大阪でビジネスを展開するうえで必要な、官公署へのさまざまな届け出や申請手続きを地元の行政書士に依頼したいが、なかなか上手く見つけられないという方も多いのではないでしょうか。
西日本経済の中心的役割を果たす大阪には、数多くの行政書士事務所が存在しています。この中から自社のニーズとマッチする依頼先を探し出すには、かなりの時間と労力を捻出していかなけれなばりません。
そこで本記事では、大阪でよい行政書士をお探しの方に向けておすすめできる行政書士事務所5選を紹介します。
おすすめできる事務所のほか、選ぶ方法とポイント、費用の目安やトラブル時の対応策まで、気になるポイントを押さえて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
大阪の行政書士おすすめ5選
行政書士に業務を依頼するとひと言でいっても、依頼者により叶えたい目的やニーズはさまざまです。自社の状況に合った依頼先を効率よく探すには、いくつか候補となる事務所を比較して決めることをおすすめします。
そこで、大阪の行政書士へ依頼を検討中の方に向けて、おすすめできる5つの事務所それぞれの「特徴」「業務ごとの料金」など、役立つ情報を比較検討できるよう紹介します。
行政書士事務所 | 特徴 |
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行政書士スズキコンサルティング | 医療法人行政手続き・不動産特定共同事業・資金調達に特化 |
大隅行政書士コンサルティング | 中小企業に心強い「経営・法律・IT」3つの専門家による総合的な支援が強み |
行政書士法人いろは | FP資格も所有する代表の女性行政書士によるきめ細やかな支援で補助金申請に強み |
行政書士 関西国際法務事務所 | 建設業許可・建築業経営事項審査・入札参加資格申請に強み |
行政書士さかもと綜合事務所 | 中小企業などの企業法務に特化し、事業発展支援に強い行政書士がサポート |
いずれも街の法律家ならではの強みや、豊富な実績を誇る事務所ばかりです。ぜひ理想の依頼先と出会い、スムーズなビジネス展開を実現してください。
行政書士スズキコンサルティング
- 医療法人行政手続き・不動産特定共同事業・資金調達に特化
- 代表行政書士の銀行勤務や不動産担保ローン会社社長としての経験が活きた、適切な資金調達のサポート
- 事業継承に関する相談やM&Aの仲介事業も対応
行政書士スズキコンサルティングは、大阪市北区にある行政書士事務所です。医療法人行政手続きと不動産特定共同事業、資金調達など、中小企業の経営支援に強い事務所として地域に貢献しています。
代表行政書士は銀行勤務や不動産担保ローン会社社長の経歴をもち、その経験を活かした適切な資金調達支援は、多くの企業の成長や経営の安定を支えてきました。
また、事業継承に関する相談やM&Aの仲介も対応することで、後継者不足に悩む中小企業へ事業の継続と従業員の雇用を守るサポートを行っています。
行政書士スズキコンサルティングの基本情報 | |
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会社名 | 行政書士スズキコンサルティング |
本社所在地 | 大阪府大阪市北区天神橋2丁目北1番21号 八千代ビル東館8階 |
料金 | 【顧問料の目安/医療法人行政手続き業務】 年商1億円未満の企業:月額100,000円 年商1億円~3億円未満の企業:月額150,000円 年商3億円以上の企業:月額300,000円 【個別業務/医療法人行政手続き業務】 金融機関提出書類作成:30,000円~ 資金調達コンサルティング:100,000円~ M&Aアドバイザリー:1,000,000円~ 初回相談:10,000円~/時間 【不動産特定共同事業許可申請代行+コンサルティング業務】 不動産特定共同事業電子取引業務を行う場合:月額300,000円 不動産特定共同事業電子取引業務を行わない場合:月額150,000円 【ファイナンシャルアドバイザリー業務】 融資コンサルティング/資金繰り表作成/事業計画書作成/経営革新計画作成 経営力向上計画作成/経営改善計画作成/事業承継計画/不動産購入交渉 銀行リスケ交渉/バンクミーティング/契約書作成/許認可申請業務 M&Aアドバイザリー業務/他経営に関する相談業務 ※上記のファイナンシャル・アドバイザリー業務および行政書士業務を含め 顧問業務委託契約締結のうえ、毎月顧問料の支払い 売上1億円未満の企業:月額50,000円 売上1億円~10億円未満の企業:月額150,000円 売上10億円~30億円未満の企業:月額300,000円 売上50億円以上の企業:月額500,000円 |
