自社の商品やサービスを顧客に知ってもらうための手段の1つとして、Eメールによる配信があります。
しかし、顧客ごとに個別でメールを送付するのは非常に非効率なため、メール配信サービスの利用を検討している人もおられるかと思います。
この記事では数多くのメール配信システムのなかから厳選し、各システムの特徴や金額などを比較しながら紹介をしていきます。
導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
メール配信システムの選び方
登録している顧客メールアドレス宛に一斉にメール送信ができるメール配信システム。
一見「一斉に送信できるならどれを使っても同じでは?」と思われがちですが、導入するシステムについての確認を怠ると、目的を達成できないことがあるため注意が必要です。
ここでは、メール配信システムの選定ポイントについて解説をしていきます。
機能
各メール配信システムには一斉配信の機能がついていますが、利用するシステムによって同時送信できる数に上限が設けられていることがあります。
また、配信したメールが顧客に届いた際の開封率の確認や、配信結果をグラフで分析するなど、さまざまです利用するシステムによってさまざまです。
選定する際には、メール配信システムを導入する目的を実現できる機能が搭載されているか確認するようにしましょう。
目的
メール配信システムを導入の目的は各社によってさまざまですが、次のような目的で導入を検討していることが多いのではないでしょうか。
- メール配信にかける時間や人件費を削減したい
- 配信を自動化して人的ミスを防ぎたい
- 配信したメールで効果が出ているのか測定したい
上記のように、なぜメール配信システムを導入するのか、実現したいことは何かといった目的をはっきりさせると、必要となる機能も見えてきます。
目的を明確にすることは適切なシステム選びの最も重要なポイントなので、曖昧にせずしっかり定めておきましょう。
料金・月額費用
メール配信システムのなかには無料で利用できるものもありますが、機能やオプション、メールの配信数によって月額費用が発生することもあります。
費用を抑えるためのポイントは次の2つです。
- 配信するメール数の確認
- 不要な機能が搭載されていないか確認
利用するプランによっては配信するメール数に上限がある場合があります。
これらは利用するプランをアップグレードすることで配信数を増やせます。
「余裕を持たせておきたい」「上限数は多い方が安心」など曖昧な基準で決めてしまうと、無駄な費用を支払うことになるため注意しましょう。
これは機能についても同様で、搭載されている機能が本当に自社に必要なのか考える必要があります。
「メール配信数」「搭載されている機能」などは各メール配信システムとの比較材料にもなりますので、必要なもの見定め自社に適したサービスを選定しましょう。
おすすめメール配信システム7選の比較表
ここでは特徴や機能、料金などを比較して、厳選したメール配信システムを紹介します。
導入するツール選定の参考に役立ててください。
スクロールできます→
サービス名 | 特 徴 | 無料プラン | 無料トライアル | 料金プラン |
---|---|---|---|---|
オレンジメール |
|
有り (半年間) |
有り (半年間) |
|
acmailer(エーシーメーラー) |
|
有り | 無し |
|
SendGrid |
|
有り | 無し |
|
コンビーズメールプラス |
|
無し | 有り (30日間) |
|
MailPublisher |
|
無し | 有り |
|
WiLLMail (ウィルメール) |
|
無し | 有り (14日) |
|
アクセスメール |
|
無し | 有り (7日間) |
|
各メール配信システムの特徴や料金は上記の通りです。
以降では、各メール配信システムの詳細について解説をしていきます。
オレンジメール
「とりあえず試してみたい」「メール配信システムの効果を知りたい」という人におすすめなのがオレンジメール。
オレンジメールでは、無料版は半年間、ビジネス版で30日間の無料トライアルができるので、初めてメール配信システムを導入する企業でも、その効果をしっかりと確認してから導入に踏み切ることができます。
