AI音声認識サービスは、人間の声をコンピュータに解析させ、テキストデータに変換する技術です。
近年のAI技術の発展とともに、急激に音声認識精度が高まり、ビジネスシーンでも広く活用されるようになりました。
本記事では、AI音声認識サービスの概要やメリットと、目的別のおすすめAI音声認識サービス17選、比較する際のポイント・選び方について詳しく解説します。
AI音声認識サービスとは?
AI音声認識サービスとは、人間の声をコンピュータに解析させ、テキストデータに変換する技術です。
近年のAI技術の発展とともに、急激に音声認識精度が高まり、ビジネスシーンでも広く活用されるようになりました。
身近なものではiPhoneのSiriやAndroidのGoogleアシスタントなどといったスマートフォンにも標準で搭載されています。
AI音声認識サービスの主な機能
AI音声認識サービスの主な機能として、以下があげられます。
- テキスト変換
- テキスト翻訳
- ユーザー語彙
- 音声記録・再生
- コマンド
【テキスト変換】
音声認識サービスの基本的な機能の一つで、ユーザーが話す言葉や会話文をリアルタイムでテキストデータに変換します。これにより、手書きやキーボード入力の手間を省き、迅速な文字起こしを実現できます。
【テキスト翻訳】
ユーザーの話し言葉を指定された言語に即座に翻訳する機能です。例えば、外国語の会話やビジネスミーティングでのコミュニケーションをサポートするために使用されます。
【ユーザー語彙】
特定の業界や分野でのみ使用される単語や専門用語を、システムの語彙データベースへカスタムで追加できる機能です。これにより、特定のニーズや要件に合わせて音声認識の精度を向上させることが可能です。
【音声記録/再生】
音声認識に使用した音声は自動的に記録されるため、テキスト化されたデータを、音声をもとに修正・調整する際に役立ちます。
【コマンド】
一部の音声認識ツールは、ソフトウェアの操作まで音声で行えるように設計されています。例えば、ソフトウェアの起動や終了、ドキュメントの保存、さらにはフォントの変更など、様々な操作を音声コマンドで実行することが可能です。
AI音声認識サービスをビジネスに活用するメリット
AI音声認識サービスをビジネスに活用するメリットは多くありますが、その中から2つのメリットをご紹介します。
業務効率化できる
AI音声認識サービスの導入は、ビジネスのさまざまな場面での業務効率化に繋がります。特に、これまで手動でタイピングを行っていたタスクの自動化に効果的です。
例えば、AI音声認識サービスを使用した、会議や打ち合わせでの発言内容の文字起こしです。議事録の作成作業の手間が大幅に短縮されるため、事務作業の負担を軽減できます。
また、カスタマーサポートの分野では、AI音声認識を活用したチャットボットによる顧客対応が進んでいます。オペレーターの業務負担を減らせるため、迅速かつ効率的なサービス提供が可能になります。
人的ミスを軽減できる
AI音声認識サービスの導入は、データ入力や文書作成などの単純な作業において、人間の疲れや集中力の低下から生じるミスを防ぐ助けとなります。
さらには、音声を直接テキスト化することで、誤入力や誤植の可能性も低くなります。
自動では取得しにくい特定の業界用語や専門用語に関しても、カスタム語彙の追加機能を活用することで、正確なテキスト変換ができます。これにより、作業の質を向上させると同時に、後からの修正や確認作業の時間短縮にもつながります。
AI音声認識システムの活用シーン
続いて、AI音声認識システムの具体的な4つの活用シーンを紹介します。
コールセンターやヘルプデスクの電話応対の自動化
コールセンターやヘルプデスクは、企業と顧客との直接の接点となる重要な部門です。近年のAI音声認識技術の進化により、これらの部門での電話応対を自動化する取り組みが進められています。
自動化の最大のメリットは、オペレーターの作業負荷の軽減と、24時間365日の対応が可能である点です。
AI音声認識を活用することで、顧客からの問い合わせ内容をリアルタイムでテキスト化し、適切な応答を自動で生成することができます。また、頻繁に発生する問い合わせに対しては、AIが自動で回答することで、オペレーターの負担を大幅に削減することが可能です。