公式サイト | https://suzuki-consulting.com/ |
大隅行政書士コンサルティング
- 「中小企業診断士・行政書士・ITコーディネーター」各々の専門知識を総合的に活かしたコンサルティング
- 中小企業診断士歴25年の専門家による、顧客個々の状況やニーズに合わせた的確なアドバイス
- 受任前の相談は原則無料
大隅行政書士コンサルティングは、東大阪市「近鉄布施駅」から徒歩1分とアクセス抜群な行政書士事務所です。経営・IT・法律の専門家、のべ700名を超えるチーム対応※も可能な経営革新・事業計画策定を行っています。
25年の経験を誇る中小企業診断士・行政書士ならではの、経営課題や業務課題と対策に対する的確な提言が可能です。また、事業展開を見据えたうえで欠かせない補助金活用においても、顧客をしっかりと支援し、実績につなげる心強いパートナーです。
気になる費用面は、料金が発生する部分に関して事前に見積書の提示があります。それまでの相談は原則無料で対応するため、顧客が納得できる契約が可能な点は何よりの魅力といえるでしょう。
大隅行政書士コンサルティングの基本情報 | |
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会社名 | 大隅行政書士コンサルティング |
本社所在地 | 大阪府東大阪市長堂1丁目2-16 東大阪新光ビル ReZone布施01 405号室 |
公式サイト | https://www.osumigyosei.com/ |
行政書士法人いろは
- 小規模事業者持続化補助金・ものづくり補助金・事業再構築補助金など補助金申請に強み
- ビジネスプランコンテスト支援により、顧客へプレゼンテーションスキルと新たな人脈形成方法を提供
- グローバル市場を視野に「日本製品のプライドを世界へ」を目指した海外進出支援
行政書士法人いろはは、大阪市淀川にある行政書士法人です。FP(ファイナンシャルプランナー)有資格者の女性代表行政書士以下、各種補助金申請採択率87%を誇る行政書士補助者も女性と、きめ細やかな支援に定評があります。※
各種許認可申請や補助金申請だけでなく、各種ビジネスプランコンテストの支援も行い、ビジネスの拡大に欠かせないプレゼンテーションスキルと新たな人脈形成方法の提供も行っています。
行政書士法人いろはへの依頼を選択することで、顧客にとって大切な時間を生み出し、ビジネスの成長と繁栄につなげていく、実力のある事務所といえるでしょう。
参照元
行政書士法人いろはの基本情報 | |
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会社名 | 行政書士法人いろは |
本社所在地 | 大阪府大阪市淀川区西中島3-18-9 新大阪日大ビル705 |
公式サイト | https://iroha-office.com/ |
行政書士 関西国際法務事務所
- 建設業許可・建築業経営事項審査・入札参加資格申請で多数の成功実績あり
- 自然災害対策や企業のBCP(事業継続計画)の作成と実施支援など、危機管理対策コンサルティングも対応
- 依頼先の事業とマッチした補助金獲得コンサルティングにより、多数の獲得実績あり
行政書士 関西国際法務事務所は、幅広い対応力であらゆるリスクにも対応する行政書士事務所として、大阪市西区で開業12年目を迎えました。
とくに建設業許可や建築業経営事項審査、入札参加資格などの申請において多数の成功実績があり、確実なサポートを提供しています。
また、長年積み上げたノウハウを活かした危機管理対策コンサルティングや、補助金獲得コンサルティングでも多数の実績を誇り、顧客にとって安心できるパートナーとして貢献中です。
行政書士 関西国際法務事務所の基本情報 | |
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会社名 | 行政書士 関西国際法務事務所 |
本社所在地 | 大阪府大阪市西区北堀江2-4-11 サンライズビル 9F-11 |
料金 | 建設業許可申請(新規・法人/知事許可):150,000円 建築業経営事項審査申請:60,000円 建築業経営状況分析申請:40,000円 建設工事入札参加資格審査申請:50,000円(申請先が1箇所増えるごとに+15,000円) 屋外広告物設置許可申請:40,000円 電気工事業者登録申請(電気通信事業者届出):40,000円 工場設置許可申請:300,000円 食品製造業許可申請:100,000円 医薬品・医薬部外品・化粧品製造業(輸入販売業)許可申請:400,000円 火気使用設備等の設置届:10,000円 防火対象物使用開始届:30,000円 危険物製造所設置許可申請:100,000円 開発行為許可申請:300,000円 中小企業等協同組合設立手続き:300,000円 |
