AIとIoTの違いとは?どのような活用事例がある?

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「IoTとAIの違いは?」
「IoTとAIを導入するにはリスクがある?」

AIとIoTは、近年注目されているテクノロジーです。しかし、それぞれの定義や特徴、そしてどのように組み合わせて利用できるのか、正しく理解している人は少ないのではないでしょうか?

本記事では、AIとIoTの違いと、それらを活用した事例を紹介します。

目次

IoTとは

IoTとは

IoT、または「モノのインターネット」とは、さまざまなデバイスやセンサーがインターネットに接続され、データを収集・交換する技術のことを指します。簡単に言えば、IoTは私たちの身の回りのモノ(例:冷蔵庫、エアコン、車など)がインターネットにつながり、情報を送受信できる技術と考えると良いでしょう。

IoTを活用することで、たとえば家庭では自宅のエアコンを外出先からスマートフォンで操作できるようになります。

また、工場などにおいては、IoTセンサーを設置することで機械の状態をリアルタイムでモニタリングするなどが可能となるのです。

IoTのメリット

まずは、IoTを活用することでどのようなメリットがあるのかを解説します。

データ収集の自動化

さまざまなセンサーやデバイスが自動的にデータを収集し、それをクラウドに送信します。これにより、人手を介さずにリアルタイムに情報を収集できます。

リアルタイムでの情報共有

IoTデバイスが収集したデータは、インターネットを通じて即座に共有されます。

これにより、遠隔地からでも現場の状況を把握し、迅速な対応が可能となります。

効率的な資源管理

IoTのセンサーでエネルギーや水などの資源の使用状況を見える化することで詳しい使用量が把握できます。これにより、費用の削減につなげることも可能です。

たとえば、農業分野では、センサーを使って土壌の湿度を測定し、必要な時だけ水を供給するようなスマート農業が実現できます。

IoTのデメリット

今度は、IoTのデメリットを解説します。

セキュリティリスクの増加

多くのデバイスがインターネットに接続されることで、それらのデバイスがサイバー攻撃の対象となるリスクが増加します。

端末の脆弱性が悪用されたりすることで、不正アクセスやデータの漏洩などのセキュリティ問題が発生する可能性もあるため注意が必要です。

データの過剰収集

IoTデバイスはカメラやセンサーを用いて大量のデータを収集できるのですが、必要以上の情報が蓄積されることも考慮する必要があります。必要以上のデータが蓄積されることで、管理や分析が複雑化する可能性があります。

とくに、写真をはじめとする「個人情報」に関連するようなデータの収集には細心の注意を払う必要があることを忘れないようにしましょう。

インフラのコスト

IoTを導入するためには、センサーやデバイス、通信インフラなどの設備投資が必要です。初期導入の際のコストが高額となることはもちろんのこと、ネットワークや機器のメンテナンスといった維持コストが必要であることを念頭に置く必要があります。

AIとは

AIとは

AIは日本語で「人工知能」と呼ばれており、コンピュータが人間のように思考や学習をする技術のことを指します。

簡単に言えば、AIはコンピュータに「考える力」を持たせる技術と考えると良いでしょう。

たとえば、私たちが写真を見ると、その中にいる人や物体を自然に認識しますが、AIを使うとコンピュータも同じように写真の中の人物や物体を認識させることが可能です。

また、大量の過去データからパターンを見つけ出し、未来を予測することもできます。

AIのメリット

AIは何十年も前から研究されてきましたが、ここ10年ほどでビジネスに活用できるとして加速度的に注目を浴びてきています。AIのメリットを解説します。

大量のデータ処理の高速化

人間が手作業で行うデータの分析や処理には時間がかかりますが、AIを使用すると短時間で大量のデータを処理することが可能です。

人よりも早い処理を実現することで、より迅速な意思決定が実現できます。

予測分析の精度向上

AIは過去のデータから学習し、未来の出来事やトレンドを予測することもできるのです。身近なところでは天気予測にAIが活用されており、降水予測精度が90%以上とも言われています。

