東京は、人口が多い一方で競合クリニックもひしめき合っており、成功のためには綿密な事業計画と地域特性を深く理解した戦略が必要です。多忙な診療の傍ら、複雑な行政手続きや資金調達などを一人で進めるのは、決して容易ではありません。そこで頼れるのが、クリニック開業支援コンサルティング会社です。
本記事では、クリニック開業に強い東京のコンサル会社を徹底比較します。開業事情や開業までの具体的なステップ、コンサルを利用するメリット・デメリットまで網羅的に解説しているので、自社に最適なコンサルティング会社が見つかるでしょう。ぜひ参考にしてください。
東京のクリニック開業コンサル会社おすすめ5社

多数あるクリニック向けコンサルティング会社の中でも、東京都内でのクリニック開業を強力にサポートしてくれる、実績豊富なコンサルティング会社を紹介します。
株式会社医療経営研究所

- ヒトを重視し、職員満足度が患者満足度に繋がる組織作りを支援
- 契約前に成果や効果を示した企画書を提示した打ち合わせ
- 経営改善・業務改善から各種職員研修まで幅広い支援内容
株式会社医療経営研究所は、医療・介護に特化したコンサルティング会社です。最大の特徴は「患者さんの満足度向上には、職員の満足度向上が不可欠」という信念に基づいた、ヒトを意識した組織作りの支援です。業務効率化や働きやすい環境整備を通じて、スタッフがモチベーション高く医療を提供できる組織作りをサポートします。
契約前には、コンサルティングの成果や効果を具体的に示した企画書を提示し、クライアントのニーズと企画内容が完全にマッチするまで打ち合わせを重ねる誠実な姿勢も、多くのクライアントから評価されている点です。院長や職員と共に考え、共に解決する伴走型の支援をモットーとしています。
開業時の増改築支援や情報システム導入といったハード面から、開業後の経営改善、管理職・新入社員向けの各種研修といったソフト面まで、クリニック経営のあらゆるフェーズで頼りになるパートナーです。
| 株式会社医療経営研究所の基本情報 | |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社医療経営研究所 |
| 設立 | 1996年3月18日 |
| 本社所在地 | 東京都世田谷区弦巻1-1-12 |
| 公式サイト | https://www.iryoken.co.jp/ |
税理士法人FP総合研究所

- 診療所の開業支援専門セクションを有する専門性
- 過去約300件※の新規開業支援で培われた実績とノウハウ
- 開業後の医院経営までサポートする長期的なパートナーシップ
税理士法人FP総合研究所は、クリニックの開業支援に特化したコンサルティングファームです。最大の特徴は、税理士法人としては珍しい診療所の開業支援専門セクションを有している点です。過去約300件※にのぼる豊富な新規開業支援の実績を持ち、経験豊富な専門スタッフが先生のパートナーとして伴走します。
医業は、資金計画や開業地選定、医療法の広告規制など、一般的な事業とは異なるのが特徴です。同社はこれらの複雑なタスクに対し、専門的な知見から丁寧なサポートを提供します。また「医院開業はゴールではなくスタート」という考えのもと、開業だけではなく、開業後の医院経営までトータルでサポートできる体制が強みです。
長期的な視野に立ち、ドクターに徹底的に寄り添うオンリーワンパートナーとして、堅実なクリニック経営を目指す方に最適です。
参考元
| 税理士法人FP総合研究所の基本情報 | |
|---|---|
| 会社名 | 税理士法人FP総合研究所 |
| 設立 | 1979年2月 |
| 本社所在地 | 大阪府大阪市中央区安土町3丁目5番13号 本町ガーデンシティテラス10階 |
| 公式サイト | https://www.fp-soken.or.jp/ |
株式会社ケアマックス