公式サイト | https://kansaikh.com/ |
行政書士さかもと綜合事務所
- 中小企業などの企業法務に強み
- 事業発展支援に特化した行政書士によるきめ細やかなサポート
- 融資や補助金などに関する相談は初回無料。土日祝や訪問、Zoomでも対応
行政書士さかもと綜合事務所は、大阪市中央区にある中小企業の支援に強みをもつ行政書士事務所です。
ホテルマンやブライダル業界を経て、コンサル業に転身という経歴をもつ代表行政書士は、その豊かな経験を活かしながら1,000社を超える企業※での支援実績を誇ります。
企業法務に特化した行政書士事務所ならではの、事業運営の効率化や予防法務への高い貢献度は、企業にとっては心強い社外法務部的存在として役立つはずです。
また、融資や補助金をはじめとする相談は初回無料で土日祝でも可能です。来所だけでなく、訪問やZoomでの対応も可能な点は、忙しい企業経営者にとっては何よりの魅力といえるでしょう。
行政書士さかもと綜合事務所の基本情報 | |
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会社名 | 行政書士さかもと綜合事務所 |
本社所在地 | 大阪府大阪市中央区淡路町1丁目3番2号 紀陽オリエントビル605号 |
料金 | 法人設立手続き:100,000円(司法書士への報酬を含む) 宅地建物取引業免許申請(新規):100,000円 宅地建物取引業免許更新申請:70,000円 貸金業登録申請:250,000円 貸金業事業報告:150,000円 再審査請求:400,000円~ 契約書等新規作成(定型):45,000円 契約書等編集(定型):30,000円 コンサルティングサービス:エコノミープラン月額25,000円~(書面作成・申請代理なし) 2回目以降の法務に関する相談:5,000円/時間 創業融資コンサルティング:融資額の7~10% |
公式サイト | https://legal-skmt.com/ |
行政書士の業務とは?
行政書士は法人関連のさまざまな手続きをはじめ、相続などに関する相談を企業や個人から受けて官公署に提出が必要な書類作成や申請を代行する専門職です。また、依頼者は、行政書士に以下の3つの業務を依頼することができます。
行政書士が担当する業務内容について、それぞれの項目で解説します
書類作成
行政書士は企業や個人から依頼を受けて、許可申請をはじめとするさまざまな書類を作成して、官公署へ提出代行まで行います。作成可能な書類の種類は1万種以上※にのぼり、以下の3つが代表的です。
- 法人設立に関する書類作成
- 建設業などの営業許可に関する書類作成
- 建設業などの営業許可に関する書類作成
各書類の詳細については、「大阪の行政書士選びに関するQ&A」の項目で一覧表にまとめているため、あわせて参考にしてください。
許可の申請
行政書士は、企業や個人といった顧客から依頼を受けて官公署へ提出する書類作成だけでなく、認可申請も顧客の代理として行います。
これは、法人設立や店舗開業などの営業許可を得るには、管轄する官公署への認可申請が必要だからです。
認可申請には認可申請書や規約、総会議事録などさまざまな書類を提出しなければなりません。官公署での複雑な行政手続きをスムーズに進めて無事認可までたどり着くには、行政書士の専門知識と活躍はなくてはならないものといえるでしょう。
依頼者との相談
行政書士は、依頼者から相談を受けることが可能です。ただし、相談できる内容には制限があり、以下に挙げる3つの内容以外は対応できません。
- 官公署に提出する書類作成
- 権利義務に関する書類
- 上記の書類作成に関する相談
近年は上記内容に加えて、経営コンサルタントとしてアドバイスを求めるケースも増加中です。
行政書士は帳簿記帳ができることから、算書分析に基づいた経営戦略の提案などを提供する、行政書士運営の経営コンサルティング会社も増えています。
経営コンサルタントとしての行政書士
行政書士は、企業が新規事業を起こす際に必要な認可申請に関するエキスパートといえるでしょう。さらに、民亊法務や会計業務においての高度な専門知識が活かせるため、経営コンサルタント的な役割も担うことが可能です。
また、行政書士は会計記帳の代行業務にも携われます。このため、リソース不足になりがちな中小企業にとっては財産にもなる、法務的観点の幅広いアドバイスが享受できます。