未来の売上予測や顧客の購買傾向をより正確に把握することが可能になると、よりビジネスの精度を高めることができます。

自動化による業務効率化

これまでは人の手で実施していたような面倒な業務も、内容によってはAIに任せられるようになります。

AIに作業を任せることで、業務効率の大幅な向上も見込めます。

AIのデメリット

もちろん、AIにはデメリットもあります。AIが広く使われるようになった今、デメリットの部分も把握しておく必要があるでしょう。

ブラックボックス問題

AIはさまざまな場所で適用できますが、実際にAIがどのように判断や予測を行っているのか、そのプロセスが不透明なのです。

このような「説明できない状態」を「ブラックボックス」と呼びます。

プロセスが見えないため、AIの判断が正確であるのか、なぜその結果になったのかを知ることはできません。

そのため、AIの出す答えが「本当に正しい」のかを判断するためにはそれ相応の知識が求められることに注意しましょう。

倫理的な課題

AIが人間のように判断や行動をする際には、倫理的な問題が生じる可能性があります。

AIには、感情や倫理観は存在しません。単に蓄積されたデータから答えを導き出す能力しかないのです。

そのため、場合によっては、倫理観を無視した結論を出すこともあるでしょう。また、明らかに誤った答えを提示する危険性も考慮しなければなりません。

たとえば、ChatGPTをはじめとする生成AIは、大半の場合で正確な情報を提供します。しかし、存在しない情報を実在するかのように提示することもあるのです。

このような現象は「ハルシネーション」と呼ばれ、嘘の情報拡散や誤情報による問題を引き起こす可能性があります。

そのため、AIを利用する上で、倫理的な課題に十分に配慮する必要があると言えるでしょう。

高額な導入コスト

AIを導入するためには、高性能なコンピュータが必要であり、また「データサイエンティスト」や「機械学習エンジニア」といったエンジニアの採用が必須となるため、初期投資が非常に高額になります。

とくに、独自のAIを構築しようと考えた場合には非常に高いコストが必要であるということを忘れないようにしましょう。

IoTとAIの違い

IoTとAIの違い

IoTもAIも、それぞれが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の中核技術として注目されている一方で、その実態はまったく異なるものです。

IoTは「データの収集と共有」に特化した技術であり、物理的なデバイスをデジタルネットワークに接続し、情報を収集・共有するのが目的です。対照的にAIは、「データの解析と予測」を中心として機能します。

高性能なAIシステムを構築するには、大量のデータが必須です。そのため、IoTはこれまで測定できなかった多種多様なデータを効率よく収集する役割を果たしています。

したがって、IoTとAIを組み合わせれば、データの収集から解析、さらにはアクションまでの一連のプロセスを自動化する可能性が高まります。

IoTとAIを組み合わせることによる効果

IoTとAIを組み合わせることによる効果

2つを組み合わせることで、ビジネスの効率化や新しい価値の創出も夢ではありません。

ここでは、IoTとAIの組み合わせによる主な効果を詳しく解説します。

ビジネスプロセスの自動化

IoTとAIを活用することで、ビジネスプロセス(業務)の自動化が実現できる例を2つ紹介します。

工場の自動化

工場や製造現場では、IoTデバイスがリアルタイムでデータを収集し、その情報はAIによって解析されます。

その結果、生産の効率化や品質向上が可能となります。

さらに、機械の状態を継続的に蓄積することで、故障の予防や早期のメンテナンスが行える場合もあるでしょう。
このような取り組みによって、ダウンタイムの削減が見込まれ、結果として高い生産性が実現する可能性が高まります。

在庫管理の効率化

小売店などの倉庫にIoTセンサーを設置することで、在庫の実態をリアルタイムで把握できるようになります。

さらに、AIを用いて需要予測を行うことで、適切な在庫量を維持することも可能です。

正確な需要予測が実現することで、過剰在庫や品切れによる機会損失のリスクを低減することが可能になります。

ビッグデータの活用と分析基盤の構築

IoTにより収集されたさまざまなデータを蓄積することで、「ビッグデータ」として活用できます。

IoTデバイスから収集された顧客の行動や購買データをAIで分析することで、顧客の購買傾向や好みを詳しく把握することが可能です。

これにより、マーケティング戦略や商品開発の方向性を決める要素として活用が期待できるでしょう。

また、データをさらに蓄積することで、これまでは気づかなかった市場のニーズや新しいビジネスの機会を創出できるかもしれません。

カスタマーエクスペリエンスの強化

IoTとAIのデータ分析を活用して、顧客のニーズや要望を正確に把握できます。

常に身に着けているスマートウォッチや自宅に設置しているスマートスピーカーをはじめとするスマート家電は、「その個人」を正確に分析するための最高の存在と言えます。

顧客の過去の購買履歴や好みと個人の情報を組み合わせることで、AIがパーソナライズされたサービスや商品を提案することが可能です。これにより、顧客満足度の向上が見込めます。

