- 仕事内容と年収相場
- 求められるスキルと資格の習得方法
- セキュリティエンジニアになるには
日本国内の多くの企業では慢性的な人材不足が続いており、とりわけ顕著なのがIT人材です。
一口にIT人材といっても、プログラマーやシステムエンジニアなどプログラミングやシステムの開発を担う人材もいれば、ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアなどインフラを担うエンジニアも存在します。
それぞれ全く役割は異なり、求められるスキルや能力も変わってくるものです。
そのなかでも多くの企業から需要が高まっており、引く手数多なのが情報セキュリティに精通したセキュリティエンジニアです。
今回の記事では、セキュリティエンジニアとはどのような仕事をするのか、年収相場や求められるスキル、将来性なども併せて詳しく解説していきます。
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セキュリティエンジニアの仕事内容とは?
主な業務内容
セキュリティエンジニアとはその名の通り、サイバー攻撃やセキュリティ対策を専門に担うエンジニアのことを指します。
主に企業内のネットワークを構築する際に万全のセキュリティ対策を施したネットワーク設計を行ったり、その後の運用や管理も担ったりするのがセキュリティエンジニアとしての主な役割として認識されています。
また、万が一情報インシデントやセキュリティ事故が発生した場合、その原因を突き止め適切な対処を行うこともセキュリティエンジニアの重要な役割のひとつです。
セキュリティエンジニアの業務範囲
企業によってもセキュリティエンジニアが担う業務範囲は異なり、特に大企業の場合は情報セキュリティに関するポリシーの制定や、会社全体のセキュリティ方針の立案にかかわることもあります。
情報セキュリティは万全な体制を整えておかないと顧客情報や個人情報、機密情報の漏洩につながることもあり、時として社の存続にかかわるほどの大きなダメージを与えるケースもあります。
そのため、スキルの高いセキュリティエンジニアは経営陣に対して情報セキュリティのブレーン的な役割を果たすことも多く、当然のことながらその場合は報酬や待遇も大きく異なってきます。
セキュリティエンジニアの年収相場
セキュリティエンジニアの年収はさまざまな機関、企業で調査が行われており、それぞれの平均年収額には開きがあります。
たとえば経済産業省が調査した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、セキュリティエンジニアに相当する「IT技術スペシャリスト」は758.2万円。
一方で大手転職求人サイトを運営しているdodaの調査によると、データベース/セキュリティエンジニアの平均年収は491.9万円という結果も出ています。
サラリーマンの平均給与と比較すると高給であることは間違いないですが、保有している資格やスキル、企業規模や業務内容によっても年収は大きく変わってくることが分かります。
単に情報システム部門で日々のネットワーク運用だけを担っている場合と、経営層に対してさまざまな提案を行うコンサルティング的な役割を果たすセキュリティエンジニアでは年収に差が出ても当然といえるでしょう。
セキュリティエンジニアはさまざまな企業で求められているニーズの高い職種のため、さまざまな企業で経験を積みながら転職を繰り返し、多様な業務に挑戦する人材が多いことも確かです。
>>IT系エンジニアの私が転職して、年収を上げる方法をまとめた
セキュリティエンジニアは激務?やめとけと言われる理由
転職情報サイトやSNS、ブログなどでセキュリティエンジニアに関する口コミを調べてみると、必ずしもポジティブな内容ばかりとは限らず、ネガティブな情報が目につくこともあります。
たとえば、典型的な口コミとしては「緊急対応が多く激務」であることが挙げられるでしょう。
夜間や早朝、休日などを問わずトラブルが発生することがあり、トラブルの内容が深刻だと徹夜での作業を強いられることも。
シフト交代制などで担当者が入れ替わりながら対応するのが通常ですが、特に緊急度の高いものは時間を問わず招集がかかることもあるのです。
また、情報セキュリティ対策にはゴールが存在せず、それまでの対策が万全でも新たなパターンの脅威が発生することもあります。
そのため、つねにイタチごっこのような状態で、セキュリティエンジニアは最新情報の調査やセキュリティ対策のスキルアップが求められます。
このように、つねに仕事に追われている、いつ呼び出されるか分からないといった不安がつきまとうことから「セキュリティエンジニア=激務」といった印象を与えやすいと考えられるのです。
セキュリティエンジニアのやりがいや楽しさとは
セキュリティエンジニアという仕事に対してネガティブな意見がある一方、やりがいや楽しさを感じる人も多いことは事実です。
たとえば、新たな脅威が見つかった場合、自分自身がこれまで積み重ねてきた経験やスキルをかけ合わせて解決に導くことができれば、大きな達成感と自信が得られるでしょう。
システムのなかでどの部分に脆弱性があるのかを見つける際には、仕事でありながらもゲームのような感覚で楽しむセキュリティエンジニアも少なくありません。
また、さまざまな現場を経験しスキルを身につけていくことで、セキュリティエンジニアよりも上流のセキュリティアナリストやコンサルタントへのキャリアアップも見込めるでしょう。
