企業のDX化が進み、大規模なITプロジェクトが増加する中で、「PMO」という職種のニーズが高まっています。PMOは高年収な職種ではありますが、小規模なプロジェクトではあまり導入されることがないため、聞き馴染みがない方もいるかもしれません。
そこで、この記事では、PMOの仕事内容や役割、PMOが向いている人・向いていない人の特徴、「やめとけ」と言われる理由などを詳しく解説します。PMOへの転職を成功させるコツなども紹介しますので、参考にしてください。
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PMOとは?

PMOは、「Project Management Office」の頭文字を取ったビジネス用語です。直訳では、「プロジェクトを管理する組織」となります。実際には、組織・部署だけではなく、プロジェクトをマネジメントする人材もPMOと呼ばれるケースもあるようです。PMOの具体的な仕事内容や役割などについて、以下で解説します。
PMOの仕事内容や役割
PMOは、プロジェクト管理を行うPMのサポートを中心に、多岐にわたる業務を行います。代表的な業務は、以下の通りです。
- 複数のプロジェクトの進行管理
- 人材や機材、資金面などのリソース管理
- 現場と経営陣との橋渡し
- 社外の利害関係者も含む関係者間の意見のすり合わせ
PMOは、ITコンサルファームやSIerなどのIT業界で導入されることが多いです。IT業界では、多様な業界のクライアントに対応する必要があるため、幅広い知識を要求されます。また、一般企業のIT部門で複数のプロジェクトを円滑に進行させるために、PMOが設置されることもあります。
PMOの働き方
PMOは、社内に専門の部署を設置するケースと、社外のコンサルティングファーム・専門家に依頼するケースがあります。
小規模プロジェクトでは、PMがマネジメントすることで十分に対応できるケースもよくあります。そのようなケースでは、PMOは設置されません。しかし、プロジェクトの規模が中規模から大規模になれば、PMがすべてのマネジメントを担うことは難しくなります。そのような際に、PMを支えるPMOが置かれます。
社内にPMOを常設していない企業では、必要な際、外部に依頼することになります。
PMOとPMは立場が違う
PMOとPMは一見似ていますが、立場や業務内容は異なります。
PMは、「Project Manager」(プロジェクトマネージャー)の略語であり、統括責任者としてプロジェクトを率いるリーダーを指します。
対して、PMOは、PMを支える参謀や黒子のような役割です。PMOは、プロジェクト管理、リソースの調整などを行い、PMが意思決定しやすいよう支援します。
PMとPMOの立場・役割が不明瞭なままプロジェクトに参画してしまうと、「使えない」「不要だ」と見なされる懸念があります。両者の立場を明確に理解し、適切に業務を遂行することが重要です。
PMOの将来性

PMOは将来性があると言える職種です。ここ数年でDX化の波が各業界に押し寄せており、大規模なITプロジェクトが増加しています。
プロジェクトの規模が大きければ大きいほど、プロジェクトの進行管理は複雑で困難となります。それに伴いPMの負担が増えるため、PMの支援を担うPMOの需要も増加傾向です。
また、PMの育成という観点からも、PMOの必要性が高まっています。IT人材は全般的に不足傾向にあり、PMも不足しがちであるためです。
PMOは、プロジェクト管理やPMの育成などを担う、専門性の高い仕事です。IT系業種の中では上流工程と位置付けられるでしょう。高いスキルを持つPMOは、報酬も高い傾向にあります。
PMOの仕事内容とは?具体的に解説

