USCPAの独立|日本ではできない?独立前に知っておきたいことや活躍事例を紹介

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USCPAの独立

USCPAとは「U.S. Certified Public Accountant」の略称であり、和訳すると「米国公認会計士」という資格を指しています。
米国各州が認定する権威性のある資格であることから、取得している会計士も少なくはありません。

会計士として長く仕事をしている方のなかには「USCPAの資格で独立ができるのか知りたい」という悩みもあるでしょう。
結論からいうと、国内でもUSCPAの資格のみで独立をすることは可能です。

しかし、日本と海外ではUSCPAの必要性が大きく異なるため、業務内容に違いがあります。
当記事では、USCPA資格の独立について、活躍事例、取得すべき資格、年収、独立前に知っておくべきことなどを詳しく紹介します。

目次

USCPAは独立・開業・起業は可能?

USCPAは独立・開業・起業は可能?

USCPAはアメリカの公認会計士資格なので、日本では会計監査業務の提供ができません。
USCPAの資格は全米統一の試験となっており、ライセンスはアメリカの各州で発行可能です。

もしアメリカで公認会計士として会計監査業務を行う場合、ライセンスを取得した州での独立が必要です。
会計監査業務にこだわらないのであれば、アメリカのどんな州でも独立や開業、起業ができます。

また、アメリカ以外の海外でも一定の条件を満たせば、公認会計士登録できるようになっています。
日本では会計監査業務を行うことはできませんが、米国公認会計士の資格を強みにして独立することは十分可能です。

海外での独立事情

USCPAは複数の国や地域と「相互承認協定(MRA)」を結んでいるため、協定国内では、公認会計士として独立できます。
相互承認協定とは、専門会計士がほかの国で資格を再取得せずに業務を行うことができる認定です。

2023年時点では、以下のような国が相互承認協定を結んでいます。

  • オーストラリア
  • 南アフリカ
  • ニュージーランド
  • カナダ
  • アイルランド
  • メキシコ
  • スコットランド
                             参照:NASBA Mutual Recognition Agreements

相互承認協定を結んでいる国で資格を取得する場合、単位履修や研修などの条件を満たす必要があります。
現在ではグローバルな働き方が広がっているので、国内だけでなく海外に注目するのも1つの手段として考えておきましょう。

独立後の活躍事例

独立後の活躍事例

日本でUSCPAの資格を活用し、独立を行なった場合、以下のような活躍事例があります。

  • 決算書作成業務
  • 内部統制構築支援・内部監査業務
  • 海外への進出支援業務
  • 海外取引のサポート業務

上記のような業務は会計士の専門分野となっているため、USCPAの資格をアピールしやすいのがポイントです。
決算書作成や内部統制構築支援、内部監査などの業務は、クライアントにとっても内容を明確にしやすく、依頼のハードルが低くなっています。

また、アメリカの公認会計士資格を持っていることをアピールすれば、クライアントに海外との取引に必要な業務を任せられるという印象が与えられます。
このようにUSCPAの資格を保有していると、会計監査業務以外にも仕事の幅は広くなるのが魅力です。

USCPAの資格を活用して独立を検討している方は、クライアントにアピールできる業務内容を明確に伝えるようにしましょう。

独立するならUSCPAとあわせて取得したい資格

独立するならUSCPAとあわせて取得したい資格

日本での独立を検討するなら、USCPA以外の資格も取得しておくことをおすすめします。
資格の取得をおすすめするものは、以下の3つです。

  1. 中小企業診断士
  2. 税理士
  3. 公認会計士

上記資格は、USCPAに比べて取得する難易度が高くなっています。
まずはUSCPAの資格を取得し、経験や知識を活かして新たな資格に挑戦してみましょう。

それでは順番に詳細や特徴を解説します。

中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業の課題解決を行うアドバイザーです。
経営状況を調査・分析し、何を改善すべきなのかをアドバイスすることが業務内容となっています。

企業の経営知識を横断的視野で思考できるスキルをアピールできるため、同業者との差別化を図れます。
国内だけでなく海外の中小企業にも対応できるので、多くの中小企業から相談を受けることが可能です。

中小企業診断士の試験には1次・2次試験、実務補習、実務従事の3段階があります。
中小企業診断士の合格率は1次試験で約29%、2次試験となると約19%です。対してUSCPAの合格率は約41%。