- 密なコミュニケーションと伴走型支援
- 黎明期・成長期・成熟期・承継期と、段階に応じた課題解決
- 25年以上の実績に基づく、医療と介護を一体で捉えた多角的な視点
株式会社ケアマックスは、医師にとって「最も近い相談相手」であることを重視するコンサルティング会社です。最大の特徴は、密なコミュニケーションを通じて関係性を築く点にあります。これにより、まだ顕在化していない課題をも発見し、その解決策の立案から実行までをワンストップで支援します。
また、クリニックの発展段階に応じたきめ細やかなサポートも強みです。開業当初の黎明期から各段階で直面する特有の課題に対し、最適なコンサルティングを提供します。
さらに、1997年の設立から病院経営、クリニック経営、介護経営コンサルティングを一体的に手掛けてきた実績に基づき、多角的な視点で支援できる点も魅力です。医療と介護を両面から支援してきた経験を活かし、戦略策定や増患対策、組織改善、人事労務、事業承継まで幅広く対応します。
| 株式会社ケアマックスの基本情報 | |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ケアマックス |
| 設立 | 1997年9月 |
| 本社所在地 | 東京都千代田区内神田2-5-1大手町NSビルB1F |
| 公式サイト | https://caremax.jp/ |
税理士法人TOTAL

- 累計約400件※1の豊富な開業実績
- 標準化された高品質な税務・経営サポート
- 開業後まで見据えた長期的なフォローアップ体制
税理士法人TOTALは、総合士業事務所TOTALグループの中核を担う、医療福祉分野に特化したコンサルティングファームです。累計約400件※1、年間約50件※2という豊富な開業実績が強みです。
多くのクリニックが抱えがちな「担当者が医療のことをわかっていない」という不満に対し、担当者個人のスキルに依存しない、情報共有やツール開発、教育体制を整備しています。標準化された付加価値の高いサービス提供が大きな特徴です。
最大の魅力は、グループの総合力を活かしたワンストップ支援体制です。税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士といった各分野の専門家がグループ内に在籍しているため「この悩みは誰に相談すべきか」と迷う必要がありません。
開業後のサポートも手厚く、独自のクラウドシステムを活用して日々の経営データをリアルタイムで集約し、データに基づいた経営判断を可能にします。開業をゴールとせず、その後の経営改善、医療法人化、M&Aまで、クリニックのライフサイクル全体に寄り添います。
参照元
※1※2税理士法人TOTAL
| 税理士法人TOTALの基本情報 | |
|---|---|
| 会社名 | 税理士法人TOTAL |
| 設立 | 2007年 |
| 本社所在地 | 東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビルヂング6階 |
| 公式サイト | https://medical-total.com/media |
Nステージ株式会社

- 200件以上※の実績に基づく、実践を伴うコンサル手法
- 確かな物件選定眼と、金融機関との太いパイプ
- スタッフ面接同行による人財採用支援
Nステージ株式会社は、クリニック・医院開業サポートにおいて実績豊富なコンサルタント会社です。同社の強みは、数多くの難問を解決してきた経験に基づく実践を伴うコンサル手法にあります。机上の空論ではなく千差万別な状況や希望に親身に寄り添い、的確な提案で成功の実現をサポートします。
特に強みを発揮するのが物件選定や資金調達です。物件選定においては、コンサルタントが実際に足を使って生きたデータを加味し、客観的な情報を提供するのが特徴です。また、200件以上※の実績により、多くの金融機関と太いパイプを築いており、金利優遇など有利な条件での資金調達を強力にバックアップします。
さらに、固定費の大きな割合を占める賃料についても、物件オーナーから最大限の譲歩を引き出す交渉術に長けています。開業後の盛業まで見据えたサポートの結果、紹介による依頼が多いことも同社の信頼の証といえるでしょう。
参考元
| Nステージ株式会社の基本情報 | |
|---|---|
| 会社名 | Nステージ株式会社 |
| 設立 | 2006年5月 |
| 本社所在地 | 東京都小平市上水本町1-19-11 |
| 公式サイト | https://nstage.info/ |
東京都内のクリニック開業事情