さらに、AIにとっても、過去の応対履歴やデータを学習することで、より精度の高い応答を行うことができるようになります。これにより、顧客満足度の向上や、オペレーターの教育・トレーニングの効率化など、ビジネスの質的な向上を実現することが期待できます。
音声による機器の起動・操作指示
音声による機器の操作の一般化によって、近年ではスマートホームの照明からエアコン、テレビなどの家電まで、音声指示だけで操作が行えるようになってきました。
さらに、車のカーナビや音楽の操作も、運転中に手を離すことなく音声だけで行えるように進化しています。
このように、音声による指示だけで機器の操作を行えることは、特に手を使えない状況・身体を動かせない状況・画面を見れない状況などにおいて便利です。
ビジネスの現場で応用すると、作業中に手が塞がっている場面やデバイスの操作が困難な状況でも、音声だけでのデータ入力や機器操作ができるようになります。それまで機器の操作に別途人員を割いていた場合、削減できるケースもあります。
会議の議事録の自動作成
AI音声認識システムの活用により、会議の議事録作成を自動化するケースが増えてきました。
従来の会議の議事録作成は、専任の書記による文字起こしが必要でしたが、AI音声認識を導入することにより、人員や手間を大幅に減らすことが可能になりました。
具体的な活用方法としては、会議の際に音声認識システムを使用し、参加者の発言をリアルタイムでテキスト化していきます。システムによっては、それぞれの人物の声を識別し、発言者ごとに議事録を整理することも可能です。
口語表現や専門用語が多く含まれる会議シーンであっても、ユーザー語彙を持つシステム等を利用することで、より正確で読みやすい議事録の作成も目指せます。
多言語通訳・翻訳
グローバル化が進む現代社会において、日本語以外でコミュニケーションを取らなくてはいけないシチュエーションも多いですが、そのような際にもAI音声認識技術は活用されています。
音声翻訳機のトップシェアを誇る「ポケトーク」では、最大70言語間での翻訳が可能です。これにより、従来通訳を通して行っていた多言語間コミュニケーションが、通訳なしで実現できるようになりました。
また、対面のシーンだけでなく、Web会議でもこのような多言語通訳・翻訳システムは対応してきています。国際的なビジネスミーティングなどでも、言語の壁を感じることなくスムーズなコミュニケーションが実現されつつあります。
コールセンター・ヘルプデスク向けAI音声認識サービス4選
サービス名 | 対応言語 | 料金 | 主な特徴 | 対応OS |
---|---|---|---|---|
IBM Watson Speech to Text | 多くの言語に対応 | 1ヶ月500分まで無料 | 高度なAI技術を活用と高い音声認識精度 | 多くのシステムに対応 |
YOMEL for コールセンター | 日本語 | 15,000円 /席〜 | リアルタイムでのテキスト化 | 多くのシステムに対応 |
AI Dig | 日本語 | 初期費用30万円月額費用40万円〜 | センター情報の効率的共有 | 多くのシステムに対応 |
Nuance | 多くの言語に対応 | 要問い合わせ | 医療分野に特化 | 多くのシステムに対応 |
ここではコールセンターやヘルプデスク向けに開発されているAI音声認識サービスを4つ紹介します。以下でそれぞれのサービスを詳しくみていきます。
IBM Watson Speech to Text
IBM Watson Speech to Textは、IBMの先進的なAI技術「Watson」を活用した音声認識サービスです。音声データをテキストデータに自動で変換することが可能です。
特徴
IBM Watson Speech to Textの特徴は、高度なAI技術を活用することで音声認識の精度を高めている点です。繰り返し使用することで、特定の分野や業界独自の言語や声の特性に適応するトレーニング機能を搭載しています。
さらに、話者識別の機能も備わっているため、複数の人が同時に話している会話でも、それぞれの話者の発言を正確に区別してテキスト化することができます。
主な機能
IBM Watson Speech to Textの機能は以下の通りです。
- 音声認識モデルのトレーニング
- 話者識別
- カスタマーケアに特化したモデル
