総合商社への転職は、世界を股にかけてグローバルに活躍できる、給与水準が高い、語学力が生かせる、といった魅力から、高い人気があります。
しかし、総合商社は新卒採用の人材を育成するスタイルが主流で、中途採用求人はあまり多くありません。
人気は高いのに求人数は少ないので、総合商社への転職はかなりの難関となっているのが実情です。
そこで、この記事では、総合商社転職への転職についてお考えの方向けに、総合商社へ転職するメリットやデメリット、求められるスキルや人物像、転職成功のポイントなどを詳しく解説します。
\外資・エグゼクティブに強い転職エージェント/
※2021年4月時点、ハイキャリア会員のみ
総合商社とはどんな会社か
総合商社は、産業分野で売り手と買い手の取引を仲介(トレーディング)するなど、幅広い事業・サービスを扱う会社です。
従来は、サプライチェーンの川上から川中(トレーディング)をメイン事業としていましたが、世界経済の変遷や生活様式の多様化、その他様々な状況に応じて事業分野が広がり、現在ではサプライチェーンの川下までを担い、物を売ったり、事業投資、融資を含め多くのサービスを提供したりしています。
日本の総合商社は明治以降、近代化や戦後復興、高度経済成長など様々な世界情勢、社会動向の中で成長してきており、現在は脱酸素や再生可能エネルギー、メタバースといった社会問題の解決にも挑んでいます。
国内では、三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、丸紅、住友商事、豊田通商、双日が7大商社と言われています。
総合商社への転職難度
総合商社は、概して給料が高く福利厚生も充実しているため、就職先として人気があり非常に高倍率です。
総合商社では、新卒採用した人材を社内で育成するのが主流で、中途採用はあまり行われていません。
近頃は、新規ビジネスの即戦力や組織体制強化のため中途採用の枠が徐々に広がり、採用人数が少しずつ増えてはいるものの、大手商社でも1社あたり年間数名から数十名程度とまだまだ少数です。
採用基準も厳しく、高いスキルが求められます。
このため、総合商社に中途採用で入社するには、かなりの難関を突破することとなり、転職難度は非常に高いことを覚悟しなければなりません。
総合商社への転職で求められるスキルや人物像
総合商社への転職で求められるスキルや人物像をご紹介します。
即戦力となる専門スキル・経験
総合商社には、営業、事務、企画など多くの部署・職種があり、部署・職種によっても企業によっても求人内容が様々です。
このため、総合商社への転職に求められるスキルや人物像は一概には言えませんが、中途採用では即戦力が重視されるのは間違いありません。
総合商社は学生からも人気が高いため、新卒採用でも多くの優秀な応募者から人材を獲得できます。
そのような人材を育成するのとは別に中途で採用するのは、新卒にはないスキルや経験を期待しているためです。
金融関係であれば公認会計士、貿易関係であれば貿易実務検定、その他IT・プログラミング等の資格や外国語に関する資格などがあれば、専門スキルを客観的に証明でき、評価につながりやすいでしょう。
これまで仕事をしてきた中でのビジネス経験、経営ノウハウなどもアピールポイントとなります。
語学力
総合商社の多くはグローバルな事業展開をしているため、海外企業や海外の支店・支所等とのやり取りが頻繁にあります。
このため、多くの部署・職種で高い語学力が求められます。
TOEICなど外国語に関する資格があればプラス評価される可能性があります。
ビジネスでは英語でのやり取りが主流なので、社内に英語が話せる人は多くいますが、中国語、フランス語など他の語学もできればプラス評価されることがあります。
柔軟な思考力・チャレンジ精神
総合商社は互いに厳しい競争をしており、単なるトレーディングだけではなく、各社独自の新ビジネスにも積極的に取り組んでいます。
慣習・慣例にとらわれず柔軟に考え、斬新なアイディアを出す思考力がある人、社会・経済の先を読む力がある人や、困難なことにも積極的にチャレンジする人は、高く評価されると考えられます。
総合商社へ転職するメリットデメリット
総合商社へ転職するメリット、デメリットをご紹介します。
総合商社転職のメリット① 年収が高い
総合商社は概して給与水準が高く、ボーナスや各種手当、福利厚生も充実しています。
背景には、事業を大規模に展開していることや、商社は仲介業なので自ら在庫を持つ必要がなく在庫管理のコストが不要であることなどがあります。
