人々の日常生活や業務にAIを活用する取り組みは、テクノロジーの進化の中でもとくに注目されている分野です。
AIチャットボットもAIを活用したテクノロジーのひとつで、コミュニケーションの新たな形を提供しています。
顧客サービスから社内管理まで多岐にわたる分野で活用され、24時間体制で人々と対話する能力を持つAIチャットボットは、業務改善のキーとなる存在です。
本記事では、AIチャットボットの仕組みやメリット、活用事例について解説します。
AIチャットボットとは?
AIチャットボットとは、質問に対して自動で定型文の回答を行うチャットボットにAIを利用した機械学習を行わせることで、より柔軟かつ適切な回答を行ってくれるようにしたサービスです。
AIを利用することで、質問されるたびに質問内容に適した回答を学習していくため、よりユーザーが求めている回答を的確に出せるようになります。
チャットボットとAI搭載型チャットボットの違い
従来のチャットボットとAI搭載型のチャットボットの違いは、対話方法の違いです。
従来のチャットボットはシンプルな設計になっていることから導入が比較的簡単であるため、コストが安く抑えられるというメリットがありました。
しかし、大きな欠点として質問内容に対して登録された内容しか回答できません。
ユーザーからの質問にいくつかの選択肢を提示し、その選択肢から求めている情報に近いものを選んでもらうことで回答に近づいていく方式や、事前に回答が用意されているピンポイントなキーワードを入力してもらう方式を用いることで、ユーザーの求めている回答にたどり着くよう設計されています。
何度も質問と回答を繰り返さなければ求めている回答にたどり着かない可能性が高く、途中で離脱されるケースも少なくありませんでした。
一方で、AI搭載型のチャットボットの特徴は、自然言語処理や機械学習を活用して会話の意味やユーザーの返答内容を分析することで適切な回答を学習することです。
ユーザーが入力した内容に合わせて適切な回答を提示するため、無駄なやり取りをせず問題解決できます。
ただし、AI搭載型の場合は従来のチャットボットに比べて費用が高くなる傾向にあるため、費用対効果が見込めるかどうかの検討は慎重に行う必要があるでしょう。
従来のチャットボットとAI搭載型のチャットボットは、それぞれにメリットとデメリットがあるため、一概にどちらがいいと言えるものではありません。
使用する場所や用途に応じて使い分けることをおすすめします。
おすすめのチャットボットについては以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
チャットボットにAIが使われる背景
チャットボットにAIが使われる背景には、AI技術が発展して一般に普及するようになったことが挙げられます。
どのようにAI技術が発展してチャットボットに反映されるに至ったのかを解説します。
AI技術がすごいスピードで発展している
近年ではAI技術が格段に進歩し、ChatGPTなどさまざまなAIが誕生しています。
技術が進歩した理由のひとつには、CPUやメモリなどハードウェア性能が大きく向上してビッグデータが扱えるようになり、AIの機械学習や深層学習が実用化できるようになったことが挙げられます。
さらに、AIに関するフレームワークがオープンソースで公開されたことにより、誰でもAIを取り入れたプログラムを作成できるようになりました。
フレームワークとは、開発するときに良く利用される機能やツールを流用しやすいようにまとめた枠組みのことです。
オープンソースフレームワークを利用した開発によって、開発コストが抑えられるようになったため、これまで難しかったAIチャットボットの開発も加速度的に進んだと言えるでしょう。
AIチャットボット製品が普及した
チャットボットを利用した製品が普及したことも、AIがチャットボットに使われるきっかけになっています。
チャットボットは2011年に発表された「Siri」「IBM Watson」に端を発して、2016年には米Microsoft、Facebook、Googleなどの各社がチャットボットに対するサービスや製品を発表し始めました。
代表的な製品には「Amazon Alexa」「Googleアシスタント」を始めとする家庭用のスマートスピーカーがあり、これらを通して一般消費者にチャットボットを用いた製品が普及します。
このようなサービスが普及したことからチャットボットに対する認知度が上がり、他の会社の製品にも取り入れられるようになりました。
