本記事では、スマホ決済各社サービスの特徴や種類、手数料について比較していきます。
クレジットカードや交通系ICカードなどさまざまなキャッシュレス決済手段がありますが、なかでもスマホは日常必需品と化しており、常に携帯していることからスマホ決済を利用しているユーザーが増えてきています。
キャッシュレス決済ができるか否かはお店選びの際の選択肢の一つといっても過言ではない昨今において、未導入だと機会損失となる可能性があります。
これから導入をする方はぜひ参考にしてみてください。
スマホ決済の種類は大きく2つに分かれる
スマホ決済には、大きく分けて非接触型のカード決済タイプとQRコード決済の2種類があります。
ここではそれぞれの特徴について解説をしていきます。
カード決済タイプ
非接触型のカード決済タイプは、クレジットカードや電子マネーをスマートフォンと紐づけて決済する方法です。
スマートフォンに搭載されている無線通信の仕組み利用することで専用端末にかざすと決済が完了するので、人や共有端末と接触することなく決済することができます。
QRコード決済タイプ
キャッシュレス決済のなかで「スマホ決済」という言葉はQRコード決済を指ことが多く、ユーザーが店舗側の用意したQRコードを読み取って決済するタイプが一般的です。
また、QRコード決済には店舗側がQRコードを用意する方法以外に、ユーザーがスマートフォンの画面に表示させたQRコードを店舗側が読み取って決済を行う方法もあります。
ユーザーの支払い方式も「クレジットカードや決済」と「チャージ決済」の2種類があるので、自身に合った支払方法を選ぶことができます。
スマホ決済サービス7社を比較
さまざまなスマホ決済サービスが展開されていますが、ここでは厳選して次の7社を比較し、それぞれの特徴についてご紹介をしていきます。
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STORES決済 | Airペイ | 楽天ペイ | Square | PayPay | LINE Pay | メルペイ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
初期費用 | 専用端末代:19,800円 (条件達成で0円) |
専用端末代: 20,167円 |
専用端末代:20,000円 (条件達成で0円) |
専用端末代: 7,980円 |
0円 | 0円 | 0円 |
決済手数料 | 3.24%(JCB、Diners、Discoverは3.74%) | 3.24%(AirペイQRの場合) | 3.24%(楽天カード以外のJCBカードは3.74%) | 3.25% | 0円 | 2.45%~5.5% | 2.6% |
振込手数料 | 0円(10万円以下の場合は200円) | 0円 | 330円(楽天銀行指定の場合は0円) | 0円 | 0円 | 0円 | 200円 |
各社の初期費用や手数料は上記の通りです。
専用端末代がかかるか否かの違いはありますが、基本的に決済手数料や振込手数料に大きな差は見受けられません。
以降では各社の特徴について解説をしていきますので、どのような違いがあるのか把握をしていきましょう。
STORES決済
STORES決済は、スマホ決済に加えてクレジットカード決済や交通系ICカードでの決済など複数の決済サービスに対応しています。
店舗での対面決済の場合には、決済専用の端末が必要となるので19,800円の費用がかかります。
ただし、審査通過月を含む6ヶ月以内に、単月20万利用クリアすることで1台無料となるキャンペーンを実施しているので、実質無料で利用することが可能です。
また、QRコード決済においては決済専用の端末は不要なので、初期費用0円で利用を開始することができます。
そのほか、月額費用などの固定費・処理手数料はかからず、必要となる費用は決済手数料のみとなります。
これから導入を検討している人は利用しやすいサービスであるといえるでしょう。
AirPAY
導入していないから機会損失をする様子が分かるテレビCMでお馴染みのAirペイは、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などの29種と非常に多くの決済手段に対応しているキャッシュレス決済サービスです。
クレジットカード・電子マネーの場合には「Airペイアプリ」(iPad/iPhone)とカードリーダーを接続して利用を開始します。
QRコード決済については申込後、審査に通過したお知らせが届き次第「Airペイ QR」アプリをダウウンロードすることで利用ができます。
このように簡単設定で導入することができるので、初めて導入する人でもスムーズに対応することが可能です。
また、Airレジ・Airペイ QRとの連携をすることで、注文入力から会計、売上分析といった豊富な機能を使用することができる特徴もあります。