さらに、エンジニアの世界は学歴や資格なども関係なく、スキルさえあればフリーランスとしての独立も夢ではありません。
自分の努力次第で将来自由な働き方を手に入れられることもセキュリティエンジニアとして働くモチベーションになるでしょう。
セキュリティエンジニアに求められるスキル
セキュリティエンジニアには多様なスキルが求められるため、一口に絞り込むことは難しいものです。
客観的にセキュリティエンジニアのスキルを判断できる材料として情報セキュリティやネットワークに関する資格がありますが、今回はその中でも代表的な資格をいくつかご紹介します。
シスコ技術者認定
ネットワーク機器の最大手として知られるシスコシステムズが主催している資格制度がシスコ技術者認定です。
その名の通りシスコ製品を扱う中で欠かせないネットワークの基礎知識から高度なセキュリティ対策にいたるまで幅広い知識が求められ、それぞれのレベルに応じて資格試験の難易度が設定されています。
セキュリティエンジニアとしては「CCNA Security」、その上位の「CCNP Security」、そして最上位の「CCIE Security」の資格を持っておけば高い評価を得られることでしょう。
上位資格になればなるほどトラブルシューティングやサポートに関連した応用的な内容が多くなるため、ある程度の実務経験がないと難しい問題も多いです。
シスコ技術者認定は日本国内に限らず国際的にも通用するベンダー資格のため、セキュリティエンジニアにとって信頼性の高い資格のひとつとして知られています。
未経験からセキュリティエンジニアを目指すのであれば、まずはエントリー資格のCCENTから取得し、その後CCNEやCCNPへステップアップを目指していきましょう。
SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定
SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定はエンジニアというよりもエンドユーザーのサポートが行える人材を認定するための資格です。
ユーザーの困っていることを解決し、さまざまなアドバイスを提供することを目的としているため、セキュリティエンジニアとしては初歩的な内容を問う資格といえるでしょう。
情報セキュリティ部門でユーザーの窓口として業務を担う人には最適な資格であり、SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定を取得した後は上位資格であるSPREAD情報セキュリティマイスター能力検定に挑戦してみるのも良いでしょう。
(ISC)2資格
セキュリティエンジニアとしてネットワークの設計に携わり、より高いスキルを目指すのであればシスコ技術者認定のほかに「(ISC)2資格」もおすすめです。
シスコ技術者認定と同様にいくつかの段階別に用意されており、上位資格になると実務経験の条件や認定機関なども定められており、セキュリティエンジニア関連の資格の中でももっとも難易度が高い資格といえるでしょう。
(ISC)2資格はベンダー資格のため、受験費用も日本円で約6万円と高額です。
しかし、(ISC)2資格は世界的に見ても高い効力を発揮する資格であることは間違いなく、その後のキャリアアップにつながることは間違いありません。
また、日本国内はもちろんのこと海外や外資系企業などで活躍できる道も見えてくるほど権威性の高い資格です。
セキュリティエンジニアになるためには?
資格は必須か
セキュリティエンジニア関連の資格は様々なものがありますが、いずれにしてもセキュリティエンジニアになりたいからといって資格は必須ではありません。
そのため、極端な事をいえば無資格であるものの豊富な実務経験を武器にセキュリティエンジニアとして活躍することも可能です。
一般的には大学や専門学校などで情報セキュリティを学び、関連資格を取得して就職するケースが多いですが、他のITエンジニアとして活躍した後にセキュリティエンジニアへ転職をするケースも多いです。
特にセキュリティエンジニアと関連の深いインフラエンジニアやネットワークエンジニアなどは情報セキュリティの勉強をしたうえで資格を取得し、新たな道に進む人も多数見られます。
>>【1000万超?】インフラエンジニアの年収や実状と転職に必要なスキル
>>ネットワークエンジニアとして必要なスキルと転職した場合の年収相場
セキュリティエンジニアへの就職・転職に関する疑問
セキュリティエンジニアとして就職や転職を目指すにあたり、さまざまな疑問や不安に感じることが出てくるケースもあるかと思います。
代表的な疑問とそれに対する答えを解説しましょう。
未経験からの転職は可能?
実務経験はなくても最低限の知識とやる気さえあれば、未経験からでも十分活躍できる可能性はあります。
独学でシスコ技術者認定などの資格を取得し、セキュリティエンジニアになる人もいます。
ただ未経験の人材をセキュリティエンジニアとして採用するケースは少なく、一旦ネットワークエンジニアやインフラエンジニアとして実務経験を積んでからステップアップするのが一般的です。
>>エンジニアに未経験でも転職できる?厳しい現実を知らないと失敗リスク大
女性の未経験者は転職しにくい?
セキュリティエンジニアに限らず、IT業界はスキルさえあれば性別を問わず転職が可能です。
ただし、資格があっても実務経験がゼロだと採用する企業は限られるため、やはりネットワークエンジニアやインフラエンジニアとしての経験を積むことが現実的といえるでしょう。
セキュリティエンジニアとホワイトハッカーの違いは?