東京都は、日本の総人口の1割以上が集中する巨大なマーケットです。クリニック数も全国で最も多く、一見すると開業には非常に恵まれた環境のように思えます。しかし、その裏では医師数も全国トップクラスであり、クリニック間の競争は日本で最も激しいといっても過言ではありません。
このような環境で成功を収めるには、綿密な戦略と地域特性の深い理解が必要です。また、同じ東京都内であっても、都心部の23区内と、郊外の23区外とでは、人口動態、競合の状況、そして住民から求められる医療ニーズも大きく異なります。
ここでは、都内を23区内と23区外に分けて開業事情の傾向を見ていきましょう。
東京23区内の傾向
東京23区内は、世界的に見ても人口密度が非常に高く、昼間人口も多いため、圧倒的な患者数が見込まれるマーケットです。特に、駅周辺やオフィス街、タワーマンションが立ち並ぶ湾岸エリアなどは、新規開業の候補地として常に高い人気を誇ります。
一方で、その魅力ゆえに競争は極めて激しいのが特徴です。すでに多くのクリニックが存在し、診療科目によっては飽和状態に近いエリアも少なくありません。また、物件の賃料が非常に高額であるため、開業資金は潤沢に用意しておく必要があります。都心部では広いスペースの確保が難しく、コンパクトながらも機能的な設計が求められる傾向にあります。
東京23区外の傾向
八王子市や町田市、多摩市といった23区外のエリアは、都心へのアクセスも良好でありながら、緑豊かな住環境が魅力で、ファミリー層を中心に多くの人口を抱えています。これらの地域では、地域住民のかかりつけ医としての役割を担う、地域密着型のクリニックへのニーズが高いのが特徴です。
23区内に比べて競争は比較的緩やかで、物件の賃料も抑えめなため、開業資金の負担を軽減できるメリットがあります。また、土地や建物の面積に余裕があるケースが多く、広い待合室やリハビリスペース、十分な数の駐車場を確保しやすい点も魅力です。エリアによっては高齢化が進んでいる地域もあり、訪問診療や在宅医療へのニーズも高まっています。
東京でクリニック開業する場合の形態

クリニックの開業形態には、大きく分けて個人開業、医療法人設立、FC開業の3つがあります。それぞれにメリット・デメリットがあり、医師のキャリアプランや経営方針によって最適な選択は異なります。
個人開業の場合
個人開業は、医師個人が事業主となってクリニックを運営する形態です。最もシンプルで一般的な開業スタイルといえるでしょう。最大のメリットは、意思決定の速さと自由度の高さです。経営に関する全ての決定を自分自身で行えるため、自身の理想とする医療をスピーディーに追求できます。
建物に関しては、ビジョンや資金計画に応じて柔軟な選択が可能な戸建てがおすすめです。設計の自由度が高く、理想の動線を実現しやすいメリットがあります。自宅兼診療所として開業すれば、家賃負担を抑えることも可能です。 テナントも一般的な選択肢ですが、メディカルビルやモールは集患しやすい反面、賃料が高額になりがちです。
法人開業の場合
法人開業は、医療法人という法人格を取得してクリニックを運営する形態です。個人開業に比べて社会的な信用度が高く、金融機関からの融資を受けやすくなるのが大きなメリットです。
この形態ではテナントでの開業が推奨されます。法人の信用力を背景に、駅直結のビルや大型医療モールなど、集患力は高いものの賃料も高額な優良物件の契約がしやすくなるためです。
また、医療承継とも非常に相性が良いといえます。既存クリニックをM&Aの形で引き継ぐことで、患者やスタッフ、設備を丸ごと活用でき、開業当初から安定した収益を見込めるため、法人による事業拡大戦略として最適です。
FC開業の場合
FC開業は、特定の医療サービスを展開する本部に加盟し、そのブランド名や経営ノウハウを利用して開業する形態です。特に、美容皮膚科やAGAクリニックなどの分野で近年増加傾向です。
FC開業の場合、建物形態はテナントが基本となります。FC本部はブランドイメージの統一を重視するため、立地や建物のグレードが指定されることが多く、都心の駅前ビルや商業施設内のテナントが一般的です。本部の集患力があるため、1階の路面店にこだわる必要がないケースもあります。
一方で、戸建ての場合は初期費用が嵩み、医療承継では引き継いだクリニックの設備がFCの規格と合致しない場合、大規模な改修が必要となるデメリットがあります。
東京でクリニック開業する際の具体的なステップ

