2026年度から本格始動する「SCS評価制度」は、サプライチェーン全体の防衛力を高める新たな国家基準です。
取引先から「星」の取得を求められるケースが増える一方、専門家によるレビューや複雑な規程整備など、自社のみでの対応には限界があります。
本記事では、SCS評価制度の概要から、実務を円滑に進めるためのコンサル選定ポイントと、おすすめできるSCS評価制度のコンサルサービスを厳選して紹介します。

監修者:
田中 大樹
株式会社スリーエーコンサルティング
株式会社スリーエーコンサルティング シニアコンサルタント。
ISO・ISMS・Pマークのコンサルティング担当企業数200社以上。
認証取得・運用支援の経験を活かし、現在は脆弱性診断やサイバーセキュリティ対策など、企業のセキュリティ課題解決を支援している。
SCS評価制度とは?わかりやすく解説

SCS評価制度とは、取引先(サプライヤー)のセキュリティ対策状況を定量化・格付けし、そのリスクレベルに応じて「安全に取引を継続できるか」を客観的に判断する仕組みです。
近年、セキュリティが手薄な関連会社を踏み台にして本丸の企業を狙う「サプライチェーン攻撃」が急増しています。この脅威に対し、従来のような「自己申告の調査票」だけでなく、専用ツールによる客観的なスコアリングやエビデンス確認を行い、取引先を「ランクA(優良)」「ランクB(要改善)」等に分類・管理するのが本制度の核心です。
これにより、重要業務の委託可否などをデータに基づき経営判断できるようになります。
SCS評価制度のコンサルが必要な理由
SCS評価制度の導入においてコンサルが求められる最大の理由は、「評価の客観性担保」と「膨大な実務の効率化」です。
膨大な数に及ぶサプライヤーの対策状況を自社だけで精査し、改善を促すのは極めて困難です。専門コンサルは、グローバル標準(NIST等)に即した評価基準を設計し、外部診断ツールを用いた公平なスコアリングを実施します。
また、評価の低い企業への「是正指導」や「教育」までを外部委託することで、社内リソースを消費せずに、供給網全体の防衛力を実効的に高めることが可能になります。
株式会社スリーエーコンサルティング 田中様SCS評価制度は、自社の等級定義や評価基準に落とし込む際に「どこまで細かく設計するか」の判断が難しいポイントです。
専門家のサポートがあることで、自社だとどこまでの対応が現場が多大な工数がかからないか客観的にアドバイスをもらうことができます。
SCS評価制度に強いコンサルティング会社5選比較

ここでは、サプライチェーンセキュリティの分野に強く、SCS評価制度支援に対応できるおすすめのコンサルティング会社を紹介します。
株式会社スリーエーコンサルティング

- SCS評価制度に関する解説セミナーを実施
- 診断から運用までの一気通貫支援
- 認証支援のノウハウを活かした低コスト運用
株式会社スリーエーコンサルティングは、ISMSやPマークなど9,000社以上の認証取得支援実績が豊富なコンサルティング会社です。これまでの支援ノウハウを活かし、2026年開始予定のSCS評価制度へもいち早く対応しています。
すでにSCS評価制度に関する解説セミナーや対策支援を実施しており、セミナーではSCS評価制度の概要から実務のポイントまでの解説を、オンラインで提供しています。
また、制度の認定取得をゴールとするのではなく、取引先から継続して信頼される「実務に根ざした体制構築」を重視している点もポイントです。専門知識を持つ人材が不足している企業でも、現状診断からルールの明文化、実際の運用までをトータルで任せることができます。
将来的に取引先から「星」の取得を求められる可能性が高い製造業やITベンダーにとって、実績豊富な同社のサポートは、スムーズな制度対応の助けとなるでしょう。
| 株式会社スリーエーコンサルティングの基本情報 | |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社スリーエーコンサルティング |
| 設立 | 1999年7月15日 |
| 本社所在地 | 大阪府大阪市北区中之島2丁目2番7号 中之島セントラルタワー21階 |
| 公式サイト | https://www.3ac-biz.com/scs/ |
ニュートン・コンサルティング株式会社