ホワイトハッカーとは、サーバーやネットワークに侵入し攻撃を仕掛けてくるクラッカー(ハッカー)から守るエンジニアのことを指します。
一方、セキュリティエンジニアはセキュリティ対策を考慮したサーバーやネットワークの構築・運用を担うエンジニアです。
セキュリティエンジニアにおすすめの転職エージェント
セキュリティエンジニアとしてこれから転職を目指すにあたり、頼りになるのが転職エージェントです。
おすすめの転職エージェントを3社ご紹介しましょう。
レバテックキャリア
レバテックキャリアは、ITエンジニアやWeb業界のデザイナーなどに特化した転職エージェントです。
アドバイザーによる初回提案からの内定率は90%と極めて高く、求職者が求める転職条件をしっかりとヒアリングし精度の高いマッチングを実現。
さらに、転職活動が初めての方にはエントリーシートや職務経歴書の添削指導、および面接対策なども提供しており、転職に関する不安や疑問に対して徹底的にサポートします。
dodaエンジニアIT
dodaエンジニアITは、大手転職サイトのdodaが運営しているITエンジニア向けの転職エージェントです。
ITエンジニアに特化しているだけあって、セキュリティエンジニア以外にもインフラエンジニアやサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアといった細かい職種で案件を検索できます。
また、「自社開発」や「在宅勤務」「フルフレックス」といったこだわりの条件で探すことも可能。
未経験からセキュリティエンジニアを目指したい方にとってもおすすめの転職エージェントといえるでしょう。
>>dodaエンジニア ITの評判は?ITエンジニア転職に強いって本当?
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、転職サイト大手のリクルートが運営している転職エージェントです。
誰もが一度は耳にしたことがあるほどリクルートというネームバリューは大きく、10万件以上の非公開求人案件が存在しています。
他社とは異なりITエンジニアに特化した転職エージェントではありませんが、長年にわたって蓄積してきた転職ノウハウを活かし、面接対策や書類の添削指導も行っています。
就職・転職支援の最大手ということもあり、信頼性の高いエージェントを探している方には最適といえるのではないでしょうか。
セキュリティエンジニアの将来性
セキュリティエンジニアは多くの企業が求める人材であり、高いニーズがあることは理解していただけたと思います。
しかし、今後の将来性を考えたときに本当にセキュリティエンジニアとして活躍していけるのか心配だという人も多いことでしょう。
そこで、最後にセキュリティエンジニアの将来性についてご紹介します。
セキュリティの自動化により仕事がなくなることはある?
セキュリティ対策の基本である脆弱性の診断などは自動化が進み、セキュリティエンジニアの業務負荷は減りつつあります。
しかし、業務の自動化が進むということは「セキュリティエンジニアとしての仕事そのものがなくなるのでは?」と不安に感じる方も出てくるでしょう。
結論からいえば、セキュリティエンジニアの仕事は完全になくなることはなく、むしろ今以上に重要性が増していくと考えられます。
たとえば、サイバー攻撃や不正アクセスの被害を未然に防止するために、一からサーバーやネットワークシステムの設計を行うことはセキュリティエンジニアでなければ難しいものです。
セキュリティエンジニアの一部の業務自動化が進んでいるとはいえ、すべてを代替することは現実的ではありません。
さらに、今後IoTの普及が加速していけば、ネットワークに接続されるデバイスの数が爆発的に増えていくことも予想されます。
このように、ツールやシステムによってセキュリティエンジニアの仕事が自動化・効率化され、業務の進め方や方法が変わることは十分考えられますが、業務そのものがなくなる可能性は極めて低いといえるでしょう。
セキュリティエンジニアは今後も高い需要がある職種
インターネットの発展とともに年々サイバー攻撃の脅威も深刻化しています。
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の調査によると、2018年にサイバー攻撃関連のパケットとして観測された数は約2121億パケット。
【出典】NICTER観測レポート2018
2009年の調査では35.7億パケットであったことからすれば、10年弱で約60倍に伸びていることが分かります。
これはNICTが観測できる範囲内でのパケット数という前提があるものの、全体の傾向としては不正アクセスやサイバー攻撃の数は加速度的に増加していると言っても過言ではありません。
今後AIやIoTのテクノロジーが広がってくれば、今以上にネットワークに接続されるデバイスは増加し、それにともなってサイバー攻撃の数も増加してくることは間違いないでしょう。
そのような時代が到来したとき、組織や社内のネットワークを安全に運用できるサイバーセキュリティの重要性はますます高まり、欠かせない人材になると考えられます。
セキュリティエンジニアは他のITエンジニアよりも年収が高い傾向にあることを考えると、現在はもちろん将来的にも高いニーズを誇る職種であり、今からでも資格を取得しスキルを身につければ、未経験からでも十分活躍できる道は見えてくるのではないでしょうか。
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