメージがありますが、会計コンサルタントはアサインされたプロジェクトにより差があり、一概に激務であるとは言えません。
以下で時期に分けて詳しく解説していきます。
会計コンサルタントの平均的な労働時間
これまでの日本のビジネス文化では長時間労働が一般的とされてきました。会計コンサルタントも仕事の特性上、残業ありきで激務でクライアントの要望に応え続けてきた職種といえます。
しかし昨今の働き方改革の影響もあり、会計コンサルタントの業務量も緩和されてきています。
平均的な残業時間が10時間~30時間となっており、民間企業が実施したアンケート調査の結果では、平均残業時間22.2時間という報告もあることを踏まえると、突出して残業が多いわけでななさそうです。(出典:日本の残業時間 定点観測ーOpenWork)
プロジェクト次第では「クライアントに張り付き、終電を逃して会社に泊まる」などといった働き方をする場合もあれば、「定時ピッタリに上がり、プライベートを満喫できる」といった場合もあります。
また、会計コンサルタントにおいても働き方改革が進んでおり、厳しいプロジェクトにアサインされた場合でも、以前ほどの激務にならない場合も増えてきているようです。
会計コンサルタントの繁忙期における労働状況
様々な業界で繁忙期があるように会計コンサルタントにも繁忙期は存在します。
決算月が多い9月と3月は各クライアントの決算期が被ることが多く、クライアントからの連絡や対応、書類対応に追われるシーンが増えます。
特に2月から4月にかけてが忙しく、クライアントは前年度の財務諸表の作成や監査対応、税務申告等の業務に追われます。
会計コンサルタントは、これらの業務のサポートやアドバイスを行うために、経営者や財務担当者と連携して決算業務の進行をサポートしなければなりません。
そのため、最近は少ないとは思いますが、日中の通常業務時間だけでは足りず、夜遅くまで、または週末を迎えても業務が続くことが珍しくありません。
ただ、繁忙期の忙しさは、非常にハードなものと言えますが、その反面、会計コンサルタントとしてのスキルや経験を急速に積むことができる「伸びる時期」と捉えることもできます。
会計コンサルタント求められるスキルや経験
会計コンサルタントに必要なスキルや経験を以下に解説していきます。
会計コンサルタントに必要な経験
会計コンサルタントになるには、会計分野での経験が必要となります。
具体的には、以下が求められることが多いです。
- 事業会社での経理・財務に関する業務経験
- 監査法人での監査・アドバイザリー経験
会計コンサルタントに必要なスキル
会計コンサルタントに必要なスキルとしては、以下があげられます。
- 論理的思考力
- 問題解決力
- 企画力
- コミュニケーション能力
顧客企業を経営的立場から問題解決をすることが求められるため、求められるスキルも高くなってきます。
会計コンサルタントの向き不向き
会計コンサルタントという職種は非常にやりがいのあるものですが、一方でそれなりのストレスや責任も伴います。
そこで、この職種に向いている人の特徴や向いていない人の特徴を以下で解説します。
ご自身の性格や適性を頭に浮かべながら読んでいただき、「本当に会計コンサルタントがあっているか」を一緒に考えていきましょう。
会計コンサルタントに向いている人の特徴
会計コンサルタントになるには、数字と向き合うことが得意であり対外的なコミュニケーションも苦にならない人が向いています。
具体的には、以下が求められることが多いです。
- 数字の細かいことに気をつける
- 分析的思考ができ、問題解決能力がある
- コミュニケーション能力が高い
会計コンサルタントに向いている人は、まず細かいことに気をつける性格の持ち主であることが多いです。
会計というのは、数字の世界であり、1つのミスが大きな影響を及ぼすことがあります。そのため、細部にまで気を配り、正確に業務を進めることができる人が求められます。
ただし、数字というと無機質に感じますが、数字から企業の経営状態や将来の展望を分析する必要があります。
そのため、分析的な思考を持ち、情報の中から重要なポイントを抽出し、それを基に戦略を立てることができる人が向いています。
さらに、クライアントとのコミュニケーションが日常的に行われるため、高いコミュニケーション能力も必要です。