行政書士のアドバイスによって、企業は法的なトラブル回避のほか、今後の成長につながる貴重な自社の強みや改善点が明確になる点もメリットです。
大阪で行政書士を選ぶポイント
大阪は、首都東京と並ぶ巨大なビジネス集積地です。エレクトロニクスや医薬品、商社など日本を代表する大企業の本社があるほか、卸業・小売業・製造業などさまざまな産業で成り立っています。
商いの街である大阪には行政書士事務所が多数存在しており、この中から優れた行政書士を選ぶにはコツが必要です。以下に挙げる4つのポイントをチェックしておけば、より自社のニーズに合った依頼先がみつかりやすくなるでしょう。
それぞれのチェックポイントを実践して、理想とする行政書士事務所との出会いを果たしてください。
行政書士の専門分野をチェック
よい依頼先の探し方として、行政書士が専門とする分野のチェックは欠かせません。行政書士とひと言でいっても携わる業務は多岐にわたるため、得意分野はそれぞれ異なります。
例えば、「建設業に強い」「経営状況分析申請の実績が豊富」というように、行政書士や事務所ごとに強みがあります。このため、まず自社の依頼業務と依頼先の得意とする業務がマッチしていないと成果につながりにくいでしょう。
依頼する際は、あらかじめ検討する行政書士事務所のホームページなどを閲覧して、自社の目的に合った行政書士かどうかきちんと確認しておけば、ミスマッチを防ぐことが可能です。
行政書士の実績や経験をチェック
依頼先を選ぶ際は専門分野はもちろんのこと、行政書士の実績と経験値についても必ずチェックしておきましょう。
行政書士といっても、新人からベテランまでポジションはさまざまで、全員が十分なノウハウとスキルを備えているわけではありません。
実績と経験値が豊富な行政書士は、対処能力が高い証拠です。トラブルなど、さまざまな状況下でも実力を発揮して解決に導いてもらえるでしょう。このため、安心して業務を任せることができます。
行政書士とのコミュニケーションをチェック
顧問契約など継続的なサポートを行政書士に依頼する場合、長期を見据えたつきあいになります。このため、行政書士を選択する際に、相性のよさはマストといえるでしょう。
行政書士の実績や経験値のみにフォーカスせず、行政書士との相性のよし悪しをチェックすることも大切です。「相談がしやすいこと」「レスポンスがよいこと」などの観点で、ぜひ行政書士との相性を確認してみてください。
まず、無料の初回相談があれば、必ず対面で参加しましょう。報酬や細かな要望など多少シビアな内容に関しても、きちんと受け止めて回答できる相手であるか確認しておくことをおすすめします。
また、難解な専門用語は使わず、誰でも理解しやすい言葉で伝えてもらえるかを確認しましょう。
料金体系やサポート内容をチェック
よい行政書士事務所を選ぶには、依頼業務の料金体系やサポート内容の透明性も非常に重要です。ホームページなどで目安が記載されていても、諸条件により料金は大きく変わります。
このため、実際は行政書士とやりとりを行い、依頼業務の確定後に正式な料金が決定します。
料金体系とサポートされる業務範囲が不透明な場合、オプションで対応しなければならず追加料金が発生するだけでなく、予算オーバーになる可能性もゼロではありません。
このため、契約前に依頼する業務の料金体系とサポートされる範囲について口頭でやりとりするだけでなく、詳細な見積もりを依頼することが肝心です。
大阪で行政書士事務所を探す方法
大阪で、数ある行政書士事務所の中から効率よく探していくには、以下に挙げる4つの方法があります。
それぞれ一長一短はあるため、自社の環境やスケジュールなどを考慮しながら複数の方法を試すのもよいでしょう。
インターネットで探す
インターネットでの検索は、時間や場所も選ばず費用もかからないため、一番ポピュラーな方法です。
ただし、大阪には数多くの行政書士事務所があり、検索ワードを吟味しても膨大な数がヒットするため、この中から自社に合った依頼先を探し当てるのは困難といえるでしょう。
「大阪 中小企業支援 補助金申請」など、依頼する具体的な業務を検索ワードに盛り込むと検索精度がアップします。また、事務所の所在地がどこにあるかをチェックしておくことも肝心です。これは自社の近くという利便性だけではありません。
大阪は「キタ」と「ミナミ」のように大阪府を代表するビジネスの中心地から、製造業が盛んな堺市や東大阪市など、地域によって大きくカラーが異なります。
このため、行政書士も地域で活躍する企業の業務を担当している場合がほとんどです。依頼する側も地元であれば頼みやすく、地域経済を支援する実績も豊富なため成果につながりやすいといえるでしょう。
大阪行政書士会の無料相談会で探す
