監査法人からの転職タイミングはいつがおすすめ？転職先別に解説！

監査法人で数年働いたものの「転職するならいつがベストだろう？」と悩む方は少なくありません。業務を通じて専門性が身につく一方で、長時間労働やキャリアの将来性に不安を感じる人も多いでしょう。

転職のタイミングを誤ると、スキル不足や経験年数の短さから希望するキャリアに進めないリスクもあります。本記事では、監査法人からの転職におすすめのタイミングを紹介します。

さらに、成功事例やおすすめエージェント、キャリアの選択肢を広げるヒントまで解説しますので、参考にしてください。

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監査法人からの転職タイミングでよくあるのは？

監査法人からの転職タイミングとして多いのが、入所してから3〜5年目の時期です。この頃には、会計監査の基本的なスキルやプロジェクト経験が一通り身につき、自分のキャリアを今後どう広げていくかを考える余裕が出てきます。

さらに、結婚や出産、海外留学といったライフイベントが働き方を見直す契機になることも少なくありません。公認会計士資格を持つ人材は、常に一定の需要がありますが、若いうちの方が転職先の選択肢が広く、ポテンシャルを評価されやすいのも事実です。

30代以降でも専門性を活かして活躍の場を広げることは可能ですが、キャリアチェンジや新たな挑戦を視野に入れるなら、早めに動いた方が有利になるケースが多いでしょう。

「ついていけない」の声も…監査法人で退職者が続出する理由とは

監査法人は社会的に高い評価を得られる職場ですが、その一方で「ついていけない」と感じて離職する人も少なくありません。ここでは、監査法人で退職者が続出する主な理由について解説します。

繁忙期の長時間労働など労働環境が過酷

監査法人は、繁忙期に長時間労働が常態化しやすい傾向にあります。特に3月決算企業の監査シーズンは、深夜や休日に及ぶ作業が発生しやすく心身の負担が蓄積しがちです。

短期間で大量の業務を処理する必要があるため、経験が浅いスタッフほどついていけないと感じやすいです。もちろん残業代が支払われる場合も多いですが、ワークライフバランスが崩れやすく、家庭やプライベートとの両立が難しいと感じて離職に至るケースも少なくありません。

労働環境を理由に退職する人が一定数存在するのは、監査法人業界の構造的な問題といえるでしょう。

同じ作業の繰り返しによるマンネリ感

会計監査の現場では、チェックリストに沿って証憑を確認したり、資料を突合したりといったルーチンワークが中心となります。もちろん重要な業務であり責任も大きいのですが、毎年同じような作業が続くことで、成長実感が得られにくいと感じる人も多いです。

特に若手のうちは担当範囲が限られ、決算書の一部だけを延々と確認するなど、視野が広がりにくいのが実情です。スキルが身についているのか不安・将来に活かせる経験なのか分からないと感じ、モチベーションが下がって結果的に転職を選ぶ人も少なくありません。

プライベートとの両立が難しい

監査法人の業務は繁忙期に偏りがあるため、計画的に休暇を取りにくいという課題もあります。特に繁忙期は休みが取りづらく、家族や友人との時間を犠牲にせざるを得ないケースも多いです。

また、クライアント先への常駐業務が続くと移動や拘束時間が増え、プライベートに充てられる時間がさらに削られることになります。そのため、結婚や子育てなどライフイベントをきっかけに、働き方を見直して転職を決断する人も目立ちます。

仕事のやりがいはある一方で、長く続けられる働き方なのかという不安が強まり、結果的にキャリアチェンジを選ぶ要因になりやすいのです。

昇進競争が厳しい

監査法人は明確な階層構造を持ち、昇進には厳しい競争があります。スタッフからシニア、マネージャー、パートナーとキャリアを積み上げていきますが、年次やスキル、営業力、クライアントとの関係構築力など、幅広い要素が求められます。

特にマネージャー以上を目指す場合は、監査スキルに加えて経営的な視点や組織マネジメント力も必須です。そのため、努力しても必ず昇進できるわけではないという現実に直面し、モチベーションを失う人も少なくありません。