というのも、会計の知識は専門的であり、それを一般のクライアントに伝えるためには、その知識を分かりやすく伝える能力が欠かせません。
どれだけ優秀な会計コンサルタントでも、クライアントに伝わらなければ「コンサルタントとしての価値」を評価してもらうことすらできません。
会計コンサルタントに向いていない人の特徴
会計コンサルタントになるには、常に変わる課題に対応するため、同じ作業を繰り返すルーチンワークを好む人には向いていません。
具体的には、以下が求められることが多いです。
- ルーチンワークを好む
- プレッシャーに弱い
- 協調性がない
- 短期的な成功を求める
会計コンサルタントの仕事はクライアントによって変わるうえ、時期やタイミングによって求められるアウトプットも変わります。
ルールやマニュアルに沿って対応するようなルーチンワークを好む人からすると辛い仕事かもしれません。
さらに、少し特殊なクライアントを担当すると、先週と違うことを要望されたり、先月の方針からガラッと変わっていることだってあり得ます。
こうしたクライアントの要望や、業界の動向に柔軟に対応する必要があるため、新しいことにチャレンジすることが苦手な人には難しい面もあります。
また、会計コンサルタントは多くの場合、チームでの業務が中心となります。
そのため、協調性を欠いている人や、一人で仕事を進めるのを好む人にも向いていないといえるでしょう。
会計コンサルタントの将来性とキャリアパス
会計コンサルタントは企業の経営や財務の基盤となる部分を支える仕事です。「会計コンサルティング」という仕事の重要性はこれからも変わることはありません。
以下にて会計コンサルタントの将来性やキャリアパスについて詳しく解説していきます。
会計コンサルタントの将来性
会計コンサルタントの業務範囲は、経営戦略の策定から日常的な会計業務の最適化、そして新しいビジネスモデルや市場変動に伴う対応策まで非常に幅広いです。
特にグローバル化が進む現代のビジネス環境下では、異なる国や地域の会計基準や税制に対応する能力がますます重要となってきています。
社内に専門的な人材を確保できていれば良いですが、多くの企業の場合は人材確保に苦戦している状態です。
だからこそ、コンサルタントとして需要があり、今後も需要がなくなることがない職業と考えて良いでしょう。
一方で、技術の進化により、AIやロボット技術が会計業務に取り入れられるようになると予想されているのも事実です。
定型的な作業しかできなかったり、「情報のみ」しか提供できていないコンサルタントはAIやロボット技術に代替されてしまう恐れがあります。
ただし、「あくまで情報しか提供していないコンサルタント」に限ります。
これは企業ごとに内情が違ったり、社内の人間関係などの変数が存在する限り、「人間的な部分を考慮できるコンサルタント」の需要は絶えません。
よって、AIやロボット技術を効果的に活用しながら、それらの技術には補えない人間な視点を持ったコンサルタントとして働くのが最適解といえそうです。
会計コンサルタントのキャリアパス
会計コンサルタントとしてキャリアをスタートすると、最初は主に現場での業務やクライアントとの直接のやり取りを担当することが多いです。
この段階で、多岐にわたる業務知識やクライアント対応のスキルを磨き上げることが重要となります。
数年の経験を積むと、プロジェクトのリーダーやマネージャーとしてチームを率いる役割が増えてきます。この時期には、人材育成やプロジェクトの成功を導く戦略の立案能力が求められます。
将来的には、会社や組織の上層部に進出することも考えられ、会計だけでなく、経営全般の戦略立案や組織運営に関わるポジションを担うことも可能でしょう。
人によっては、経験やネットワークを活かして独立し、自身のコンサルティングファームを設立するという選択も考えられます。
会計コンサルタントに転職におすすめの資格
会計コンサルタントになるためには「これがなければ会計コンサルタントになれない」というような必須となる資格はありません。
ただ、募集要項によっては以下の資格が求められる場合があります。
これらの資格はすべて難関資格で取得は一筋縄ではいきませんが、会計コンサルタントになるためには取得に向けてしっかりと取り組んでおいたほうがいいでしょう。