DX推進の流れがAIを後押ししている
経済産業省が2018年12月にDX推進を目的とした「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」を発表したことで、企業のDX推進の流れが始まりました。
現在は「デジタルガバナンス・コード」と統合されて「デジタルガバナンス・コード2.0」として公表されています。
経済産業省によって策定された「デジタルガバナンス・コード」とは、企業のDXに関する自主的な取り組みを促すため、デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョンの策定・公表といった経営者に求められる対応をまとめたものです。
「デジタルガバナンス・コード」の中でAIチャットボットに期待されている役割は、社内問い合わせ業務やカスタマーサポートの効率化による業務負担の軽減です。
答えが用意できる問い合わせをAIチャットボットに任せることで、問い合わせ業務の負担を大きく減らせることは間違いありません。
DX推進によるビジネス課題を解決するため、AIチャットボットを取り入れる企業も増えています。
チャットボットのメリット
チャットボットは、顧客対応や業務効率向上まで多岐にわたるメリットがあります。
ここからは、チャットボットを使うメリットについて解説します。
サポート業務の負担を軽減する
チャットボットを導入すると、問い合わせ対応部署の業務負荷軽減が期待できます。
業務形態によりますが、サポート対応部署では社内・社外問わずさまざまな問い合わせに対応しなければいけません。
すべてを有人で対応していると、すぐに人手が足らなくなることは明らかです。
そこでチャットボットを活用すると、24時間365日いつでも問い合わせを受けられることにくわえて、答えの明確な問い合わせについては自動回答できます。
顧客からの問い合わせにすぐ回答できる
チャットボットのメリットは、相手を待たせることなく回答をすぐに提示できることです。
有人の場合は、問い合わせ内容に適した回答を用意するため、回答を提示するまでに少しお時間をいただく必要があるかもしれません。
しかし、チャットボットの場合は、あらかじめ質問に対する回答が用意されているため、ほぼノータイムで回答の提示が可能です。
顧客としても、問い合わせた内容に対しての回答がすぐに得られると、ストレスを感じることが少なく満足度も高まるでしょう。
問い合わせるまでの心理的ハードルが下がる
企業で働いている人の中には、コミュニケーションを苦手とする人もいます。
そのような人が業務中に問い合わせをしなければならない場面に遭遇した際に、電話で直接問い合わせをすることにためらいを感じてしまう可能性もあるでしょう。
しかし、問い合わせ先にチャットボットなどの無人で対応してくれるシステムが導入されていれば、テキストコミュニケーションで問い合わせを完結できます。
それによって、コミュニケーションが苦手な顧客の問い合わせに対する心理的ハードルが下げられるため、結果的に機会損失を防ぐことにつながるでしょう。
チャットボットのデメリット
チャットボットのデメリットを3つ紹介します。
選定するサービスによってデメリットを解消できる場合があるため、事前にどのようなデメリットがあるのか確認しておきましょう。
導入するまでに時間がかかる
チャットボットは、利用したいと思ってもすぐに導入できるわけではありません。
寄せられていた問い合わせなどの過去ログを参照し、1からシナリオを作成してチャットボットに登録する必要があるのです。
どのデータを登録するのか、どのようなシナリオを登録するのかなど、チャットボットに登録しなければいけないことは多岐にわたります。
自社で登録内容のデータを収集し、登録作業まですべて対応する場合は、さらに導入までに時間がかかってしまうでしょう。
複雑な問い合わせには対応できない
チャットボットは、長文の質問や事前に用意している回答に結び付けられない言い回しの質問に弱いという特徴があります。
とくにAIを使用していないシナリオ型のチャットボットは、登録されているシナリオ通りの回答しかできず、登録されていない質問の回答はできません。
もし、発生する問い合わせが複雑な内容ばかりであれば、チャットボットを導入しても大きな効果を得られない可能性が高いでしょう。
質問者との関係性は作れない
チャットボットは良くも悪くも決められたシナリオに沿った回答しかできません。