このことから、中小企業診断士の資格は難易度の高い資格といえます。

税理士

税理士は、税金に関する相談を行う専門家です。
税理士法に定める国家資格となっており、企業の職務上請求を行えます。

例えば税務申告や会計業務のサポートなどができるため、お金に関わるさまざまな業務が可能です。
また、税理士とUSCPAの資格を取得することで、国内外の税務知識があることを証明できます。

ただし、税理士として活動するためには、試験合格後、租税または会計に関する事務に従事する実務期間が2年以上必要です。
試験合格に必要な勉強時間は約4,000時間程度、試験合格率が20%を下回っていることを考えると、USCPAに比べて取得が難しい資格といえるでしょう。

公認会計士

公認会計士は、企業の会計・監査を担当する専門家です。
公認会計士の主な業務である財務諸表監査では、企業の財務情報が正しく表示されているのかを独立した立場からアドバイスします。

上場企業などの社会的影響力のある会社は、財務情報の提示が義務付けられています。
公認会計士が監査・検証を行うことで、企業の信頼性を保証できるのです。

公認会計士とUSCPAの資格を保有していれば、国内外で案件を獲得しやすくなります。
しかし、公認会計士試験の合格には、試験だけでなく就職や名簿登録などが必要です。

試験合格率は10%以下となっているため、紹介した試験のなかでは一番難易度が高いのが現実です。
また、試験合格までは多くの勉強が必要となっており、4,000時間程度といわれています。

公認会計士は安易に取得できる資格ではありませんが、取得していれば独立後も優位な立場となるでしょう。

USCPAの年収

USCPAの年収

USCPAの資格取得者は、役職やスキルによって年収が大きく変動します。
企業に勤める公認会計士をもとに説明すると、役職によって以下のような年収となります。

役職年収
スタッフ400万円〜650万円
シニアスタッフ500万円〜850万円
マネージャー900万円〜1,200万円
シニアマネージャー1,200万円〜1,400万円
パートナー1,500万円〜

独立した会計士は自身で営業を行うため、年収の上限はありません。
例えば監査業務を受注している場合、日当は5万円程度なので年収1,000万円以上になることもあります。

しかし、業務の受注頻度は人によって前後するので、年収が下がる可能性も高いです。
USCPAの強みをクライアントへアピールすれば、高単価な案件を安定して得られるようになります。

独立後も自身のスキルや能力を磨き続ければ、年収は数年で1億円を超えることも可能です。
高い年収を求めるなら、専門性のみで勝負せず、幅広い業務に対応できるようにしましょう。

独立する前に確認しておきたいこと

独立する前に確認しておきたいこと

USCPAの資格で独立をするときは、事前に以下のようなポイントを確認しておきましょう。

  • 独立後の顧客を確保できるか
  • 転職も検討し、独立は慎重に

それでは順番に説明します。

独立後の顧客を確保できるか

独立後に安定した収入を得るには、一定数の顧客を確保する必要があります。
企業で勤務していれば毎月給料を得られますが、独立後は自分で仕事を獲得しなければいけません。

独立前から顧客を確保しておけば、独立後も安定した仕事を獲得できます。
会計士として独立する場合、企業に勤めているときから会計事務所や税理士事務所、金融機関などと関係を築いておくことをおすすめします。

人脈を広げておくことで多くの仕事を得られるため、独立後も安心です。
独立後に顧客が1人もいない状態では精神的にも負担が大きくなるので、企業に勤めているうちに多くの企業と関わりを持っておきましょう。

転職も検討し、独立は慎重に

日本でもUSCPAの資格を活用して独立できますが、海外に比べると難しいのが現実です。
独立後に安定した収入を得ることも難しいため、転職を検討することも大切です。

USCPAの資格保持者は転職市場でも求められる人材となっており、大手企業にキャリアップもできます。
例えばUSCPAの資格を活かせる転職先には、監査法人や国際税務の会計事務所、税理士法人、コンサルティング会社などがあります。

独立することにこだわらず、転職先を探すことで新たに活躍できる環境を見つけられることも
活躍できる業界を求めている方は、転職活動も検討するようにしましょう。

USCPA転職におすすめのエージェント

USCPA転職におすすめのエージェント

こちらでは、USCPAの資格保持者の方におすすめのエージェントを紹介します。
USCPAの資格は日本の転職で大きな強みとなるため、新たな業界にチャレンジできるきっかけになるでしょう。

おすすめのエージェントを3社紹介するので、詳細や特徴を理解しながら利用を検討してください。

MS-Japan

運営会社 株式会社MS-Japan
公式サイト https://www.jmsc.co.jp/
公開求人数 9,896件(2024年4月2日現在)
主な求人職種 管理部門・士業

