今回はマインドマップソフトについて、無料/有料で利用できるオススメのソフトを比較してご紹介していきます。
ビジネスにおいて複雑な物事を整理したり、新しいアイデアを生み出すために、様々なフレームワーク(思考の枠組み)が活用されています。
その中でもマインドマップは思考を整理する表現手法として汎用的に使うことができ、多くの人に利用されています。
現在はマインドマップを活用するための専用ソフトも販売されており、ソフトを利用することでより効率的にマインドマップを作成することができます。
マインドマップとは
マインドマップとは、思考の表現方法です。
イギリスの著述家であり、教育コンサルタントであるトニー・ブザンが考案しました。
頭の中で考えている内容を可視化することで思考を整理しアイデアを生み出しやすくします。
また、複雑な概念でも直感的に理解ができるようになります。
描き方は以下になります。
- STEP1:中心に表現したい概念のキーワードやイメージを描く
- STEP2:中心に描いたキーワードやイメージから放射状キーワードやイメージを広げる
- STEP3:キーワードやイメージを繋げていく
元々、人間の脳内で意味を記憶・理解する際に使用されいているモデルである「意味ネットワーク」と構造が似ているため、理解や記憶がしやすいと言われています。
ビジネスシーンでは、アイデアをブレストする際に利用されたり、複雑な物事をチーム内で共有するために利用されたりと、幅広く活用されています。
また、ビジネスシーンのみならず、思考を拡張するツールとして教育現場でも活用されるケースもあります。
おすすめのマインドマップソフトを比較
マインドマップは本来、紙とペンで描くことを前提として考案されていましたが、近年ではコンピュータ上で描くための専用ソフトが開発されています。
マインドマップソフトには無料で利用できるものと有料で利用できるものがあります。
有料版の中には、無料で利用できるプランから、有料にすることで機能を拡張できるものもあります。
それぞれの価格、機能やメリットについて紹介します。
無料で使えるマインドマップソフト一覧
ここでは無料で利用できるものを3つ紹介します。
FreeMind | Frieve Editor | Sketchboard | |
---|---|---|---|
タイプ | インストール | インストール | ブラウザ |
有料版 | – | – | 4種類 |
プレゼン機能 | – | – | 〇(有料版) |
共同編集機能 | – | – | 〇(有料版) |
タスク管理機能 | – | – | – |
エクスポート機能 | 〇 | ー | ー |
外部連携機能 | – | – | Slack(有料版) |
ガントチャート | – | – | – |
フリーハンド機能 | – | – | 〇 |
FreeMind
FreeMind(フリーマインド)は、パソコンにソフトウェアをインストールすることで利用できる無料のマインドマップソフトです。
Windows、macOS、Linux等のOSに対応しています。
FreeMindには描画機能がなく、その分他のマインドマップソフトに比べ、動作が軽く、低スペックなパソコンでもストレスなく利用できるという特長があります。
また、操作もマウスのみで利用することができ、PDFやJPEGなどへの書き出しも無料で利用できるため、他の人との共有も簡単にできます。
特徴 | 動作が軽い PDF/JPEGへの書き出し可能 階層ごとの枝の折り畳み可能 |
---|---|
料金 | 無料(有料版あり) |
Frieve Editor
Frieve Editor(フリーブエディター)は、2006年にリリースされ、15年ものあいだ利用されているフリーソフトです。
Windows専用となっており、macOSやLinuxでの利用はできません。また、現時点でWindows10での動作保証は行われていません。
Frieve Editorでは、整理したい事柄をカードとリンクにより表現します。
この「カード」と呼ばれるものは他のマインドマップソフトだと「ノード」と呼ばれることが多いです。
1つのキーワードを1つのカードに記載し、それらの関係性をリンクで表現します。
また、そのカードにラベルを付することでリンクの分類を行うこともできます。
リンクやラベル情報から自動整理を行うこともできます。
特徴 | カードとリンクでシンプル表現可能 カードの自動整理、表示選択可能 アニメーション機能搭載 |
---|---|
料金 | 無料 |
Sketchboard
Sketchboard(スケッチボード)は、ブラウザベースで利用できるマインドマップソフトです。
プランは無料で利用できるプラン1種類と、有料プランが4種類あります。
メールアドレスを登録もしくはGoogleアカウントを利用し、アカウントを作成することができます。
リモートのチームがリアルタイムで作業できるように作られたソフトで、オンライン共有ができSlackとも連携可能です。
現在は英語版のみ提供となりますが、ドラッグ&ドロップで直感的に操作できるUIのため、英語が分からなくても利用できます。
有料のマインドマップソフト一覧
ここからは有料で利用できるものを3つ紹介します。
マインドピース | Xmind | iMindMap | |
---|---|---|---|
タイプ | インストール | インストール | インストール |
無料版 | 10日無料体験 | 〇 | 〇 |
有料版 | シングルライセンス (¥12,800) |
XMind8 Pro (¥13,036) |
Ayoya Pro(¥1,125/月額) Ayoya Ultimate(/¥1,463/月額) |
プレゼン機能 | ー | 〇 | 〇 |
共同編集機能 | ー | 〇 | 〇 |
タスク管理機能 | ー | 〇 | 〇 |
エクスポート機能 | ー | MS Office文書/PDF/SVG | MS Office文書/PDF/SVG |
外部連携機能 | ー | Evernote | Googleカレンダー/Zoom |