PMOの仕事内容は、組織やプロジェクトによって変わりますが、代表的な仕事内容は次の4点です。
それぞれについて、以下で具体的に解説します。
プロジェクトの進行管理・リソース管理
プロジェクトの進行管理・リソース管理は、PMOの代表的な仕事です。PMOは、組織内の様々なプロジェクトを並行して監視し、必要があればリソースのコントロールを行います。
具体的には、各部署の人員や設備・機材、予算、ソフトウェアライセンスなどのリソースを把握し、プロジェクトの内容や進捗に応じて適切に配置します。時には、複数の部署が同じ人材を必要とするケースなども発生するでしょう。その際は、必要な調整を行い、競合の解消を図ります。
PMOがプロジェクト管理・リソース管理を担うことで、組織内の無駄や競合を最小限に抑えることが可能です。また、各プロジェクトの遅延防止にも繋がります。
PMの育成とサポート
PMの育成とサポートもPMOの重要な仕事です。PMOは、PMの支援を行う立場なので、PMの仕事内容や必要なスキルをよく理解しています。このため、PMの育成やサポートを担うことが可能です。
具体的には、新しいPMがスキルや知識を習得するのを支援します。先輩社員等と一緒に業務に参画させ、実務を通じて経験を積ませることもあります。
PMのスキル・知識が不足していると、プロジェクト全体に悪影響が及んでしまうでしょう。PMOがPMの育成やサポートにあたることで、プロジェクトを安定的に推進することができます。ただし、PMOが前に出過ぎることがないよう、互いの役割は明確にしておく必要があります。
組織の知的資産を管理
組織の知的資産を管理することも、PMOの仕事です。PMOは、プロジェクトが完了した後、プロジェクト経験から得た知見を組織全体に共有します。成功事例はもとより、失敗事例からも、今後に活かすべき教訓、課題を抽出します。
プロジェクトマネジメント手法は、継続的な改善が重要です。プロジェクトから得られた運営のノウハウや教訓、知見などを組織の知的財産としてデータベース化することで、次のプロジェクトに活用できます。これにより、組織全体の競争力強化につながるでしょう。そのため、知的財産データベースの構築や維持もPMOの重要な仕事の一つです。
プロジェクト間・組織間の橋渡し
プロジェクト間・組織間の橋渡しも、PMOの重要な役割です。PMOは、複数のプロジェクトチームについて、チーム間の関係性向上を図り、協力体制の構築やサポートを努めます。必要があれば、部署間の調整のほか、現場と経営陣との調整も行います。
さらに、社外の協力会社なども含めたステークホルダーとのコミュニケーション向上を図ることもあるでしょう。
具体的な業務内容は、ステータスレポートの作成、経営陣への報告、プロジェクトの一元管理、情報共有などです。これらの取り組みにより、プロジェクト間や部署間の風通しがよくなり、迅速で適切な意思決定が可能となるでしょう。
PMOの職種

PMOの職種は、企業によっても、プロジェクトの規模や内容によっても変わりますが、次の3種類の職種が設けられるのが一般的です。
企業やプロジェクトによって、各職種に担当者が配置されるケースもあれば、複数の職種を一人が兼務するケースもあります。それぞれの職種について、以下で解説します。
PMOアドミニストレータ
PMOアドミニストレータは、PMの業務の中でも事務的な作業をサポートする職種です。「PMO事務」と呼ぶこともあります。
プロジェクトの規模が大きい場合、事務作業も膨大になるため、PMが一人で担うのは難しくなります。PMOアドミニストレータは、次のような業務を行うことで、プロジェクトの進行を円滑にするのが主な役割です。
- プロジェクトデータの収集・整理
- 情報共有、リマインド
- 資料作成、書類管理
- 経費処理
- プロジェクトメンバーの勤怠管理、稼働管理
- 会議のコーディネート
PMOエキスパート
PMOエキスパートは、プロジェクト管理に関するルールの策定や品質の標準化を担います。複数のプロジェクトを行うと、プロジェクトの進行や成果がPMによって変わることがあります。
プロジェクトごとのバラつきを減らし、品質を安定させるのが、PMOエキスパートの役割です。PMOエキスパートは、主に次のような業務を行います。
- プロジェクトの各プロセスの分析、改善、標準化
- 情報収集手法の確立
- プロジェクトツールの開発、改善、標準化
- プロセスに関する社内教育、人材開発
PMOエキスパートがプロジェクト管理の標準化を行うことで、業務効率化も可能となり、リソース・コストの削減にもつながります。
PMOマネジャー
PMOマネジャーは、PMOを統括・管理する立場です。企業の経営戦略に即してPMO組織の戦略を作成するほか、PMOの予算管理、人員管理なども担います。PMOマネジャーの業務は多岐にわたり、企業によっても変わりますが、代表的なものは次の通りです。
- PMO組織戦略の策定
- 複数プロジェクトの横断的管理
- PMOメンバーの勤怠管理、稼働管理
- PMOメンバーの教育
- PMO組織の予算管理
- プロジェクト投資判断
PMOマネジャーは、PMのサポート役にとどまらず、経営陣とPMの間に入って必要な調整を行うこともあります。そのため、PMOマネジャーには、豊富な経験や高いスキルが必要です。
PMO導入のメリットは?