MS-Japanは、管理部門・士業の求人に特化した転職エージェントです。
職種ごとに精通したキャリアアドバイザーが在籍しており、求めているキャリアプランを一緒に考えてくれます。

企業の応募や面接日程調整、面接対策など全ての工程に対応しているため、スムーズな転職活動ができます。
セミナーや個人相談会も開催しているので、USCPAの資格を活用した転職先について相談可能です。

USCPAの資格から求人を探すこともでき、具体的な仕事内容や必要な経験・能力、想定年収などが記載されています。
管理部門・士業の求人に特化していることから、USCPAの資格を活かせる転職先を探したい方におすすめです。

>>MS-Japanの評判・口コミは?管理部門・士業特化エージェントの特徴とメリットデメリットを解説

Hupro

運営会社 株式会社ヒュープロ
公式サイト https://hupro-job.com/
公開求人数 11,106件(2024年4月2日現在)
主な求人職種 士業、管理部門のキャリア支援プラットホーム

Huproは、会計事務所・税理士法人の求人数が多い転職エージェントです。
ほかの転職エージェントと比べて会計事務所・税理士法人系の求人数が最多なので、求める条件に合った企業が見つかりやすいです。

また、 土日や平日の夜にも対応しているため、平日は仕事で忙しい方でも転職活動のサポートを受けられます。
フレックス制度やリモートワークに対応した求人も多く、家事や育児をしながら働ける企業もあります。

専属のキャリアアドバイザーと面接やキャリアシートについて相談できるので、転職活動をスムーズに行えます。
非公開の会計事務所なども見つかることから、USCPAの資格を活かせる企業を多く探したい方におすすめです。

>>最速転職HUPRO(ヒュープロ)の評判・口コミは?会計業界・税理士に特化した特徴やメリットを解説

JACリクルートメント

JACリクルートメント
運営会社 株式会社ジェイエイシーリクルートメント
公式サイト https://www.jac-recruitment.jp/
公開求人数 12,237件(2024年4月2日現在)
主な求人職種 全職種、全業種の求人

JACリクルートメントは、ミドル・ハイクラス人材向けの転職エージェントです。
日系大手、外資、メガベンチャーなどの求人を取り揃えており、多くの職種や業種が見つかります。

各業界・職種に特化したコンサルタントが在籍しているため、USCPAの資格を活かせる企業を紹介してくれます。
求人ページには仕事内容や求める経験などが記載されているので、自身のスキルが活かせるのか把握できます。

多くの職種や業種から、求めている企業を探したい方におすすめです。

>>JACリクルートメントの評判は?転職に成功する理由や注意点を口コミから詳しく解説

USCPA独立に関する疑問・Q&A

USCPA独立に関する疑問・Q&A

最後にUSCPAの独立に関する疑問を回答していきます。
独立の不安や悩みを解決するためにも、ぜひ参考にご覧ください。

USCPAとAICPAの違いは?

AICPAは、アメリカの公認会計士が参加する職業会計士団体を指します。
AICPAの取り組みは、主に以下の通りです。

  • 会員の利益保護
  • 資格基準の設定
  • 公認会計士の能力周知
  • 教育プログラムの開発
  • 職業的基準の設定

AICPAに参加する会員は、会計事務所に所属していることが多くあります。
USCPAはアメリカの公認会計士資格なのに対し、AICPAは公認会計士のための団体です。

日本では混同されがちな名称となっているため、違いを理解しておきましょう。

USCPAの将来性は?

USCPAはアメリカだけでなく、世界的に活用できる資格となっています。
世界的な国際会計基準に対応できることを証明するため、日本でも需要が高い資格の一つです。

例えば財務諸表を作成する場合、世界各国の会計基準を理解しておく必要があります。
グローバルに展開する日本企業は、米国会計基準や英文会計のスキルを必要としているので、監査法人以外の業種でも需要は高いといえます。

USCPA独立のまとめ

USCPA独立のまとめ

今回は、日本におけるUSCPA資格の独立について詳しく紹介しました。
日本ではUSCPA資格保有者が会計監査業務を行うことはできませんが、決算書作成や内部監査、海外への進出支援業務、海外取引のサポートなどの業務は可能です。

また、中小企業診断士や税理士、公認会計士などの資格をあわせて取得すれば、仕事の幅は広がります。
もしUSCPA資格で独立することに不安を感じている方は、ほかの企業へ転職することも1つの手段です。

独立は慎重に考えて、自身に合った働き方を選ぶようにしましょう。

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