昇進競争に疲弊し、自分に合ったキャリアを模索する目的で転職を検討するケースが多いのです。

公認会計士資格を活かしてキャリアアップしたい

公認会計士資格を取得したものの、監査業務だけでは専門性の幅が狭まると感じる人もいます。例えばM＆A、FAS、コンサルティングといった分野では、会計士としての知識をより幅広く活かせる可能性があります。

資格自体は監査法人以外でも高く評価されるため、もっと挑戦できるフィールドで活躍したいと考えるのは自然な流れです。特に若手や中堅層では、早い段階でキャリアの可能性を広げるために転職を決意する人が目立ちます。

資格をキャリアアップにつなげたいという前向きな理由も、退職者が多い要因の一つです。

監査法人の公認会計士におすすめの転職先

監査法人で培った知識や経験は、他業界でも大きな強みになります。ここでは、監査法人の公認会計士におすすめの転職先をいくつか紹介します。

一般企業

一般企業の経理・財務部門は、監査法人出身者にとって人気の転職先の一つです。監査業務で培った決算や内部統制の知識をそのまま活かせるため、スムーズにキャリアをシフトしやすいのが魅力です。

特に上場企業では、開示資料の作成や内部監査の経験を持つ人材は高く評価されます。また、経営企画やIRといった経営層に近いポジションを目指すチャンスもあり、キャリアの幅を広げられます。

さらに、監査法人に比べるとワークライフバランスを取りやすい環境が整っている企業も多く、家庭やプライベートを重視したい人にとっても理想的な選択肢となるでしょう。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームは、監査法人で培った分析力や論理的思考力を最大限活用できる場です。特に財務デューデリジェンスや内部統制の改善プロジェクト、業務効率化支援など、会計の専門性を求められる案件は数多く存在します。

監査法人出身者はクライアント対応やレポーティングに慣れているため、即戦力として期待されやすいのも特徴です。また、グローバル案件に携わる機会も豊富で、語学力を活かしたキャリア構築も見込めます。

一方で、プロジェクトごとの負荷は高くなりがちですが、その分ダイナミックな経験を積めて、短期間で大きな成長を遂げたい人におすすめです。

投資ファンド

投資ファンドは、公認会計士の知識を活かしつつ金融の最前線で働ける人気の転職先です。監査法人でM＆Aや企業価値評価に関わった経験を持つ人は高く評価され、ファンドにおける投資判断やモニタリング業務に直結します。

企業の財務分析やリスク評価のスキルは必須であり、会計士としての専門性がそのまま武器になる環境です。また、成功報酬型の報酬体系が多く、成果に応じて高年収を狙える点も魅力です。

労働時間は厳しくなるケースもありますが、金融・投資分野でキャリアを築きたい人には最適な転職先といえるでしょう。

税理士・会計事務所

税理士法人や会計事務所も、公認会計士の専門性を活かせる転職先です。監査業務に加え、税務申告や会計コンサルティング業務など、顧客企業を幅広くサポートできる点が特徴です。

特に中小企業の顧問業務では、経営者に直接アドバイスを行う機会が多く、経営視点を磨けます。独立を視野に入れる人にとっては、税務やコンサルティングの経験を積むことで、将来的な開業準備につながります。

また、監査法人に比べると働き方の自由度が高い事務所もあり、ライフスタイルに合わせたキャリアを築きやすい環境といえるでしょう。

FAS

FAS（Financial Advisory Services）は、M＆Aや事業再生、企業価値評価などを専門とする分野で、監査法人で得た知識をさらに高度に活用できます。財務デューデリジェンスの経験はそのまま活かせるため、監査法人からの転職組が多いのも特徴です。

FASの業務はプロジェクトごとにスピード感が求められ、膨大な資料を短期間で分析する力や、クライアントに対して分かりやすく提案する力が必須です。成果が数字で評価されやすく、結果次第では高年収を実現できる点も大きな魅力になります。