クリニック開業は、構想から実現まで1年半~2年ほどの期間を要する壮大なプロジェクトです。ここでは、開業準備をスムーズに進めるためのステップを紹介します。
事業計画の策定
すべての土台となるのが事業計画の策定です。まずは、自身の「どのような医療を提供したいか」という理念やビジョンを明確に言語化することから始めます。その上で、診療科目やターゲットとする患者層、開業エリアなどを具体的に固めていきます。
次に重要なのが診療圏調査です。開業候補地の人口動態や年齢構成、競合クリニックの状況を徹底的に分析し、事業の実現可能性を探ります。この調査結果を基に、売上予測や資金繰り計画などの収支計画を詳細に作成します。
この事業計画書は、後の資金調達において金融機関を説得するための極めて重要な資料です。専門家の助言も得ながら、客観的で精度の高いものを作成しましょう。
物件の選定・資金調達
事業計画が固まったら、次はその計画を実現するための物件選定と資金調達を並行して進めます。物件は、診療圏調査の結果に基づき、ターゲット患者がアクセスしやすい場所を選ぶことが重要です。テナントビル、医療モール、戸建てなど、選択肢の中からコンセプトに合った物件を探します。
資金調達は、主に金融機関からの融資が中心です。自己資金で全てを賄えるケースは稀であり、事業計画書を基に日本政策金融公庫や民間の銀行に融資を申し込みます。融資審査では、事業の将来性や院長の経歴、自己資金の額などが総合的に評価されます。開業コンサルタントは金融機関との交渉にも長けているため、積極的にサポートを依頼すると良いでしょう。
内装工事・医療機器導入の準備
開業物件と資金の目処が立ったら、クリニックのハード面を整えていきます。内装工事では、設計会社や施工業者と打ち合わせを重ね、動線やプライバシーに配慮したレイアウトを決定します。患者さんが快適に過ごせる空間であると同時に、スタッフが効率的に働ける設計にすることが重要です。
並行して医療機器の選定・導入も進めます。自身の診療スタイルに必要な機器をリストアップし、複数のメーカーから見積もりを取ります。新品だけでなく中古品やリースも視野に入れることで、初期投資を抑えることが可能です。高額な機器も多いため、予算と性能のバランスを慎重に検討しましょう。
人材採用や研修の準備
クリニックの評判を左右する最も重要な要素の一つがスタッフです。看護師や医療事務、臨床検査技師など、必要な職種と人数を明確にし、採用活動を開始します。求人広告の出稿や人材紹介会社の利用など、様々な方法があります。
採用面接では、スキルや経験はもちろんのこと、クリニックの理念に共感し、チームの一員として貢献してくれる人柄かを見極めることが大切です。
採用後は、開業に向けて研修を行います。電子カルテの操作方法や接遇マナー、院内ルールなどを徹底し、スタッフ全員が同じ方向を向いてスムーズに業務を開始できる体制を整えましょう。良いチームワークを築くことが、患者満足度の向上と経営の安定に直結します。
クリニック開業の告知・各種広告やHPの用意
開業前から計画的に広報・集患活動を行うことが重要です。どれだけ素晴らしいクリニックを作っても、その存在を知ってもらえなければ患者さんは訪れません。
まずは、クリニックの顔となるHPを作成します。診療内容や医師の紹介、アクセス方法などを分かりやすく掲載し、スマートフォンでの閲覧にも対応させましょう。さらに、近隣住民への認知度を高めるために、駅看板や電柱広告、ポスティング、新聞折込チラシなどを活用します。
開業直前には、地域の方々に院内を自由に見学してもらう内覧会を開催するのも非常に効果的です。これらの告知活動を通じて、開業日にスムーズなスタートを切れるように準備します。
行政手続き・会計システム等の準備
開業前の最終段階として、各種行政手続きを済ませる必要があります。まず、保健所に診療所開設届を提出します。内装工事が完了し、エックス線装置などを設置した後に検査を受け、許可を得る流れが一般的です。その後、厚生局に保険医療機関指定申請を行うことで保険診療が可能になります。
この他にも、スタッフを雇用するための労働保険や社会保険の手続きなど、提出すべき書類は多岐にわたります。同時に、日々の会計処理をスムーズに行うための会計システムの導入や、顧問税理士の選定も行っておくと良いでしょう。これらの煩雑な手続きは、コンサルタントや行政書士などの専門家と連携しながら計画的に進めることが肝心です。
クリニック開業にかかる費用はどれくらい?

