近年SaaS業界は急激に進化しており、多くの企業が参入を始めています。SaaS営業は難しいからやめとけと言われることもありますが、それは本当なのでしょうか。
結論から言うと、SaaS営業が「難しい」「きつい」と言われる背景には、表面的な一面だけが見られていることが関係しています。当記事では、SaaS営業が難しい・きついと言われる原因から市場価値、向いている人まで詳しく解説します。
SaaS営業の転職におすすめのエージェントや向いている人なども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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SaaS営業の主な仕事内容

SaaS営業の主な仕事内容は、以下の通りです。
それでは詳しく説明します。
インサイドセールス
インサイドセールスは、電話やメール、Web会議などの非対面手段を用いて商談獲得を目指す営業手法です。社内にいながら顧客と接点を持てるため、効率良く営業活動を行うことができます。
資料請求や問い合わせがあった顧客に対して、電話やメールを使ってアプローチを行い、商談を通じて顧客の課題を引き出しながら、解決策としてSaaS製品を提案します。インサイドセールスで商談を獲得できた場合は、フィールドセールスへと引き継ぎ、製品の導入を促進しながら契約の締結へとつなげていきます。
顧客が資料請求や問い合わせを行った際、最初に対応するのがインサイドセールスの担当者です。企業の売上に直結する重要な役割を担っています。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、契約後の顧客に対して、使い方の案内や課題解決の支援を行います。SaaS事業は顧客にサービスを継続的に利用してもらうことで利益を得ているため、顧客が成果を上げられるよう支援することがカスタマーサクセスの役割です。
SaaSのサービスは主にサブスクリプション型が中心で、契約するプランに応じて料金体系が異なり、月額制で提供されるのが一般的です。そのため、顧客の解約率低下やプランのアップグレードの促進も成果指標の一つとなります。
契約後の顧客がサービスをどれくらい利用しているのかを分析し、便利な活用方法の提案や定期的なヒアリングを通じて、利用頻度の向上を目指します。ただ顧客をサポートするのではなく、事業成長のドライバーとなる戦略的ポジションです。
フィールドセールス
フィールドセールスは、顧客と直接対面して商談・提案・契約を行う営業手法です。商談を契約へと導く役割を担っており、SaaS業界では対面に限らず、オンライン商談も含まれることが一般的です。
インサイドセールスが見込み顧客との商談を獲得し、フィールドセールスを通じて課題を引き出し、その解決策としてSaaS製品を提案します。そして、クロージングを行い、顧客が納得すれば契約へとつながる流れです。
SaaS事業は顧客が継続的に利用してもらうことで売上を得ているため、営業段階からいかに信頼関係を築くことが重要です。
SaaS営業が難しい・きついと感じる人の特徴

SaaS営業が難しい・きついと感じる人には、以下のような特徴があります。
SaaS営業を目指している方は、ぜひチェックしてみてください。
定量的な報告をするのが苦手な人
SaaS営業はデータ分析をしながら論理的に改善策を考えていくため、定量的な指標に基づいてマネジメントされることが一般的です。営業担当者は受注目標から逆算して各工程の重要指標を明確にし、社内の関係部署やチームに報告します。
例えば、月の売上目標が1,000万円である場合、以下のような計算が必要です。
- 月の目標1,000万円÷平均単価=月の目標受注件数
- 月の目標受注件数÷受注率=月の目標提案件数
- 月の目標提案件数÷初回商談実施後に提案に進める確率=月の目標初回商談数
- 月の目標初回商談数÷見込み顧客へ接触して初回商談のアポをとれる確率=1か月間で見込顧客へ電話すべき件数
SaaS営業は各目標数値をKPIとして設定し、最終目標となる受注を目指します。従来のような従来のように、直感や精神論に頼ったマネジメントは通用しないため、定量的な報告が苦手な方はSaaS営業に難しさやきつさを感じることがあるかもしれません。
チームで成果を出すのが苦手な人
SaaS営業はマーケティングやインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスなど、業務内容に応じて担当が分かれています。営業担当者はチームで営業活動を行うため、コミュニケーションを取りながら柔軟な対応が求められます。
例えば、インサイドセールスを担当する場合、顧客からのアポイントを獲得した場合、速やかにフィールドセールスの担当者に共有する必要があります。アポイントを獲得したとしてもフィールドセールスの担当者に報告していなければ、顧客との面談につながらず契約の機会を逃す可能性があります。
このように、SaaS企業では複数の担当者がチームとなって商談を進めるため、他者とのコミュニケーションが苦手な方にとっては、難しさや厳しさを感じる場面もあるでしょう。
変化の激しい環境だとついていけない人
SaaS業界はテクノロジーが日々急激に進化しており、製品やサービスの内容が頻繁にアップデートされています。商材の機能が新しく追加されることもあり、営業担当者は見込み顧客に向けて提案方法を変える必要があります。
営業担当者は新しい変化に柔軟な対応が求められるため、1つのやり方に固執すると追いつけなくなる可能性が高まります。変化の激しい環境に前向きにチャレンジできる姿勢がなければ、SaaS営業として活躍することは難しいです。
【やめとけ】SaaS営業が難しい・きついと言われる理由