代表的な会計コンサルティング会社一覧
会計コンサルティングサービスを提供する企業は、大きく分けて以下4つに分けられます。
それぞれについて解説します。
総合系コンサルティングファーム
トップマネジメント層から一般社員層まで会社全体の企業課題を、一気通貫ワンストップで行っているコンサルティングファームです。
代表的な総合系コンサルティングファームとしては、以下があげられます。
FAS系
FASはファイナンシャル・アドバイザリー・サービスのことを指し、M&Aや財務に関連した課題解決に特化したコンサルティングファームのことをいいます。
代表的なFAS系コンサルティングファームとしては、以下があげられます。
製品ベンダー系
製品ベンダー系は自社製品をもっており、戦略的に自社製品を採用してもらうために、ビジネスコンサルティングやマネジメントコンサルティングを行います。
主な製品ベンダー系としては、以下があげられます。
国内独立系
国内独立系コンサルティングファームとは、欧米の方式をもとにしたコンサルティングを行わずに、日本式のコンサルティングを行っているコンサルティングファームのことをいいます。
クライアントとしては大企業ではなく中小企業が中心となります。
主な国内独立系コンサルティングファームとしては以下があげられます。
会計コンサルタントになるための近道
会計コンサルタントになる近道は、会計コンサルタントを募集している企業に就職することです。
ただ、自身の力のみで就職をしようとすると、以下をすべて自身の力で行わなくてはなりません。
- 企業分析
- 自己分析
- 職務経歴書の作成
- 求人を探す
- 面接対策
これらすべてをクオリティ高く行うのは、一筋縄ではいきません。
これらをクオリティ高く、効率的に行うには、プロの力を活用するといいでしょう。
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公開求人数 | 非公開(2024年12月26日現在) |
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会計コンサルタントになるには業界に詳しいエージェントの力を借りることも視野に入れてみてはいかがでしょうか。以下記事では会計コンサルタント向けの転職エージェントを紹介しています。
会計コンサルタントについての疑問・Q&A
未経験でもOKな会計コンサルタントの求人はある?
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未経験であってもあきらめず、まずは転職エージェントに相談してみるのが良いでしょう。
会計コンサルタントと士業の違いは?
まず、両社の一番の違いは「資格」が必要かどうかということになります。
税理士や公認会計士は資格がなくてはできない仕事があります。
しかし、会計コンサルタントという業務には資格は必要ありません。
業務の違いを公認会計士と会計コンサルタントで比較すると、公認会計士が書類などを「監査」するのに対し、会計コンサルタントは書類などを作る際の「フローの改善」などを行います。
公認会計士が会社が作った決算報告書が法律の規則に違反していないかを確認するのに対し、会計コンサルタントは、決算報告書を会社が作るときの業務フローを改善し、会社が決算報告書をよりスムーズに、少ない費用で、正しく作れるように支援をします。
会計コンサルタントまとめ
最後に、今回の内容をまとめます。
- 会計コンサルタントは、主に顧客企業の会計に関するコンサルティングを行う
- 会計コンサルタントの仕事内容は、顧客企業の経営に深くかかわる責任とやりがいの大きい
- 会計コンサルタントの将来は明るく、独立まで視野に入れたキャリア形成が可能
- 会計コンサルタントの年収相場は他業種と比べても高い水準
- 門的な知識が求められるため、関連書籍や学習スクールを活用して学習すると良い
- 会計コンサルタントになるには、その道のプロである転職エージェントの力を借りることが好ましい
当記事を通じて一人でも多くの方が会計コンサルタントへの第一歩を踏み出していただければ幸いです。
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※(2020年10月時点)