- 審査通過を確実にする伴走型支援
- セキュリティ専門家がレビュー・署名対応
- グローバルスタンダードを意識したSCS評価制度への対応支援
ニュートン・コンサルティング株式会社は、リスクマネジメントの深い知見を武器に、2026年度から本格始動するSCS評価制度への対応をトータルで支援しています。同社のサービスは、単なるアドバイスに留まらない「実務完結型」の支援が大きな特徴です。
同社では申請プロセスまで一貫した「伴走型支援」により、現状把握から課題の改善、そして最終的な審査対応まで、SCS評価制度に関する一連の手続きを包括的にサポートします。
また、審査通過を確実なものにするため、クライアントと同じ目線でプロジェクトを推進することを大切にしています。制度上の要件をクリアするだけでなく、企業の事業継続に資する「実効性」を担保できる点がポイントです。
特に、社内にセキュリティ専門家がいない企業にとって、資格を持ったコンサルタントがレビューから署名までを代行・伴走してくれる同社は、頼もしいパートナーとなるでしょう。
| ニュートン・コンサルティング株式会社の基本情報 | |
|---|---|
| 会社名 | ニュートン・コンサルティング株式会社 |
| 設立 | 2006年11月 |
| 本社所在地 | 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビルディング5F |
| 公式サイト | https://www.newton-consulting.co.jp/ |
AGS株式会社

- 制度対応と実効性の両立
- 専門資格保有者による高度な支援
- ITインフラから運用までカバー
AGS株式会社は、金融機関や公共機関といった極めて高いセキュリティ水準を求められる業界での支援実績を背景に、実務に即したSCS評価制度の構築を支援しています。
同社のサービスの強みは、独立系ITベンダーとして培った「現場での運用力」にあります。SCS評価制度で求められる管理項目は多岐にわたりますが、AGSはそれらを「絵に描いた餅」にせず、現場が無理なく運用し続けられるルールとして定着させるノウハウを有しています。特に、多くの取引先を抱える中堅・大企業においては、サプライヤーへの負担を考慮しつつも、確実なセキュリティレベルの底上げを図りたいものです。そのような場合にも、非常に頼もしいパートナーとなってくれるでしょう。
| AGS株式会社の基本情報 | |
|---|---|
| 会社名 | AGS株式会社 |
| 設立 | 1971年7月 |
| 本社所在地 | 埼玉県さいたま市浦和区針ヶ谷4-3-25 |
| 公式サイト | https://www.ags.co.jp/ |
フロンティア・アドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社

- 「制度対応」と「実効性」の最適バランス
- 専門有資格者による高品質なレビュー
- サプライヤーとの共存を重視した管理設計
フロンティア・アドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社は、経営コンサルティングとIT・セキュリティの深い知見を融合させ、企業の事業継続を支える「SCS評価制度」への対応支援サービスを提供しています。
同社では現状分析から評価取得、運用定着までを一貫して支援し、発注企業・受注企業双方の視点から、取引競争力の維持・強化に向けた最適なロードマップを描いてくれます。
制度の要件をクリアすることはもちろん、ビジネスの実態に即した「実効性」のある対策を重視している点が強みです。複雑な制度要件を整理し、各企業の状況に合わせたステップで対応を進めるため、リソースが限られている場合でも効率的な対応が可能です。
また、ISMS等の国際基準との整合性を考慮したアドバイスにより、統一感のあるセキュリティガバナンスの構築を後押しします。
| フロンティア・アドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社の基本情報 | |
|---|---|
| 会社名 | フロンティア・アドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社 |
| 設立 | 2020年6月 |
| 本社所在地 | 東京都新宿区西新宿一丁目26番2号 新宿野村ビル |
| 公式サイト | https://www.frontier-ac.com/ |
エムオーテックス株式会社

- 「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」を提供
- 現状把握から申請までのワンストップ支援
- 豊富な診断実績に基づく高品質な評価
エムオーテックス株式会社は「SCS評価制度」支援において、独自の自社サービス「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」を提供しています。
同社のサービスでは、★3以上の申請で必須となる専門家による「レビュー・署名」を含めた包括的な支援を提供しています。制度で定められた要件を満たす情報処理安全確保支援士などの有資格者がプロジェクトに参画し、専門家レビューおよび署名対応まで確実に実施可能です。
制度の管理項目に基づく現状診断(ギャップ分析)から、不足している対策の導入支援、そして最終的な申請プロセスのサポートまで、一気通貫でしてくれることも強みです。年間1,000件以上のセキュリティ診断実績を持つプロフェッショナルが評価を担当するため、単なる形式的な確認に留まらず、実効性の高いセキュリティ対策の定着を後押しします。
専門人材が不足している企業でも、スムーズかつ信頼性の高いランク取得が可能です。
| エムオーテックス株式会社の基本情報 | |
|---|---|
| 会社名 | エムオーテックス株式会社 |
| 設立 | 1990年7月 |
| 本社所在地 | 大阪市淀川区西中島5-12-12 エムオーテックス新大阪ビル |
| 公式サイト | https://www.motex.co.jp/ |
SCS評価制度のコンサルを選ぶポイント