会計士としてキャリアを広げたい人や、金融・M＆Aに興味がある人にとって非常にやりがいのある転職先といえるでしょう。

監査法人からの転職でおすすめのタイミングは？

転職は、何年目に動くか・一年のどの時期に活動を始めるかで結果が大きく変わります。ここでは、監査法人からの転職でおすすめのタイミングを解説します。

一般企業への転職タイミング

一般企業の経理・財務部門に転職する場合、監査法人での経験年数は3〜5年目が目安とされています。この時期には決算や内部統制など幅広い業務に携わり、即戦力として評価されやすいです。

1〜2年目では基礎力不足と見られがちですが、逆に7年以上経つと「マネジメント層として採用されるか」「業務に順応できるか」と判断されるため難易度が高まります。また、時期としては4月や10月の人事異動に合わせた募集が増える1〜3月、7〜9月が狙い目です。

決算期を終えた後は採用ニーズが高まりやすいため、この時期に転職活動を始めるのがおすすめです。

コンサルティングファームへの転職タイミング

コンサルティングファームは、若いうちに転職するほど吸収力が高く歓迎されやすい傾向があります。目安は監査法人で3〜5年経験を積んだタイミングで、監査業務に加えてクライアント折衝や提案の経験があると選考を有利に進められるでしょう。

1〜2年目ではまだ業務経験が浅く説得力に欠けますが、6年以上経つと専門性が固定化され、コンサルタントとしての柔軟性が懸念されるケースがあります。転職の時期としては、上半期・下半期の始まりに当たる4月や10月に合わせて募集が増える1〜3月、7〜9月が最適です。

コンサルファームはプロジェクト単位で採用を行うこともあるため、年間を通じてチャンスがあるのも特徴です。

投資ファンドへの転職タイミング

投資ファンドは高い専門性と即戦力性が求められるため、監査法人での経験は最低でも5年程度あると有利です。特にM＆A、企業再生、デューデリジェンスに関わった実績があると評価が高まり、財務分析能力を武器に転職できます。

年齢としては20代後半〜30代前半が狙い目で、若いうちから投資の現場で経験を積むことでキャリアの幅が広がります。時期的には案件が動きやすい年度末や上半期開始前（1〜3月、7〜9月）がおすすめです。

ファンドは採用枠が限られているため、転職エージェントを通して非公開求人や急募募集が出た際にすぐ動けるよう準備しておきましょう。

税理士・会計事務所への転職タイミング

税理士法人や会計事務所は、監査法人での経験が短くても転職が可能な分野です。1〜3年目の若手でも、会計知識や監査経験を活かして即戦力として採用されるケースがあります。

特に、税務分野にキャリアチェンジしたい等の明確な意思があれば、早めの転職も有効です。一方で、5年以上経験を積んだ人材は、マネジメントスキルや顧客折衝力を期待されるポジションに応募できるためキャリアの選択肢が広がります。

時期としては、確定申告や決算対応で繁忙期を避けるのが基本です。春（4〜6月）や秋（9〜11月）に募集が増えるため、その前に動くとスムーズです。

FASへの転職タイミング

FASへ転職するには、監査法人で最低3〜5年の経験を積んでいることが望ましいです。特にM＆Aやデューデリジェンスの経験は大きな強みとなり、監査法人で企業価値評価や内部統制に関わった実績があると高く評価されます。

20代後半〜30代前半が一般的な転職タイミングで、この時期であればポテンシャルと経験のバランスが良いと判断されやすいです。時期的にはM＆A案件が増える年度初めや半期切り替え時（4月や10月）に合わせて募集が多くなる傾向があります。