また「システム利用は操作が難しい」というイメージがありますが、オレンジメールでは動画マニュアルが用意され、サポート環境も充実しており、システムに不慣れな人でも簡単に設定、操作ができます。
これから初めてメール配信システムの利用を検討している人は、オレンジメールでその効果を体験してみましょう。
acmailer
acmailer(エーシーメーラー)は、企業のサーバーに設置するCGI(コモン・ゲートウェイ・インタフェース)タイプのメール配信サービスで、PC版ソフトやASPではない為、独自運営で自由に使用することができます。
このacmailerの特徴は、無料ライセンスでも非常に多機能が使用可能なこと。
メールアドレスの登録は一括でCSV登録ができ、一括削除(スクリーニング)、重複、エラーチェックも実施可能です。
また、配信メールをテンプレートとして保存でき、自動返信メールの登録、編集もできるので、管理が楽に行えます。
複数のアカウントを無制限で作成でき、各アカウントで作成したメール内容も管理者承認が行えるためアカウントの管理も安心です。
不到達メールをリスト化する機能や、サーバー負担を軽減するスロー配信機能も搭載するなど、ユーザーの使用環境に合わせて利用できる点も魅力です。
その他、ユーザー属性から配信ターゲットの絞り込み機能や、個別の名入れなどの多数の機能を含め無料で使用することができます。
さらに、著作権表示を解除するなどのハイグレードなライセンスでも税込17,600円と低コストで利用できます。
まずは無料で使い勝手の良い多くの機能を使いたい方、自社サーバーでコストパフォーマンス良く運用をしたい方にはおすすめのサービスです。
SendGrid
全世界で利用されているSendGridは、月間900億通以上の配信実績を誇るメール配信システムです。
システム導入と聞くと「導入に時間がかかる」「インフラ整備が必要」といったイメージがありますが、SendGridはクラウドサービスなので、面倒なメールサーバの構築などの作業が発生せず、アカウント登録後すぐに利用開始できます。
また、昨今では迷惑メールフィルタが高度化し、配信メールが顧客に届きづらいという課題がありますが、SendGridでは独自ドメインの利用をはじめ、バウンスの自動処理や固定IPアドレスの使用など、メールの到達率を高める取り組みがされています。
こちらの到達率に関する機能においてはアナリティクス機能も搭載されており、詳細なログを確認できるので、配信メールが不達の際にはリアルタイムかつ一目で状況が把握できます。
大量のメール配信を予定していて、かつそれらのメールを確実に届けたい人にはおすすめのサービスです。
コンビーズメールプラス
大量のメールを高速かつ確実に配信したい、という方におすすめなのがコンビーズメールプラスです。
50万件ものメールアドレスを登録でき専用サーバから一斉配信が可能で、DKIM認証(電子署名を用いた「迷惑メール」と誤認されないようにする認証技術)対応の送信もできるため高い到達率を誇ります。
また、クリックカウンターを始めとする、開封率測定・開封者特定などのさまざまな効果測定ツールや、条件を絞り込んだグループ毎のメール配信、お客様からの空メール送信やQRコードでのアドレス登録(解除)など、効果測定・分析・運用に便利な豊富な機能も備えています。
さらには、スタンダードプランやセキュリティ対策プランなら、ステップメールや配信時刻の自動最適化など高度な機能も組み合わせることができます。
料金プランには使用頻度や使い方によって、必要な機能のみ選んで使用できるお得なカスタマイズプランも用意され、30日間の無料トライアルも利用できる為、まずはお試しで使ってみることもできます。
多数の送信先へ到達率の高いメルマガ配信を簡単に行いたい、送信後の分析や運用も一括して行いたい、という企業にはおすすめのサービスといえます。
MailPublisher
MailPublisherは、楽天銀行、SBI損保、日清食品グループといった大手企業への導入実績があるメール配信システムです。
その最大の特徴は「4,100万通/時」という高速配信にあり、大量のメール配信もストレスなく実施することができます。
加えて、ただ単に大量にメール配信ができるだけではなく、500種類以上のエラーメールを自動解析できるエンジンも搭載しています。