また、海外出張や海外駐在の際には、相応の手当がつきます。
中には子どもの養育費なども負担してくれる企業もあります。
総合商社転職のメリット② 大規模プロジェクトに携われる
総合商社は、世界展開を図る大企業ですから、扱うプロジェクトも大規模なものが大半です。
大規模プロジェクトは大きなお金が動きますし、関わる企業・人も多いため、大変なことも多く、プレッシャーもかかりますが、その分、仕事の達成感も大きいはずです。
やりがいのある大規模プロジェクトに携われることは、総合商社に転職するメリットのひとつです。
総合商社転職のメリット③ グローバルに活躍できる
総合商社は海外展開を積極的に図っており、海外企業や海外支店・支所等との交渉・連絡や出張など、グローバルに活躍できる機会が多くあります。
駐在などで海外を拠点としている人も沢山います。
日本以外の国でも精力的に働き、多様な価値観に触れたい人、グローバルに活躍したい人は、総合商社に転職するメリットが大きいでしょう。
総合商社転職のメリット④ スキルアップが図れる
総合商社は様々な分野の商品を扱っていますので、幅広い商品知識が身につきます。
市場調査・マーケティング手法や担当している分野の最先端技術の情報を学ぶことも可能ですし、海外の法律・経済や企業の動向などにも詳しくなるでしょう。
自身のスキルアップになる色々な知識・スキルが得られることも、総合商社で働く大きなメリットのひとつです。
総合商社転職のデメリット① 仕事が忙しい
総合商社は多くの商品を扱うため、商談の数が非常に多く、資料作成などの下準備や会議、社内調整、事後報告などでかなりの業務量があります。
営業職であれば取引先の時間帯に合わせて仕事をしたり、付き合いなどもあり、勤務時間が長時間・不規則となります。
海外とのやり取りをする場合も同様に、時差もあって不規則になりがちです。
売り手と買い手の仲介をする立場として、両社の板挟みとなって苦労することもよくあります。
また、多様な商品を扱うため、常に世の中のトレンドを把握しておかなければならず、継続的に勉強が必要です。
このように色々な面で忙しいことは、やりがいがあると感じる人もいれば、デメリットと感じる人もいるでしょう。
総合商社転職のデメリット② 異動・転勤が多い
総合商社は国内外に支店・支所があり、職種によっては異動・転勤がよくあります。
世界を股にかけて仕事をすることにメリットを感じる人がいる一方で、家族を伴って頻繁に引越しをするとなると人生設計がしづらいなどデメリットと感じる人もいるようです。
総合商社への転職を成功させるポイント
総合商社への転職を成功させるポイントをご紹介します。
即戦力になれるスキルを身につける
総合商社の転職難度は非常に高いので、即戦力としてすぐに活躍できるスキル、専門知識やビジネス経験があることが大前提となります。
実務経験を積むことはもちろん、専門スキルを証明できる資格を取っておくのも良いでしょう。
企業研究をしっかりと行う
総合商社は各社が競い合いながらビジネスを展開していて、企業によって注力商品・領域や目指す方向性が異なります。
中途採用の場合、なぜ転職するのか、この業界・職種を選択した理由、当該企業で働きたい理由(志望動機)や自分のキャリアとの整合性などをしっかりと説明する必要があります。
企業研究をしっかりと行い、自分のスキルや経験、資質が、総合商社側が求める人物像と合致していると面接官にアピールできるようにしておきましょう。
転職エージェントを活用する
総合商社の中途採用求人は不定期で、自分で探すのはなかなか難しいことがあります。
また、狭き門を突破するためには、企業研究、応募書類作成や面接対策をしっかりと行う必要があり、プロのアドバイスがあれば心強いでしょう。
転職エージェントを活用し、アドバイザーにこれらのサポートをしてもらったり、非公開求人を紹介してもらったりすれば、転職活動を有利に進められると考えられます。
総合商社の求人情報
現在、募集のある総合商社の求人の事例を以下にてご紹介します。
募集要項など詳細が気になる方は公式サイト、もしくは求人サイトをご確認ください。
(doda求人サイトより)
(doda求人サイトより)
(doda求人サイトより)
総合商社への転職におすすめの転職エージェント
総合商社への転職におすすめの転職エージェントを3社ご紹介します。
リクルートダイレクトスカウト
運営会社 | 株式会社リクルート |
---|---|
公式サイト | https://directscout.recruit.co.jp/ |