SaaS営業が難しい・きついと言われる理由として、以下のような点が挙げられます。
それでは詳しく解説します。
専門知識・スキルが求められる
SaaS営業は専門的な知識やスキルが求められるため、業務に難しさを感じる方も少なくありません。SaaS業界は分業制が進んでいますが、企業によっては1人の担当者がインサイドセールスやカスタマーサクセス、フィールドセールスなどを兼任するケースもあります。
また、会社が取り扱うSaaSの商材について深い知見が必要になるので、日々学び続ける必要があります。成長することに前向きな方であればSaaS営業として活躍できますが、継続的な学習に負担を感じる方にとっては、ハードルの高い仕事かもしれません。
契約に至るまでの工程が長い
SaaS営業では法人顧客を対象とするケースが多く、契約までに時間がかかる傾向があります。SaaSのサービスを導入するまでに、複数の意思決定者や担当者が関与するからです。
導入を検討する時間が長くなり、提案からクロージングまで手間がかかるケースが多くなります。例えば、営業担当者は法人顧客との商談を通じて、課題をヒアリングしながらSaaSの製品・サービスを使った解決策を提示する必要があります。
価格交渉や契約条件の調整など、多くの工程を伴うため、営業担当者の負担は大きくなるでしょう。丁寧にフォローしたとしても契約につながらないケースもあるので、人によってはSaaS営業にきつさを感じるかもしれません。
無形商材なので営業の提案力が重要
SaaSは実物がない無形商材であるため、顧客が目視で確認できません。特にソフトウェアの機能や効果は説明だけでは実感しにくいので、営業担当者は導入後のメリットを的確に伝える必要があります。
うまく説明できなければ製品・サービスの魅力を顧客に伝えられず、契約の獲得や継続利用につながりにくくなります。営業担当者は実際の使用例や導入事例を示す必要があり、商材の価値を正しく伝えることが重要です。
提案力に自信がない方は、SaaS営業に難しさを感じる場面が多くなるでしょう。
競争が激しく高い目標が設定される
SaaS業界は急激な成長を続けていることから、競争の激化によって営業担当者には高い目標設定が求められています。SaaSの製品・サービスによっては競合他社が多いため、企業は市場シェアを拡大するために高い目標が課される傾向にあります。
高い目標は営業担当者に大きなプレッシャーとなり、目標達成が達成が困難になるケースも少なくありません。無形商材であることから顧客に価値を伝えることも難しく、目標達成のハードルが高くなっています。
今後もSaaS業界は成長を続けていくため、SaaS営業の担当者にとってもプレッシャーを感じやすくなるでしょう。
顧客と長期的な信頼関係を築く必要がある
SaaS事業は商材を継続的に利用してもらうことで売上を得ているため、離脱率を下げるには、顧客との長期的な信頼関係の構築が欠かせません。定期的なフォローやサポートを行うことで、顧客の継続利用につなげることができます。
大手企業向けのSaaS商材を取り扱う場合、複数の意思決定者と連携する必要があり、関係者全体の満足度を高めることが重要です。しかし、意思決定者ごとに考え方が異なり、信頼関係を築くまでに多くのプロセスや時間がかかります。
結果として営業担当者のプレッシャーは大きくなり、精神的な負担も大きくなりがちです。
SaaS営業の年収