クリニックの開業資金は、クリニックの規模や診療科目、立地条件によって大きく変動します。一般的には、テナントで開業する場合で5,000万円~1億円程度、土地・建物を購入して開業する場合は1億円以上が目安とされています。
主な費用の内訳は、以下の通りです。
- 物件の取得費
- 内装工事費
- 医療機器の購入費
- システム導入費
- 広告宣伝費
これらに加え、開業後すぐに経営が軌道に乗るとは限らないため、少なくとも3ヶ月~半年分程度の運転資金も準備しておく必要があるでしょう。自己資金としては、一般的に開業資金総額の1割~2割程度、つまり500万円~2,000万円程度を用意するケースが多いです。
クリニック開業支援コンサルにかかる費用目安
クリニック開業支援コンサルタントに依頼する場合、コンサルティング費用が発生します。
以下は一例として、金額が公開されているFPサービス株式会社の料金を引用したものです。
| サービス内容 | 費用 |
|---|---|
| 一般営利企業様からのご相談 | 44,000円(税込) / 60分 |
| クリニック開業コンサルティング一式 | 3,300,000円(税込) |
| 開業用地の不動産契約サポート | 275,000円(税込) |
| 月次顧問契約 | 110,000円 (税込)/ 月 |
| 経営改善相談 | 初回無料、2回目以降1時間44,000円(税込) |
| ホームページ制作・管理・コンサルティング | 制作660,000円(税込)、管理33,000円(税込) / 月 |
料金の相場としては、総額で100万円~300万円程度が一般的ですが、クリニックの規模や支援範囲によって大きく変動します。
東京のクリニック開業コンサル会社利用のメリット

多忙な医師が煩雑な開業準備を一人で進めるのは大変です。特に競争の激しい東京では、専門家である開業コンサルタントを利用することで、多くのメリットが得られるでしょう。
地域特性を理解した支援が受けられる
東京と一言で言っても、エリアによって人口構成、競合の状況、住民の医療に対するニーズは大きく異なります。オフィス街では内科や皮膚科、メンタルヘルスクリニックの需要が高く、住宅街では小児科や耳鼻咽喉科が求められる傾向があります。
経験豊富なコンサルタントは地域ごとのミクロな特性を熟知しているのが強みです。彼らは最新の診療報酬改定や地域の医療計画なども踏まえ、どのエリアで、どの診療科目に需要があるのかを客観的なデータに基づいて分析してくれます。
専門的な知見に基づいたアドバイスは、開業地の選定ミスというリスクを回避し、開業後の安定経営につながる大きなメリットといえるでしょう。
効率的に開業準備を進められる
開業コンサルタントは煩雑な業務の多くを代行、または専門家としてサポートしてくれるため、効率的な開業準備が進められるでしょう。
クリニック開業には以下のタスクが存在します。
- 事業計画の策定
- 資金調達
- 物件契約
- 内装工事
- 医療機器選定
- 人材採用
- 行政手続き
タスクの量が膨大なため、これらを勤務医として働きながら一人でこなすのは、時間的にも精神的にも極めて困難です。
開業コンサルタントは、タスクの優先順位付けやスケジュール管理を行い、プロジェクト全体が円滑に進むよう導いてくれます。そのため医師は診療コンセプトの構築や最新医療の勉強など、院長として本来注力すべき業務に集中することが可能です。
効果的な集患対策ができる
開業前から効果的な集患対策ができることは、開業コンサルタントを頼る大きなメリットです。どんなに優れた医療を提供できるクリニックでも、地域住民にその存在を知ってもらえなければ経営は成り立ちません。特に競合の多い東京では、開業当初から戦略的な集患対策を仕掛けることが必要です。
開業コンサルタントは、数多くのクリニックを成功に導いてきた集患ノウハウを持っています。効果的なホームページの作り方やSEO対策、Web広告の運用、話題性を呼ぶ内覧会の企画など、その手法は多岐にわたります。開業コンサルタントを頼ることで、開業と同時にスムーズなスタートダッシュを切れるようサポートしてくれる点は大いに役立つでしょう。
東京のクリニック開業コンサル会社利用のデメリット