PMO導入により、多くのメリットが期待できます。主なメリットは、次の4点です。
PMの負担軽減が期待できる
PMO導入のメリットとして、PMの負担軽減が期待できることが挙げられます。大規模プロジェクトでは、プロジェクトの進行管理や品質管理をPMのみで担うのが難しいため、PMOがPMを支援することで、プロジェクトが円滑に進められるでしょう。
PMはプロジェクトの統括を行うので、キャパシティがギリギリ、あるいはオーバーしている状態は良くありません。PMは、不測の事態にも速やかに対応しなければならないので、ある程度、余裕が必要です。
PMOを導入していれば、そのような重要局面でも、適切な判断や対応が可能となります。大規模なプロジェクトになるほど、PMOの導入意義が高まると言えます。
プロジェクトの全体像が可視化しやすい
プロジェクトの全体像が可視化しやすいことも、PMO導入のメリットです。PMOは、進行しているプロジェクトの情報を一元的に管理しています。各プロジェクトの内容や進行状況を取りまとめることで、経営陣が全貌を把握できるようになるので、適切な経営判断に繋がるでしょう。
プロジェクト管理には、工程管理・プロジェクト管理向けツールを活用することもあります。たとえば、「SynViz S2」のようなツールです。ツールを導入することで、プロジェクトの全体像がわかりやすくなります。また、社内システムと連携することで、各部署での業務管理も効率的になるでしょう。
客観的な視点でプロジェクトを管理・進行できる
客観的な視点でプロジェクトを管理・進行できることも、PMO導入のメリットの一つです。PMOは、基本的に企業内の各部署から独立した専門部署です。社内組織として設けられているPMOであっても、社内事情や部署間の力関係などに左右されずに、フラットな視点でプロジェクトを管理・進行する役割を担います。
これにより、客観的で公平なプロジェクト管理が可能となるため、プロジェクトの成功率が高まるでしょう。PMのみの場合、経験則や思い込みに基づいて重要な判断を下してしまう可能性もありますが、PMOがいればそのようなリスクも軽減できます。
経営判断の精度が向上する
経営判断の精度が向上することも、PMO導入の大きなメリットです。PMOはPMの意思決定を支援します。PMOを全社的に導入することで、PMがより的確かつ迅速に意思決定をすることができます。市場の動向、プロジェクトを取り巻く環境の変化などにもスピーディな対応が可能です。
PMOは、プロジェクトの進捗や課題、リスクなどを分析し、経営陣に情報提供することもできます。経営陣が常に正確な情報を把握すれば、現場との認識の齟齬を減らすことができます。データに基づいた経営判断も可能となるので、企業の競争力強化にも繋がるでしょう。
PMO導入のデメリットは?

PMOは、プロジェクトの推進に貢献する重要な仕事です。そのため、PMOは優秀な人材が担うことが多いです。
しかし、PMOが現場でプロジェクトメンバーに対して強気に出てしまうと、PMOとメンバーの間で衝突・対立が起きる可能性があります。また、優秀であるが故に、PMOがPMを差し置いてプロジェクトの管理にあたってしまい、PMとの違いが曖昧になってしまうケースもあるようです。
PMOを導入する際は、このようなデメリットも認識しておくことが重要です。PMOの導入はメリットも大きいため、デメリットを上手に克服する工夫が必要です。以下では、PMO導入の2つのデメリットそれぞれについて、解説します。
PMOと現場との間に衝突・対立が起きやすい
PMO導入のデメリットの一つに、PMOと現場との間に衝突・対立が起きやすいことが挙げられます。PMOとプロジェクトメンバーとの間には基本的に上下関係はなく、PMOがプロジェクトメンバーの上司ということではありません。
ただ、PMOは、プロジェクトの円滑な管理を担う立場であるため、発言や態度が高圧的と受け取られしまうことがあります。プロジェクトメンバーにとっては、プロジェクトの進捗管理を行うPMOは、上司のように見えてしまうこともあるでしょう。
PMOが原因で衝突・対立が起きてしまっては、本末転倒です。衝突・対立が起きないよう、日ごろからコミュニケーションを密にしておくなどの工夫が必要です。
現場の裁量が減りPMの役割が形骸化する
現場の裁量が減り、PMの役割が形骸化することも、PMO導入のデメリットの一つです。PMOは、PMとは立場が異なり、PMの負担軽減に向けた業務を担います。しかし、経営陣とPMの間に入って必要な調整などを行ううちに、PMOがPMを差し置いてプロジェクト管理を行うようになるケースがあるようです。
PMは、プロジェクトの統括責任者です。そのため、PMOの権限がPMより強くなることは、基本的にありません。PMOが立場を超えた裁量権を持ち、PMの役割が形骸化してしまうとすれば、その理由は、組織内での役割や責任が不明瞭であるためでしょう。PM・PMOそれぞれの役割や責任を明確にし、密に連携を図ることが求められます。
PMOは意味がない?PMOが役立つ場面とは