ここでは、自社の規模やサプライヤーの数、目指すべきランクに最適なパートナーを選ぶためのポイントを解説します。
「評価ツール」の有無
SCS評価制度の運用、特に膨大なサプライヤーの管理において、効率的な「評価ツール」の活用は成否を分けるポイントです。
コンサル会社が独自の診断プラットフォームや、BitSight、SecurityScorecardといった外部の客観的スコアリングツールを提供しているかを確認しましょう。ツールを活用することで、各サプライヤーの対策状況をリアルタイムで可視化し、人手によるアンケート集計の負担を大幅に削減できます。
また、客観的な数値データに基づく評価は、取引先に対して「なぜこのランクなのか」を説明する際の強力な根拠となり、公平な評価制度の構築に寄与します。
「伴走型」の支援範囲
コンサルティングの範囲が「評価基準の作成」だけで終わるのか、それとも「実務の定着」まで伴走してくれるのかも、精査する必要があります。
特に★3以上のランクを目指す場合、専門家によるレビューや署名が必須です。この署名対応を確実に引き受けてくれるか、また、評価の結果スコアが低かったサプライヤーに対して具体的な「是正指導」や「教育」までを代行・支援してくれるかを確認しましょう。
制度対応には規程の改訂や社内ルールの変更も伴うため、現場の混乱を最小限に抑えつつ、申請から運用までを一貫してサポートする「伴走型」の会社を選ぶことが大切です。
「業界特有の要件」への理解
サプライチェーンに求められるセキュリティ水準は、製造、金融、医療、ITなど、所属する業界によって大きく異なります。そのため、自社業界特有の商習慣や法規制に精通したコンサル会社を選ぶことが不可欠です。
例えば、自動車業界であればTISAX、製造業であれば経済安保法やNIST基準との整合性が重要になります。
業界特有のリスク(物理的な製造ラインの停止やOSSの脆弱性など)を理解しているコンサルタントであれば、SCS評価制度の要件をクリアしつつ、他の国際基準や業界ガイドラインと重複しない、効率的かつ統合的なガバナンス体制を提案できるでしょう。
SCS評価制度のコンサルの費用相場

SCS評価制度は比較的新しい制度であり、支援企業もまだ多くはないため、現時点では明確な費用相場が確立されていません。
費用は、管理対象とするサプライヤーの数や目指すランク(星の数)、専門家による署名の有無、さらには現状分析から申請までどの範囲を委託するかによっても大きく変動するでしょう。
数名規模のスポット支援から数千万円規模の全社プロジェクトまで幅があるため、まずは複数のコンサル会社へ自社の要件を伝え、個別に見積もりを依頼することをお勧めします。
SCS評価制度のコンサル依頼時の注意点

SCS評価制度の導入は長期にわたるプロジェクトとなるため、契約後のミスマッチを防ぐことが重要です。コンサルティング会社を選定する際には、以下のような注意点を踏まえて検討を進めてください。
自社の規模に合ったサービスを利用する
大手SIerやグローバル展開するセキュリティコンサルは、数千人規模の組織や複雑なITインフラを前提とした高額なプランが中心となるケースが多くあります。
そのため、自社が中小規模である場合、過剰なスペックの提案や高額なライセンス費用が負担となり、予算に見合わないというリスクが考えられるでしょう。自社の組織規模や管理するサプライヤーの数に対して、適切なコスト感と支援レベルを提供できるかを確認することが重要です。
制度確定時期に注意
SCS評価制度は2026年7月の制度確定を控えた段階にあり、現時点(2026年5月)での対策はあくまで予測に基づく部分が含まれます。制度確定前に契約を進める場合は、最終版の要求事項と提示されたプランに齟齬が生じる可能性を考慮しなければなりません。
契約条件の中に「確定後の制度変更に伴う無償のアップデート対応」や「追加要件への柔軟なサポート」が含まれているか、必ず事前に確認しましょう。
実装までの現実的な計画を立てる
診断レポートを受け取って現状の課題を把握しただけでは、制度への適合は完了しません。「診断→具体的な対策の実装→申請・ランク取得」までを一貫して完結させる現実的なロードマップが必要です。
特にSaaS形式の自己診断ツールを導入する場合、ツールが示すのはあくまで「不備」の可視化までであり、実際の文書整備やセキュリティ設定の変更といった「対策の実装」は別途工数がかかります。
ツールを補助手段と割り切り、実務を誰が担うのかまでを含めた計画を策定することが成功の鍵となります。
株式会社スリーエーコンサルティング 田中様SCS評価制度のコンサル依頼では、「制度設計の経験数」だけでなく、自社の組織文化や規模に合った提案ができるかを必ず確認しましょう。
実績豊富でも、画一的なパッケージ提案しかできない会社は要注意。
パッケージに入れ込むではなく、自社にあっているかを確認してみてください。
SCS評価制度のコンサルに関するよくある疑問