大阪の行政書士会では、定期的に無料相談会を実施しています。原則予約不要で行政書士会館のほか、市・区役所でも開催されるため、気軽に参加しやすい点が魅力です。
相談をしながら業務を依頼する行政書士と出会えるメリットはありますが、開催日が少ないうえ、相談員となる行政書士が限定されるため、多くの候補から比較検討できません。
可能な限りスケジュール調整をして開催される無料相談会に参加するか、他の方法を併用して多くの行政書士と出会う機会を積極的に増やすことも肝心です。
行政書士紹介サービスで探す
各サービスサイトに登録された行政書士を「地域」「専門分野」「料金」などの条件で絞り込むことで、自社のニーズに合った依頼先を簡単に探せる点が行政書士紹介サービスのメリットといえるでしょう。
行政書士の経歴や実績などのプロフィールが閲覧できるうえ、サイトを通じて直接問い合わせや相談ができるなど、空いた時間をうまく活用しながら理想の行政書士と出会えます。
また、手数料に関しても、多くの行政書士紹介サービスでは行政書士側が負担することがほとんどです。ただし、サービスによっては依頼者側に手数料が発生するケースもあるため、利用を検討する前に行政書士紹介サービスに確認しておけば安心です。
知人・取引先からの紹介
行政書士を利用している知人や取引先から紹介してもらうのも、有効な方法です。すでにやりとりがある行政書士であれば、実際の仕事ぶりについて実績や信頼性を確認することが可能なため、安心して依頼できるでしょう。
また、行政書士側も顧客の紹介であれば迅速かつ、丁寧な対応をしてもらえる可能性も高く、お互いスムーズなやりとりができるはずです。
ただし、紹介された行政書士が自社の希望する条件とそぐわなかった場合、知り合いから紹介されている行政書士な分断りづらい側面もあります。
残念な結果とならないよう紹介される行政書士に関しては、よい面・悪い面どちらも正直な感想を聞いておきましょう。
大阪の行政書士の費用相場
現在、行政書士の報酬は行政書士側で自由に設定できるようになっています。以前は一定の基準により報酬が定められていましたが、独占禁止法に抵触する恐れがあるとの公正取引委員会の指摘により、2000年に報酬基準が撤廃されました。
自由化された行政書士への報酬内訳は、下記表にある通り大きく分けて5項目になります。
項目 | 概要 | 費用の目安 |
---|---|---|
相談料 | 行政書士へ相談した場合にかかる費用 | 3,000円〜5,000円/時間 |
手数料 | 行政書士へ正式に業務依頼した場合に かかる費用 | 数万円~数十万円(依頼内容により異なる) |
法定費用 | 各種申請などを行う際にかかる 許認可などの手数料 | 50,000円〜200,000円程度 |
作業日当 | 行政書士が遠隔地へ赴いた際の 時間と費用に対して払われる報酬 | 25,000円〜40,000円程度/日 ※出張などは宿泊代や交通費が別途必要な場合あり |
顧問契約料 | 企業などと顧問契約を締結した場合に 受け取る報酬 | 個人:月額10,000円〜50,000円程度 法人:月額30,000円〜150,000円程度 ※事業規模によって変動あり |
上記以外の建設業や飲食店営業の許可申請や契約書・内容証明書作成に関しては、依頼先ごとに得意分野も踏まえた報酬設定を行っています。ホームページに報酬の目安を掲載している行政書士事務所も多いため、確認しておくとよいでしょう。
大阪の行政書士の案件ごとの報酬相場
行政書士の報酬は行政書士各々が自由に設定し、依頼業務によっても報酬額が大きく異なるのが特徴です。行政書士の報酬額については、日本行政書士連合会が5年ごとに285の業務について全国的な調査を実施しています。
同連合会では、調査結果の各報酬を「平均」「最小値」「最大値」ごとにまとめています。以下の表は、令和2年度版の報酬額統計調査を元に作成したものです。
依頼業務 | 平均報酬額 | 最小値 | 最大値 |
---|---|---|---|
経営状況分析申請 | 34,130円 | 5,000円 | 242,000円 |
事業承継計画書の作成 | 170,909円 | 30,000円 | 550,000円 |
社会保険新規適用届 | 51,412円 | 4,500円 | 200,000円 |
公的補助金・助成金の受給申請 | 103,098円 | 10,000円 | 760,000円 |
契約書作成 | 32,586円 | 2,000円 | 480,000円 |
また、同一業務でも具体的な取扱い内容などによって報酬額には大きな差が生じます。上記表を参考にして、費用の詳細については担当の行政書士ときちんと相談のうえ、見積もりを依頼しておきましょう。
行政書士へ相談すると1時間いくら必要?