IoTとAIを導入する際に考えるべき課題とリスク

IoTとAIを導入する際に考えるべき課題とリスク

技術の導入は大きなメリットをもたらす一方で、いくつかの課題やリスクも伴います。

セキュリティのリスク

便利な技術はセキュリティのリスクと隣り合わせと言っても過言ではありません。とくに、被害が大きいものを紹介します。

情報漏洩のリスク

IoTデバイスやAIシステムが不正アクセスやハッキングを受けた場合には、多くの情報漏洩が発生するリスクが存在します。

サイバー攻撃の対象となる可能性

IoTデバイスはインターネットに接続されているため、外部からのサイバー攻撃の対象となる可能性があります。たとえば、DDoS攻撃やマルウェアの感染など、さまざまなサイバー攻撃のリスクが考えられます。

とくに、個人情報に相当する情報を取り扱っている場合には、悪意のある第三者に狙われやすくなりますのでとくに注意が必要です。

インフラ整備の課題

いくら素晴らしい技術だと言っても、導入のスタートラインに立つにはさまざまな課題があります。

高額な初期投資

前述のとおり、IoTもAIも初期投資が高額になることが予想されます。

IoTとAIの両方を導入すると割安になる、ということもありませんので、相応のコストが必要であることに留意する必要があります。

既存システムとの互換性

新たに導入するIoTやAI技術と、企業がすでに使用しているシステムやソフトウェアとを組み合わせて使用したい、と考えることが多いことでしょう。

その際、システム間の互換性を確保することを忘れてはいけません。

既存のシステムとの連携やデータの統合をスムーズに行うための対策や改修が必要となる場合もあるため、導入前に全体像を正しく把握しておくことが重要です。

IoTとAIの活用事例

IoTとAIの活用事例

実際のビジネス現場でのIoTとAIの活用事例をいくつか紹介します。

Alexaを活用したスマートホーム

最も身近なIoTと言えばスマートスピーカーでしょう。

Amazonの音声アシスタント「Alexa」は、スマートホームの中心として多くの家庭で利用されています。

スマートスピーカーに話しかけることで、その音声がAIで認識され、さまざまな操作の起点となります。

今日の天気を聞くだけでなく、ニュースの読み上げや家電の操作などが可能です。

クボタのインフラ向けソリューション

トラクターをはじめとするさまざまな農機具を販売する株式会社クボタは、農業やインフラ整備に関するさまざまなソリューションを提供しています。

同社の提唱する「スマート農業用水管理システム」では、ダムや農業用水、水田などにIoT機器を設置し、水位を計測することで適切な排水量の制御が可能です。

稲作において水量の調節は非常に重要とされています。水田に流入する水の量をこまかく調整することで、よりおいしいお米が提供できるようになることでしょう。

参照: クボタの公式サイト

入居者を見守るマンション「サンミットひたち野東 ステーションフロント」

不動産業者であるサンヨーホームズは、シニア向けの分譲マンションである「サンミットひたち野東 ステーションフロント」を提供しています。

このマンションは、シニア層を中心とした入居者の安全と快適な生活をサポートするための施設として設計されているのが特徴です。

本マンションは高齢者向けであることを謳っており、AI・IoT技術を活用した「見守りサービス」を提供しています。

入居者の生活リズムや健康状態をAIで分析し、異常が検知された場合にはスタッフや家族に通知するシステムが導入されているため、入居者も家族も安心して暮らせます。

参照: サンヨーホームズの公式リリース

IoTとAIで次世代の価値提供を

IoTとAIで次世代の価値提供を

現代のビジネス環境は、IoTやAIといった先進技術の導入によって、急速に変化しています。これらの技術は単なるツールではなく、新しい価値を生み出すキーとなる要素です。

IoTとAIの技術は、今後も進化を続けることでしょう。その進化の中で、経営者や役職者は、これらの技術をどのように活用し、どのような新しい価値を提供するかが重要な課題となります。とくに、競争が激化する現代のビジネス環境では、単に既存の方法を継続するだけではなく、新しいアプローチや解決策を模索することが求められます。

次世代のビジネスモデルやサービスの提供を目指し、顧客のニーズに応じた価値提供を追求しましょう。これにより、企業は持続的な成長を達成し、顧客との強固な関係を築くことができるでしょう。IoTとAIの組み合わせは、そのための強力な武器となること間違いありません。

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