料金
費用は無料プランから用意されており、1ヶ月500分までは無料で利用できます。有料プランの「plusプラン」では、使用時間が0〜999,999分の場合、1分あたり0.02米ドルかかります。1,000,000以上の場合は、1分あたり0.01米ドルとなっています。それより上の上位プランの場合は要問い合わせです。
YOMEL for コールセンター
「YOMEL for コールセンター」は、コールセンターに特化した音声認識システムであり、議事録の自動作成も可能です。
同サービスの特徴は、会話内容をリアルタイムでテキスト化し、議事録として保存することができる点です。話す速度や内容、顧客への質問対応をオペレーターが画面で確認できるため、オペレーターの教育時間を減らすことにも役立ちます。
主な機能
- オペレーターの対応ログの自動管理
- 会話をリアルタイムでテキスト化
- 全自動議事録 / 半自動議事録
- 全オペレーターの会話をリアルタイムチェック
- 応対記録の全文検索
- あいづちチェッカー
- ミラーリング(話速)チェッカー
- NGワード通知
- 個人情報自動マスク
- カウンタートーク
料金
YOMEL for コールセンターの料金は、席数によって変動し、以下の通りとなっています。
- 1〜20席:15,000円 / 席
- 21〜50席:13,000円 / 席
- 51〜100席:11,000円 / 席
- 101〜200席:10,000円/席
- 201〜500席:9,000円 / 席
- 501席〜:8,000円 / 席
AI Dig
AI Digは、電話での応対中に任意のやり取りをリアルタイムにテキスト変換し、顧客からの質問に対する回答候補をAIが推測することで、オペレーター業務を支援するサービスです。
特徴
AI Digの特徴は、センターに蓄積された情報を効率的に共有・有効活用できる点です。また、在宅コンタクトセンターにも最適で、オペレーターの応対品質維持と教育にも利用可能です。さらに、AI Digは運用しながら学習するので、使用する期間が長くなるほど検索精度が上がります。
主な機能
- 通話内容のリアルタイムテキスト化
- 回答候補の検索/評価
- 一問一答形式での回答候補の表示
- 関連性の高い回答を確信度と共に表示
- リアルタイムに任意の通話内容をテキスト化
- 音声認識結果編集機能
料金
AI Digの費用は、初期費用が30万円、月額費用は40万円以上となっています。また、本番導入までに時間をかけて検証したい企業のための「2か月検証パッケージ」が150万円〜の価格で提供されています。
Nuance
Nuanceは、2022年3月にMicrosoft傘下となったAI音声認識サービスです。
特徴
Nuanceは医療分野での使用に特化しており、医師が患者の診断や治療計画を作成する際に使用されています。
主な機能
- 音声認識
- 自然言語理解
- 対話管理
- 音声合成
料金
Nuanceの費用は、要問い合わせとなっています。
音声による機器の起動・操作指示のためのAI音声認識サービス3選
ソフト名 | 対応言語 | 料金 | 主な特徴 | 対応OS |
---|---|---|---|---|
Alexa | 英語・日本語等 | 無料 | Amazonデバイスに対応 | Fire OS |
Siri | 英語・日本語等 | 無料 | Appleデバイスに対応 | iOS・macOS |
Googleアシスタント | 英語・日本語等 | 無料 | Androidデバイスに対応 | Android |
ここでは音声による機器の起動や指示操作向けに開発されているAI音声認識サービスを3つ紹介します。以下でそれぞれのサービスを詳しくみていきます。
Alexa(アレクサ)
AlexaはAmazonが提供する音声アシスタントです。ユーザーは音声でAlexaに指示を出すことで、さまざまなタスクを実行させることができます。
特徴
Alexaの特徴は、音声での指示に応じて様々な機器の操作を行える点です。例えば、Alexa対応のスマートホームデバイスであれば音声だけで自由に操作できます。また、Amazonが公式で提供している音声認識サービスであるため、Amazonのショッピングリストの作成や商品の検索、注文などが音声だけで行えます。
主な機能