テキスト情報からは質問者がどのような感情を持って質問をしているのか読み取れないため、機械的に回答を返してしまいます。
人の感情には柔軟に対応できないため、人との距離感を縮めることには向いていないでしょう。
チャットボットの種類3つ
チャットボットの種類は大きく分けて以下の3つです。
- AI型
- シナリオ型
- 辞書型
各チャットボットについて、詳しく解説します。
AI型
AI型は機械学習や深層学習を利用し質問内容や回答を学習させ、回答の精度を高めていく方式です。
あらかじめ学習させた問い合わせ内容や、ユーザーが利用することで集まった質問内容・回答から、AIが統計的に適切と判断した回答を提示します。
得られたデータから学習を繰り返して最適な回答を返してくれるため、ほかのチャットボットより柔軟な対応ができるでしょう。
ただし、非常に高性能なチャットボットであるため、初期費用やランニングコストが高くなりやすいです。
チャットボットの種類によりますが、月額数万円で利用できるものから、100万円以上するものまで幅広く設定されています。
運用期間が長くなるほどデータが集まって柔軟に回答を表示できるため、導入コストに見合った効果が見込めるのであればAI型チャットボットは非常におすすめです。
シナリオ型
シナリオ型は登録したシナリオに沿って会話を進めることで最終的な回答にまで導くを方式です。
ルールベース型とも言われ、表示された選択肢を選ぶことで関連する回答を表示します。
質問や回答が複雑化しないサービスでチャットボットを利用する場合は、シナリオ型が効果的です。
導入コストもAI型より安価に抑えられるため、AI型のチャットボットが不要な場合はシナリオ型にすると良いでしょう。
ただし、シナリオ型では決められたシナリオ以外の回答はできません。
さまざまな回答に対応するためには、膨大な量のシナリオが必要です。
また、メンテナンス時にシナリオを修正する際は、大幅な修正が必要になる可能性もあるため、メンテナンスには一定の工数がかかることもデメリットになりえるでしょう。
辞書型
辞書型は質問者がキーワードをフリー入力して回答を得る方式です。
調べたいキーワードが特定できている場合は、知りたい情報をダイレクトに取得できます。
辞書型のチャットボット動作例は以下のとおりです。
- 「◯◯の機能について知りたい」とキーワード入力する
- 「◯◯」の機能部分と「機能」「知りたい」といった単語に分解される
- 分解された単語を解析し、類義語辞書から「機能」や「製品」に該当するページを見つける
- 設定されていた「製品ページ」や「機能一覧」のようなページに誘導する
辞書型のメリットは、質問者がフリー入力した内容からユーザーニーズを拾いやすい点です。
質問者がどのような回答を求めているのか詳しく読み取ることができるため、回答を改善しやすくなります。
ただし、フリー入力の場合は意図していない質問が入力されてしまうケースがあることも考慮が必要です。
辞書型では、仕組み上フリー入力された語句が回答に紐付けられていなければいけません。
複雑な質問をされたとき、紐づく語句がなければ適切な回答を返せないこともあります。
いかに質問者が入力しそうなキーワードと回答が用意できるかが、辞書型を運用する際のポイントです。
AIチャットボットの導入工程は4つ
AIチャットボットの導入には、いくつかの工程を踏まなければいけません。
AIチャットボットを導入するために必要な4つの工程について解説していきます。
1.目的や設置場所の選定
AIチャットボットの導入を検討する際、目的やチャットボットの設置場所を先に決めておきましょう。
AIチャットボットは、提供されるサービスによって得意な領域が異なるため、目的に合わせチャットボットを選ばなければ成果が期待できません。
設置場所も社外からの問い合わせに対応するなら自社サイトの問い合わせページ、社内の問い合わせに対応するなら内部の社員用サイトなど目的に合わせて変わります。
コンバージョンの改善、社内問い合わせの削減、顧客からの問い合わせ削減など、自社がどのような課題を抱えているのか確認し、AIチャットボットの選定に入りましょう。
2.導入するチャットボットの選定
目的や設置場所が決まったら導入するチャットボットの選定に入ります。
導入するチャットボットを選定するときにチェックしておきたいポイントは次の2点です。
- 目的を達成するために必要な機能が備わっているか
- 導入するチャットボットが予算におさまるか