多くのメリットがある一方で、クリニック開業コンサルタントの利用にはいくつかのデメリットや注意点も存在します。契約を結ぶ前に、これらの点も十分に理解しておくことが重要です。
開業資金に加えて費用がかかる
最も分かりやすいデメリットは、コンサルティング費用という追加コストが発生する点です。コンサルティング費用は決して安価ではなく、開業資金が潤沢でない場合には大きな負担となり得ます。この費用をコストと捉えるか、投資と捉えるかが重要です。
優れたコンサルタントは、有利な条件での融資獲得や無駄な経費の削減、スムーズな集患による早期の収益化といった費用以上の価値をもたらしてくれるものです。しかし、相性の悪いコンサルタントや実績の乏しい会社を選んでしまうと、費用だけがかさんで期待した成果が得られないリスクもあります。
丸投げではなくマメなコミュニケーションは必要
「コンサルタントに任せれば、全てうまくやってくれるだろう」という考えは危険です。コンサルタントはあくまで開業を支援するパートナーであり、最終的な意思決定を行うのは自分自身です。クリニックの理念や理想の医療について主体的に考え、それを自分の言葉でコンサルタントに伝えなければ、思い描いた通りのクリニックは実現しません。
コンサルタントの提案を鵜呑みにするのではなく、疑問点は納得いくまで質問し、時には意見を戦わせることも必要です。定期的なミーティングの場を設け、進捗状況を細かく共有するなど、密なコミュニケーションを保つ努力が求められます。
クリニック開業コンサルの導入事例

ここでは、日本医業総研グループの実績として実際にコンサルティング会社を活用して東京でのクリニック開業を成功させた事例を紹介します。
導入事例①地域の生活動線を的確に捉えた立地選定
| 支援先 | N整形外科クリニック |
|---|---|
| 支援内容 | 事業計画、立地選定、資金計画など |
| 支援期間 | 約1年 |
| 導入コンサル | 日本医業総研グループ |
物件賃料が課題でしたが、開業初期の経営安定化を最優先にスライド家賃を提案し、粘り強く交渉した結果、計画通りの賃料に抑えることに成功しています。開業後の経営は極めて順調に推移し、わずか3ヶ月で損益分岐点をクリアすることに成功しています。事前の緻密なマーケット調査と戦略的な交渉力が、計画を大幅に上回る早期黒字化へとつながった事例です。
導入事例②地主側の都合で開業が遅れるハプニングに対応
| 支援先 | B内科クリニック |
|---|---|
| 支援内容 | 地主との交渉 開業遅延トラブルへの対応など |
| 支援期間 | 約1年 |
| 導入コンサル | 日本医業総研グループ |
こちらは、開業準備の最終段階で予期せぬトラブルに見舞われたが、開業コンサルが迅速に対応した事例です。工事着工直前に地主都合で大幅な遅延トラブルが発生し、採用済みスタッフの人件費が無駄になる危機が発生しました。
開業コンサルが地主と交渉し遅延を最小限に抑えつつ、スタッフには提携先での研修を手配することに成功しています。的確な危機管理で医師は準備に集中でき、無事開業を迎えられました。
導入事例③明確な事業コンセプトで成功へ
| 支援先 | O総合内科クリニック |
|---|---|
| 支援内容 | 新規クリニック開業に関する総合支援 |
| 支援期間 | 約1年 |
| 導入コンサル | 日本医業総研グループ |
こちらは、明確なコンセプトが地域住民のニーズと合致し、理想の医療と安定経営の両立を実現した事例です。医師のこだわりを4つの事業コンセプトへと昇華し、あえて患者数や単価を低く設定する「石橋を叩いて渡る」堅実な事業計画の策定支援を実施しました。
その結果、開業後の実績は当初の事業計画を大きく上回り、わずか3ヶ月で1日の来院患者数が倍増するなど、極めて好調なスタートを切りました。
東京のクリニック開業コンサルに関するQ&A