公開求人数 | 402,351件(2024年11月18日現在) |
主な求人職種 | 全職種 |
リクルートダイレクトスカウトは、ハイクラス求人に特化したスカウトサービスで、ハイクラス・エグゼクティブ求人が充実しています。
登録すると情報が匿名の状態で企業やヘッドハンターへ行き、条件が合えばスカウト情報が届きます。
登録しておくだけなので簡単ですし、会員限定の非公開求人や各種情報もあるので、ハイクラス求人を狙いたければ、とりあえずでも登録しておくのがおすすめです。
マイナビエージェント
運営会社 | 株式会社マイナビ |
---|---|
公式サイト | https://mynavi-agent.jp |
公開求人数 | 70,296件(2024年11月18日現在) |
主な求人職種 | 全職種 |
マイナビエージェントは、キャリアアドバイザーのサポートがある転職支援サービスです。
キャリアアドバイザーは業界専任制のチーム編成となっていて、業界出身者や業界事情に詳しいプロフェッショナル集団のサポートを受けられます。
求人紹介やレジュメ作成、面接対策、内定決定後の待遇交渉などもしてもらえます。
非公開求人も多くあるので、登録しておくことをおすすめします。
※マイナビのプロモーションを含みます。
doda
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
---|---|
公式サイト | https://doda.jp |
公開求人数 | 257,816件(2024年11月18日現在) |
主な求人職種 | 全職種 |
dodaは、国内でも大手の転職サービスのひとつです。
求人情報提供、転職エージェントサービス、スカウトサービスを行っていて、求人数の多さや実績もあり、転職・中途採用に強いと言われています。
多くのキャリアアドバイザーや企業人事・採用担当アドバイザーが在籍していて、専門的見地からのサポートを受けることができます。
転職成功の可能性を高められると期待できますので、ぜひ登録をおすすめします。
総合商社への転職希望者によくある疑問Q&A
総合商社への転職希望者によくある疑問と回答をご紹介します。
未経験でも総合商社に転職できますか?
総合商社への転職は、未経験者は不可能ということはありません。
しかし、総合商社の人材募集には、スキル・経験を有する優秀な人材が多く集まります。
その中で未経験者が自身の能力や可能性をアピールし、採用にこぎつけるのはかなり厳しいのが現実です。
未経験者の場合、まずは総合商社の子会社・グループ会社や専門商社などに転職し、ある程度のスキル・資質を身につけた上で、総合商社を目指すのも良いでしょう。
学歴は重要ですか?
総合商社への転職に学歴は無関係というわけではありませんが、それほど重要ではありません。
新卒採用の場合、学歴がある程度影響すると言われていますが、中途採用の場合は学歴よりも即戦力となり得るスキル・資質がより重要です。
学歴は、新卒採用の実績がある大学を卒業していればまず問題ないでしょう。
女性の総合商社転職は厳しいと聞いたのですが?
総合商社は部署・職種によってはかなりの激務です。
総合職などは、海外出張や海外勤務もあるため、どうしても家族にも影響が出ます。
産休や育休などを取得すればキャリアにブランクができてしまいますし、子育てや家事と仕事を両立するのもかなり困難です。
このため、出産や育児をしたい女性のキャリア構築は厳しい世界と言わざるを得ません。
なお、一般職などは、産休・育休や時短勤務が比較的しやすいため、女性にも人気です。
ご自身のワークライフバランスも考えながら、応募する部署・職種を慎重に選んでください。
総合商社への転職まとめ
この記事では、総合商社への転職をお考えの方向けに、転職のメリット、デメリットや、求められるスキル・人物像、成功のポイントなどについてご紹介しました。
記事内でもご紹介した通り、総合商社への転職は待遇面や働き甲斐があるなどのメリットも大きい一方で、倍率が高く、転職を成功させるためにはかなりの難関を突破する必要があります。
成功の確率を上げるためには、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
転職エージェントはそれぞれに特色や強みがあり、アドバイザーとの相性の良し悪しなどもあるので、複数登録しておくと良いでしょう。
\外資・エグゼクティブに強い転職エージェント/ ※2021年4月時点、ハイキャリア会員のみ