SaaS事業は急激に成長していることから、全体的な利益の大部分を支えている企業も少なくはありません。一般的なSaaS営業の年収を紹介します。
どれくらいの年収を見込めるのかを把握するためにも、ぜひチェックしてみてください。
SaaS営業の職種別年収
前提として、SaaS営業の年収は職種によって大きく異なります。勤める企業によって大きな差があるため、あくまでも参考程度に留めておきましょう。
職種 | 平均年収 |
---|---|
インサイドセールス | 300万円〜700万円 |
カスタマーサクセス | 400万円~800万円 |
フィールドセールス | 400万〜1,000万円 |
インサイドセールスは顧客との商談を獲得する職種であるため、未経験者でも参入しやすい職種です。ほかの職種と比べて平均年収は低いですが、経験を積みながらリーダーやマネージャーとして昇進することで年収アップが見込めます。
カスタマーサクセスは顧客に継続的に利用してもらうためにサポートする職種であり、企業の収益を支える役割があるため、インサイドセールスよりも高い年収が設定されています。
フィールドセールスは顧客との商談から契約締結までを担当するため、重要性の高さから高年収を実現するケースもあります。エンタープライズ向けの大規模な商談を担当する企業であれば、年収1,000万円以上を得ることもできるでしょう。
日系SaaS企業と外資系SaaS企業の年収の違い
SaaS系企業は、大きく分けて日系と外資系の2種類があります。日系企業は日本国内に本社を構えており、外資系企業は海外に本社があります。
以下に、日系SaaS企業のSansan株式会社と外資系のセールスフォース・ジャパン株式会社における、SaaS営業の年収を比較した表をまとめました。
企業 | 平均年収 |
---|---|
Sansan株式会社 | 650万円※1 |
セールスフォース・ジャパン株式会社 | 1,274万円※2 |
比較の結果からも分かるように、日系SaaS企業と比べて外資系SaaS企業のほうが年収は高い傾向にあります。はじめに、日系SaaS企業で経験とスキルを身につけ、その後のキャリアアップとして外資系SaaS企業への転職を目指す流れがおすすめです。
外資系SaaS企業では高いレベルの営業経験・スキルが求められますが、収入面を重視する方にとっては、高年収を実現しやすい環境といえるでしょう。
SaaS営業になる方法

SaaS営業になるには、以下のようなステップが必要です。
- SaaS企業を調査
- 自己分析
- 応募先SaaS企業を選定・準備
- 書類選考
- 面接選考
- 内定面談(オファー面談)
まずはSaaS企業について理解を深めるために、各企業の事業内容や営業スタイルについて調査しましょう。次に、自分のキャリアや強みを自己分析しながら、SaaS営業に活かせるスキルや考え方を書き出します。
その後、応募するSaaS企業を選定し、企業に合わせた職務経歴書・履歴書を準備する流れです。これまでの実績を数値として示すことで、企業の採用担当者にアピールできます。
準備が整ったら、職務経歴書・履歴書を提出して書類選考に臨みます。書類選考や面接選考の通過率を向上させたい方は、転職エージェントの利用をおすすめします。
SaaS営業になるために転職エージェントを利用する理由

SaaS営業になるために転職エージェントを利用する理由として、以下のような点が挙げられます。
それでは詳しく説明します。
SaaS業界の情報を効率よく得られる
SaaS業界の詳細情報は一般公開されていないことが多く、個人で情報収集するには限界があります。そのため、SaaS業界への転職を目指す場合は、転職エージェントの活用が非常に効果的です。
転職エージェントは、SaaS企業の採用担当者と直接のネットワークを持っており、非公開求人や企業の内部情報を多数保有しています。たとえば、業界内のシェア率や月平均の受注数、顧客の傾向などの非公開情報を提供してもらえるので、SaaS業界の情報収集として活用することが可能です。
これにより、製品やサービスの競争力が高く、営業として成果を出しやすいSaaS系企業を選定できます。転職活動では情報収集に手間と時間がかかりやすいことから、転職エージェントを利用することは大きなメリットの一つといえるでしょう。
SaaS業界に詳しいコンサルタントのサポートが受けられる
インターネット上には営業職に特化した転職エージェントが豊富にあり、SaaS業界に精通したコンサルタントから質の高いサポートを受けられます。
SaaS系企業の情報提供だけでなく、希望条件に合った求人の紹介や選考書類の添削、面接対策、条件交渉など幅広くサポートしてもらえます。
転職活動を一人で進めるには多くの時間と労力がかかるため、現職の業務と並行して進めるのは簡単ではありません。
転職エージェントを利用すれば、転職活動を全面的にサポートしてもらうことができ、求職者の負担を大幅に軽減できます。入社後のアフターサポートも受けられるため、悩みや不安があればいつでも担当者と相談可能です。
SaaS営業への転職におすすめのエージェント