行政書士への相談は、1時間あたり3,000円〜5,000円程度を目安にしておくとよいでしょう。大阪府行政書士会が定期的に開催する無料相談会は開催日程が限定され、1組あたり30分の相談時間となりますが、上手な活用をおすすめします。
また、初回相談は無料としている事務所も多く、メールやLINEでの対応や電話であれば30分以内の相談は無料の場合もあります。
行政書士へ依頼時のトラブルと対策
行政書士に依頼した際に起こりがちなトラブルは以下に挙げる通り、「行政書士の経験値」「連絡頻度」「料金体系」に関するものが代表的といえるでしょう。
それぞれの項目でトラブルが起こる原因と対策方法を解説します
行政書士の経験不足で業務がうまくいかない
最新の法律や規制に関することをはじめ、行政書士の専門知識が不足していた場合、誤ったアドバイスや手続きが行われるだけでなく、書類の不備などで申請が却下される可能性があります。
行政書士への依頼がムダにならないよう、事前に行政書士の経験や専門分野をしっかり確認しておきましょう、また、複数の行政書士を比較しておくことも失敗するリスク回避につながります。
依頼者が行政書士へ業務を任せる目的を明確にしたうえで、疑問や不安点はリスト化して質問の場を設けてクリアにしておきましょう。また、定期的な進捗報告を実施してもらえるよう連絡手段と頻度の事前設定が重要です。
行政書士と連絡がとれない
「メールの返信が遅い」「電話での折り返しがない」といったレスポンスの悪い行政書士が担当だと、言った言わないといった誤解が生じるだけでなく、業務遅延により官公署への申請期日に間に合わない恐れもあります。
このような事態を招かないよう、行政書士に対して進捗状況の定期的な報告を依頼し、その際にどのツールを用いて、どれ位の頻度で実施するかを事前に決めておくとよいでしょう。
料金体系が不明瞭で追加料金が発生する
料金体系が不明瞭な場合には注意が必要です。ホームページなどに料金が掲載されていてもあくまで目安の場合が多く、契約時に説明のなかった業務により、追加料金発生の可能性があります。
依頼者側にとっては予算オーバーになるだけでなく、行政書士事務所に対する不信感にもつながりかねません。このようなトラブルを防ぐには、契約前に料金体系の詳細を、追加料金がかかる条件も含めてきちんと確認しておくことです。
また、候補となる複数の事務所へ見積もりを依頼しておけば、内容を比較検討することで報酬の一定基準が理解できるためおすすめです。
契約前に必ず「料金体系」「依頼業務のサポート範囲」「追加料金に関する条件」を確認しておきましょう。そのうえで、複数の事務所へ見積もりを依頼して、内容の精査と比較検討をすることです。
大阪の行政書士選びに関するQ&A
大阪で行政書士を選ぶ前に、よくある質問2問と回答を以下で解説します。
それぞれの回答を参考にすれば、どのような業務を行政書士に依頼すればよいか理解できるはずです。
行政書士の独占業務は?