ここでは、東京でのクリニック開業やコンサルティングに関してよく寄せられる質問をまとめました。
クリニックの不動産仲介とは?
クリニック不動産仲介とは、開業を検討する医師や医療機関に対し、クリニックに適した物件や土地の斡旋、契約交渉、開業後のサポートなどを行う専門の不動産仲介サービスです。単に物件を紹介するだけではなく、診療圏調査や資金計画、医療モールの物件紹介、開業後の施設運営サポートまで包括的に支援することが特徴です。
一般的な不動産会社と異なり、医療法規やクリニックの動線設計、必要な設備に関する専門知識を持っているため、開業に適した物件を効率的に見つけることができます。また、独自のネットワークで一般には出回らない優良物件情報を保有していることも多く、好立地での開業を目指す医師にとって心強い存在です。
クリニックを開業すると給料はいくらくらいですか?
厚生労働省の調査によると、一般診療所における院長の平均給与年額は約2,616万円となっています。経営形態や入院診療収益の有無によって異なりますが、詳細は以下の表の通りです。
| 分類 | 入院診療収益の有無 | 平均給与年額(2022年度) |
|---|---|---|
| 全体 | なし | 25,782,632 円 |
| 全体 | あり | 26,529,548 円 |
| 個人 | なし | 17,289,999 円 |
| 個人 | あり | 23,291,976 円 |
| 医療法人 | なし | 25,353,069 円 |
| 医療法人 | あり | 26,313,306 円 |
また、多くのクリニックが該当する「入院診療収益なし」の場合、個人開業では約2,329万円、医療法人では約2,631万円です。ただし、これらはあくまで全国の平均値であり、実際の収入は診療科目や地域、先生ご自身の経営努力によって大きく変動する点に留意が必要です。
クリニックを開業するのに看護師は何人必要ですか?
クリニック開業に必要な看護師の人数は、一般的には、医師1名に対して、常勤看護師1~2名と、パートの看護師を1~2名採用するケースが多いです。
また、必要な人数は診療科目や1日の想定患者数、診療スタイル、医師の数によって大きく変わります。午前中は患者数が多いため常勤とパートの2名体制、午後は比較的落ち着くため常勤1名体制といったシフトを組むことで、人件費を抑えつつ効率的な診療体制を構築することが可能です。
開業当初は最小限の人数でスタートし、患者数の増加に合わせて徐々に増員していくのが堅実な方法といえるでしょう。
東京のクリニック開業コンサルのまとめ

本記事では、東京都内でクリニック開業を目指す医師の方に向けて、おすすめのコンサルティング会社や開業のステップ、費用、エリアごとの特徴などを詳しく解説しました。
競争が激しく、物件取得や人材確保も容易ではない東京での開業を成功させるためには、周到な準備と信頼できる存在が必要です。実績豊富な開業コンサルタントは、専門的な知識とノウハウで開業に伴う様々な課題を解決へと導いてくれるでしょう。