SaaS営業への転職におすすめのエージェントを3社紹介します。
各エージェントの詳細や特徴を説明するので、ぜひ利用を検討してください。
SQiL Career Agent
- 営業スキルに関するデータ・知見を強みとしている
- 専属のキャリアアドバイザーが求職者の強みを洗い出す
- 1,300社・12,000サービスの豊富な営業支援実績
SQiL Career Agentは、営業職に特化した転職エージェントです。営業スキルに関する豊富なデータと知見を強みに、求職者に有益な情報提供を行ってくれます。
営業職を細分化することで、各営業職ごとに求められるスキルを定量アンケート・定性インタビューで調査しています。専属のキャリアアドバイザーが求職者の強みを明確にした上で、応募先企業に合わせた対策を提案してくれます。
求職者のスキルを棚卸ししながら、実現したいキャリアに基づいて、今後身につけるべきスキルを提案してくれます。
1,300社・12,000サービスの豊富な営業支援実績※があり、幅広い営業ノウハウや知見を持っている点も特徴です。営業職転職に強い転職エージェントを求めるなら、SQiL Career Agentの利用がおすすめです。
SQiL Career Agentの基本情報 | ||
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運営会社 | 株式会社セレブリックス | |
公式サイト | https://sqil-career.com/ | |
公開求人数 | 非公開(2025年5月13現在) | |
主な求人職種 | 営業職 |
関連記事>>SQiL Career Agentの評判・口コミ
9Eキャリア

- 求職者と併走しながら転職サポートを提供
- 将来性の高い営業職に領域特化している
- 求職者ファーストのサポートを心がけている
9Eキャリアは、求職者と併走しながらサポートする営業職特化型の転職エージェントです。カスタマーサクセスやインサイドセールス、SaaS・IT業界営業、キャリアアドバイザー、営業職全般など幅広い求人を用意しています。
将来性の高い営業職に領域特化しているため、納得のいく転職先を見つけることができます。応募書類作成や面接対策などもサポートしており、選考通過率の大幅な向上が期待できます。
求職者ファーストのサポートを心がけており、寄り添いながら対応してくれる点も魅力です。サイト内にはこれまでの転職支援実績が記載されており、転職後に想定される年収を確認できます。中長期のキャリアを考えながら転職支援してもらいたいなら、9Eキャリアの利用がおすすめです。
9Eキャリアの基本情報 | ||
---|---|---|
運営会社 | 株式会社9E | |
公式サイト | https://9e-career.com/ | |
公開求人数 | 非公開(2025年5月13現在) | |
主な求人職種 | カスタマーサクセス職、インサイドセールス職、 SaaS・IT業界営業職、キャリアアドバイザー職、 営業職 |
関連記事>>9Eキャリアの評判・口コミ
hape Agent

- 顧客満足度98%の実績
- 転職活動を全面的にサポート
- 求職者の価値観・キャリアビジョンをもとに求人企業の要件と結びつけながらマッチング
hape Agentは、顧客満足度98%の実績※を誇る営業職特化型の転職エージェントです。ヒアリングや案件紹介、面接対策まで、しっかり時間をかけてサポートしてくれるため、安心して転職活動を進められます。
蓄積されたデータをもとに、書類添削や職務経歴書の作成、面接対策などをサポートするので、選考通過率の向上が期待できます。求職者の価値観やキャリアビジョンを重視し、求人企業の要件と結びつけながらマッチングを行ってくれる点も大きな特徴です。
また、独自システム「Direct Search」によって、常時16,000件以上のアクティブな求人案件を閲覧できます。営業職に特化し、確かな実績を持つ転職エージェントをお探しの方には、hape Agentを利用してみましょう。
hape Agentの基本情報 | ||
---|---|---|
運営会社 | 株式会社hape | |
公式サイト | https://agent.hape.co.jp/ | |
公開求人数 | 非公開(2025年5月13現在) | |
主な求人職種 | 営業職 |
参照元
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SaaS営業に向いている人