PMOはプロジェクトの遂行に有用な職種です。ただ、スケジュール管理や書類作成などは、一見、誰でも行えるような業務です。そのため、「PMOは意味がないのでは?」と思われてしまうことがあります。
実際には、PMOが役立つ場面は多くあります。PMが単独では業務を抱えきれないようなケースでは、特に重要性が増大するはずです。たとえば、次のようなプロジェクトでは、PMOの役割を十分に発揮できることでしょう。
- リスク管理が複雑なプロジェクト
- 経営判断が継続的に必要なプロジェクト
- 大規模またはステークホルダーが複雑なプロジェクト
- 経験が豊富ではなく、サポートが必要なPMが担当するプロジェクト
PMOはやめとけと言われる理由とは

PMOは「やめとけ」という声もあるようです。その理由として、主に次の4点が挙げられます。
- 現場でリソースが不足しており、多くの役割を一人でこなさなければならないケースがある
- プロジェクトによって求められる役割が異なり、多様なスキル・経験が求められる
- スキルや専門知識が不足していると、質の高い提案が難しい
- プロジェクトを取り巻く環境が急変することがあり、柔軟な対応を要求される
PMOには、単にPMのサポート業務だけではなく、高い専門性や豊富な経験、スキルが必要とされます。そのため、誰にでも務まるような仕事ではありません。
PMOは安易な気持ちで転職できる職種ではないため、「きつい」「厳しい」「やめとけ」などと言われやすいと考えられます。
PMOの仕事に必要なスキル