求人は不定期に出るため、常に情報収集を行いチャンスを逃さないようにしましょう。

監査法人からの転職を成功させるには

監査法人での経験を武器に新しいキャリアを築くには、計画的な準備が欠かせません。ここでは、転職を成功に導くための4つのポイントを紹介します。

転職目的やキャリアビジョンを明確にする

転職を成功させるためにまず大切なのは、自分がなぜ転職したいのか、その先にどんなキャリアを描きたいのかを明確にすることです。例えば、「ワークライフバランスを重視したい」「海外での経験を積みたい」「経営企画の分野で活躍したい」など、人によって理由は異なるでしょう。

目的が曖昧なまま転職活動を進めると、内定を得ても理想とのギャップに悩み、再度転職を繰り返すリスクがあります。ビジョンを具体化すると、求人選びや志望動機の作成にも一貫性が生まれて選考通過率も高まります。

余裕を持って転職活動をすすめる

転職は在職中に始める人が多いものの、仕事が忙しい時期に焦って活動すると情報収集や準備が不十分になりがちです。監査法人では繁忙期が明確にあるため、その時期を避けて余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。

少なくとも3〜6か月の時間をかけて活動を進めると、複数の求人を比較検討でき、条件交渉や面接対策にも集中できます。また、現職との退職交渉や引き継ぎの期間も考慮する必要があります。

準備期間を確保することで、希望条件に合った転職先を選びやすくなり、満足度の高いキャリアチェンジにつながるのです。

スキルや知識の棚卸しをする

これまでの経験やスキルを振り返り、自分がどんな価値を提供できるのかを明確にすることも欠かせません。監査法人で培った会計知識や財務分析力、チームマネジメント経験などは強力なアピールポイントになります。

棚卸しをする際には、担当した案件や得られた成果を具体的に整理し、数字や事例を交えて語れるよう準備しておきましょう。また、自分の強みだけでなく弱みを把握することも有益です。

弱点を補うために必要なスキルを特定し、勉強や資格取得に取り組むことで、転職活動をより有利に進められます。

会計士の転職に強いエージェントを利用する

監査法人からの転職を考える際には、会計士や財務系職種に特化した転職エージェントを利用するのが有効です。一般的な求人サイトだけでは出会えない非公開求人を紹介してもらえるだけでなく、職務経歴書の添削や模擬面接といったサポートを受けられます。

また、エージェントは企業との強いパイプを持っているため、条件交渉や選考スケジュールの調整を代行してくれるのもメリットです。さらに、キャリア相談を通じて自分では気づかなかった選択肢を提示してもらえる可能性もあります。

特化型エージェントを活用すると、効率的かつ戦略的に転職を進められるでしょう。

監査法人からの転職におすすめのエージェント

一般的な総合型サービスではなく、会計・監査分野に精通した専門エージェントを利用することで、キャリアの可能性を広げる非公開求人や専門的なアドバイスを得られます。ここでは、監査法人出身者に強くおすすめできるエージェントを紹介します。

MS-Japan

MS-Japanは、管理部門・士業に特化した国内トップクラスの転職エージェントで、監査法人出身者の転職支援に強みを持ちます。会計士や税理士向けの求人はもちろん、経営企画や内部監査など、監査経験を活かせるポジションを多数取り扱っているのが魅力です。

監査法人で積んだ知識や経験を活かしつつ、企業のコアメンバーとして活躍できる求人を紹介してくれるため、将来的に監査以外のフィールドを目指す人にも向いています。さらに、担当アドバイザーは監査法人や会計業界の事情に詳しく、応募先ごとの面接対策や職務経歴書の添削も丁寧に対応してくれます。

職種への知見を備えたアドバイザーが在籍しており、キャリアデザインに関わるアドバイスやマッチした求人情報を提供してくれる転職エージェントです。

MS-Japanの基本情報
運営会社	株式会社MS-Japan
公式サイト	https://www.jmsc.co.jp/
公開求人数	10,635件以上（2025年9月29日現在）
主な求人職種	人事、総務、経理、財務、法務 経営企画コンサルティング、マーケティングなど