SaaS営業は、以下のような人に向いています。
それでは詳しく解説します。
製品やサービスに対する知識が深い人
SaaS系の製品やサービスに対する知識が深い方は、SaaS営業に向いています。SaaS営業は顧客に商材の魅力を伝えて契約へとつなげるため、豊富な知識量が求められます。
例えば、コミュニケーションツールのサービスを取り扱っている場合、搭載されている機能や活用事例などを詳しく説明することで、顧客に納得してもらい契約へとつなげることが可能です。
製品やサービスの資料について説明できるだけでなく、顧客の課題に合わせた活用方法を提案することで導入の必要性を感じてもらえます。
また、SaaS系の製品・サービスは機能が日々更新されていくため、営業担当者は最新機能について把握しておく必要があります。実際にSaaS系の製品・サービスのデモ画面を操作し、自分の言葉で説明できればSaaS営業として成果を出せるでしょう。
目先の売上ではなく長期目線で考えられる人
SaaS事業では、顧客にサービスを長期的に利用してもらうことが重要な目標です。契約を取れたとしても、短期間で解約されてしまっては、安定した売上にはつながりません。
目先の売上だけを追いかけてしまうと、顧客に対して強引なアプローチになりがちで、サービス本来の魅力を伝えることが難しくなります。結果として、顧客側も導入する必要性がわからなくなり、短期間で解約してしまう可能性が高くなります。
SaaS系の商材は単価が低く設定されているため、長期的な関係構築が売上の鍵を握ります。そのため、目先の売上ではなく、長期目線で営業戦略を考えられる方であれば、SaaS営業として活躍できるでしょう。
チームの輪を乱さない人
SaaS営業では、マーケターやインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスなどの各担当者が連携し、営業活動を進めていきます。
SaaS系企業は各業務を分業化することで生産性を高めているため、1人で業務を完結させることはできません。各担当者と連携が取れなければ、うまくバトンを渡せずに次の工程が滞ってしまいます。
例えば、インサイドセールスが顧客との商談を獲得したとしても、フィールドセールスに課題や求めている成果を情報共有できなければ適切なアプローチができません。
チームとの連携を重視し、円滑なコミュニケーションを取りながら協力できる方であれば、SaaS営業として成果を出せるでしょう。
SaaS営業のやりがいとは

SaaS営業は、職種ごとにやりがいを感じられる仕事です。
マーケティングでは、SNSやブログ、Web広告などのコンテンツを通じて見込み顧客を獲得し、インサイドセールスに有益な情報を渡せたときにやりがいを感じます。
インサイドセールスも同様に、見込み顧客から商談を獲得し、フィールドセールスに良いパスを渡せたときにやりがいを感じます。フィールドセールスは見込み顧客との商談からクロージングまで担当するので、契約につなげたときにやりがいと達成感を得られる点が魅力です。
カスタマーサクセスは、顧客に継続的な利用をサポートする役割があり、自社のファンを増やすことにやりがいがあります。
マーケティングからカスタマーサクセスまでの職種は、それぞれ目標を設定しながら仕事を進めるため、目標数値を達成することもSaaS営業の大きなやりがいといえるでしょう。
SaaS営業のメリット