他社と比較しても多くの決済手段があり、手数料も最安値であるため、コストを抑えつつ多くのユーザーのニーズを満たしたい人は導入を検討すべきサービスといえます。
楽天ペイ
その名の通り、楽天ペイは楽天系列のキャッシュレス決済サービスです。
各種クレジットカード決済はもちろん、楽天ペイを含めた交通系電子マネーや楽天EdyによるQRコード決済が可能です。
他社と比較して、楽天ペイの最大の特徴は「楽天アプリからの集客が見込める」ことにあります。
ユーザーが使用するQRコード決済アプリの「楽天ペイ」では、楽天ペイを使用することができる近くの店舗を検索することができる機能が搭載されています。
楽天ペイでは、クレジットカードを使用するより、QRコードを提示して決済をする方が通常よりも多くのポイントを獲得できるので、ユーザーにとってメリットがあるのです。
このことから、楽天ポイントを貯めているユーザーに対して集客効果が見込めるといえます。
また、楽天ペイはEdyやnanacoといった電子マネー決済にも対応しているので、電子マネーを中心に利用しているユーザーにとっては高評価を得ることができるといえるでしょう。
導入においては、大手企業である楽天系列であることからセキュリティ面で安心することができ、専用端末代も条件をクリアすることで実質無料です。
決済手数料は他社と比べても3.24%と同率ですが、振込手数料は振込先が楽天銀行であれば0円なのでお得といえます。
つまり、導入後の費用は決済手数料のみで利用できるということです。
スマホ決済だけではなく、アプリからの集客や電子マネー決済にも力を入れていきたいと考えている人は導入を検討してみてはいかがでしょうか。
Square
クレジットカード決済に対応しているSquareの最大のメリットは、入金サイクルが早いことです。
Squareでは、三井住友銀行もしくはみずほ銀行であれば「翌営業日」、他銀行でも「毎週金曜日」に入金され、その際の手数料もかかりません。
他社サービスでは「5営業日」「毎月15日と月末」といった入金サイクルを採用していることが多い為、Squareの入金スピードは他を圧倒しています。
すぐにお金を受け取りたい人におすすめのキャッシュレス決済サービスであるといえるでしょう。
また、導入時においても手続きは公式ホームページにて数分で完結し、導入すれば即時利用開始することができることもメリットとして挙げることができます。
登録内容も簡潔で、登録者の情報やメールアドレス、入金先の口座を登録することで完了します。
登録内容をもとに審査が開始されますが、無事に通過することができればその日のうちから利用することができ、とてもスムーズな導入が可能です。
加えて、クレジットカード決済をはじめ多くのキャッシュレス決済では、専用端末への電力供給やインターネット接続が必要ですが、Squareではオフラインで決済することもできます。
オフラインで仮決済を受け付けておいてインターネット接続時に本決済とする仕組みなので、地震や台風といった自然災害による停電が発生した際にも対応できるのは有事の際に非常に役立ちます。
このような万が一にも備えておきたい人は導入候補に入れてみてはいかがでしょうか。
PayPay
キャッシュレス決済サービスを利用していない人でも、その名前を聞いたことがあるPayPayは加盟店316万箇所、ユーザー数も約3,800万人と非常に多くの人が利用しているサービスです。
日本の人口が約1億2000万人なので3人に1人は利用している計算となります。
さらに、Alipayという中国・香港・台湾などの外国人旅行客が利用しているサービスとも連携しているので、外国人観光客に対する集客効果も期待することができます。
また、導入側のメリットとして、以下の3つがすべて無料である点をあげることができます。
- 初期費用無料
- 決済手数料無料
- 入金手数料無料
このように固定費やランニングコストがかからないことは、長期的に見て非常にお得といえるでしょう。
そのほか、PayPayでのキャッシュレス決済ではQRコードやバーコードを読み取るだけというシンプルな操作性に加え、決済額を誤ってしまった場合でも専用アプリを使用することで簡単に行うことができます。
機械操作が苦手な従業員やアルバイト、外国人労働者でも簡単に使用することができるので安心して業務を任せることが可能です。
LINE Pay
コミュニケーションアプリのLINEが展開しているLINE Payは、QRコード決済ができるサービスです。
LINE Payは使用しているスマートフォンにLINEが入っていれば新たにアプリをダウンロードする必要がなく、ユーザーは非常に利用開始しやすいサービスです。
LINEの国内における月間利用者数は8,600万人以上であることから、それだけ見込み客が多いということができるでしょう。
また、LINE Payにはお金の送り合いが簡単にできる機能があるので、ユーザーはキャッシュレス決済でも「割り勘」をすることができます。
そのため、導入をすることで割り勘をスムーズに行えるといった未導入店舗との差別化を図ることが可能となります。