行政書士は国家資格を有し、おもに官公署に提出する書類の作成を行います。また、民法と行政法の専門家である行政書士にしかできない独占業務があり、以下の3つになります。
- 官公署に提出する書類作成
- 権利義務に関する書類作成
- 事実証明に関する書類作成
各書類にはどのようなものがあるか、詳細を下記表にまとめました。
独占業務に該当する業務 | 概要 |
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官公署に提出する書類作成 | 【不動産関連】 ・建設業許可申請 ・宅地建物取引業免許許可申請 ・農地転用許可申請 |
【許認可関連】 ・飲食店営業許可申請 ・酒類販売業免許申請 ・道路使用許可申請 ・旅館営業許可申請 ・個人タクシー免許申請 ・風俗営業許可申請書 ・旅行業登録申請書 | |
【法人設立関連】 ・NPO法人設立認証申請 ・医療法人設立許可申請 ・宗教法人設立認証申請 | |
【その他】 ・入札資格審査申請書 ・在留資格申請書 ・自動車登録申請書/車庫証明書 | |
権利義務に関する書類作成 | 【相続関連】 ・遺産分割協議書 ・遺言書 ・相続分譲渡証書 ・特別受益証明書 |
【契約書関連】 ・各種契約書:贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借、雇用 請負、委任、寄託、組合、終身定期金、和解 ・念書、示談書、協議書 ・内容証明 ・告訴状/告発状 | |
【行政手続き関連】 ・嘆願書/請願書 ・行政不服申立書(特定行政書士に限る) ・上申書/陳情書 | |
【その他】 ・始末書 ・定款 | |
事実証明に関する書類作成 | 【会社関連】 ・各種議事録:株主総会議事録、取締役会議事録等 |
【会計関連】 ・会計帳簿 ・貸借対照表 ・損益計算書等の財務諸表 ・決算書類 | |
【調査関連】 ・実地調査に基づく各種図面類(位置図、案内図、現況測量図など) ・交通事故調査書 ・社員履歴調書 ・会社業歴書 ・交通事故調査報告書 | |
【その他】 ・資格証明 ・自動車登録事項証明書 |
上記のように行政書士は、さまざまな書類の作成に携わります。ただし、訴訟事件などに関する法律事務をはじめ、裁判所へ提出する書類や法務省に提出する登記申請書の作成など、法律で制限されるものは業務として行うことはできません。
行政書士と司法書士との違いは?
行政書士と司法書士は、いずれも国家資格者として法律に関する書類作成や手続きを担います。ただし専門職として最大の違いは、「資格に基づく法律」「資格取得ルート」「業務範囲」の3点にあるといえるでしょう。
たとえば、不動産の所有権登記や会社の登記などに関わる業務は司法書士の専門業務になります。このため、行政書士の資格では対応できません。
職種 | 資格に基づく法律・資格取得ルート | 業務範囲 |
---|---|---|
行政書士 | 行政書士法に基づく国家資格 ・行政書士試験の合格 ・国家公務員や地方公務員として 行政事務を高卒者は17年以上 中卒者は20年以上経験すること ・総務大臣の認定 | 行政手続きに関する書類作成と代理業務 ・官公庁(省庁、都道府県庁、市町村など)に 提出する書類作成 ・権利義務に関する書類作成 ・事実証明に関する書類作成 ・上記書類作成に伴う相談業務 |
司法書士 | 司法書士法に基づく国家資格 ・司法書士試験の合格 ・裁判所または検察庁における 10年以上の事務官経験 ・法務大臣の認定 | 法務局や裁判所に関する手続き ・登記または供託手続の代理 ・法務局に提出する書類の作成 ・法務局長に対する登記、供託の審査請求手続の代理 ・裁判所または検察庁に提出する書類の作成 ・成年後見人、不在者財産管理人などの業務 ・法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所における 訴額140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件 裁判外和解等の代理およびこれらに関する相談 |
また、税金に関する書類作成や税務署への申告業務は、税理士や公認会計士の専門分野であるため、行政書士は対応不可となります。
大阪の行政書士まとめ
今回は、大阪で行政書士事務所をお探しの方に役立つさまざまな情報をお届けしました。日本屈指のビジネスエリアである大阪では、さまざまな規模の企業が存在し、地域だけでなくわが国の経済を支えています。
法律を専門とする国家資格者の中でも行政書士は、街の頼れる法律家です。複雑な手続きのスムーズな進捗と、多忙な企業担当者の時間と労力両面における負荷軽減に欠かせないものといえるでしょう。
業務によっては弁護士に相談するよりも低コストで、企業の成長や繁栄につなげられるかもしれません。
そのためにも本記事を参考にして、大阪に数ある行政書士事務所の中から自社のニーズを満たす依頼先と出会い、さらなる発展を目指してください。