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参照元

※MS-Japan

ヒュープロ

ヒュープロは、会計士・税理士・労務などの専門職に特化した転職エージェントで、監査法人からのキャリアチェンジにも強みを発揮します。特にITを活用したマッチングシステムにより、希望条件に沿った求人をスピーディーに提案できるのが特徴です。

監査法人の経験を活かした経理・財務ポジションはもちろん、コンサルティングファームやFAS、税理士法人など多様な選択肢を紹介してくれます。また、若手会計士のサポート実績が豊富で、キャリア初期に転職を検討する人にも安心です。

求人のバリエーションが豊富だからこそ、一人ひとりの希望に合った求人を提案できるのが強みです。

ヒュープロの基本情報
運営会社	株式会社ヒュープロ
公式サイト	https://hupro-job.com/
公開求人数	5,869件（2025年9月20日現在）
主な求人職種	税理士・税務、公認会計士社会保険労務士、弁護士など

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参照元

※ヒュープロ※調査概要および調査方法：税理士・会計業界専門求人サイトを対象としたデスクリサーチおよびヒアリング調査調査期間：2023年10月24日～11月6日調査実施：株式会社ドゥ・ハウス（2024年1月1日より株式会社エクスクリエに商号変更します）比較対象企業：「税理士・会計業界専門求人サイト」展開企業 主要10社

ヤマトヒューマンキャピタル

ヤマトヒューマンキャピタルは、公認会計士や監査法人経験者のキャリア支援に特化したエージェントで、特にミドル層以上の転職に強い点が特徴です。Big4を含む大手監査法人から事業会社のCFO候補や内部監査、投資ファンドやコンサルティングファームへのキャリアチェンジ事例も豊富にあります。

監査法人勤務者の悩みや課題に理解が深いため、単なる求人紹介にとどまらず、中長期的なキャリア構築を見据えたアドバイスが受けられるのも大きな魅力です。「新規事業立ち上げるから責任者を一人紹介して欲しい」「実は○○が退職するから、今回だけ未経験者採用するよ」など、企業トップとの関係性により特殊な求人相談も多いです。

監査法人からより戦略的なキャリアに進みたい人や、年収アップを狙いたい人にとって頼れる存在となるでしょう。

ヤマトヒューマンキャピタルの基本情報
運営会社	ヤマトヒューマンキャピタル株式会社
公式サイト	https://yamatohc.co.jp/
公開求人数	2,903件（2025年9月11日現在）
主な求人職種	経営・経営企画・事業企画系、管理部門系、営業系、コンサルタント系、金融系専門職

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参照元

※1ヤマトヒューマンキャピタル
※2ヤマトヒューマンキャピタル（弊社調べ）

監査法人からの転職成功事例

監査法人からの転職は、多くの会計士にとってキャリアの分岐点となります。ここでは、実際の転職成功例を紹介し、それぞれがどのように新たなキャリアを切り開いたのかを見ていきましょう。

転職成功事例①中堅監査法人から大手監査法人系アドバイザリーへ

転職前のキャリア	中堅監査法人
転職後のキャリア	大手監査法人系アドバイザリー
転職理由	業績不振先企業のM＆A案件に関与したことがきっかけ

とある人は業績不振先企業の案件に関与した際、事業再生に直接貢献したいという強い想いが芽生えたことが転職を決意するきっかけとなりました。

大手監査法人系のアドバイザリー部門であれば、中堅から大企業まで幅広い案件に関与でき、再生領域の専門性を深められると考えたのです。結果として、大手監査法人系アドバイザリーの再生部門への転職を成功させ、キャリアの新たな一歩を踏み出されました。

転職成功事例②Big4から中小監査法人へ

転職前のキャリア	Big4監査法人
転職後のキャリア	中小監査法人
転職理由	やりがいを感じられず、スキルアップの将来性も不安だった

とある人は大学在学中に公認会計士試験に合格し、新卒でBig4監査法人に入社。大手クライアントの監査業務に従事する中で業務が勘定科目ごとに分業されており、全体像が見えにくいことに課題を感じていました。