予算に無理のない範囲で導入するチャットボットを選定しましょう。
3.シナリオ設計・登録
導入するチャットボットが決まったら、質問内容や回答のシナリオ設計と登録を進めます。
AIチャットボットの場合でも回答の制度を上げるために、質問回答のAIに学習させなければいけません。
そのため、シナリオ登録するためには、次のような情報を必要とします。
- FAQや固有辞書などの情報
- 想定される問い合わせ一覧
- 業界・社内用語集
- 類義語・言い換え表現がわかる資料
シナリオ登録するための情報がなければ、チャットボット登録用のデータの用意が必要です。
シナリオ登録が選定したチャットボットのサポート内容に含まれていれば、サポートを利用することでシナリオ登録の手間を減らしましょう。
4.運用体制の構築
チャットボットは導入して終わりではありません。
日々の問い合わせの中で、新たに登録が必要な質問や回答があれば、追加でシナリオ登録が必要になります。
たとえば、AIチャットボットが回答した内容が間違っていた場合は、正しい回答を再学習させるといった作業が必要です。
導入したAIチャットボットのサポート内容に含まれていれば問題ありませんが、自社でメンテナンスする場合はメンテナンス作業は誰が・いつ・どのタイミングで行うのか、チャットボットの運用体制を決めておきましょう。
AIチャットボットの選び方・比較方法
AIチャットボットを選ぶ際の比較要素は「機能」「予算」「サポート体制」の3つです。
AIチャットボットを選ぶとき、予算内でツールを選ぶことが大前提になります。
しかし、選んだAIチャットボットに必要な機能がなかったり、サポートが充実しなかったりした場合は、AIチャットボットを適切に運用することが難しくなるでしょう。
ここからは、AIチャットボットの選び方・比較方法を紹介します。
必要とする機能があるか
AIチャットボットの機能を選ぶポイントは、以下の3つです。
- 自社の使用用途に合っているか
- 提供される機能の数は問題ないか
- 外部サービスと連携できるか
AIチャットボットサービスは数多くあり、社内問い合わせ改善、CVR改善、カスタマーサポート改善などサービスによって強みが異なります。
自社で改善したい内容に合わせて、AIチャットボットサービスを選びましょう。
また、使える機能の豊富さもAIチャットボットを選定する上で重要なポイントです。
予算内で候補に挙がっているAIチャットボットの中から、将来の拡張を見据えて多くの機能を備えたものを選定しましょう。
くわえて、CRMやSlack、LINEなど外部サービスと連携できるサービスを選んでおくと、拡張性がより高まります。
費用は予算内におさまるか
システムを導入するための初期コスト、システムを運用するためのランニングコストが予算内でおさまるかは大事なポイントです。
初期コストとランニングコストが公開されているサービスから算出したところ、チャットボットの導入コストの相場は以下のように算出できました。
AI型 | シナリオ型・辞書型 | |
---|---|---|
初期コスト | 20万~100万円程度 | 5万~20万円程度 |
ランニングコスト | 10万~50万円程度 | 月額1,500円~3万円程度 |
費用が非公開とされているAIチャットボットサービスも多いため、実際に問い合わせないと必要な費用はわかりません。
上表を目安としながら、導入を検討しているAIチャットボットサービスへ問い合わせて導入費用を確認してみましょう。
サポート体制は充実しているか
AIチャットボットの契約において、どのようなサポートを受けられるかチェックしておきましょう。
サポートに含まれていると良い内容は次の2点です。
- AIチャットボット導入時の機械学習サポート
- AIチャットボット運用時のメンテナンスサポート
AIチャットボットの場合は、導入時に質問や回答の学習をさせるコストが高いことが課題です。
その点、機械学習のサポートが受けられれば、自社でAIチャットボットに回答を覚えさせる手間を省けます。
また、設定時の不明点や導入後の疑問に電話で対応してもらえるのか、運用後の分析やレポート提出、改善に向けての提案といった、運用開始後のサポートが充実しているかなども事前に確認しておくことで、安心してAIチャットボットを運用できます。
ただし、海外製のチャットボットを選んだ場合は、日本語サポートが十分ではない可能性があるため注意が必要です。
AIチャットボット比較表