- 時間の確認
- 買い物リストの追加
- リマインダーの設定
- 音楽の情報確認
- スマートホーム制御
- 通知の確認
- 目覚ましの設定
- セール情報の確認
料金
AlexaはAmazonが販売しているガジェットに内蔵されているAIであるため、Alexaのシステムだけを購入することはできません。最も安くAlexaを利用できるデバイスとしては、Amazon Echo Dotがあり、通常価格7,480円から購入できます。
Siri(シリ)
Siriは、Appleが提供する音声認識をベースとしたAIです。ユーザーは声だけで様々なタスクを実行でき、日常のさまざまな場面でのサポートを受けることができます。
特徴
Siriの特徴は、Apple製品であるiPhoneやMacの操作をユーザーは声だけで行えるようになる点です。これにより電話をかけたり、メッセージを送ったり、アプリを使用したり、とさまざまな作業を声だけで行えるようになります。
主な機能
- 通話やメッセージの自動発信
- ナビゲーションやマップの操作
- 音楽やポッドキャストの音声操作
- テレビや映画の音声での検索
- アラームの設定やリマインダーの追加
料金
Siriの費用は、Appleのデバイスに組み込まれているため、追加の費用は発生しません。手持ちのiPhoneやMacを通してSiriが利用できます。
Googleアシスタント
Google アシスタントは、Googleが提供するユーザーの日常生活をサポートするための音声アシスタントサービスです。
特徴
Googleアシスタントの特徴は、リアルタイムの音声に対応している点で、例えば「OK Google、テンション上がる曲をかけて」と話しかけるだけで音楽の再生が可能です。
また、多様なデバイスに対応しており、AndroidスマートフォンのようなGoogle アシスタントが搭載されたデバイスであればどんなデバイスからでも利用できます。
主な機能
- 音声検索
- リマインダーの設定
- アラーム・タイマーの設定
- カレンダー管理
- 天気情報の取得
- 音楽再生
- スマートホーム制御
料金
GoogleアシスタントはAndroidが搭載されたデバイスであれば無料で利用することができます。また、アプリをインストールすることでiPhone等AppleデバイスからでもGoogleアシスタントの利用は可能です。
議事録作成のためのAI音声認識サービス3選
サービス名 | 対応言語 | 料金 | 主な特徴 | 対応OS |
---|---|---|---|---|
AI議事録取れる君 | 125か国語 | 要問い合わせ(法人) | 自動文字起こし, AI自動要約 | macOS / Windows / Linux |
ZMEETING | 日本語、英語、簡体中国語、繁体中国語、韓国語 | 要問い合わせ | 音声認識率90%以上 | Windows / macOS / ブラウザ |
スマート書紀 | 日本語、英語 | 月額30,000円〜 | 録音・議事録エディタ | Windows / macOS / iOS / Android |
ここでは音声による議事録作成のために開発されているAI音声認識サービスを3つ紹介します。以下でそれぞれのサービスを詳しくみていきます。
AI議事録取れる君
「AI議事録取れる君」は、AIを活用して音声を即座に文字起こしし、Web会議に活用できる議事録サービスです。
特徴
AI議事録取れる君の特徴は、AIによる自動文字起こし機能が搭載されている点です。マイクからの音声をAIが即座にテキスト化するため、議事録作成の効率化に役立ちます。
また、AIによる自動要約機能も備わっており、 文字起こしが終了すると、テキストをAIが解析して小見出しと箇条書きの要約を自動的に作成します。
主な機能
- 自動文字起こし
- AI自動要約
- Zoom連携、Microsoft Teams連携
- ファイル取込
- 単語登録
- 翻訳
料金
AI議事録取れる君の法人利用での費用は、要問い合わせとなっています。個人利用の場合は一ヶ月あたりの収録時間が3時間までのPersonalプランであれば980円、収録時間が無制限のUnlimitedプランは要問い合わせです。
ZMEETING