PMOの仕事に必要なスキルは、身につけるのに時間を要するスキルもありますので、PMOを目指す方はぜひ計画的に準備することが重要です。PMOの仕事に必要とされるスキルは、主に次の5点が挙げられます。
ITに関する幅広い知識
ITに関する幅広い知識は、PMOの仕事に必須のスキルです。PMOは、進捗管理や調整がメインなので、システム開発などで自ら手を動かすことはあまりありません。
しかし、開発メンバーや開発環境などのリソースの調整やタスクの振り分けなどに関わる機会はあるでしょう。そのような際は、プロジェクトの全体像や各タスクの内容などを理解していることが前提となります。たとえば、適切なエンジニアをアサインするには、技術的な知識も必要です。
そのため、IT全般の知識は、あらかじめ身につけておきましょう。なお、ITに関する幅広い知識がPMOに役立つことから、エンジニアやヘルプデスクなどを経験した人がPMOになることもあります。
プログラミングスキル・開発スキル
プログラミングスキル・開発スキルも、PMOの仕事に必要です。PMOは進捗管理や調整などの業務を支援する役割なので、自分でコードを書く場面はほとんどありません。
しかし、プロジェクトメンバーが現場で行っている作業内容や専門用語は熟知している必要があります。今、現場にどの程度の負荷がかかっているのかを理解できるPMOは、エンジニアと円滑なコミュニケーションを取ることができます。
これにより、プロジェクトが円滑に進められますし、トラブル発生時にも早期解決が可能です。エンジニア経験があり、プログラミングスキル・開発スキルを有している人は、PMOとして案件に参画する際にも有利となる可能性があるでしょう。
マネジメントスキル
PMOの仕事に必要なスキルとして、マネジメントスキルも挙げられます。PMOは、プロジェクトの進捗管理を行う役割を担います。そのため、人員、機材等のリソースやスケジュール、コストなど、プロジェクトの進捗にかかわるすべての要素を一元的に管理しなければなりません。
プロジェクトの進捗に遅れや問題があれば、リソースの再配分やタスク調整など、必要な対応を行います。また、トラブルになりそうな要素が見つかれば、予防措置を取ります。
適切なマネジメントを行うため、常に正確な情報を収集することも必要です。関係者の利害調整やすり合わせにもあたるので、交渉力も求められます。
分析スキルと問題解決力
「分析スキル」と「問題解決力」もPMOの仕事に必要なスキルです。プロジェクトを進める中で、トラブルが発生することはよくあります。PMOは、予期しない問題が発生しても、冷静に原因を特定し、早期に解決を図らなくてはなりません。そのため、問題の原因を見極める「分析スキル」は、PMOに必須のスキルです。
また、客観的なデータに基づいて解決策を導く論理的思考力、迅速に意思決定する能力、解決策を立案・実行する行動力などの「問題解決力」も不可欠です。解決策が複数考えられるケースでは、リスクを最小限に抑えるための適切な意思決定力も求められます。さらに、問題の原因や解決策を経営陣やプロジェクトメンバーにわかりやすく伝える説明力も必要です。
コミュニケーションスキル
PMOの仕事には、コミュニケーションスキルも必要です。PMOは、プロジェクトメンバーや経営陣、協力会社など多くの相手とコミュニケーションを図り、必要な報告や調整を行います。リソースの不足や部署間の競合、経営陣と現場との意見の相違なども、円滑に解決に導かなければなりません。
時には、チームメンバーからの相談を受けることもあるでしょう。話しかけやすい雰囲気、傾聴力も必要です。
コミュニケーションスキルは、コンサルタント全般に必要とされるスキルです。しかし、多くのプロジェクトメンバーや関係者とともにプロジェクトを進めるPMOには、より重要なスキルと言えるかもしれません。
PMOに向いている人

PMOに向いている人の特徴として、主に次の4点が挙げられます。当てはまる方は、ぜひPMOを目指してみてはいかがでしょうか。
中・大規模なプロジェクトのPM経験がある人
PMOに向いている人の特徴としてまず挙げられるのが、中・大規模なプロジェクトのPM経験がある人です。中・大規模なプロジェクトでPM経験がある人は、プロジェクト全体を俯瞰して見ることができます。そのため、課題の発見や解決もスムーズでしょう。リスクの予測や防止にも対応しやすいはずです。
中・大規模なプロジェクトでPM経験がある人は、現場に対する理解も深いため、PMOとしての役割を的確に果たせると考えられます。現場でのトラブルの際に適切な調整を行う、チームメンバーに寄り添いながら解決を図る、といった対応が可能でしょう。
複数のプロジェクト管理を経験したい人
複数のプロジェクト管理を経験したい人も、PMOに向いています。PMOは、複数のプロジェクトに同時に関与することがよくあります。他方、PMは、プロジェクトの統括責任者として、個々のプロジェクトに集中するのが一般的です。
より多くのプロジェクトに関わりたい人、複数のプロジェクトの管理や支援を横断的に行ってみたい人は、PMよりPMOに向いている可能性があります。複数のプロジェクトに関わるため、必要とされる知識も幅広くなり、関わるメンバー・部署も多くなります。人によっては、PMOの方がやりがいを感じやすいかもしれません。
マネジメント能力が高く課題解決が得意な人
マネジメント能力が高く、課題解決が得意な人も、PMOの仕事に向いています。PMOは、プロジェクト全体を俯瞰的に見て進捗管理を行う仕事です。このため、マネジメント能力は、PMOに必須と言えます。
また、問題点を迅速に発見し、対応する課題解決力も求められます。状況を客観的に把握し、冷静に分析することも必要です。
PMOが置かれるのは、大規模プロジェクトでタスクが複雑なケースが多いです。状況が複雑でも、論理的に判断し、適切に対応できる人は、プロジェクトの推進に貢献できるでしょう。
コミュニケーション力が高い人
コミュニケーション力が高い人も、PMOの仕事に向いています。PMOがプロジェクトを円滑に推進するには、コミュニケーション力が不可欠です。必要な情報を相手にわかりやすく伝えることはもちろん、相手の思いを汲み取る傾聴力も求められます。さらに、チームメンバーや経営陣、協力会社など、多くの関係者間の調整も必要です。
PMOの役割は、様々な立場の関係者の橋渡しを行うことです。時には、対立している意見の調整、交渉、提案なども求められるでしょう。コミュニケーション力が高いPMOは、プロジェクトのスムーズな進捗に貢献できるはずです。
PMOに向いていない人