これから紹介するAIチャットボットについて用途、特徴、価格をまとめました。
比較表を参考に、自社に適したAIチャットボットを見つけましょう。
製品名 | おすすめ用途 | 特徴 | 価格 |
---|---|---|---|
ChatPlus | 社内・社外 問い合わせ対応 | ・低価格から始められる ・機能数が豊富 | 年契約:月額15万 月契約:月額17万 |
Zendesk | 社外問い合わせ対応 | ・カスタマーサポート業務の一元管理が可能 | 月額115ドル~ (AI利用時) |
hachidori | 社内・社外 問い合わせ対応 | ・社内業務、顧客対応など用途により柔軟な対応が可能 ・LINE、 LINE WORKSの認定パートナー | 要問い合わせ |
KARAKURI | カスタマーサポート向け | ・AIの学習機能が豊富 ・幅広い社内受けシステムと連携可能 | 要問い合わせ |
AI Messenger | カスタマーサポート向け | ・初期分析や運用コンサルまで対応 ・フィードバック、レポーティング機能など分析用の機能が充実 | 初期費用:50万〜 月額費用:15万〜 |
ジールス | チャットコマース | ・完全成果報酬型 ・契約や商品販売に特化したシステム | 初期費用、システム利用料はすべて無料 |
PEP | 社内ヘルプデスク | ・事前学習により運用時から精度が高い ・メンテナンスにかかる時間が少ない | 要問い合わせ |
HiTTO | 社内ヘルプデスク | ・社内業務を一元管理できるシステム ・社内業務に必要とされる1,000以上の質問を学習済 | 要問い合わせ |
AIさくらさん | 社外問い合わせ対応 | ・チャットボットの導入・運用にコストがかからない | 要問い合わせ |
sAI Chat | 社内・社外 問い合わせ対応 | ・事前学習データがあり、運用開始時から回答の精度が高い ・FAQ改善、利用率向上などの支援を専任のカスタマーサクセスチームが対応 | 要問い合わせ |
無料トライアルあり!おすすめAIチャットボット10選
おすすめのAIチャットボット10選を紹介します。
サービスによって無料トライアル期間があるため、使用感を試しながら使いやすいAIチャットボットを選びましょう。
今回紹介するAIチャットボットは以下のとおりです。
ChatPlus(チャットプラス)
チャットプラスは導入実績10,000社以上を誇る多機能型チャットボットです。
機能数が約5,000個も用意されており、対応部署を選ばずどのようなシーンでもチャットボットを活用可能。
業務に関する知識やQ&Aを1箇所にまとめて登録しておくと、オペレーターの回答支援にくわえてAIが自動回答してくれます。
AIチャットボットの費用は、年契約で月額15万円、月契約で月額17万円です。
チャットプラスでは無料トライアルが10日間付いているため、実際にAIチャットボットを試してから、最終的な導入を決めることもできます。
Zendesk
世界10万社以上が導入しているカスタマーサポートツール「Zendesk」
世界最大級のビジネスソフトウェアレビューサイトG2でNo.1カスタマーサービスソフトウェアに選ばれました。
Zendeskに搭載されているのは、クラウド型チャットボットサービス「Answer Bot」です。
カスタマーサポート用チャット「Zendesk Chat」と連動して稼働する仕組みで、チャット入力されたテキストから最適な回答を返してくれます。
AIチャットボットが利用できるのは「Zendesk Suite Professional」「Zendesk Suite Enterprise」の2つです。
「Zendesk Suite Professional」は月額115ドル(日本円で約16,500円)から利用可能。
ニーズに合わせてカスタマイズする「Zendesk Suite Enterprise」の料金は要問い合わせです。
Zendeskは14日間の無料トライアルが用意されており、無料トライアル期間はZendeskのすべての機能が利用できます。
Zendeskの導入を考えている場合は、無料トライアル中にすべての機能を利用してみましょう。
カスタマーサポート業務の構築を考えている場合は、Zendeskがおすすめです。
hachidori
hachidoriはプログラミングなしでカスタマイズできるチャットボットツールです。