ガントチャート | ー | 〇 | 〇 |
フリーハンド機能 | ー | ー | 〇 |
マインドピース
マインドピースは、日本のKANTETSU WORKS(カンテツワークス)が開発したインストール型のソフトです。
Windows、MacOSどちらでも利用することができます。
開発元は「アイデア粘土細工ソフトウェア」と表現しており、粘土細工のように自由に創作できることを目指して作られています。
「ピース」と呼ばれるアイデア要素をドラッグ&ドロップで繋げていくことで、アイデアを図式化することができます。
自由度が高く、背景の変更やテンプレートが充実している点が特徴です。
特徴 | 美しいグラフィック表現 ツールパレットを持たないシンプルUI 充実したテンプレート |
---|---|
料金 | シングルライセンス:¥12,800 ※無料で10日間ライセンスの利用可能 |
XMind
XMind(エックスマインド)は、香港のXMind Ltd.社が開発しているオープンソースのソフトです。
Windows、macOS、Linuxなど複数のOSに対応しています。スマホアプリ版もリリースされています。
XMindは無料版と有料版があります。
無料版でも十分な機能がありますが、有料版にすることで以下の機能が使えます。
- PDF、SVG、Word、 Excel、PPTファイルへの書き出しが可能
- テーマのカスタマイズができる
- ガントチャートなどが使える
- 60,000点を超える高品質なアイコンが使える
- ブレインストリーミングモード、プレゼンテーションモードが使える
特徴 | チームで共有しやすい MSOffice/PDF書き出し可能 無料版/有料版を選択可 |
---|---|
料金 | XMind8:¥0 XMind8 Pro:¥13,036 |
iMindMap
iMindMap(アイマインドマップ)は、マインドマップの創設者であるトニー・ブザンが唯一公認し、世界中で100万人以上が利用するマインドマップソフトです。
WindowsやmacOSで利用できる他、スマホでも利用可能です。
現在、iMindMapは新製品の「Ayoa」の機能の一部となっております。
iMindMapでは、手書き感覚で美しいマインドマップが作成できます。
また、マインドマップの見た目だけでなく、思考プロセスを再現することができます。
有料版ではGoogleカレンダーやZoomなど統合することができ、リモート勤務でも共同して作業するのに役立ちます。
特徴 | マインドマップ創業者公認 マインドマップのプロセスをPC上で再現可 Google、Zoomと統合可 |
---|---|
料金 | Ayoya Basic:/¥0 Ayoya Pro:¥1,125/月額 Ayoya Ultimate:¥1,463/月額 |
マインドマップソフトを使うメリット
マインドマップソフトを利用することで、知的生産活動をより効率化することができます。
代表的なメリットを3つ紹介します。
思考・アイデアを整理
マインドマップソフトを使えば、複雑で抽象的な思考やアイデアを整理することができます。
人間は言語化したり、図式化することで、ものごとを認識できるようになります。
そのため、頭の中だけで考えるのではなく、実際に可視化することは思考の整理に非常に役立ちます。
また、マインドマップを使い可視化することで、自身の思考やアイデアを他人と共有することもできるため、チームで協働する際も活用できます。
記憶媒体としても優れており、振り返る際に文章だと直感的に理解できなかったり、読むのに時間がかかるものを、マインドマップを利用すれば、直感的に理解できるため、時間の短縮にも繋がります。
情報の全体像を把握
マインドマップソフトでは、情報を全て可視化でき、情報の全体像を直感的かつ構造的に把握することができます。
情報同士の関連性や構造が理解でき、そこから気づきを得ることができます。
また、ビジネスシーンでは他部署に跨るプロジェクトなど、複数の関係者と協働する場合、各自で保有する情報にばらつきが発生することがあります。
マインドマップを利用し、全体像を明らかにすることで、情報のばらつきやモレ・ダブりを防ぐことができます。
あらゆる分野で応用可能
マインドマップは「ノート術」として紹介されることが多いですが、広義では思考法の一種であり応用範囲は非常に広いです。
ビジネスシーンでは、業界問わず様々な場面で活用され、例えば以下のように利用されています。
- クリエイティブ職がアイデアや思考の整理方法として利用する
- 企画職がプロジェクトの全体像の把握や情報整理のために利用する
- セールスがお客様を説得する際に活用する
また、ビジネスシーンに限らず、教育現場や家庭、自身のキャリアや学びなどにも活かすことができます。
ある例では、本の要約をマインドマップソフトを利用し、整理するなどの学習方法にも利用されているケースもあります。
マインドマップで新しいアイデアを引き出せる
マインドマップは単に既出のアイデアや情報を整理するだけのツールではありません。
ブレインストーミングなどにも活用することができ、新しいアイデアを生み出すのにも効果的です。
また、今あるアイデアや情報を可視化し、関連性を整理することで気づかなかった組み合わせや関連性を見出すことができ、そこに新しいアイデアがあることもあります。
そのアイデアを可視化し、思考を整理させ、アイデアを生み出しやすくするマインドマップをより使い勝手よく活用できるのがマインドマップソフトです。
無料版でも必要最低限の機能が備わっており、初めてマインドマップソフトを利用する方はまずは無料版を利用してみてください。
ある程度使ってみた後にビジネスで本格的に利用する場合は、無制限で利用でき様々な補助機能がついている有料版をおすすめします。
いずれにしても「使いこなせるか」が重要で、使用用途に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。
無料版で試したのち、自身にとって必要な機能を兼ね備えた有料版に切り替えていくのがより良い使い方といえるでしょう。