ZMEETINGは、国立研究開発法人産業技術総合研究所発のベンチャー企業である、Hmcomm株式会社が開発したAI議事録作成ツールです。
特徴
ZMEETINGの特徴は、音声認識率が90%以上と高い認識率を誇り、スムーズな議事録作成が可能なことです。リアルタイムでの音声認識結果の確認や多言語翻訳も行なえます。
主な機能
- 自動文字起こし
- フィラー除去
- 辞書登録
- 音声ファイルテキスト化
- 多言語翻訳
- 議事録清書機能
料金
ZMEETINGの費用は要問い合わせとなっています。
スマート書記
スマート書記は、音声とAIを活用したAI議事録サービスです。高精度の音声認識とAIアシストを使用して、録音からの自動文字起こしや自動要約が行なえます。
特徴
スマート書記の特徴は、ZoomやMicrosoft Teams、Google Meet、Cisco Webexなどのツールと連携せずに音声を簡単に録音できることです。また、録音、メモ、再生、清書などの一連の流れがスマート書記の一つの画面だけで行なえます。
主な機能
- 録音
- 議事録エディタ
- 自動文字起こし
- AIアシスト(自動要約)
- 音声・動画のアップロード
- 用語登録
- フィラー除去
- 自動話者分離
- タイムスタンプ
料金
スマート書紀の費用は、基本使用料が月額30,000円からですが、基本的には利用人数に合わせて見積もりが必要です。
多言語通訳・翻訳のためのAI音声認識サービス5選
システム名 | 対応言語 | 料金 | 主な特徴 | 対応OS |
---|---|---|---|---|
Speech-to-Text | 125言語以上 | $0.024/分 (60分超) | クラウド、オンプレミス対応 | 様々なシステムに対応 |
KOTOBAL | 31言語 | 要問い合わせ | 自治体や行政の窓口業務特化 | タブレット |
Wordly | 26言語 | 要問い合わせ | 26言語への同時通訳 | ブラウザ |
ハンズフリー多言語音声会話システム | 12言語 | 要問い合わせ | 医療特化翻訳エンジン | 様々なシステムに対応 |
ポケトーク | 多言語対応 | 14,850円(税込み) | スマホアプリやPCアプリ提供 | 専用端末 / Windows / macOS / iOS / Android |
ここでは多言語通訳や翻訳向けに開発されているAI音声認識サービスを5つ紹介します。以下でそれぞれのサービスを詳しくみていきます。
Speech-to-Text
Speech-to-Textは、Googleが提供している音声を正確にテキストに変換するサービスです。125以上の言語や言語変種の音声を、テキストに変換することができます。
特徴
Speech-to-Textの特徴は、クラウド、オンプレミスの両方に対応している点です。場所を選ぶことなくSpeech-to-Textを実行し、音声認識の運用が可能です。
主な機能
- 音声適応
- 分野固有モデル
- オンデバイス音声
- ノイズ耐性
- コンテンツフィルタリング
料金
Speech-to-Textの費用は、使用量に応じて変動します。具体的な料金は、使用モデルによっても変化しますが、標準モデルの場合、月に60分を超えた分を$ 0.024 / 分として算出されます。
KOTOBAL
KOTOBALは、窓口業務向けの多言語通訳サービスです。自治体や行政の窓口業務に特化しており、窓口業務での使用に最適です。また、AIだけでなく専門知識が豊富なオペレーターを介したビデオ通訳のサービスも提供しているため、AIだけでは不安なシーンにも役立ちます。
特徴
KOTOBALの特徴は、瞬時に翻訳されるAI機械通訳を使用して、31の言語に対応している点や、タブレット端末から操作できる誰でも使いやすいシンプルなUIを備えている点です。
主な機能
- 31言語に対応
- 自治体や行政の窓口業務に特化した翻訳機能
- タブレットから操作可能
料金
KOTOBALの費用は要問い合わせとなっています。
Wordly
Wordlyは、複数の言語をリアルタイムで同時通訳することができるAI音声認識サービスです。
特徴
26の言語に対応しており、24時間365日いつでも通訳が可能です。また、人名や製品名などの固有名詞を辞書に登録することで、通訳の精度を向上させることができます。専用アプリは不要で、ブラウザから利用できるので導入する手間も最小限で利用できます。