社外からの問い合わせに特化した「hachidori」、社内業務に特化した「hachidori Assistant」など、用途別にサービスが分かれています。
hachidoriはLINE、 LINE WORKSの認定パートナーに選ばれているチャットボットで、WebサイトだけではなくLINE上にチャットボットを構築する機能も豊富です。
日々の生活の中で使われているLINEにシステムを構築することで、手軽に問い合わせできる導線作りが可能です。
AIで対応しきれない複雑な領域がある場合は、有人で対応するチャットにつながるシナリオも作成できます。
費用は公式サイトに公開されておらず要問い合わせです。
モバイルから問い合わせを受けられるシステムを構築するなら、hachidoriが有力候補になるでしょう。
KARAKURI(カラクリ)
KARAKURIはカスタマーサポートに特化したAIチャットボットです。
管理画面がシンプルでわかりやすい構成で作られているため、初心者でもスムーズに運用・改善が行えます。
AIが間違えやすい回答をAIが抽出してくれる機能や、AIがより正しい回答を出せるよう質問回答を学習させるための機能を備えており、AIの回答精度改善を簡単に行えることも特徴的です。
質問の回答はノーコードかつ画面上で直感的に作成できるため、質問回答の管理も難しくありません。
費用は公式サイト上に公開されていないため、要問い合わせになります。
扱いやすいカスタマーサポート用チャットボットを探しているなら、KARAKURIがおすすめです。
AI Messenger
AI Messengerはカスタマーサポート向けのチャットボットです。
独自開発AIを採用した最高品質のチャットボットが提供されています。
AI Messengerの特徴は、初期分析や運用コンサルまで対応してくれるサポート体制が整っていることです。
手間のかかる初期導入から運用後の改善提案まで、AIチャットボットに関する幅広いサポートが受けられます。
フィードバック機能やレポーティング機能も搭載しているため、AIチャットボットの改善も容易です。
AI Messengerの費用は、初期費用が50万〜、月額費用が15万〜になっています。
オプションを付ける場合は追加費用が必要なので、オプションに関しては問い合わせによる確認が必要です。
サポートが充実したAIチャットボットを選ぶなら、AI Messengerをチェックしましょう。
ジールス(Zeals)
ジールスは高度なコミュニケーションができるAIチャットボットを提供する完全成果報酬型サービスです。
ジールスのAI会話機能はLINEを使ってやり取りでき、専属のコミュニケーションデザイナーによって設計された会話内容が適切なタイミングでユーザーに届けられます。
公式アカウントに登録されているユーザーごとに、必要としている商品およびサービスの情報をAIが判断して届けてくれるため、商品ページへのアクセス数向上や商品の成約率向上が見込める仕組みを作れます。
初期費用やシステム利用料はすべて無料。
CVの成果報酬から支払いを行うシステムなので、導入コストがかからずリスクを最小限に抑えられることが大きなメリットです。
AIチャットボットを利用して顧客の集客から販売を行うなら、ジールスがおすすめです。
PEP
PEP(ペップ)は、問い合わせ対応を自動化するためのAIチャットボット作成ツールです。
チャット内容はプログラミング不要かつドラッグ&ドロップなど直感的な操作で簡単に作成でき、目的に合わせてすぐに構築できます。
チャットボットには日本語特化の独自AIエンジンを採用。
数千万件の会話データを元に学習を行わせているため、精度の高い回答が得られます。
メンテナンスにかかる工数は月2時間程度で、保守に時間もかかりません。
料金体系は初期費用と月額費用が発生します。
詳細な料金は公開されていないため、要問い合わせです。
問い合わせ対応に特化したAIチャットボットを探しているなら、PEPも選択肢に入るでしょう。
HiTTO
AIチャットボット「HiTTO」は社内バックオフィス部門を中心に利用されているチャットボットで、社内向けAIチャットボットシェアNo.1を獲得しています。
HiTTOでできることは次の3つ。
- 問い合わせ対応の自動化
- 社内情報の一元管理
- 社内への情報流通
社内問い合わせに回答してくれるだけでなく、社内業務自体の効率化にも寄与するシステムです。
社内ナレッジを体系化してチャットボットを活用することで、従業員へスムーズな情報共有を実現できます。