SaaS営業のメリットとして、以下のような点があります。
良い点を理解するためにも、ぜひチェックしてください。
様々な職種にチャレンジが可能
SaaS営業では、マーケターやインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスなど幅広い職種にチャレンジできます。職種によって達成すべき目標は異なりますが、SaaS系企業では取り扱う製品・サービスが共通している場合が多いです。
例えば、インサイドセールスとしてSaaS系企業に入社したなら、経験やスキルを身につけながらインサイドセールスリーダーとして昇進することも可能です。サービス知識をもとにフィールドセールスとしてキャリアチェンジも可能であり、自分のキャリアプランに合わせて働き方を選べます。
転職で新しい職種に挑戦することは年齢とともに難しくなりますが、社内でのキャリアチェンジであればチャレンジしやすいでしょう。業務の中で自分に合った職種が見つかるため、SaaS営業に転職することで、多様なキャリアを目指せる点は大きなメリットです。
自分の市場価値を高められる
SaaS業界は年々成長を続けており、製品・サービスの利用者数も増加傾向にあります。AmazonプライムビデオやNetflixといった定額制の動画配信サービスは、多くの映画やアニメを楽しめるため、世界的にも利用者が多いです。
法人向けのサービスは仕事の効率化に役立つため、多くの企業で継続的に利用されています。しかし、現時点でSaaS営業経験者は少ないので、今のうちに経験やスキルを身につけておけば、将来的に需要・市場価値の高い人材として活躍できます。
大手企業がSaaS事業に参入する機会も増えているため、SaaS営業経験者としての実績があれば、好条件で転職することも可能です。将来的に市場価値を高められる点においても、SaaS営業として経験・スキルを身につけるメリットは大きいでしょう。
製品やサービスの押し売りがない
SaaS営業は、顧客が継続的にサービスを利用することを目的としています。製品やサービスを押し売りをすることがないため、顧客から嫌悪感を持たれにくいです。
顧客の課題をヒアリングによって引き出し、商材の改善を繰り返しながら満足度を高めていきます。強引なアプローチをしても顧客は商材を継続的に利用しないため、常に相手の気持ちを優先する意識が必要です。
押し売りのようなアプローチは営業担当者にとっても精神的な負担があるので、精神的にも余裕を持って営業活動ができる点はSaaS営業のメリットといえるでしょう。
SaaS営業のデメリット

SaaS営業のデメリットとして、以下のような点があります。
良い点だけでなく、悪い点についても理解しておくようにしましょう。
業務範囲が広く作業量が多い
SaaS営業では職種ごとに業務が分担されていますが、ベンチャーやスタートアップの企業では1人の担当者がマーケティングからカスタマーサクセスまで対応することもあります。
担当業務の範囲が広がると、作業量も増えるため、精神的・身体的な負担が大きくなります。
業務過多になるとセールスに集中できなくなり、設定した目標を達成することが難しいです。そのため、転職活動ではSaaS事業について、企業がどのような業務体制やサポート環境を整えているのかを事前に確認・調査しておくことが重要です。
成長中の業界のため市場競争が激しい
SaaS業界は日々成長を続けており、市場競争も激化しています。製品やサービスの需要も高いことから、多くの競合企業が参入しています。
SaaS事業はプロダクトが完成すれば初期コストを抑えられるという特徴があり、ビジネスモデルとしても競合が多いです。取り扱う製品やサービスによって競合の数は異なりますが、差別化を図りながら独自の強みを見つけなければ、営業戦略を立てることは難しいでしょう。
そのため、SaaS営業では市場競争に勝ち抜くためにも、常に最新のトレンドや技術を学習しながら商材に反映させる意識が求められます。
SaaS営業の市場価値

SaaS営業の市場価値として、以下のような点が挙げられます。
それでは詳しく説明します。
SaaS業界の国内市場が急成長している
SaaS業界の国内市場は、全体的に売上や利用が伸びています。近年では新型コロナウイルスの影響もあり、多くの企業がテレワーク推進の一環としてDXが進み、SaaSに注目が集まりました。
チャットツールや請求書管理ツール、Web会議システムなどSaaS系の商材はリモートワークで活用できるため、多くの企業が導入しています。今後も国内では多くの企業がSaaSビジネスに参入すると予想されているため、対応できる人材確保が進められています。
このように成長を続ける国内SaaS市場で経験やスキルを身につけることで、自身の市場価値を高め、より好条件の企業への転職を実現することも視野に入れられるでしょう。
SaaS営業経験者が未だ少ない
SaaS業界は急激に成長していますが、一方で世界的に見てもSaaS営業担当者は少ない傾向にあります。従来の営業手法とは異なる特性を持つため、人材の育成やスキル強化が求められています。
現在では、サブスクリプション型のビジネスモデルが普及しており、多くの企業はSaaS営業経験者を求めています。たとえ未経験であっても、SaaS営業についての知識があれば、市場価値の高い人材として高く評価される可能性があるでしょう。
企業のDX需要が急増している
幅広い業界で企業のDX需要は急増しており、業務のデジタル化や自動化を推進したいというニーズが高まっています。特にバックオフィス系の業務効率化は需要が高く、専用のツールやシステムを導入する取り組みが進んでいます。
ほかにも営業では、業務効率化のためにSFA・CRM、名刺管理ツール、メール配信システムなどが導入されることが多いです。このようなITツール・システムは、SaaSとして代表的なサービスであり、企業が積極的に導入しています。今後も企業のDX需要が拡大する中で、SaaS営業における人材の市場価値はさらに高まることが予想されます。
SaaS営業のキャリアパスを種類別に紹介