主な機能
- 26言語への同時通訳
- 会話の文字起こし
- 専用のカスタム辞書
料金
Wordlyの費用については要問い合わせとなっています。
ハンズフリー多言語音声会話システム
Fujitsuが提供しているハンズフリー多言語音声会話システムは、ハンズフリーでの翻訳を可能にするサービスです。
特徴
ハンズフリー多言語音声会話システムの特徴は、Fujitsuが独自に研究開発したハンズフリー技術を使用している点で、これにより少ない端末の操作だけで多言語翻訳が行えるようになっています。
主な機能
- 12か国語対応
- 指向性マイクで話者の位置を認識
- 高精度な音声認識
料金
同システムの費用は、要問い合わせとなっています。ただし、14日間の実機による無料トライアルが実施されているため、導入を検討している場合はまずは無料トライアルに申し込みを行うと良いでしょう。
ポケトーク
ポケトークは相手の言語を話せない人同士の会話を可能にする通訳ツールです。
特徴
ポケトークの特徴は、その名の通りポケットに入る程度の小さなデバイスながら、効果的な外国語の学習にも利用できる音声認識機能を備えているところです。海外旅行から語学学習、リモート会議など様々なシチュエーションで使用されています。
主な機能
- 会話のリアルタイム翻訳
- 外国語の発音チェック
- 多言語対応
料金
ポケトークは基本的にはデバイスを購入して使用する方法が一般的な使い方です。最安値の「ポケトークW」の場合、14,850円(税込み)で購入できます。
また、デバイス以外にもiPhone・Androidに対応したスマホアプリやWindows・Mac用のPCアプリも提供されており、アプリのダウンロードは無料で行えます。
開発者向けのAI音声認識サービス2選
サービス名 | 対応言語 | 料金 | 主な特徴 | 対応OS |
---|---|---|---|---|
Voicetant | 44言語 | 要問い合わせ | 雑音に強い「AmiVoice」を採用 | 様々なシステムに対応 |
AmiVoice Cloud Platform | 日本語・英語・中国語 | 要問い合わせ | クラウド・オンプレミスに対応 | 様々システムに対応 |
ここでは開発者向けに開発されているAI音声認識サービスを2つ紹介します。以下でそれぞれのサービスを詳しくみていきます。
Voicetant
Voicetantは、音声による操作・入力を可能にするソフトウェアです。音声での作業指示と音声入力を実現する「Voicetant Recorder」とExcelの音声入力対応を実現する「Voicetant Writer」の2種類あります。
特徴
Voicetantの特徴は、Voicetant RecorderとVoicetant Writerのいずれも雑音に強い「AmiVoice」を採用した音声認識エンジンを使用している点です。雑音が入りがちな作業環境においても、正確な音声入力や音声指示が行えます。
主な機能
- 音声入力
- ユーザー辞書登録
- 音声ガイダンスで入力説明
- 外部アプリケーション起動
- バーコードリーダー/RFIDリーダーとの連携
料金
Voicetantの費用は、両製品ともに要問い合わせとなっています。
AmiVoice Cloud Platform
AmiVoice Cloud Platformは、AI音声認識技術を利用して、実装するためのAPI等を提供するプラットフォームです。機械学習の専門知識がなくても、高性能な音声認識技術をアプリケーションに組み込むことができます。
特徴
AmiVoice Cloud Platformの特徴は、音声のテキスト化や音声入力のほか、音声感情解析機能も提供されていることです。また、クラウドやオンプレミスなど、さまざまな環境へのデプロイが可能です。
主な機能
- 共用サーバー利用
- 専用サーバー構築
- 端末組み込み
料金
AmiVoice Cloud Platformの費用は要問い合わせとなっていますが、API自体は無料で利用開始できます。
AI音声認識サービスを比較する際のポイント・選び方