集客効果でいえば、LINE Payでは店舗のLINEアカウントに対してお客様が友達登録をしてくれると、お得なキャンペーンやイベント情報をLINEのメッセージで送付することができます。
これまでメルマガや広告を出していた手間やコストを削減する効果があるほか、LINEはスマートフォンユーザーのほとんどの人が利用しているアプリであることから馴染みがあるので効果的なアプローチをすることができるのです。
導入面においてのLINE Payの特徴は、他社サービスと比較して決済方法の選択肢が豊富であることが挙げられます。
具体的には以下のような方法があるため、店舗の形態に合わせて導入することができます。
決済方法 | |
---|---|
プリントQR | QRコードをお客様に読み込んでもらう |
LINE Pay据置端末 | 入力した金額のバーコードを表示し読み込んでもらう |
LINE Pay店舗用アプリ | 金額やコードの表示・お客様が表示したコードを読み込む |
また、費用はかかりますが、現在POSレジを導入している場合でも改修をすることで、既存のレジを使用して支払いをできるようにすることもできます。
導入にかかる初期費用や固定費、決済手数料がかからず低コストで導入可能ながらも多くのメリットがあり、高い集客効果が期待できるサービスであるといえます。
どのスマホ決済サービスを導入しようか悩んでいる方は、まず候補に入れてみてはいかがでしょうか。
メルペイ
メルペイは、フリマアプリで有名なメルカリが運営するスマホ決済サービスで、QRコード決済や電子マネーサービスである「iD」に対応しています。
メルペイのユーザーは、登録した銀行口座から入金した電子マネーのほかに、フリマアプリであるメルカリ内の売上金で購入したポイントで支払いすることもできます。
そのほか、メルカリや店舗での支払いを翌月にまとめて後払いにすることができる「メルペイスマート払い」という機能のおかげで、クレジットカードを持っていない人も後払いを利用することができるのも魅力的です。
このことから、メルカリユーザーに対する集客効果を期待することができます。
また、集客効果においては、メルカリユーザーに対してだけではなく、d払いとも連携をしているのでドコモユーザーにも及びます。
それぞれのユーザー数はメルカリで1,802万人(月間利用者数)、d払いで約7,967万人(dポイントクラブ会員)なので多くのユーザーに対してアプローチすることが可能です。
導入に際して気になる費用ですが、メルペイの場合はQRコード決済なのでお客様が読み込むためのQRコードを設置するだけで利用することができます。
そのため、専用端末の購入費といった初期費用がかからないほか、システムのセットアップのような手間も省くことができます。
また、月額費用もかからないのでかかる費用は決済手数料と振込手数料のみです。
決済手数料についても、他社では3.24%~3.74%であることが多いですが、メルペイは2.6%なのでお得に利用することができるといえるでしょう。
加えて、入金予定や入金一覧、過去の入金済の履歴を確認するなどは加盟店管理画面にて情報を確認することができるので、管理がしやすいという特徴もあります。
メルカリユーザーやdポイントクラブ会員への集客効果、スマートフォンがあれば導入できる手軽さ、他社よりも低い決済手数料などに魅力を感じた人は導入を検討してみましょう。
急速に広まるキャッシュレス化に対応すべき
日本では2025年までに約40%を目指し、キャッシュレス決済を推奨しています。
その理由は、以下が挙げられています。
- インバウンド消費
- 人手不足問題の課題解消
- 生産性や効率性の向上
- 現金決済のインフラコストの削減
キャッシュレス決済のなかでも、スマートフォンの普及率が高まった昨今において、スマホ決済は非常に身近なものとなってきました。
この記事でも紹介してきたように、各社キャッシュレス決済サービスを利用することでユーザー側へのポイント還元や貯めたポイントを利用できるメリットがあります。
そのため利用者は増加傾向にあり「キャッシュレス決済ができるか否か」は店舗選びの際の条件にもなってきています。
また、諸外国では日本よりもキャッシュレス決済の普及率は高く日常的に使用されているものです。
- 日本円に換金しなくても済む
- 通貨の計算をしなくても済む
といったメリットもあり、外国人観光客の利用者は非常に多いです。
このようなことから、キャッシュレス決済サービスを導入していないと「お客様に来てもらえない」「競合他社にお客様を取られる」といった機会損失となってしまうのです。
一方で、導入することにより集客効果を見込むことができるスマホ決済も多数あります。
また、複数のスマホ決済の手続きをを一元管理し多数の決済方法を可能とするオンライン決済代行サービスを活用するというのも一手です。
機会損失をせず効率的に集客をするためにも、未導入の方はこれを機に導入を検討してみてはいかがでしょうか。