スキルの幅を広げたいという思いから、税務やアドバイザリー業務にも挑戦できる中小監査法人への転職を検討。コロナ禍という不安定な状況でしたが、企業説明や面接対策を重ねて複数社から内定を獲得しました。

転職成功事例③大手監査法人から大手総合系コンサルティングファームへ

転職前のキャリア	大手監査法人
転職後のキャリア	大手総合系コンサルティングファーム
転職理由	企業の経営戦略に関心を持っていた

とある人は大手監査法人にて会計監査業務を中心にキャリアを積み、マネジメントも豊富に経験されてきました。在職中に有名経営大学院でMBAを取得し、企業の経営戦略に携わる仕事を志望するようになったことから、戦略コンサルティング業界への転職を決意。

実務としては経営戦略分野の経験はありませんでしたが、MBAで得た知識や論理的思考力、加えて監査法人で培ったマネジメント経験が高く評価されました。その結果、大手総合系コンサルティングファームの戦略部門で内定をもらえたようです。

監査法人からの転職タイミングに関するQ＆A

監査法人からの転職を考える際、「いつ辞めるのが良いのか」「他の人はどのくらい勤めているのか」といった疑問を持つ人は少なくありません。ここでは、監査法人からの転職タイミングに関するよくある質問に回答していきます。

監査法人のBig4の離職率は？

監査法人のBig4は以下の4つを指します。

• 有限責任あずさ監査法人
• EY新日本有限責任監査法人
• 有限責任監査法人トーマツ
• PwC Japan有限責任監査法人

Big4は規模が大きく、国内外で豊富な案件を抱えているため、常に新しい人材が求められる一方で、離職率も比較的高いと言われています。ただし、公的機関が公式に発表している統計データは存在しません。

そのため、正確な数字を把握することは難しいのが現状です。とはいえ、業界関係者や転職エージェントの見立てでは、年間でおよそ7％程度の離職率だとされており、他の専門職と比べても決して低くない水準です。

繁忙期の激務や、キャリアチェンジ志向の高まりなどが背景にあると考えられます。

監査法人は何年で辞めるべき？2年・3年で辞めるのは早い？

監査法人は何年で辞めるべきか、という明確な答えはありません。キャリアの方向性や自身の働き方の希望によって最適なタイミングは異なります。

ただ、多くの会計士が転職を検討する節目としては、入所後3年目・5年目、またはマネージャー昇格前が多い傾向にあります。3年目は一通りの監査経験を積み、基本的なスキルを得て次のステージを目指すタイミングになりやすいです。

5年目前後はさらに応用的な監査スキルを持ち、市場で評価されやすくなります。2年目で辞める場合も不可能ではありませんが、経験不足と見なされる可能性があり、転職の幅が狭まるリスクがあります。

監査法人に何年勤めると転職しやすいですか？

転職市場で最も評価されやすいのは、3〜5年程度の勤務経験を積んだタイミングです。3年目頃は、監査の基礎スキルを身につけており、事業会社の経理・財務部門やコンサルティングファームに転職する人が多く見られます。

5年目前後になると、監査チームのリーダー経験やマネジメントスキルが評価され、応募できる求人の幅がさらに広がります。ただし、それ以上勤め続けると、マネジメント経験を活かして管理職候補の求人を狙える一方で、求人数自体は減少傾向です。

そのため、幅広い選択肢を持ちながら市場価値も高い状態で動くなら、3〜5年目が最もバランスの良い転職タイミングといえるでしょう。

監査法人への転職タイミングのまとめ

監査法人からの転職は、キャリアの方向性やライフイベントに応じて最適なタイミングが異なりますが、一般的に3〜5年目は最も市場価値が高く、選択肢も広がりやすい時期です。事業会社・コンサル・金融機関・税理士法人・FASなど、転職先ごとに求められる経験やスキルが異なるため、自分の強みを整理し、適したタイミングを見極めることが大切です。

迷ったときは会計士に強い転職エージェントを活用し、キャリアビジョンに合った転職を実現しましょう。