ここでは、SCS評価制度の本格運用を前に、多くの企業が抱く具体的な疑問の答えを整理しました。特に認定ランクの基準や実務的なチェックリストの内容を正しく理解することが、効率的な準備の第一歩となります。
SCS評価制度の★3・★4の違いは?
★3と★4の最大の違いは主に、想定される「攻撃のレベル」と、認定にあたって必要となる「確認の厳格さ」にあります。自社がサプライチェーンにおいて担う役割に応じて、目指すべきランクが異なります。
| 比較項目 | ★3(基礎的な対策水準) | ★4(高度な対策水準) |
|---|---|---|
| 対象企業 | 全企業 (すべてのサプライヤー) | 重要企業・重要物資の 供給網を担う企業 |
| 想定される脅威 | 標的型攻撃など 一般的なサイバー攻撃 | 国家関与が疑われるような 高度な攻撃 |
| 確認方法 | 自己確認 (専門家による署名・レビュー) | 第三者確認 (審査機関による厳格な審査) |
| 公表形態 | 認定ロゴの付与・自己宣言 | 認定ロゴの付与・第三者認証 |
| 主な対策内容 | MFA適用、資産台帳整備など 基礎の徹底 | ゼロトラスト環境の構築など 高度な防御 |
★3は、サプライチェーンに参加するすべての企業が備えるべき「共通言語」としてのセキュリティ水準です。一方で★4は、防衛やインフラなど、国家の安全保障に関わるような極めて高い機密性が求められる領域で必要とされるランクです。
多くの一般企業においては、まずは★3の取得と維持が、取引先からの信頼を担保する上での現実的な目標となります。
SCS評価制度のチェックリストとは?
SCS評価制度のチェックリストは、IPA(情報処理推進機構)が公開する「要求事項・評価基準」を指します。2026年4月に具体的な内容が公開されており、主に以下の構成となっています。
- 要求事項(43件): 組織が満たすべきセキュリティの基本方針。
- 評価基準(153件): 要求事項を具体的にどう実現しているかを判定する指標。
特に★3認定を維持するためには、資産台帳の整備や多要素認証(MFA)の適用といった、実効性の高い技術的対策が重視されています。
専門家による支援リストも用意されており、中小企業でも着実に対応を進められる構成となっているのが特徴です。
SCS評価取得のメリットは?
SCS評価を取得する最大のメリットは、取引先に対する「客観的な信頼性の証明」です。
これまで各社バラバラだったセキュリティ調査がSCS評価制度という共通言語に集約されることで、回答負担が軽減されるだけでなく、高ランクを維持することが新規案件の受注や取引継続の「ライセンス」として機能します。
また、制度に沿った対策を講じることで、自社のセキュリティ境界線(守るべき範囲)が明確になり、万が一の際の事業停止リスクを最小限に抑えられるという実務上の利点もあります。
SCS評価制度に強いコンサルティング会社まとめ

SCS評価制度への対応には、制度の枠組みに精通し、★3以上の申請に必要な「専門家署名」に対応できるコンサルティング会社選びが不可欠です。
また、自社の規模や保有するリソース、取引先から求められるランク(星の数)を考慮し、最適な実績を持つコンサルティング会社を選定することも大切です。
自社に最適なパートナーを見つけて、スムーズな評価取得を目指しましょう。