1,000件以上の回答とそれに紐づく膨大な質問パターンを学習済みなので、導入コストを少なく済ませることも可能です。
HiTTOの料金体系は、導入時の初期費用はなく利用者数に応じた月額課金制です。
具体的な料金は公開されていないため、要問い合わせになります。
社内業務に適したチャットボットなら、HiTTOがおすすめです。
AIさくらさん
AIさくらさんは問い合わせ対応を行うAIチャットボットです。
お問い合わせフォームや相談窓口に届いた問い合わせをAIさくらさんが代わって対応。
独自のAIエンジンとChatGPTを採用しており、想定外の質問内容にも柔軟に対応できます。
AIさくらさんの特徴はチャットボットの導入や運用に必要な作業の手間がかからないことです。
AIチャットボットの学習を済ませてから納品してもらえることにくわえて、FAQのメンテナンスをAIが自動で行うため、メンテナンスにかける時間を削減できます。
料金体系は初期費用+月額費用です。
詳しい料金は会社情報を入力して資料ダウンロードすると確認できます。
メンテナンスにかける時間を減らしたいと考えている場合は、AIさくらさんがおすすめです。
sAI Chat
高性能な人工知能と手厚い運用サポートをセットにしたAIチャットサービス「sAI Chat」。
あらかじめFAQを学習させているため、導入してすぐに高い回答精度を実現しています。
運用サポートも充実しており、FAQ改善、利用率向上などの支援を専任のカスタマーサクセスチームが対応してくれることも特徴的です。
利用料金は初期費用と月額費用がかかります。
料金プランは「Starterプラン」「Standardプラン」「DXプラン」の3つです。
料金は公開されていないため、導入を検討する場合は無料見積もりを依頼しましょう。
AIチャットボット運用後のサポート体制を求めるなら、sAI Chatもおすすめです。
AIチャットボットの学習方法
AIチャットボットは導入時や運用を開始したあとも、質問内容や回答内容について学習させる必要があります。
学習方法について認識しておき、運用開始後のメンテナンスに役立ててください。
質問内容を登録する
AIチャットボットがFAQや質問内容の回答を行うためには、事前に質問と回答を登録しておく必要があります。
各質問内容のレパートリーが少なければ、AIの回答精度が上がりません。
AIチャットボットの質問内容を追加するときは、AIチャットボットサービスが提供している管理画面上でメンテナンスを行いましょう。
AIチャットボットサービスが提供している管理画面では、質問内容や回答を直感的に登録することが可能です。
回答を評価する
学習方法の1つとして、AIチャットボットが回答した内容が正しかったかどうかフィードバックすることで、AIに学習させる方法があります。
回答の評価方法は、質問に対してAIが回答した内容のログを確認し、回答ごとに正しい回答か間違った回答かを入力することです。
この操作を繰り返すことで、AIの回答精度が上がり、正しい回答を提示できる確立が高まります。
評価された内容は、質問文と回答のレパートリーに正しい回答内容が追加されます。
AIチャットボットの機能次第では、自動で回答の評価ができる場合もありますが、サポート機能が備わっていない場合は手動で回答の評価が必要です。
履歴から質問内容をメンテナンスする
AIチャットボットは学習方法の1つとして、履歴から質問内容をメンテナンスすることが可能です。
AIはあらかじめ学習している内容から回答することは可能ですが、学習していない質問や複雑な質問には対応できないことがあります。
そのような内容を質問回答した履歴から見つけ出し、内容を新たに登録することでAIチャットボットの質問回答精度をより高めることが可能です。
チャットボットが対応できる質問の幅が広がるため、定期的にAIチャットボットのメンテナンスを実施しましょう。
AIチャットボットの導入事例5選
AIチャットボットの導入事例を5つ紹介します。
どの事例もAIチャットボットを導入して業務改善を達成しているため、AIチャットボットを検討している場合はぜひ参考にしてください。
1.しまむら楽器
しまむら楽器では電話・メール対応の件数を減らすことを目的に、2017年6月からAIチャットボット「チャットプラス」を導入しました。
AIチャットボットを導入して得られた効果は、電話の問い合わせ件数減少と迅速な対応による顧客満足度の向上です。