SaaS営業からのキャリアパスとして、以下のようなものがあります。
それでは詳しく解説します。
インサイドセールスのキャリアパス
インサイドセールスのキャリアパスは、経験やスキルを生かして多様な選択肢が用意されています。たとえば、インサイドセールスマネジャーを目指すことができ、商談獲得率の向上やチーム成果に応じて昇進の可能性があります。
ほかにも、フィールドセールスやカスタマーサクセスへキャリアチェンジも可能で、より幅広い業務に挑戦できます。インサイドセールスからマーケターとして転職する人もいるので、経験やスキルを増やすことで選択肢が広がります。
SaaS営業のインサイドセールスとして実績を増やせば、同業界の他企業へのステップアップ転職も現実的な選択肢となるでしょう。
カスタマーサクセスのキャリアパス
カスタマーサクセスのキャリアパスは、チーム全体を牽引するカスタマーサクセスマネージャーやカスタマーサクセス部門責任者などを目指すことができます。
インサイドセールスやフィールドセールスと比べると、商材を売る営業活動に関わることは少ないですが、顧客をサポートする立場なため、身につく経験やスキルは豊富です。
カスタマーサクセスは企業の高い役職者と接する機会も多いため、問題解決や成長に関われば引き抜きの打診を受けることもあります。営業活動に関わりたいのであれば、企業内のインサイドセールスやフィールドセールスにキャリアチェンジすることも可能です。
将来的には独立し、企業の人材育成に携わるフリーランスコンサルタントとしてのキャリアパスも検討できるでしょう。
フィールドセールスのキャリアパス
フィールドセールスのキャリアパスは、セールスマネージャーや営業部長といった管理職を目指すことができます。営業の現場経験や管理職の実績を積むことで、クライアント企業の営業戦略立案や経営面のアドバイスを行うコンサルタントとして活躍できます。
ほかにも、企業内のインサイドセールスやカスタマーサクセスへキャリアチェンジすることも可能です。信頼関係を構築することで、営業コンサルタントとしても活躍できます。
フィールドセールスはほかの職種と比べても高年収を見込めるので、外資系SaaS企業やエンタープライズセールスに転職することで安定したキャリア形成につながります。十分な営業経験や実績があれば、フリーランスとして独立することも一つの選択肢となるでしょう。
SaaS営業に関するよくある疑問