PMOの仕事に向いていない人の特徴として、次の3点が挙げられます。当てはまる方は、キャリアを再考した方がいいかもしれません。
PM未経験もしくは小規模プロジェクトのPM経験のみの人
PM未経験もしくは小規模プロジェクトのPM経験のみの人は、PMOの業務に対応するのは難しい場合があります。PMOは、大規模プロジェクトに設置されるケースが多いです。小規模なプロジェクトで、PMのみでもプロジェクト管理が可能な場合やプロジェクト管理ツールで事足りるような場合は、PMOは設置されません。
大規模プロジェクトは、関係する部署や人員が多く、タスクも複雑です。PMとして小規模プロジェクト経験がそれなりにある人でも、大規模プロジェクトの経験がないと、対応に苦労するでしょう。PMOを目指したい人は、大規模なプロジェクトでPM経験を積むなどして、PMOの役割や業務内容の理解を深めておきましょう。
現場思考が強い人
現場思考が強い人も、PMOの仕事に向いていないでしょう。PMOは、複数のプロジェクトを同時並行で管理することがよくあります。複数のプロジェクトに関与している分、一つ一つのプロジェクトの現場に入る機会は、あまり多くありません。
プロジェクト一つ一つにじっくりと取り組みたい人、プロジェクトの現場にこだわりたい人は、PMOよりPMの方が向いているでしょう。PMであれば、プロジェクトの統括責任者として一つ一つのプロジェクトに集中できます。
もちろん、PMOが現場を軽視してよいわけではありません。現場の視点を大切にし、メンバーに寄り添うことも必要です。
コミュニケーションが苦手な人
コミュニケーションが苦手な人も、PMOに向いていません。PMOは、プロジェクトの進行管理を行い、問題があれば調整や改善を実施します。プロジェクトの円滑な推進に向けて、多くのチームメンバー・ステークホルダーとコミュニケーションを図ることが求められます。
自分からコミュニケーションを取りたくない人、多くの人と仕事をするのは嫌いな人、調整や情報共有が苦手な人は、PMOには不向きです。PMO以外にも、自分に合う仕事を見つけることを検討してみるのも一つの方法です。
キャリアに悩んでいる方は、この記事の後半でおすすめの転職エージェントを紹介するので、ぜひ登録してアドバイザーに相談してみてください。
PMOへの転職におすすめエージェント

PMOへの転職には、転職エージェントの活用がおすすめです。優良な転職エージェントは、好条件・非公開の求人情報を保有していますし、選考対策をはじめ様々なサポートをしてくれるため、転職の成功率アップが期待できるためです。
そこで、PMOへの転職におすすめエージェントを3社紹介します。
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コンコードエグゼクティブグループ

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コンコードエグゼクティブグループは、コンサル転職とポストコンサル転職の支援に特化している転職エージェントです。グローバル・外資コンサル、国内大手コンサルなどへの転職支援実績が多いエージェントなので、コンサル所属のPMOを目指したい方は、ぜひ登録してみてください。
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アクシスコンサルティング