AIチャットボットを活用して営業時間外も対応できるようになったことで、電話やメールなどの問い合わせ件数が20%〜30%減少しています。
いつでもAIチャットボット上でお客様の対応ができることで、お客様からの問い合わせに素早く対応できるようになり、顧客満足度の向上にもつながりました。
参考:ECサイトのメール問い合わせを30%削減し、夜間はチャットボットによるカスタマーサポートを実現!導入事例 チャットプラス | ChatPlus
2.マガシーク
レディースアパレルブランドを取り扱う通販サイトであるマガシーク。
顧客対応を効率良くするため、AIチャットボット「sAI Chat」を導入しています。
導入の背景はユーザーアンケートですぐに回答がほしいから問い合わせするという意見が75%を占めていたことです。
アパレル業界は季節によって問い合わせ数が大きく増減するため、電話問い合わせに合わせた人員配置が難しく、有人では対応しきれない場合もありました。
とくに福袋を売り出す年末年始は問い合わせ数が多く、有人では問い合わせ処理が追いつきません。
そんな中、AIチャットボットを導入したことで、問い合わせ業務の効率化を実現しました。
AIチャットボットが顧客の疑問を解消するため、有人の問い合わせ担当者の業務負荷の軽減を可能にしたのです。
参考:年間26%の問い合わせを削減&顧客との新たなコミュニケーションを生んだマガシーク社のsAI Chat導入事例 | sAI Chatブログ
3.横浜市
横浜市では、地域住民からのごみをどう分別すればいいかわからないという声を解決するため、ごみの分別案内のAIチャットボットを導入しています。
メッセージ入力欄に直接知りたい情報を入力したり、選択肢から知りたい情報を選択したりすることで、ごみ分別の情報を簡単に探すことができるようになりました。
AIチャットボットの構築には、以前から横浜市のシステムとして稼働していた分別検索システム(ミクショナリー)で得られた言語をベースにAI学習が行われています。
そのため、ごみ分別に関する回答の精度は高く、捨てたいごみの名前をAIチャットボットに入力すると適切な分別方法を回答してくれます。
ごみ分別に対するの知識や関心のを向上のさせるためにAIチャットボットが導入され、回答内容もおもしろいことから話題になりました。
参考:【検証期間終了】ごみ分別案内チャットボットの多言語化検証 横浜市
4.ライフネット生命
ライフネット生命では、2021年9月からAIチャットボットを導入した問い合わせ対応を開始。
「コンタクトセンターが営業時間外だと電話で問い合わせできないから、チャットで気楽に質問したい」というお客様からの声に答えてAIチャットボットが導入されました。
AIチャットでは、自分にあった保険を自動で案内してもらうことが可能です。
テキストを入力すると質問内容の候補を表示してくれるため、質問内容に困ることもありません。
質問しやすい環境を用意することで、顧客が問い合わせするハードルも大きく下がりました。
参考:AIチャットボットでの対応開始について | お客さまの声から実現した取り組み事例 | ライフネット生命保険
5.アスクル
アスクルが運営する2つの通販サービス「ASKUL」「LOHACO」にて、それぞれAIチャットボットが活躍しています。
AIチャットボットには「マナミさん」「アオイくん」と名付けられており、お客様が自己解決できるツールとして誕生しました。
アスクルでは通販サービスのWebページ上にはチャットボット「アオイくん」を設置しています。
商品サービスや配送についての質問など、常時問い合わせに対応できるようにしたことで、問い合わせ数を減少させることに成功しました。
通販サービス「LOHACO」の問い合わせページに設置されているマナミさんでは、窓口の時間外対応で力を発揮し、9人月分の働きをするほどの効果を発揮しています。
参考:お問合せAIチャットボット「アオイくん」に注文データを連携 | ASKUL Transformation with Digital
参考:LOHACO – ヘルプ・お問い合わせ
AIチャットボットは業務改善に役立つツール
本記事では、AIチャットボットのメリットや活用事例について解説しました。
AIチャットボットの技術は進化を続け、さらに多岐にわたる分野での活用が見込まれます。AIチャットボットの自然な対話能力と回答の迅速さは、業務を一新する可能性を秘めています。
AIチャットボットを活用して、問い合わせ対応の業務改善を図りましょう。