そのため「なぜ到達できなかったのか」その原因を把握することができるので、メールが届かないことで起こる機会損失を防ぐことも可能です。
また、MailPublisherは豊富な機能だけではなく、サポート体制も充実しています。
システムの利用方法はもちろん、メールマーケティングに関するサポートも行ってくれるので、今までメール配信でマーケティング施策を講じていなかった企業にとって非常に心強いです。
費用は月額25,000円~と少々高めですが、経済産業省の「IT導入補助金2020」の対象ツールに認定されているので、条件を満たせれば導入にかかる費用補助金が支給されます。
気になる人はまず無料トライアルで試用し、その効果を実感してから導入を検討してみるのも良いでしょう。
WiLLMail (ウィルメール)
WiLLMailの最大の特徴は、HTMLメールをドラッグ&ドロップで感覚的に作成できる点にあります。
昨今のメール配信では、文章だけでなく、視覚的にも訴求効果の高い画像や動画を使用できるHTMLメールを利用する企業が増えています。
これまでHTMLメールを作成するにはさまざまなテクニックを要しましたが、WiLLMailなら感覚的かつ簡易的に初心者でも作成でき、メール作成の時間短縮が可能です。
WiLLMailでは、画像サイズやレイアウトなどをPC版で作成したHTMLメールを自動でスマートフォン版に最適化してくれる機能もあり、時短に大きく役立ちます。
マーケティングにも活用できる分析機能も、シンプルかつ必要な情報が一目で読み取れるので非常に使い勝手が良いです。
コストを抑えつつ、高性能な機能を利用したいと考えている人は導入の候補に入れてみましょう。
アクセスメール
アクセスメールはメールの一斉送信はもちろん、特にメルマガ配信にも強みを持つメール配信サービスです。
HTMLメールももちろん、開封率のチェックや開封率UPのための「くじ付きメール配信機能」や「バースデーメール配信機能」、メルマガに挿入されているURLのクリック数のチェックなど、豊富な機能を取り揃えています。
また、読者情報を追加登録することでターゲットを絞り込んで配信できる点や、メルマガの配信予約を携帯端末からも行うことができ、外出中などでも操作可能な点も魅力です。
料金もリーズナブルな設定になっており、最安プランでは月額利用料が2,300円で5万通もの配信ができ、全プランで独自ドメインによる配信が可能です。
また利用プランによっては独自ドメインで読者登録の空メール受付をすることもできます。
プランの配信数が超えてしまっても、1通につき0.07円と格安で追加利用でき、またプラン変更はいつでも行うことができます。
メルマガの配信頻度が高く、費用を抑えたい人にもおすすめのサービスといえるでしょう。
無料プラン(7日間)も用意されているので、興味がある方はまずはこちらからお試し利用をしてみてください。
自社に必要なメール配信システムを選ぶ
メール配信システムは、登録している顧客に対し一斉にメールを送付できるビジネスツールです。
導入する最大のメリットは、これまで顧客ごとにひとつひとつメール作成をしていた時間や人件費の大幅な削減が見込めることでしょう。
また、メール配信システムは各社によって搭載されている機能や料金が異なります。
たとえば、マーケティングを強化したいのであればメール配信結果を分析する機能が搭載されているものを、大量にメール配信をする予定があるのであれば容量や速度が速いものを選ぶ必要があります。
- コストを抑えたい
- 到達率を向上させたい
- HTMLメールを簡単に作成したい
これらのように、ニーズや課題は企業によってさまざまです。
この記事でも紹介したように、メール配信システムの選び方のポイントを押さえながら、自社に必要な機能を搭載したものを導入することが非常に重要です。
無料トライアルやフリープランが用意されているサービスもあるので、初めてメール配信システムを導入しようとしている人は、これらを上手く活用することでその効果を実感できることでしょう。
これを機に、未導入の方は自社の抱えている課題やニーズを洗い出し、メール配信システムを導入することで、より効果的で効率的なメール配信を目指してみてはいかがでしょうか。