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PMOの仕事に役立つ資格

PMOの仕事に必須の資格はありません。しかし、未経験でPMOを目指したい人、好条件で案件に参画したい人などは、資格があると有利になる可能性があります。資格取得により知識も身につきますので、持っていて損はないでしょう。
そこで、PMOの仕事に役立つ資格を紹介します。
プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格
プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格は、一般社団法人日本PMO協会が認定している資格です。PMO関連資格の中では比較的難易度が低いので、登竜門的な資格と言えるでしょう。
後述するPMOスペシャリスト認定資格など、同協会による他の資格を受験するための条件にもなっています。資格を取得すると、プロジェクトマネジメントに関する基本的な知識・技術を有していることを証明できます。
PMP®試験
PMP®試験は、アメリカのプロジェクトマネジメント協会(PMI)が実施している資格です。プロジェクトマネジメントに関する国際的な資格として知られています。資格取得により、プロジェクトマネジメントの経験、知識、スキルなどを証明できます。
受験には、大卒で36カ月以上の実務経験、高卒以上で60か月以上の実務経験が必要です。日本語で受験することもできます。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施している国家資格です。情報処理技術者試験の高度区分(スキルレベル4)の資格で、難易度が高いことで知られています。
資格取得により、プロジェクトマネージャーとしての専門知識やスキルを証明できます。プロジェクトマネージャー向けの資格ではありますが、PMOにとっても保有価値は高いでしょう。
PMOスペシャリスト認定資格
PMOスペシャリスト認定資格は、プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格と同じく一般社団法人日本PMO協会が認定している資格です。受験には、プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格の取得が条件となっており、同資格の上位資格と位置付けられます。
2016年から運用されている資格です。資格取得により、PMO業務に必要な知識を証明することができます。転職活動や案件参画時に活用できるでしょう。
PMOの仕事内容に関するQ&A

PMOの仕事内容に関してよくある疑問をQ&A形式で3点紹介します。個人のキャリアや具体的な選考対策などの疑問は、エージェントに登録してアドバイザーに相談することをおすすめします。
PMOの平均年収はいくらですか?
PMOの年収は、企業規模や雇用形態、経験・スキルなどにより変わります。社内PMOなのか、コンサル会社のPMOかによっても異なりますので、一概には言えません。しかし、一般的に、PMと業務が似ているため、PMの平均年収と同じかそれ以上の年収と予測できます。
厚生労働省のデータによると、PMの平均年収は752.6万円※です。PMOの年収についても、この金額が目安となるでしょう。
なお、PMO未経験からスタートする場合は、上記より低く、400万円台となることも考えられます。PMOの高度な仕事内容から考えると、低いと感じるかもしれません。高収入を目指したければ、転職前に資格を取得するなど、必要な準備をしておきましょう。
PMOは誰でもできる仕事ですか?
PMOは本来、PMを支援し、大規模なプロジェクトの進行管理や調整を担うなど、複雑で専門性が高い仕事です。したがって、PMOは誰でもできる仕事ではありません。
しかし、PMOの役割をきちんと定義していない組織体制も存在するのは事実です。そのような組織でPMOを置くと、役割が形骸化してしまい、誰でもできるような仕事や事務作業がメインの業務内容となってしまうこともあります。
組織体制を明確にした上で、経営陣や現場スタッフもPMOの役割をきちんと理解することが重要です。それにより、誰でもできる業務は他の部門に回すなどの工夫が可能となるでしょう。
良いPMO、ダメなPMOとはどんなPMOですか?
PMOは、PMを支援し、プロジェクトの推進に貢献する立場です。逆に、プロジェクトの推進を阻害してしまっているのがダメなPMOと言えます。たとえば、次のようなケースです。
- コミュニケーション不足で、プロジェクトメンバーと十分な意思疎通・情報共有ができていない。
- 目標が不明瞭なため、プロジェクトメンバーが目指すべきゴールがわからない。
- プロジェクトの進捗管理が不十分で、トラブルが生じても迅速な対応ができない。
- 誰でもできる業務に終始してしまう。
良いPMOは、プロジェクトメンバーと十分なコミュニケーションを図りながら、プロジェクトの円滑な推進を図るはずです。良いPMOは、プロジェクト成功に不可欠な存在となるでしょう。
PMOの仕事内容とは?のまとめ

この記事では、PMOの仕事内容やPMOが向いている人の特徴などを解説しました。PMOは高い専門性を要する分、高年収も期待できる仕事です。
ただし、好条件の求人は非公開となっていることが多いため、情報を保有している転職エージェントの活用が不可欠です。転職エージェントは選考対策などのサポートもあるので、活用すれば転職成功率が格段に上がるでしょう。記事内で紹介した転職エージェントにぜひ登録してみてください。