最後に、SaaS営業に関するよくある疑問について、以下の内容を回答します。
疑問を解消するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
SaaS営業は未経験からでも転職可能?
結論から言うと、SaaS営業は未経験からでも転職可能です。SaaS業界は成長を続けていますが、人材不足から採用が追いついていない状況です。
特に、SaaS営業経験者の人材が不足しているため、企業側は社内で教育・育成する取り組みを進めています。
もちろん関連性の高い経験があれば即戦力としての活躍が期待されるため、IT営業経験者ならSaaS系企業の採用担当者から高い評価を得ることが可能です。
SaaS営業の経験がまったくなくても、これまでの経験や実績を結びつけることで強みとしてアピールできます。まずは自己分析をしながらSaaS営業に活かせる経験やスキル、実績がないか整理し、転職に向けた計画を立てることが重要です。
SaaS営業で身につくスキルは?
SaaS営業では、ヒアリングや提案・プレゼンテーションなどのスキルが身につきます。ほかの営業職でもヒアリングスキルは身につきますが、SaaS営業ではより高度なスキルが求められます。
その理由は、SaaSの商材が顧客ごとにカスタマイズできないため、顧客の要望をそのまま受け入れることが難しいからです。そのため、ヒアリングをもとに顧客から潜在的なニーズを引き出し、最適な提案を行うことが求められます。
本質を深掘りする力が身につくため、高いヒアリングスキルを身につけられます。また、SaaS営業は商談から受注までを1人でこなすため、提案書の作成やプレゼンテーションも担当します。こうした経験を積むことで、提案やプレゼンテーションのスキルが自然と向上していくでしょう。
SaaS営業の転職難易度は高い?
SaaS営業の転職難易度は高い傾向にあります。その理由は、SaaS業界は成長性・将来性が高いので多くの求職者が応募しているからです。特に、ベンチャーやスタートアップは人気が高く、多くの求職者が注目しています。
ただし、ベンチャー企業は即戦力となる人材を求めることが多いため、高い経験やスキルが必要です。業界の調査や自己分析を行い、自分の経験やスキルを業界のニーズと結びつけることで強みを見つけましょう。
SaaS営業は飽きるって本当?
SaaS営業が飽きるかどうかは人それぞれです。SaaS業界は成長を続けていますが、データ分析や顧客とのコミュニケーションなど、ルーティン業務が多い点が特徴です。
似たようなやり取りが続くことも多いため、単調さを感じる人もいます。常に新しい挑戦を求める方には、飽きる可能性が高いでしょう。
一方で、SaaSの商材は定期的に更新されるので、新しい知識や営業戦略を考える機会は多いです。そのため、利用者を増やすための効果的な提案を考えることにやりがいを感じる方には、SaaS営業が向いています。
SaaS業界企業ランキングは?
IT業界の転職情報を紹介しているGeeklyMediaで発表されている、SaaS業界の売上高ランキング※を紹介します。
ランキング1位のSansan株式会社では、名刺管理サービス「sansan」を法人向けに提供しています。ほかにも、企業向けインボイス管理サービス『Bill One』も高い成長を遂げています。
他の企業もそれぞれSaaS製品やサービスを提供しており、将来性も期待されています。
SaaS業界への入社難易度は?
SaaS業界の入社難易度は、企業のフェーズ(スタートアップや大手企業)や職種、求職者の経験・スキルによって大きく異なります。全体的には難易度が高い傾向にありますが、ベンチャーやスタートアップ企業は比較的入りやすいです。
もちろん営業経験者を求めているため、SaaS営業の経験や知識がなくても、営業パーソンとしての実務経験は必要です。大手企業のSaaS営業として転職するためには、ベンチャーやスタートアップの企業で経験やスキルを磨き、具体的な数値実績を出す必要があります。
自分の経験やスキルを整理し、SaaS業界で入社できる企業を見つけるようにしましょう。
SaaSの弱点は何ですか?
SaaSの弱点は、自由度の低さにあります。SaaSは完成済みのソフトウェアをクラウド上で利用するため、開発の手間が省け、運用・保守がしやすいというメリットがあります。
しかし、ベンダー側に依存する仕組みとなっており、顧客ごとに合わせたカスタマイズは難しいです。サービスによっては機能の追加やカスタマイズが可能な場合もありますが、自社向けに開発したソフトウェアと比べると自由度が低くなります。
そのためSaaS事業を展開する企業は、利用者の利用シーンを想定し、必要な機能が揃っているかを慎重に検討する必要があります。
SaaSの営業一日は?
SaaS営業の1日の業務内容は、職種によって大きく異なります。例として、フィールドセールスの業務内容について説明すると、見込み顧客との商談設定や製品のデモ、契約交渉が主な業務です。
午前中は前日の成果や今日の予定をチェックし、見込み顧客に対してフォローアップメールや電話を行います。午後は顧客との商談やデモンストレーションを行い、課題をヒアリングしつつ、最適な活用方法を提案します。
インサイドセールスやカスタマーサクセスとミーティングを行い、見込み顧客の進捗状況を共有しながら次回のアクションを決めることも1日の業務のひとつです。
SaaS営業のまとめ

今回は、SaaS営業が難しい・きついと言われる理由から市場価値や向いている人まで詳しく解説しました。SaaS業界は世界的に成長を続けており、顧客を増やすためにもSaaS営業の担当者が求められます。
需要の高さから、SaaS営業は将来性のある仕事ですが、定量的な報告やチームとの連携、変化の激しい環境が苦手な方にとっては難しさを感じやすいです。
ただし、SaaS営業にはマーケターやインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスなど幅広い職種があり、自分に合ったポジションで活躍できます。ぜひ本記事で紹介した転職エージェントを活用し、理想的な働き方ができるSaaS系企業を見つけてみてください。