多種多様なAI音声認識サービスの中から、自社に適したサービスを選定するためには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。AI音声認識サービスを比較する際のポイント・選び方を5点ご紹介します。
必要な機能の有無を確認する
AI音声認識システムを導入する際は、まずは自社の解決したい目的や課題を明確にすることが大切です。
目的や課題の例として、以下のようなものが挙げられます。
- 会議の議事録を取る人員を削りたい
- 文字起こしを自動化したい
- オペレーター不足の解消
- 顧客の声をテキスト化し分析したい
導入前には必要な機能やサービスの内容を確認し、自社のニーズに合ったAI音声認識サービスを選定することが重要です。
音声認識の精度を確認する
AI音声認識システムを選ぶ際、音声認識の精度も判断基準となります。
特に、会議の議事録の作成やコールセンターなど、正確な情報が求められる場面での利用を考える場合、誤植や誤変換が多いと自社の信用問題に関わってしまいます。
選択する際には、システムのデモやトライアルを利用し、実際の認識精度を確認すると良いでしょう。自社の業務で頻繁に使用するフレーズや専門用語に対する認識精度をチェックすることで、実際の業務での利用時のパフォーマンスを的確に予測することができます。
拡張性の高さを確認する
AI音声認識システムを導入する際は、そのシステムが自社のサービスや業務内容の将来的な変化にも柔軟に対応できるかどうかも確認しておきましょう。
拡張性の高いサービスを選択しておくことで、長期的な利用においても効果的にシステムを活用できるようになります。
拡張性の高さを確認するためには、カスタマイズの容易さや、APIの提供が行われているかどうかをチェックすると良いでしょう。
また、継続的にアップデートや改善を行っているか、ユーザーフィードバックに基づいて新機能を追加しているかといった点も比較しておきましょう。
導入しやすさで選ぶ
IT専門知識が豊富でない企業や人材が限られている企業の場合、導入のしやすさも重要なポイントです。
機能面で万全だとしても、導入する手間が大きいと、かえって業務量が増える恐れがあります。
AI音声認識システムの中には、ブラウザベースで動かせるサービスやタブレット端末から操作できるシステムなど、導入のしやすさを売りにしているサービスも多く存在するので、導入面が心配な企業はそのようなサービスの利用を検討するといいでしょう。
予算にあったサービスを選ぶ
AI音声認識システムは、サービスごとに料金体系が大きく異なります。
海外大手企業のサービスは従量課金が主流であるのに対し、国内のサービスは月額制が多い傾向にあります。また、拡張機能の多いシステムは料金が高めに設定されていることが多く、導入形態(オンプレミスやクラウド)によっても価格が異なる場合があります。
さらに一部のサービスでは、月額費用だけでなく導入時に初期費用がかかるようになっています。
多くのAI音声認識システムでは、料金が要問い合わせとなっているため、まずはサービス内容で良いと感じた複数社に見積もりを出した上で、最終的に機能面と費用面、両方の観点から最適なシステムの導入を決めることをおすすめします。
AI音声認識サービスに関する疑問・Q&A
Q. AI音声認識サービスの課題はある?
AI音声認識サービスの課題の一つとして、背景ノイズの影響があります。認識するべき音声の背景に雑音が多く混じってしまうと、正確に必要な音声だけを認識することは困難になります。
Q. 音声認識の市場規模はどのくらい?
AI音声認識サービスの市場は急速に成長しており、2022年の世界の音声認識市場規模は104億2000万米ドルと評価されています。2023年には126億2000万米ドルに成長すると予測されており、2030年までには596億2000万米ドルに達すると予測されています。
まとめ
AI音声認識技術は、単なる音声でのスマートフォンの操作や家電のコントロールを超えて、現在ではビジネスや学習の様々なシーンでの活用が進んでいます。
本記事ではAI音声認識技術の様々な活用方法を解説した上で、17のおすすめAI音声認識サービスとその特徴、選び方をご紹介しました。
AI技術は、音声認識の分野でもさらなる発展が見込めます。
今後、新しいAI技術を活用した音声認識サービスが登場してくることも期待されているため、情報を常にアップデートし、ビジネスに取り入れましょう。